10月22日〜28日のオーストリアのニュース



10月22日(月)

     国外ニュース

ブダペストでは右翼急進派との衝突

昨日午後ブダペストでは、右翼急進派のデモ隊と警察が衝突し、
5人が軽傷を負った。デモを主催した2人が逮捕された、と当局は発
表した。首相ジュルチャーニ フェレンツが、1956年秋に起きた
ハンガリーでの反共産主義蜂起を祝う演説を行なっていたオペラ座
に、数百人のデモ隊が接近を試みた。彼らは反ユダヤ的な言葉を唱
えて、警官隊に火炎瓶を投げつけた。警察は催涙ガスを使用した、
と当局は発表した。デモ隊の中には、今年夏に設立された右派急進
勢力「ハンガリー親衛隊」の隊員が多数含まれていた、とのことで
ある。

     国内ニュース

ペトロヴィッチは不法滞在の外国人支援を擁護

ニーダーエスターライヒ州緑の党党首マーデライネ ペトロヴィッ
チは月曜午後、彼女が不法大罪の外国人を支援していることを擁護
し、取りうる行動をすべて取る、と強調した。10月9日に内務省前
で行なわれた国外追放に反対するデモで彼女は、「私は人々をかく
まうことに協力する者の1人です。他のやり方がないからです」と
述べていた。未来同盟党首ペーター ウェステンターラーはそのた
め、ペトロヴィッチは外国人警察法115条により告発した。この法
律によれば、不法滞在の外国人を支援した場合には、最大で6カ月
の拘留が言い渡される可能性がある。これを受けウィーン検察は、
すでに最初の措置をとった、と「シュタンダルト」紙は報じてい
る。一方テレヴィ番組でペトロヴィッチは、ずっと以前から人道支
援を行なっており、1991年のボスニア戦争以来、多くの難民を宿
泊させていたことを認め、この習慣を断念するつもりはない、と述
べた。




10月23日(火)

     国外ニュース

ソラナ「イランの核交渉人との会談は建設的であった」

EU外務委員ハヴィエル ソラナは、イランの新たな核主席交渉人
と初めての会談をローマで行なった後、イランとの核をめぐる対立
に関して、前向きの総括を行なった。元主席交渉委任アリ ラリジ
ャニも出席した、サイド ジャリルとの会談は、「建設的」であっ
た、と火曜日夜の記者会見でソラナは述べた。ただし彼は、イラン
に対する制裁が解除されるのは、合意に達してからである、とも語
った。西側は、イランには核爆弾を製造する意志があるのではない
か、と不安に思っているが、イラン政府はこれを一貫して否定して
る。ソラナは、国連安全保障理事会が、イランに対する制裁強化の
問題を取りあげる11月より前に、ジャリリおよびラリジャニとさ
らに会談が行なえるのではないか、との期待を述べた。

     国内ニュース

タバコ新法では合意に達せず

社会民主党と国民党の間では、タバコ法の強化を目指す新たな法案
の交渉が行なわれたが、合意には達しなかった。火曜日午後に、厚
生大臣アンドレア クドルスキ(国民党)が法案を提出したが、こ
れには2カ所の異論があるので、この法案には賛成しない、と社会
民主党の健康問題の専門家サビーネ オーバーハオサーは述べた。
対立点は、小さな飲食店が、禁煙にするか喫煙可能にするかを選ぶ
自由を認めるかどうかと、社会民主党が求めていた、たばこを吸う
ことが認められていない場所を定める規則である。オーバーハオサ
ーは、基本的には禁煙でなければならない、との以降である。厚生
省によれば、この法案は次の段階である、政府の調整の段階に進む
ことになる。同省広報は、午前の閣議でタバコ新法は取り上げられ
ることはない、と述べた。




10月24日(水)

