12月3日〜9日のドイツのニュース



12月3日(月)

CDUは新基本綱領を採択

(ハノーファー)キリスト教民主同盟はニーダーザクセン州州都ハノーファーで連
邦等大会を行ない、新たな基本綱領を可決した。数時間にわたる審議の後、約1千
人の参加者がこの文書を採択した。反対はわずか1票、保留は2票であった。同党
は、連立相手である社会民主党との違いをも強調する方針であった。党首で連邦首
相アンゲラ メルケルは、新綱領は21世紀の課題に対する解答を与える、と述べ
た。77ページの文書の中では、解雇からの保護の規定の柔軟化、労働市場のさら
なる改革、子供の保育の拡充、および党内で異論も出ている両親に対する扶養の補
助金が目標として掲げられている。メルケルは党大会の冒頭、政府が経済面であげ
た成果を強調し、これを失うようなことをしてはならない、同党は政治的中道の党
である、と述べた。

     その他のニュース

ドイツ鉄道と機関士労組は交渉を再開

(ベルリン)ドイツ鉄道と機関士労組GDLは、労働条件の交渉で突
破口を見いだすべく戦いを続けている。午後に中断をした後、両者
の幹部が夜に再び集まった。労働組合会長シェルと、鉄道社長メー
ドルンはともに協議に参加した。シェルは早期解決の期待を述べ
た。今回争点の中心となっているのは、鉄道が機関士に対して、独
自の労働契約を認めるかどうか、という問題である。鉄道側からの
最新の賃金の提案は、時間外労働をした場合に、最大で13%の賃上
げであるが、機関士側はこれを不十分である、として退けていた。

プーチンは選挙で自らが認められたと判断

(モスクワ)ロシア大統領プーチンは、国会議員選挙の暫定集計結
果を、自らの政策が認められたものと評価した。これは信頼感の現
れである、と政権党「統一ロシア」の筆頭候補として国会議員選挙
に立候補したプーチンはテレヴィで演説した。共産党を除いて7%
の基準に達しなかったため国会議員を送ることができなかった野党
は、ソ連崩壊後「最も汚い選挙」である、と述べた。暫定の公式集
計によれば、プーチンの政党は、ドゥマの3分の2の議席を獲得し、
野党は12%へと激減した。その他国会議員を出した政党は、右翼急
進的な自由民主党と、大衆迎合的な組織「公正なロシア」で、両方
とも8%ほどの得票であった。

外相はロシア政府に国会議員選挙の事態の解明を求める

(ベルリン)連邦外相シュタインマイアーは、ロシア政府に対し
て、日曜日の国会議員選挙で不正が行なわれたとの非難を解明する
ように要請した。彼は、ロシアがこれらの問題に対処すると期待し
ている、とベルリンで述べた。政府広報代理シュテークは、選挙の
やり方は非民主的で、野党各党と市民権活動家の行動が制限を受
け、意見公表や報道の自由が制約されていた、と述べた。ヨーロッ
パ安全協力機構OSZEも、ロシア政府が今回の投票にあまりに強く
影響を与えすぎた、と非難した。




12月4日(火)

鉄道機関士は独自の労働契約を勝ち取る

(ベルリン)ドイツ鉄道は、機関士労働組合GDLとの労働条件をめぐる対立で、譲
歩を行なう方針である。同社は、独自の労働契約を結ぶという核心部分で、同労組
と合意した。鉄道社長ハルトムート メードルンと同労組会長マンフレート シェ
ルが、ベルリンでの交渉後にこの発表を行なった。これまで鉄道側は、機関士独自
の労働契約を結ぶことを拒否していた。労働時間と賃金に関する交渉は、1月に行
なわれることになっている。それまで労働組合は、ストライキを行なわない、と発
表した。

     その他のニュース

シュタインマイアーは核をめぐる対立が前進すると見る

(ベルリン)アメリカでイランの核計画に関する秘密報告書がでた
ことを受け、ドイツ外相シュタインマイアーは、イラン首脳部との
交渉が成果を上げるものとの期待を持っている。この機会を無駄に
しないように、全ての関係者が賢明な行動を取らなければならな
い、とシュタインマイアーはベルリンで述べた。さらにかれは世界
各国が、核をめぐる対立で、確固とした態度を取っていることを賞
賛し、この団結がイランに影響を与えてきた、と述べた。この文書
の中で米国の秘密情報部員16人が、イランは2003年に核兵器開発
を注視した、と報告していた。

