９月２４日〜３０日のオーストリアのニュース
９月２４日（月）
国外ニュース
イラクでは知事と警察署長が襲撃を受け死亡
昨日イラクの都市バァクーバのモスクで自殺攻撃が起き、少なくと
も20人が死亡した。その中にはディヤーラ州の行政と警察の長が
含まれていた。警察の情報によれば、この事件は、首都バグダード
の北東60キロにある同市の中心部にあるシーア派のモスクの中
で、体に巻き付けた爆弾に点火したもので、死者の他に負傷者が
35人発生した。目撃者の話によれば、厳しい安全確保のための予
防措置がとられていたにもかかわらず、この町の高官や、各部族の
指導者が祈祷するために集まったモスクの中に入りこんでいた。死
者の中には同州の州知事アラ ジャワド、警察署長の他、アル カ
ーイダに属するスンニー派のテロリストと戦い、イラク治安部隊と
協力している「救助委員会」議長も含まれていた。
国内ニュース
プラターは飲酒運転の基準を0.5パーミルとは決めていない
飲酒運転への罰の厳格化の議論で、内務大臣ギュンター プラター
は、最後の決定をまだ下していない、と「クライン新聞」のインタ
ヴューで述べた。事故の際に問題となるのは、速度の出し過ぎであ
る、と大臣は強調した。交通大臣ウェルナー ファイマン（社会民
主党）は先週、運転者の血中アルコール濃度が0.5パーミルの上限
を上回った場合に、運転免許を取り消しにするよう、全力をあげ
る、と述べていた。プラターはこのファイマンの提案を、「予期し
ていなかった」と批判し、0.5パーミルと1.6パーミルの飲酒運転
に同じ制裁を与えるかどうか考えてみなければならない、と述べ
た。
９月２５日（火）
国外ニュース
国連はチャドでのEUの活動への委託を採択
国連安全保障理事会は火曜日、スーダンの紛争地域ダルフールの隣
国に対する、EUの平和部隊の活動に賛成する決定を行なった。こ
の決議は全会一致で採択され、中央アフリカ共和国とチャドでは、
警官が一般市民の保護のために貢献することが謳われている。EU
加盟各国の国防大臣は金曜日にブリュッセルに集まり、最大で4千
人の兵士の駐留を認める決定を行なう方針である。国連は最大で警
官3百人、連絡将校および一般市民50人の派遣を行なう。この派遣
は1年間に渡って、国連中央アフリカおよびチャド特命MINURCAT
の枠内で行なわれ、ダルフールから暴力が広がりを見せている両国
の人々に人道的な支援を行なうものである。オーストリア国防軍
は、チャドへの派兵に参加できるかどうかを検討している、と国防
大臣ノルバート ダラボス（社会民主党）はテレヴィ番組で述べ
た。この決定は10月中旬に下される。
国内ニュース
経済相は再職業訓練のための無給休暇への資金を倍増させる方針
ほぼ10年前に導入された職業再訓練のための無給休暇制度が、改
革される。これは経済大臣マルティン バルテンシュタイン（国民
党）が述べたこととして、「シュタンダルト」紙および「プレッ
セ」紙が報じた。中でも支払われる給料は倍増されることになって
いる。バルテンシュタインはこの新たな法律を、今後数日かけて評
価させる方針である。再教育のための無給休暇は現在、1年あたり
1千2百人が請求している。この制度をより魅力ある者にするため
に、再訓練の資金を現在の月額436オイロから、失業給付金同様に
収入に応じた額にすることになっており、平均では月額738オイロ
になる。ただしこの無給休暇を取得するにあたっては、今後も使用
者側の賛成が必要である。
９月２６日（水）
国外ニュース
元アラファトの顧問が毒物で死亡した模様
依然ヤセル アラファトの顧問を務めていたナビル アブ ルデイ
ネフが、アラファトが死亡した時と似たような賞状を起こしてい
る、とイスラーム教徒のインターネット新聞Ynetが昨日、パレス
チナ人のウェッブサイトからの引用として報じた。ロンドンの病院
では、ルデイネフの腎臓が取り出され、彼の姉妹が提供した臓器の
移植が行なわれた。彼の家族はPNNのウェッブサイトに対して、ル
デイネフは回復しており、間もなくパレスチナ人居住地区へ帰国す
