10月1日〜7日のオーストリアのニュース



10月1日(月)

     国外ニュース

ウクライナ国会議員選挙は接戦

ウクライナの親西側勢力と、ヴィクトル ヤヌーコヴィチ率いる政
権連合は、時期を早めて行なわれた国会議員選挙で、接戦を演じて
いる。投票の88%が開票された時点で、ヤヌーコヴィチの地域政党
は33.05%を獲得した、とキエフの選挙本部は発表した。親西側の
ユリア ティモシェンコの野党陣営は、31.58%、大統領ヴィクト
ル ユシュチェンコの政党は14.73%で、第1回の最終得票予想で
はほぼ完全に優位を失った。両陣営は、組閣の権限がある、と述べ
ている。ティモシェンコは、2005年に組んだ大統領ユシュチェン
コの「われらのウクライナ」と連立政権を再現する、と予告した。
首相ヤヌーコヴィチも、連立交渉をする、と予告した。同国のロシ
ア語を話す地域では支持の強い彼の政党は、今までどおり共産党
5.27%と社会党3.03%、元国会議長ウラディミール リトヴィンの
党3.99%で、上院の過半数を占める可能性がある、と見込んでい
る。ただし現在の集計によれば、現在の形で国会で多数派を占める
ことはできない。ヤヌーコヴィチは政敵に対して、最終結果が発表
される前に勝利を祝さないように、と警告した。

     国内ニュース

モルテラーはプレル案の実施を求める

小選挙区制の導入と経済活動に一律の税金を課す制度の導入、同性
愛者の登録配偶関係の創設、および総合学校の設立拒否をめぐって
熟慮が行なわれた。環境大臣ヨーセフ プレルが議長を務めた国民
党の未来展望作業班の提案は、対立の種をはらんでいる。それにも
かかわらず党首ウィルヘルム モルテラーは、これは単なる提案で
はない、と捉えている。党内からの反対も予想されるとはいえ、彼
はこの案の各点が実子に移されることを期待している。




10月2日(火)

     国外ニュース

ティモシェンコは組閣を行なうと予告

ウクライナの野党の指導者ユリア ティモシェンコは昨日、組閣を
行なう権限は自分にある、と発表した。「私たちが国会で多数を占
めたのは疑いがない」と46歳の彼女は大統領ヴィクトル ユシュチ
ェンコとの会談語に述べた。「私たちは、暫定選挙結果が選挙委員
会から発表されたらすぐに、政府の結成を始めることで合意し
た。」ティモシェンコの陣営とユシュチェンコの「われらのウクラ
イナ」は、新西側勢力として連合し、日曜日の選挙では会わせて
45%近くを集めていた。親ロシアの首相ヴィクトル ヤヌーコヴィ
チも、次期政府を組閣する意向を発表した。各地域の彼の政党は、
34.2%を集め、国会の最大勢力である。ティモシェンコの陣営は、
31%近くでそれに次いでいる。ヤヌーコヴィチの政党は今まで共産
党政権と連立していたが、5.4%の票を集めていた。この数字は全
ての票の98%の集計の時点でのものである。選挙結果がこのように
割れたことで、選挙の早期実施で両陣営の権力争いが静かになると
の期待は、打ち砕かれた。

     国内ニュース

労働と経済銀行裁判で労働者会議議長トゥンペルが証言

労働と経済銀行裁判は、水曜日に33回目の審理が行なわれ、5人の
証人が呼ばれている。まず1997年から労働者会議の議長を務めそ
の前には、労働と経済銀行の監査役会会長を務めていたヘルバート 
トゥンペルが最初に証言する。彼の指揮下で1995年には、同行と
ウォルフガング フレットルとのカリブでの取り引きが開始されて
いた。トゥンペルは元国立銀行副総裁ゲルトルーデ トゥンペル・
グーゲレルと結婚し、月曜日には妻の方がこの裁判で証人として質
問を受けていた。その他に今日は、元労働と経済銀行監査役で金属
産業労働組合会長エーリヒ フォークラー、元同行監査役会で公務
員労組のエドゥアルト アッシェンブレナー、事業所委員会から派
遣された監査役のブリギッテ ヤクボヴィッツ、ウィーン労働者会
議の年金部の部長で元同行の監査役ヨーセフ ツェルニーも質問を
受ける。




10月3日(水)

