10月29日〜11月4日のオーストリアのニュース



10月29日(月)

     国外ニュース

米国将校がイラクの爆弾攻撃で負傷

イラクでは米軍の将校が、バグダード北部での輸送車団のすぐ横で
破裂した爆弾で、負傷した。旅団の将校ジェフリー ドルコは、イ
ラク戦争中に負傷した中では、もっとも位の高い兵士である。彼は
湾岸地域の米軍の先遣隊の指揮を取っている。彼の負傷は、生命に
関るようなものではないが、治療のために国外に運ばれた。一方公
式発表によれば、バァクーバの警察署近くでは、20人の遺体が発
見された。誰の遺体かははっきりしていない。バァクーバでは、ス
ンニー派とシーア派のイスラム教徒が暮らしているが、両者はしば
しば激しい衝突を起こしている。

     国内ニュース

ソフトウェアの欠陥で兵士は賃金を返還しなければならない

約5千人の国防軍の主要兵士が、2006年1月1日から、2007年8月
31日の間、国境での補助任務や、洪水が起きた時に動員された際
に受け取った、派遣手当の一部を返さなければならない。と「クラ
イネ新聞」は報じた。軍の指揮官の広報はその理由として、国防軍
本部のソフトウェアに欠陥があったことをあげた。兵士たちには最
大で1千オイロの賃金の返還が求められる可能性がある。これは追
加手当が間違って計算されたためである。兵士がどれぐらいの額を
返却しなければならないかは、派遣された回数、等級、年齢、年金
への加入によって変わってくるが、最大で1千オイロである、と広
報は述べた。




10月30日(火)

     国外ニュース

マドリードのテロ容疑者への判決が行なわれる予定

マドリードが爆弾による攻撃を受けてから3年半、水曜日には爆弾
を仕掛けた容疑者とその黒幕と見られる人物に対する判決が言い渡
されることになっている。この大がかりな裁判では、目撃者約3百
人と専門家60人が質問を受けた。検察は容疑者28人に対して、記
録的なあわせて31万1,865年の拘留刑を求めている。2004年3月
11日の攻撃では、朝の混雑時に4編成の通勤列車の中で、10発の
爆弾が破裂した。191人が死亡、1,841人が負傷した。テロ組織ア
ル カーイダがこの攻撃を行なったことを認めた。

     国内ニュース

労働と経済銀行裁判で国立銀行元検査官が証人に

労働と経済銀行の裁判では、水曜日に45回目の審理が行なわれる
が、まずオーストリア国立銀行で労働と経済銀行の検査班を率いて
おり、その後同行の相談役となったペーター マイアーホーファー
が証人として質問を受ける。国会の銀行調査委員会では、マイアー
ホーファーは同行に対する相談業務を行なったことを認め、年金を
受けとりはじめた後、いくつかの銀行からの申し出を受けたが、労
働と経済銀行が一番真剣に自分を必要としているように思われた、
と述べていた。その他に専門家のフリッツ クライナーも、この裁
判で自ら質問をする機会が与えられる。彼はグラーツの会計士で、
容疑者の投資家ウォルフガング フレットル側の専門家として法廷
に呼ばれていた。8月上旬に呼ばれた専門家クリスティアン イー
モは、フレットルの弁護士の委託を受けたあと、予断を持っている
との疑いがあり、解任されていた。クライナーは、2008年1月
15日までに所見を提出することになっている。




10月31日(水)

     国外ニュース

マドリード攻撃の裁判で被告には最高刑

緊張感をもって見守られていた2004年3月11日のマドリードでの
大規模テロ攻撃の裁判は、厳しい安全対策が取られる中、水曜日に
判決が言い渡された。主要容疑者のうち3人には、検察が求めていた
最高刑が言い渡され、最長で42,924年の拘留との有罪であった。黒
幕とされる男のうち1人には、予想外に無罪が言い渡された。バス
ク地方のテロ組織ETAが関与していた、との情報を、法廷は全面的
に否定した。

