11月26日〜12月2日のオーストリアのニュース



11月26日(月)

     国外ニュース

パリでは若者の暴動が拡大

2人の若者が死亡したことを受け、大統領ニコラ サルコズィの平
静を保つようにとの呼びかけにもかかわらず、パリ郊外では月曜午
後に暴動が拡大した。パリ郊外の4つの町では、若者が自動車に放
火し、警察との路上戦を行なった、と所轄の知事が発表した。ヴィ
リエ・ル・ベルだけで、10台の自動車と多数のゴミ箱が炎に包ま
れた。少なくとも警官30人が負傷した。若者十数人が、催涙ガス
とゴム弾を使用した警官に、投石を行ない攻撃した。封鎖も炎上し
た。司法は、この事件を引きおした責任を誰が負うのか、決定を下
さなければならない、と中国訪問中のサルコズィは述べた。死亡し
た2人の若者は、ヴィリエ・ル・ベルでヘルメットをかぶらずに、
盗んだオートバイに乗っていた、と警察は発表した。

     国内ニュース

ブーヒンガーとフォアアルルベルク州は介護問題で議論

社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー(社会民主党)とフォアア
ルルベルク州は、24時間体制の介護の推進問題で、資産の上限に
関連して対立している。フォアアルルベルク州の社会福祉大臣グレ
ーティ シュミット(国民党)の発表によれば、資産の上限を設定
しない場合には、同州の計画に含まれている形での推進に必要な財
源を、ブーヒンガーは用意できていない、と述べた。州首相ヘルバ
ート サオスグルーバー(国民党)は怒っており、「この資金は連
邦から取ってくる」と予告した。




11月27日(火)

     国外ニュース

フランスの暴動はトゥールーズにも拡大

パリの若者が郊外で暴動を起こしたが、月曜夜にはトゥールーズに
も拡大した。警察の発表によれば、フランス南西部の都市トゥール
ーズでは、若者がバガテル地区で自動車10台に放火した。その他
図書館が炎上した。一方今回の暴動の中心地であるパリ近郊のヴィ
リエ・ル・ベルでは、日が暮れた後は、さしあたり平静が保たれ
た。ここでは2晩に渡って市街戦が行なわれ、負傷者十数人がでた
が、フランス政府は厳しい措置を取る、と予告した。大統領ニコラ
 サルコズィは、中国を公式訪問していたが、平静を保つように呼
びかけていた。月曜夜にはパリ郊外では、新たな暴力が行使され、
2年前の暴動よりも激しいものであった。2度にわたって自動車と
建物が放火された。怒った若者が警察と路上で衝突し、武器を手に
したものもいた。

     国内ニュース

介護の規則が確定

自宅での24時間介護を必要とする人に猶予を与える規則の延長
が、最終的に決着した。昨日午後の社会福祉委員会で、社会民主党
と国民党の賛成で、2008年1月1日からの7千オイロの資産の上限
を設けることが確定した。介護と看護のあり方を定めたひな形に
は、24時間介護の内容の一覧、法的規則、質面での標準、資金の
分担(連邦6割に対して州が4割の負担)が含まれている。連立両
党はその他、「質と両を確保するための」介護への準備および、
「介護をする家族の支援の措置」の領域を補完する予定である。一
方フォアアルルベルク州は、連邦を相手取って訴訟を起こし、これ
を阻止するつもりである。




11月28日(水)

     国外ニュース

スロヴァキアでは放射性物質売却事件

スロヴァキアでは1キロの放射性物質が売却用に提供された。3人
が代金として百万ドルを要求した、とブラスティラヴァ警察が昨日
発表した。容疑者のうち2人はスロヴァキア東部で、もう1人はハン
ガリーで逮捕され、差し押さえられた物質の詳しい状態は、現在調
査が行なわれている、とのことである。おそらくこれは濃縮された
ウランで、スロヴァキアには密輸されたものだ、と検事総長はブラ
スティラヴァで発表した。それによればこれは安全な場所にあり、
一般市民に危険が及ぶ可能性はない、とのことである。

