9月10日〜16日のオーストリアのニュース



9月10日(月)

     国外ニュース

米国は9月11日の攻撃を追悼

火曜日に米国の人々は、2001年9月11日のテロの犠牲者を、黙祷
で追悼する。8時46分の追悼の一分は、テロリストが飛行機を、ニ
ュー ヨークの世界貿易センタービルに激突させた瞬間を記憶によ
みがえらせる。米国大統領ジョージ W. ブッシュは、礼拝に出席す
る方針である。米国議会、ニュー ヨーク、および全土で、記念集
会が予定されている。世界貿易センタービルの2つの高層建築とワ
シントンの国防省に飛行機が攻撃を加えた事件と、4機目の旅客機
の墜落で、3千人近くが死亡した。一方テロ組織網アル カーイダ
は昨日、ウサマ ビン ラーディンの新たな親書を発表する、と予
告した。

     国内ニュース

ブーヒンガーは介護に対する基本的な権利に賛成

社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー(社会民主党)は、介護に
関する基本的な権利に賛成している。「私は介護に関する基本的な
権利は、きわめて重要な社会的基本権の一つであると思う。これは
憲法に記入されるべきである」とブーヒンガーは「ザルツブルク通
信」紙に述べた。介護制度は、適切な生活が送れるように、作られ
ねばならず、請求権が法律的な根拠を持っていると、これがうまく
いく、と彼は述べた。一方国民党の社会福祉の専門家はウェルナー
 アーモンは、ブーヒンガーに対して、特に介護施設の情勢につい
て、毎年報告書を提出するように求めた。ドイツでは連立与党のキ
リスト教民主同盟と社会民主党が、介護の質に関する報告書で「3
分の1の老人が、不適切な介護を受けている」との事態に直面した
ため、介護施設の定期的検査を行なうように求めた。




9月11日(火)

     国外ニュース

ブッシュはペトレイアスのイラク計画を支持

米国政府筋の情報によれば、大統領ジョージ W. ブッシュは今週中
にも、イラクの米軍を2008年中頃までに、約3万人削減する計画
を発表する方針である。部隊の削減計画に加えて、ブッシュは駐イ
ラク米軍の司令官デイヴィッド ペトレイアス将軍の勧告に同調す
る。ペトレイアスは月曜日に、駐留軍の規模を2008年7月まで
に、今年初めまでの水準である約13万人規模へ減らすことを提案
していた。

     国内ニュース

緑の党は議員の非公開会議で攻勢に出る方針

緑の党は水曜日から、ウィーンのオイローパハオスで、2日間にわ
たって議員による非公開会議を行なう。野党である同党は、今後よ
り強く攻勢に出て、政府の「気泡のような政策」を引きずり下ろ
す、と予告した。連立政府は、与党が予告したものの実施に至って
いない約束に対し、一種の開示宣言を行なうように、との動議を緑
の党は出している。今回の会議の重要な論点は、気候保護になる。




9月12日(水)

     国外ニュース

ブッシュはテレヴィ演説でイラクでの方針を説明

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、テレヴィの演説で、今後のイ
ラク政策に関する方針を呈示する方針である。米国政府内では、ブ
ッシュが現地時間21時からの演説の中で、駐イラク最高司令官デ
イヴィッド ペトレイアスの勧告に従い、イラクに派遣する米軍の
人数を2008年までは3万人減らして、13万人に削減すると予想さ
れていた。このようにした場合にはブッシュは、来年中に派兵の完
全終了を求める野党民主党の要求を突っぱねたことになる。ブッシ
ュの予告はおそらく、2009年1月の任期末まで、イラク政策を変
更しないものと見られている。

     国内ニュース

フレットルは2000年には利益を出していた可能性も

オーストリア国立銀行の監査役ヘルムート エットルは、昨日の労
働と経済銀行とのウォルフガング フレットルの業務に関する同銀
行の審理で発言した。「フレットルのだ下損失はきわめて少ない、
との見方が取られていた。彼はひょっとしたら利益をあげているか
もしれなかった」と選っとるはウィーン地方裁判所の労働と経済銀
行裁判で、証人として質問を受けた際に述べた。労働と経済銀行は
1998年から2000年末までに、フレットルとの取り引きで、起訴
状によれば、累積損失が14億4千オイロに達していたのに対し、国
立銀行の監査によれば、フレットルは2000年には利益を出してい
たことになる。