     国内ニュース

クルド人がイラク侵攻に抗議

ウィーンでは水曜日午後、約5百人のクルド人がトルコによるイラ
クへの軍事的侵攻に抗議して、デモが行なわれた。デモは突発事件
なく行なわれた。彼らは「連帯とは抵抗のことだ」「トルコは多く
の戦車を繰り出すばかりで頭脳がない」といった横断幕を掲げてい
た。この抗議活動は、オーストリア・クルド科学文化交換会と、オ
ーストリアにある14のクルド人組織が呼びかけたものであった。
彼らは、この紛争でクルド人は平和的な解決に賛成しており、クル
ド人に対する暴力に抗議している、との内容の嘆願書を外務省に提
出した。




11月1日(木)

     国外ニュース

トルコでのイラク会議では同国の未来が話し合う方針

イラクの将来が、明日からイラクと国境を接する国々とG8諸国お
よび国連で拒否権を持つ5大国によって行なわれる国際会議の議題
である。2日間に渡って行なわれる会議の中心議題は、イラク北部
へ侵攻し、活動禁止が科されているクルド労働者党の戦闘員に対し
て軍事的に対処しようとしているトルコの脅威になりそうである。
米国外務大臣コンドリーザ ライスは、危機を回避するために会談
を前に、トルコ政府と協議を行なう。米大統領ジョージ W. ブッシ
ュは先に、トルコに対してクルド労働党との戦闘で支援を行なう、
と約束していた。月曜日にはトルコ首相レジェップ タイップ エ
ルドアンはワシントンを訪問するが、ブッシュはこの問題について
話し合うつもりである、と述べた。一方初めてイラク首相ヌリ エ
ル マリキとイラン外務大臣マヌーチェフル モッタキも参加の意
向を示しているこの会議に参加する人たちの第一陣が、トルコ入り
した。

     国内ニュース

シェンゲン条約加盟でプレルはブダペストで理解を求める

国境監視に関する問題で、シェンゲン条約に加盟した後、ハンガリ
ーとの間で対立が起きているが、緊張はわずかながら緩和した。ブ
ダペストで州首相エルウィン プレル(国民党)が、ニーダーエス
ターライヒ州の見解を伝えたためである。来年には国境警察と国防
軍が、国境近くの地域の安全の監視を行なうことになっているが、
これがハンガリーの怒りを買っている。今回はハンガリー外務大臣
ゲンツ キンガがこれに理解を示した。




11月2日(金)

     国外ニュース

ビルマは国連の最高位の外交官を追放

ビルマの軍事政権は、国内にいる国連の最高位の外交官を、望まし
くない人物である、と宣告した。ニュー ヨークの国連事務総長潘
基文の広報によれば、ビルマ外務省が書簡の中で、同国政府はチャ
ールズ ピートリーがこれ以上国内に滞在することを望まない、と
伝えてきた。ピートリーは、ラングーンでの平和的抗議活動が鎮圧
され、流血の事態となったことを受け、貧困を理由にビルマ政府を
批判していた。ピートリーを全面的に信頼している、と潘は述べ
た。潘の特使イブラヒム ガムバリは土曜日にビルマを訪問するた
め、この書簡はニュー ヨークの外交筋では、特別な挑発である、
と受け止められている。

     国内ニュース

学校改革で国民党の案はシュミートの影響力を奪う

国民党は学校改革の対案を練り上げた。「クライネ新聞」によれ
ば、これは教育大臣クラオディア シュミート(社会民主党)の影
響力を奪うことになり、その代わりに大蔵大臣ウィルヘルム モル
テラーの影響力を強めるものである。具体的には、州学校評議会の
提案に基づき、実験的な学校が作られることになる。教育大臣には
なんの発言もない。国民党の文書の中では、多くの細部に問題はあ
るが、連邦大蔵大臣、すなわちモルテラーとの合意はできている、
と記されている。この試行学校の判定と管理は、評価委員会が行な
う。ここには教育大臣も含まれるが、大蔵大臣、教員代表、州立学
校の代表が2人と参加する学校の親の組織が推薦した人物も出席す
る。シュミートの専門家委員会の議長は、元国民党のベルント シ
リヒャーであるが、彼は「これは1962年に私たちが大連立でお互い
の行動を阻止しあった時を見ているようだ」と述べた。モルテラー
がシュミートよりも教育問題に介入しようとするのは、理解できな
い、とも述べた。




11月3日(土)〜4日(日)

お休みです。




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