     国外ニュース

米国外相ライスはトルコを訪問

米国外務大臣コンドリーザ ライスは、イラク北部にいるクルド人
反乱勢力を、トルコが軍事的に攻撃するのを阻止するために、来週
アンカラを訪問する以降である。彼女は11月2日に、首相レジェッ
プ タイップ エルドアンおよび大統領アブドゥッラー ギュルと
アンカラで会談する予定である。その後彼女はイスタンブルで、国
際会議に参加する、と外務省は昨日発表した。米国政府はトルコ政
府に、数週間前から、イラク北部からトルコに攻め入って、そこの
トルコ兵を攻撃し殺害する叛乱勢力に対する取り締まりについて、
慎重な態度を取るように求めた。ただし米国政府も、イラク指導部
がクルド人叛乱勢力に他死する措置を講じなければならない、とい
うことは強調している。またライスはトルコに引き続き、エルサレ
ムとパレスチナ人の住む西ヨルダンランドのラマラを訪問し、米国
で開催が計画されている近東会議の準備を行なうことになってい
る。

     国内ニュース

ベルガーは同性愛者の配偶関係を前進させる

同性愛者の配偶関係を登録する問題では、再び動きがあった。社会
民主党に属する法務大臣マリーア ベルガーは水曜日、急遽法案を
提出し、連立与党の国民党に対する圧力を強めた。この提案の中で
は、養子縁組みを除く配偶関係にある人たちに、結婚している夫婦
と同じ権利と義務を認める代わりに、結婚法の適用事態は避ける、
というものである。これに関する規則に最近賛成した国民党は、ま
だ慎重な態度を取っている。




10月25日(木)

     国外ニュース

ロシアの爆撃機がNATO会議の開催地に接近

ノルウェー軍の情報によれば、ロシアの爆撃機が木曜日、例外的な
訓練飛行を行ない、オランダに接近した。オランダのノールドワイ
クでは、NATO加盟国の外務大臣が会談を行なっていた。戦略爆撃
機トゥポレフ160型機2機が、ロシアの北極地方から離陸し、ノル
ウェーの海岸を飛行し、英国とデンマーク間を通って、オランダの
北西190キロほどの地点で反転した、と中佐ジョン エスペン リ
エンが述べた。「これは我々が知っている通常の飛行訓練の進路で
はない。偶然かもしれないが、NATOに対する合図かもしれない」
とも述べた。ロシアの爆撃機は過去数カ月、繰り返し示威的な訓練
飛行を行なっていたが、これは16年前にソ連が崩壊してから軍事
面を強化することを西側に示す動きである、と見られている。一方
ロシア空軍の広報アレクサンダー ドロビシェフスキーは、これは
全世界で行なう軍事演習の一環であった、と述べた。

     国内ニュース

オーストリアは建国記念日を祝う

オーストリアは金曜日に建国記念日を祝う。伝統に従ってこの日
は、議会、省庁、連邦大統領ハインツ フィッシャーが門を開く。
英雄広場では国防軍が、武器、ヘリコプター、戦車、運動選手など
を世間に紹介する。政府は前日に特別閣議を行ない、夜にはアイセ
ンシュタットで行なわれた「オーストリアのためのコンサート」を
訪れた。10月26日には、博物館や美術館も特別に魅力的な活動を
行なう。社会民主党も初めて、レーウェル通りの改装された党本部
を公開する。昼ごろには党首で首相のアルフレート グーセンバオ
アーがサイン会を行なう。またリンツのマリーエン大聖堂でも式典
が行なわれる。ここではナチに処刑された抵抗の戦士フランツ イ
エーガーシュテッターが福者の列に加えられる。




10月26日(金)

     国外ニュース

トルコはPKKの戦闘員全ての引渡をイラクに要求

トルコはイラク政府に対し、イラク北部に逃げこんだクルド人反乱
勢力全ての引渡を求めた。これは首相代理ジェミル チチェッキが
昨日のテレヴィインタヴューで発表した。イラクが提案したクルド
労働者党の戦闘員に対する措置は、不十分である、とトルコ外務相
高官は述べた。またチチェッキは、トルコがイラク北部の目標地点
を空爆したことを認めたが、大規模な地上軍の侵攻は今のところ行
なわれていない、とも述べた。

     国内ニュース

新型中等学校について世論は二分

「新型中等学校」をめぐる議論で、国内の意見は2つに別れてい
る。ギャラップ研究所が「エスターライヒ」紙のために行なった調
査によれば、47%が10歳から14歳の間の総合学校に賛成し、45%
がこれに反対している。中でも社会民主党の支持者に賛成派が多
く、69%が賛成しているのに対し、国民党支持者のなかでは65%が
学校改革に反対している。また未来同盟支持者の78%、自由党支持
者の64%が反対している。緑の党の支持者は58%が総合学校に賛成
している。その報道によれば、女性(42%)と比べて、明確に多く
の男性(52%)が新型中等学校に賛成している。