     最新ニュース

南アフリカの金鉱山では3千2百人が閉じ込められる

南アフリカの金鉱山で事故が起こり、3千2百人の労働者が坑内に
閉じ込められた。世界5大金鉱山の一つハーモニー ゴールド社が
これを発表した。ムプマランガ州のエラントストラント鉱山では、
坑夫を地上に運ぶための昇降機のケーブルが切断された。地下2千
2百メートルに閉じ込められた坑夫たちは、一時地上へと脱出する
ことができなくなった。現在技師が、問題解決にあたっているが、
救助活動はまだ数時間かかる可能性がある。

     国外ニュース

米国は北朝鮮との核対立で突破口が見いだされたことを歓迎

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、北朝鮮の核計画を終結させる
交渉で、突破口が見つかったことを歓迎した。採択された行動計画
は、「6者会談の参加国の共通して持つ、朝鮮半島から核兵器を一
掃することへの支持を反映している、とブッシュは昨日ワシントン
で述べた。最終目標は今なお、核計画の完全かつ検証可能な形での
中止である、とブッシュは述べた。この活動計画には、問題となっ
ているヨンビョンの核複合施設を年末までに使用不可能にすること
が含まれている。また6ヶ国協議の参加者が合意した行動計画を含
んでいる。主催者の中国は昨日、最新の交渉の結果の文書を公表し
た。それによれば、ヨンビョンにある5メガワットの反応炉、再処
理施設、燃料の製造所は12月31日までに使用不可能にされる。

     国内ニュース

国民党会派はサンクト ウォルフガングで会議

国民党の国会議員の会派は、木曜日からサンクト ウォルフガング
で非公開会議を開始する。初日は、環境大臣ヨーセフ プレルも参
加する気候保護問題を扱う公開討論会と、党首ウィルヘルム モル
テラーと会派長ウォルフガング シュッセルが出席する共同記者会
見が行なわれる。2日目には、教育および外国人の統合を中心に話
し合いが行なわれる。月曜日に呈示された国民党の未来展望文書の
ため、今回の会派の会議では予定より大きな起爆力を持つ。この文
書のいくつかの論点が、この会議では議論される、とモルテラーと
プレルは予告していた。




10月4日(木)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

パキスタンではムシャラフとブットーが権力分割で合意

パキスタンでは大統領選挙を直後に控え、軍事権力者で大統領のペ
ルヴェズ 武者らるが、元首相のベナズィール ブットーと、権力
を分割することで合意した。ムシャラフの信任が厚い鉄道大臣シャ
イク ラシードは、木曜日にAFP通信に対して、両者は国を和解さ
せるためにこれに関する合意に達した、と発表した。この合意に
は、1988年から99年にかけて活動した政治家に恩赦が含まれてい
る。これにより、ロンドンで亡命生活を送るブットーに対する汚職
の裁判は中止される。前日にはブットーはムシャラフとの権力分割
をめぐる会談は失敗に終わった、と発表していた。ムシャラフは土
曜日の大統領選挙で、さらに5年の任期を務めるよう国会から再選
されることを求める方針である。彼は再選された場合には、軍の長
の職を遅くとも11月15日には辞する、と予告していた。ムシャラ
フは既に、元秘密情報部長アシュファク キヤニを、自分の後を継
ぐ軍の長に指名していた。野党はムシャラフの立候補を阻止する方
針である。

     国内ニュース

緑の党と自由党が亡命希望者の国外退去をめぐって対立

亡命問題での対立が、緑の党副党首のエーファ グラウィシュニヒ
と自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェが、木曜
日夜のテレヴィ番組で対立する発言を行ない、衝突した。グラウィ
シュニヒは、最近の国外退去のあり方を批判し、家族をむりやり分
断し、子供たちを親から引き離している、と述べた。これに対して
シュトラーヒェは、亡命法の強化を進めるべきであると述べ、不法
行為にほうびを与えてはならない、と述べた。これより前に行なわ
れた州首相の会議は、亡命と滞在権の問題について、本質的な修正
は議論に上らなかった。社会民主党所属のシュタイアーマルク州首
相フランツ フォーフェスは、人道的な理由で、滞在資格を与える
よう内務大臣に申し入れを行なうために、州首相が2つの追加条項
を作るのが望ましい、と述べた。緑の党は特別会議を行なうように
提案した。