9月13日(木)

     国外ニュース

ブッシュはイラクから米兵5千7百人を撤退させる方針

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、国民にむけた演説の中で、年
末までにイラクから5千7百人の兵士を撤退させる、と予告した。
大統領府の高官が昨日ワシントンでこのように発表した。撤退させ
るのは、ブッシュが1月上旬にイラクへの派兵を強化するために派
遣していた、3万人規模の派兵の一部である、とのことである。そ
の他ブッシュは、イラク市民の所にみずから赴き、国民的な和解を
前進させるように求める意向である。ブッシュはこの演説の中で、
国民に対して今後のイラク戦略を説明する方針である。大統領府の
情報によれば、ブッシュは駐イラク米国上級指揮官デイヴィッド 
ペトレイアスの提案におおむね従うつもりである。ペトレイアスは
米国議会で、3万人規模の部隊を来年7月までに撤退させる、との
提案を行なっていた。ただし彼は、残りの13万人の兵士をどれぐ
らいの期間イランに残すかに関する質問は、すべて答えなかった。

     国内ニュース

クドルスキは処方箋なしでの事後避妊薬にはっきりと反対

厚生大臣アンドレア クドルスキ(国民党)は昨日、女性大臣ドリ
ス ブーレス(社会民主党)の最近の発言に対して、「処方箋なし
での事後避妊薬の導入」をはっきり拒否した。「いわゆる事後避妊
薬は、効果が強く、使用量を精確に計らなければならない薬品であ
るから、専門家の勧告に従うべきで、今後も処方箋なしで販売され
ることはない、と述べた。




9月14日(金)

     国外ニュース

チェーニーはイラクが全面的に無秩序状態になると警告

米国副大統領ディック チェーニーは、米軍がイラクから早期に撤
退しすぎた場合には、イラクが完全な混乱状態に陥る、と警告し
た。イラク軍が情勢を掌握する前に、外国軍が撤退するならば、イ
ラクの穏健な勢力は「壊滅」させられる、とも述べた。対立する勢
力は、一部はイランからの支援を受けるものもあり、撤退すれば戦
争を開始し、血の海が近東全体に拡大することになる、と語った。
また米国の政策を批判する人たちは、部隊をあまりに早く撤退させ
た場合に生じる否定的な結果を、否定するのではなく、無視してい
るだけだ、とも述べた。また彼は、大統領ブッシュ同様に、限定的
な撤兵に賛成である、とも述べた。一方米国防大臣ロバート ゲイ
ツは今年末までにイラクの米軍の兵力を約10万人までに減らすこ
とは可能である、と見ている。

     国内ニュース

労働と経済銀行の損害賠償裁判で労組が控訴へ

オーストリア労働組合連合は、労働と経済銀行の損害賠償裁判で、
ウィーン商事裁判所の判決に反対して、控訴する。報道されている
ように商事裁判所は、労組連合とその負債の持ち株会社AVBの損
害賠償裁判で、同行の元理事長ヘルムート エルスナーおよびヨハ
ン ツウェットラー、その他4人の幹部、また同行の監査役会議長
ギュンター ワイニンガー、さらにもと同労組組合会長フリッツ 
フェアツェトニッチュに対する訴訟を棄却していた。「オーストリ
ア労働組合連合に2007年8月30日に言い渡された判決は、一連の
法律の専門家に、厳密に分析された。この事件の複雑性に鑑みて、
包括的な議論を行なった後、労組連合幹部は控訴することを決定し
た」と昨日金曜日に発表した。




9月15日(土)