     国内ニュース

チャド派兵開始はさらに延期

EU軍のチャドへの派兵開始は延期されている。その理由として
は、空輸および衛生兵の部門で必要な装備の準備に話し合いが中断
しているためである、と国防相ノルバート ダラボス(社会民主
党)の公報はシュテファン ヒルシュはAPA通信の質問に答えて確
認した。ただし、派兵開始が実際にクリスマスの後になるかどうか
はわからない、とヒルシュは述べた、日刊紙「クリール」と「クラ
イン新聞」は報じている。当初の国防軍の計画では、一方先遣隊は
今週にも出発し、160人は規模の部隊の大半は12月中に出発する
ことになっていた。




11月29日(木)

     国外ニュース

ビン ラーディンは欧州にアフガニスタンからの撤退を呼びかける

アラブ系の放送局アル ジャジーラは木曜夜、テロ組織アル カー
イダの指導者ウサマ ビン ラーディンが、ヨーロッパに向けてア
フガニスタンからそれぞれの国の軍隊を撤退させるように、と述べ
た録音を放送した。「犠牲者の多くは女性と子供である」とビン 
ラーディンのものとされる声は述べた。アフガニスタンでの戦争は
不正なものである、とテロの指導者である彼は付け加えた。彼は親
書の中で、各国政府というよりは、アフガニスタンに向け急進派イ
スラーム教徒のタリバーンとの戦いに軍を派遣している各国の一般
大衆に向けて訴えている。この録音がビン ラーディンのものであ
るかどうかは確認されていない。これは「新たな戦略ではない」と
米国外務省広報は述べた。ビン ラーディンの映像が最後に公開さ
れたのは9月であった。

     国内ニュース

学習到達度調査でオーストリアは成績を上げた模様

12月4日を不安をもってみつめているのは教育を担当する政治家ば
かりではない。この日にはOECDの新たな学習到達度調査の結果が正
式に発表される。それを前に既に、どの国がこの調査で学校の成績
が改善されたか、悪化したかに関する観測が流れている。スペイン
の教員新聞は先行して、この調査の結果の数字を公表した。それに
よればオーストリアは自然科学の中心部門で、前回の20位から18位
にあげた。平均でオーストリアは23位から14位へと成績を上げた。




11月30日(金)

     国外ニュース

チャヴェスを支持する大規模集会

昨日ヴェネズエラの首都カラカスでは、数万人が集会を開き、大統
領フーゴ チャヴェスと彼が訴えている憲法改革を支持して路上に
繰り出した。中心部のシモン ボリヴァル通りでは、ほぼ全員が赤
い服を着たデモ隊が、「チャヴェスとともに歩むことに賛成!」
「チャヴェス政権を永遠に!」などの言葉を叫んだ。左派の大衆迎
合的な政治家であるチャヴェスの支持者たちは、南米の同国の各地
から集まってきていた。彼らの目的は、先日同じ場所で野党が行な
った反チャヴェスのデモよりも、大きな集会を実施することであっ
た。憲法修正に関する国民投票は明日行なわれる。これは大統領の
任期の延長を提案する。その他「21世紀の社会主義」に憲法の基盤
を与えるもので、私的所有の他に、公的かつ集団的所有を定めてい
る。その他地方では「国民権力組織」を創設するといった内容であ
る。野党は、チャヴェスがこの憲法修正で、キューバを前例とする
独裁制を達成するつもりだ、と非難している。

     国内ニュース

フィッシャーにテロの容疑者が接近 責任者を追及

テロの容疑者が公式の催しで、連邦大統領ハインツ フィッシャー
と首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)と握手をし
た。彼に対しては推定無罪が適用されているが、治安当局は対策を
取らねばならなかった、と専門家は述べている。招待者の一覧は存
在したものの、法的な義務がないため、調査は行なわれなかった、
と内務大臣ギュンター プラター(国民党)は述べた。責任者全員
は、各自の部局にはこの技術的な手違いの責任はない、ということ
で意見が一致している。