る、と発表した。医師は彼の家族に対して、彼は肝臓の機能が低下
しており、毒を盛られた可能性もある、と伝えた。
国内ニュース
国民評議会の秋の会議が始まる
国民評議会は木曜日に、新年度を迎える。議題自体はたくさんない
が、激しい議論が起きる可能性もある。国民党も社会民主党も、緊
急の質問を断念する可能性が高いので、自由党が質問を行なうこと
になる。同党はイスラーム教徒の問題を議題として持ち出すことを
求めている。社会民主党は、この問題は時事問題の時間の議題とし
て扱えるのだから、本会議を開始することに異議を唱えている。今
回の時事問題の討議では、女性の労働市場への参加が取り上げられ
る。より明確な規定を持った排出物規制の法律が、新たに取り上げ
られ、いつ、そして誰によって環境保護のための運転禁止が命ぜら
れるか、定められる。またこの問題に関して、連立与党の動議が通
る場合には、学校には校医による健康診断が導入され、学校の時期
から不正薬物の使用との戦いが始まることになる。
９月２７日（木）
国外ニュース
アフガニスタンの赤十字の職員4人は今なお行方不明
アフガニスタンの赤十字国際委員会の職員4人の運命は、木曜夜も
あいかわらずはっきりしない。同赤十字は、彼らが姿を消してから
1日経っても、これが誘拐である、とは発表しようとしなかった。
一方アフガニスタン当局の広報は、この4人は誘拐され、犯人との
接触も取られているが、犯行の背後に誰が隠れているかははっきり
していない、と述べた。急進派イスラーム教徒のタリバーンは、赤
十字職員が行方不明になった事件には関与していない、と発表し
た。赤十字の広報は、4人は一時身柄を拘束されているだけで、間
もなく解放される可能性が高い、と述べた。また、彼らは誘拐され
たドイツ人建設技師解放の予定を助けるために、現地にいたが、こ
の事件と彼らが姿を消したこととには関連があるとの証拠はない、
とも述べた。
国内ニュース
国民評議会はウェステンターラーの不逮捕特権を認めず
未来同盟党首ペーター ウェステンターラーは、同党の殴打事件に
関して法廷で行なった発言のため、司法の場で責任を問われること
になりそうである。国民評議会の不逮捕特権委員会は昨日午後遅
く、この事件でウェステンターラーには不逮捕特権を認めない、と
の態度を明らかにした。このため彼は当局に引き渡される。司法は
既に、ウェステンターラーにもう一度この事件に関して質問をする
つもりだ、と予告していた。引き続き、彼は虚偽の発言のために裁
判を受けなければないか、が決まることになる。
９月２８日（金）
国外ニュース
ドイツの中国の緊張は続く
ドイツと中国の関係は、ドイツ首相アンゲラ メルケルがダライ
ラマの訪問を受けたため、緊迫しているが、これは今のところ続い
ている。ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイア
ーと中国外務大臣楊潔チは、ニュー ヨークで会談を行なったが、
意見の対立は埋まらなかった。中国側は、ダライ ラマがベルリン
の首相府を先週末に訪問したことに碇を示した、とシュタインマイ
アーは述べた。彼はこれについて、首相と宗教指導者の会合であっ
て、ドイツ連邦政府の中国政策には、何ら影響を及ぼすことはな
い、と述べた。もともと両外相の会談は、水曜日に予定されていた
が、中国側の「技術的な理由」で中止となっていたが、その後の協
議で、金曜日昼に実施することで合意していた。月曜夜にはドイツ
首相メルケルは、国連事務総長潘基文の招待で、25人の客ととも
に、楊と面会していた。この短時間の会談では、独・中関係ではな
く、気候保護についての意見の調整が行なわれた。
国内ニュース
賃金交渉で使用者側は「理性的な結果」に期待
金曜午後にウィーンでは、使用者側と労働者側の代表が、秋の賃金
交渉を開始したが、約1時間15分で終了した。使用者側の交渉代表
ヘルマン ハスラオアーは、「理性的な結果」になることを期待し
ている、と述べた。交渉相手の「望みと要求」に対して断固として
対処したが、それによって労使双方が影響を受けることはなかっ