10月5日(金)

     国外ニュース

フランス政府はEADS社事件を調査

フランス政府は、エアバス社の親会社ヨーロッパ航空防衛および宇
宙社EADSの、関係者による内部取引の問題に対する前任政府の態
度を調査させる。大蔵大臣クリスティーネ ラギャルドは昨日、経
済総合監察官ベルトラーン シュネーターに、EADS社に関連し
て、大蔵省の官僚が2005年末から6年6月までにとった態度を調査
するように委託した。調査結果は木曜日に発表される。シュネータ
ーは、特に国が出資する会社APEの活動と、大蔵省と国立の預金供
託金庫CDCとの関係に注目している、とのことである。預金供託金
庫は、大株主ラギャルデールが売りぬけたEADS社の株を取得して
いた。

     国内ニュース

国民党内には選挙の早期実施を求める人も?

ケルンテン州では、前日の社会民主党に続いて、同州国民党党大会
がクラーゲンフルトで行なわれ、党幹部が出席した。その中で目を
引いたのは、国民党内部には早期に連邦での選挙を行なうことを求
める向きが存在しているかもしれない、との兆候が間接的ながら現
れていることである。厚生大臣アンドレア クドルスキは、副首相
ウィルヘルム モルテラーを「今なお副首相」であるのは意味深長
であるが、これはいつまでも続くわけではない、と述べた。クラー
ゲンフルト市長ハーラルト ショイヒャーは同じ趣旨で、「副」と
いう肩書きは「未来の正首相」につながる、と述べた。




10月6日(土)

     国外ニュース

ブラウンは選挙の早期実施を否定

英国首相ゴードン ブラウンは、数ヶ月前からの予想に反して、選
挙を早期に実施する可能性を否定した。この秋には国会議員選挙は
行なわない、と土曜日のBBC放送のインタヴューで述べた。放送局
の報道によれば、彼は政府がどのように危機に対応するかではな
く、「国の未来の姿」に関する自分の考えに基づいて、国民に判断
を下してもらいたい、と述べた。前言を撤回した理由として、政権
を持つ労働党が最新の世論調査で私事を減らしていることがある、
と報じられた。一方保守党党首デイヴィッド キャメロンは、この
決定はブラウンが「例外的なまでに弱く優柔不断」な人物であるこ
とを示している、と述べた。

     国内ニュース

医師はクドルスキにストを行なうとの威嚇を強める

地元の医師組織の中で、新たな紛争が起きかけている。医師たち
は、政府が計画している中心となる治療施設に強く反対を行なうつ
もりである。彼らは、これが実施に移されると自由に医者を選択す
ることができなくなる、と警告した。既に最初の抗議活動の期日が
決まっている模様である。それによればオーストリア全土で11月
8日に、すべての診療所が閉鎖されたままになる。また病院も緊急
の場合にのみ診療を行なうことになっている。




10月7日(日)

     国外ニュース

ドイツ社会民主党内部で改革の方針をめぐって勢力争い

ドイツでは社会民主党は党大会を3週間後に控え、副首相フランツ
 ミュンテフェリングが、党首クルト ベックと、改革政策の継続
をめぐって、はっきりとした勢力争いを行なっている。労働大臣で
もあるミュンテフェリングは、ベックとその周囲の政治家たちが、
「2010年行動計画」から離れて、大衆に迎合する路線を歩んでい
ると非難し、社会民主党は今までの方針を維持しなければならな
い、と述べた。これに対してベックは、第1型失業給付金を年長者
に対して支払う期間を延長するという提案を擁護し、自分は党内の
90%以上が、この提案を承認すると確信している、と述べた。同党
会派長ペーター シュトルックは、ミュンテフェリングが受け入れ
られる妥協を呈示する。また年金の受給開始年齢を67歳とするこ
とでも、対立が起きる兆しがある。

     国内ニュース

国民党はクレムスで第一党の座を守る

ニーダーエスターライヒ州のクレムスでは日曜日に、地方議会選挙
が行なわれた。暫定的な結果が発表されている。それによれば、国
民党が前回2002年の20議席を守り、社会民主党は3議席増やして
16議席を獲得した。自由党は1議席を失い、2議席となった。選挙
結果は緑の党にとっては驚きで、2議席失い、1議席のみとなっ
た。共産党および左派社会党KLSは前回通り1議席であった。




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