12月1日(土)

     国外ニュース

ヴェネズエラは憲法改正の投票を行なう

1千6百万人を越えるヴェネズエラ人が日曜日に、大統領ウーゴ 
チャヴェスと国民集会が提案した憲法改正を行なうかどうかを決め
る投票を行なう。憲法改正は、大統領に再選される回数を増やすこ
とを中心とするもので、これが認められればチャヴェスに大きな権
力を与えることになる。二つの勢力に別れて行なわれている国民投
票で、チャヴェスが敗北する可能性があるのは、8年前に権力の座
に就いてから初めてである。世論調査はそのたびごとに、政府陣営
と野党陣営が交互に優勢となっている。千人を越える国際選挙監視
団が、投票を監視することになっている。

     国内ニュース

環境大臣プレルは石油とガスにより高い課税に賛成

環境大臣ヨーセフ プレル(国民党)は、2010年の税制改革に、
「環境を守るために基本的な方針」を作るように求めている。「エ
スターライヒ」紙のなかでプレルは、石油とガスに対してより高い
課税を行なうことに理解を求めた。「国民の側の負担は大きく減ら
すべきであるが、化石燃料の利用者に対するより高い課税を行なう
ことについて議論も行なうべきである」と語った。プレルは二酸化
炭素税を軽減することを批判し、「これは未来を展望する委員会の
提案であって、強い推進力を与えるものであった」と述べた。連立
政府の最新の計画によれば2008年7月1日以降、1キロ走行するご
とに180グラム以上の二酸化炭素を排出する自動車に、これを越え
る二酸化炭素1グラムごとに25オイロの罰金を科すことになってい
る。大蔵大臣ウィルヘルム モルテラー(国民党)による当初の法
案では、環境保護のために、160グラムを越える二酸化炭素に
2008年から罰則の税金が導入されることになっていた。




12月2日(日)

     国外ニュース

バリ島で国連気候会議が始まる

月曜にはバリ島で国連会議が始まり、世界規模の気候安定で、決定
的な時代が始まる。二酸化炭素の排出削減を定めた京都議定書の
5年間の評価が1月1日に開始される。排出量の上限を明記した京都
条約の後継となる条約がなくなる期間がないように、2009年には
この協定がコペンハーゲンで確定されることになっている。それに
むけた交渉がバリ島では行なわれることになっている。この会議を
前に、各国の立場はあいかわらず複雑である。EUは2020年までに
1990年と比べて20%削減する方針であるが、それ以外の参加国は
30%削減の方針である。中国は工業諸国のやりとりを眺めており、
新たな協定に向けてようやく自分の側から妥協と制限を言い出す方
針である。また米国も以前からと同様に、部外者の立場を取ってい
る。大統領ジョージ W. ブッシュは、あいかわらずはっきりした排
出量の上限を拒否している。この会議は15日まで行なわれる。

     国内ニュース

社民党はプレルの石油とガス増税を拒否

環境大臣ヨーセフ プレル(国民党)は、2010年の税制改革の一
環として、石油とガスに対する増税を計画しているが、社会民主党
はこれを拒否している。社会民主党の予算の専門家ヤン クライナ
ーは、この計画を「あまり目的を達成できないどころか邪魔にな
る」と指摘した。「税制改革の議論を、増税要求で始めるのには、
あまり意味がない。政府綱領の中では、低所得者および中間層の負
担を軽減する、との方針が確定している。これが最も優先されるべ
きことである」とクライナーは述べた。彼は戻し税の導入あるいは
社会保障の払込金の減額によって、低所得者の負担を軽減するよう
に提案した。自由党と未来同盟からも、プレルのこの案に対する批
判が出ている。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system