た。「労使双方の関係は上手く機能している」と彼は述べた。社会
福祉大臣ヘルバート ブーヒンガー（社会民主党）は、交渉開始前
に、現在の給与水準の4%の増額を求めた。オーストリア労働組合
連合は、より高い収入を求めており、好景気が労働者の横を通り過
ぎて行く、と主席事務官リヒャルト ロイトナーが今日発表した。
交渉は来週も続く。昨日は賃上げ要求の数字はあげられなかった。
９月２９日（土）
国外ニュース
モルディヴで爆弾が破裂 観光客が負傷
モルディヴにあるモスク前で土曜日、爆弾による攻撃があり、観光
客12人が負傷した。爆発は、観光客の人通りが多い首都マレのス
ルタン公園の入り口にあるモスク前で起きた、と英国外務省広報は
発表した。それによれば、負傷者の中には英国人2人が含まれてい
る。現地での報道および目撃者の話によれば、その他の犠牲者は日
本人と中国人である。それによれば、爆弾は自作のもので、携帯電
話と洗濯機のモーターが、ガスボンベにつながれたものであった。
目撃者の話では、公園内部には釘が散乱していた。この公園の近く
には、モルディヴ国防省がアル。多くの監視カメラがあたりには設
置されている。イスラーム教の同国は、平穏な国と見られている。
首都では、1988年のクーデタ以来、銃撃戦は起きていない。当局
の話では、これはモルディヴの歴史上初めての爆弾事件である。昨
年は50万人以上の観光客がこの群島を訪問した。独裁的な政治が
行なわれている同国の住民の9割近くがイスラーム教徒である。
国内ニュース
モルテラーは国民党の次期首相候補に名乗りを上げる
副首相で国民党党首ウィルヘルム モルテラーは土曜日に、次回の
国民評議会選挙で国民党を率いる意向を初めて明らかにした。今ま
で彼は、自分が筆頭候補として立つかどうか明らかにしていなかっ
た。「私は現在の私の肩書きについている副の文字を、2010年ま
でに取り去るつもりだ」とモルテラーはアルプバッハでの青年国民
党連邦党大会で述べた。この党大会では2日後に、前回選挙での敗
北の結果作られた国民党未来展望班の成果の発表が行なわれる。
９月３０日（日）
国外ニュース
シュトイバーは正式に州首相を辞任
14年間にわたってバイエルン州首相を務めたエドムント シュト
イバー（キリスト教社会同盟）は、日曜日に辞任した。州首相官房
によれば、彼は州議会議長アロイス グリュック（キリスト教社会
同盟）に使者を送り、辞任願いを提出させた。10月9日には、今ま
で内務大臣を務めていたギュンター ベックシュタイン彼の後継者
に選ばれることになっている。それまではシュトイバーが、その職
務を引き続き執行する、とのことである。既に土曜日にはキリスト
教社会同盟の党大会が、同州経済大臣エルヴィン フーバーを、後
継党首に選んでいた。州議会選挙を1年後に控え、同党は幹部の
刷新を行なった。今後は州首相と党首派、再び別の人物が務める。
シュトイバーは、党内からの圧力を受けたため、1月に辞任を発表
していた。「党内の反対勢力」ガブリエレ パウリにとって、先日
の党大会は、党内で影響力の強い地位を占める、という彼女の夢が
終わったことを意味していた。彼女は党幹部を攻撃する演説を行な
い、もう一度注目を集めていた。
国内ニュース
国民評議会選挙から1年 連立両党は総括を行なう
社会民主党と国民党の連立政権は、国民評議会選挙から1年の強、
別々に式典を行なう。社会民主党所属の連邦首相アルフレート グ
ーセンバオアーは、国民評議会の予算審議の広間で、「2010年の
オーストリア 全ての人が好景気から利益を得られるように」とい
う題で演説を行なう。国民党は、1年前に選挙での敗北をもたらし
た10月1日は、未来を見つめる視点をもつ、という意見が大勢を占
めている。昨日のテレヴィ番組では、この未来展望班の議長を務め
る環境大臣ヨーセフ プレルが、近代化の提案の一部を外に漏らし
た。彼は、同性同士の結婚、課税にあたっては家族を分離するこ
と、そして中立の維持ならびに学校制度の多様性の維持に、理解を
示すように求めた。また緑の党も、連立政権の1年間の仕事ぶりに
ついて総括を行なう。未来同盟は非公開会議を行なう。