     国外ニュース

ギリシアでは国会議員選挙

ギリシャでは日曜日、国会議員選挙が日程を早めて行なわれる。首
相コスタス カラマンリス率いる保守的な新民主党NDは、8月に起
きた66人の死者を出した大規模な森林火災と、救援隊派遣に関す
る激しい政府批判があったため、過半数を取れるかどうか懸念され
ている。対立候補は、野党の全ギリシア社会主義運動PASOKのギ
オルゴス パパンドレウである。51歳のカラマンリスは、2004年
から首相を務めている。980万人ほどのギリシア人が、国会の300
議席の行方をめぐって判断するように求められている。選挙戦は接
戦が予想される。

     国内ニュース

モルテラーは移民問題をめぐる円卓会議に賛成

イスラーム教徒の逮捕の後、燃え上がった移民の社会への組み込み
をめぐる議論で、副首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)は、
円卓会議の開催に賛成した。この会議ではテロ予防の法的な可能性
が検討され、移民の統合にあたってはっきりした規則を確立するも
のになる。統合の前提になるのは、民主主義という基本的な価値観
を受け入れることである、とテレヴィ番組でモルテラーは述べた。
宗教の自由は保証しなければならないが、それを実施するのは別問
題であり、全ての人にあてはまる法的秩序が守られるなら、平和的
な共存は上手く機能する、とも語った。脅迫映像を送りつけ、アル
 カーイダとの連絡を持っているとの容疑で、水曜日に逮捕された
3人のイスラーム教徒は、うち1人が釈放された。容疑事実が十分
ではなかった、とのことである。22歳の主たる容疑者と20歳のそ
の妻は、拘禁が続いている。この夫婦はテロ組織に加わっていた容
疑が持たれている。最高刑は、10年間の拘禁刑である。




9月16日(日)

     国外ニュース

リトヴィネンコ事件の主要な容疑者はロシア議会に立候補

元ロシアの秘密情報部員で、リトヴィネンコ暗殺の主要な容疑者で
あるアンドレイ ルゴヴォイは、国会議員選挙で議席を得る見通し
が高まっている。民族主義者ウラディミール ジリノフスキーは、
英国が殺人者として捜査しているルゴヴォイを、12月に行なわれ
る選挙で、自分の自由民主党LDPRの候補者順位第2位に置く、と
提案した。ジリノフスキーは昨日はこれを認めた、とインターファ
クス通信は伝えている。ロシアの元秘密情報部員で英国国籍を持つ
アレクサンダー リトヴィネンコは、昨年11月に、放射性物質ポ
ロニウム210を盛られて、ロンドンで死亡していた。英国検察は、
ルゴヴォイを主要な容疑者と見なし、5月には彼の引き渡しを要求
していた。ロシア政府は、ルゴヴォイの引渡を拒否し、ロシア国籍
者の引き渡しを禁じる憲法があることを指摘していた。ロシア司法
は、ルゴヴォイに対して刑事訴訟手続きを取るには、証拠が不足し
ている、と発表した。ルゴヴォイは、自分の知人の死にはいかなる
責任もない、と述べた。

     国内ニュース

労働と経済銀行裁判で元職員に質問

労働と経済銀行裁判では今週、木曜日まで証人尋問が続けられる。
今週の裁判は月曜日からウィーン地方裁判所で、以前同行の債券部
長として働き、その後2005年に倒産した米国の株式仲買会社レフ
コ社で働いたトーマス ハックルの事情聴取で始まる。2002年春
から2004年末までレフコ社で働いた後、ハックルはスイスへ移
り、Acies アセット マネイジメント社の資金管理者となった。
起訴されているウォルフガング フレットルの情報によれば、ハッ
クルは労働と経済銀行との取り引きで、主要な交渉相手の1人であ
った。その他月曜日に呼ばれている証人は、労働と経済銀行の職員
エーファ アルブレヒトで、彼女も銀行内部でフレットルとの取り
引きを検証する整理担当の一員であった。火曜日にはオーストリア
労働組合連合会長のルードルフ フンツトルファー、水曜日には彼
の前任者フリッツ フェアツェトニッチュが、証人に呼ばれてい
る。




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