10月27日(土)

     国外ニュース

アルゼンチンは大統領選挙 現職夫人が優位に立つ

アルゼンチンでは日曜日に、新たな大統領が選ばれる。他に下院の
半分と上院の3分の1も選ばれる。あわせて14人が立候補している
大統領選挙で、圧倒的な優位に立っているのは退任する現大統領ネ
ストル キルチネルの夫人であるクリスティナ フェルナンデス 
キルチネルである。世論調査によれば、54歳のペロン主義者の上
院議員である彼女が、第1回投票で当選する可能性がある。そのた
めには彼女は投票の45%以上を集めるか、40%以上の得票だった
場合には、もっとも有力な対立候補であるキリスト教社会党のエリ
ザ カリオに10%以上の差をつけなければならならい。

     国内ニュース

ケルンテン州の予算に社民党と国民党からハイダーに激しい批判

ケルンテン州社会民主党会派長ガービ シャオニッヒは昨日、州首
相イエルク ハイダー(未来同盟)の予算案に対して、彼はケルン
テン州を人質状態に追い込んでいる、と述べた。ハイダーは先に、
この提案に賛成が得られないのであれば、選挙を前倒しして行な
う、と発表していた。批判は国民党からも出ており、ハイダーは予
算案を「粉飾」した、と述べている。




10月28日(日)

     最新ニュース

アルゼンチン大統領夫人が大統領選挙で勝利

非公式の得票予想によれば、ペロン主義者のクリスティナ フェル
ナンデス デ キルチネルは、日曜日に行なわれたアルゼンチン大
統領選挙で、勝利を収めた。54歳の今まで上院議員を務め、退任
する大統領ネストル キルチネルの妻である彼女は、得票の46%を
獲得した、とアルゼンチンのテレヴィ局は報じた。最も有力な対立
候補である中道左派のエリザ カリオは、わずか25%の得票であっ
た。これによりキルチネルは、第1回投票で勝利を収め、保守的で
カトリック国である同国で、選挙で選ばれた最初の女性大統領にな
る。公式の集計結果は数時間後に出される予定である。

     国外ニュース

IAEA代表はイランとの核対立での脅迫を批判

イランとの核をめぐる対立で、国際原発機構代表モハメド エル 
バラダイは、イラン政府に対して脅迫を行なうことを批判した。戦
争に関す売るうわさ話は、イランが核計画を促進するきっかけにな
りかねない、と彼はテレヴィ局CNNのインタヴューに答えて述べ
た。「両者が事態をこれ以上悪化させるのであれば、修復しがたい
対立に陥る懸念がある」ともエル バラダイは述べた。彼は、イラ
ンを批判する人はこの問題を誇張するのは止めるべきである、この
地域だけではなく、全世界的な規模での火種となりかねないから
だ、イランが核爆弾を製造するには、まだ何年もかかるし、イラン
政府が核爆弾の製造を計画していることを示す証拠はない、とも語
った。一方米国は木曜日に、イランに対する制裁を強化していた。

     国内ニュース

会計検査院は疲弊した健康保険組合に関して法律を批判

会計検査院は、各地域の健康保険組合の赤字の赤字の責任は政治に
ある、とした。ウィーンとオーバーエスターライヒ州の健康保険組
合に関する監査の報告書の抜粋だけからでも、このことは明らかで
ある、と「クリール」紙は公表した。それによれば、各地域の健康
保険組合の契約社員が、職員の健康保険に加入し、病院施設の財源
を変更したため、問題が生じている、とのことである。ウィーン健
康保険組合は過去数週間の間に、報道機関からの非難を受け、負債
がないのに破産への道を進んでいることを表明しようとした。また
同紙によれば、指摘された措置の影響が、毎年の欠損より大きい、
とのことである。ウィーン市の場合には、2006年には1億710万
オイロの赤字ではなく、3,590万オイロの黒字も可能であった、と
会計検査院は見ている。




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