ブッシュ「イランは今なお危険である」

(ワシントン)米国大統領ブッシュは、米国の秘密情報部員が突
然、イランの核爆弾計画を評価を正反対に変えたにもかかわらず、
警戒を解く理由はない、と見ている。イランはウラン濃縮のやり方
を新たな秘密の核計画に利用できるので、危険であることには変わ
りはなく、軍事的な対策を排除しないのは変わりがない、とブッシ
ュはワシントンで述べた。彼は最近第三次世界大戦が起きる、と警
告していた。イスラエルも、イラン政府は一時的な中断の後、核兵
器計画を前進させるつもりである、との声明を発表した。一方国際
原発機構は、新たな米国の文書をイランとの対立を解決する好機で
ある、と見ている。米国の秘密情報部員16人が共同で行なった分
析の中で、イラン首脳部は2003年に核兵器の開発を凍結した、と
報告していた。EUはイランに対しては、対話と圧力の二面作戦で
対処して行くことを確認した。

キリスト教民主同盟と党大会終了

(ハノーファー)キリスト教民主同盟の党大会は、連立相手である
社会民主党との明確な違いを打ち出して、終了した。党首で連邦首
相のメルケルは、来年の州議会選挙を死よ兄入れて、社会民主党と
断固と戦うように呼びかけた。党大会の最後では、約1千人の参加
者が、ドイツ国外からドイツの企業の経営に参加しようとする試み
を、より強く監視することを求める動議を採択した。ドイツの利益
が損なわれる恐れがある場合には、ドイツ政府が25%を越える株式
の保有を禁止しなければならない、という内容が含まれている。月
曜日には、同党は新基本綱領を可決していた。このなかでは、ドイ
ツを基軸文化を持つ複合国家である、と位置づけ、「管理した上で
の移民」の考え方に賛成である、とされている。さらにこの綱領の
中では、トルコのEU加盟に反対である、と明記されている。参加
者のぎりぎりの賛成多数で、例外的な場合には、胚性幹細胞の研究
を制約なしで行なうことを認める決定が下された。




12月5日(水)

内閣は包括的な天候保護計画を可決

(ベルリン)連邦政府は、かつてないほど大規模な気候保護のための法案を提出
し、暖房、自動車運転、電力の分野で抜本的は使用削減を検討する方針である。同
時に内閣は、雇用を創出する14の法律と命令を出す方針を示した。この投資はす
ぐにも成果を上げる可能性がある、と環境大臣ズィークマール ガブリエルはベル
リンで発表した。2020年には少なくともドイツの電力の半分を、更新可能な熱源
あるいは高性能な発電所から作られたものにする努力を行なう。家の所有者は国か
らの助成金を受けて、より気候保護に協力することになる。自動車税の値段は今後
は、排気物質の量に応じて示されることになっている。

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カブールで自殺攻撃 16人が死亡

(カブール)アフガニスタンの首都カブールでは2日間で2件目と
なる自殺攻撃が行なわれ、タリバーンに属する犯人が、少なくとも
16人を巻き添えに爆死した。この爆弾攻撃は、米国国防相ゲイツ
が出発した直後に行なわれたが、その犠牲者の中には登校途中の
4人の子供も含まれていた。この攻撃は軍のバスを狙ったものとみ
られ、兵士8人が死亡した。火曜日にはカブールで起きた攻撃で
は、犯人が死亡、20人以上が負傷していた。急進派イスラーム教
徒のタリバーンが犯行を起こしたことを認めていた。

ゲイツが訪問中のバグダードで激しい攻撃

(バグダード)米国国防相ゲイツが訪問している最中に、イラクの
首都バグダードの中心部で攻撃が発生し、少なくとも14人が死亡
した。治安部隊からの情報では、交通量の多い商業地区カラダの路
上で自動車爆弾が爆発し、負傷者も30人以上出ている。この攻撃
はゲイツが記者会見を行ない、イラクの治安情勢が改善されたと賞
賛していたのとほぼ同じ時刻に起きた。彼は暴力行為が減少してき
たことを示す文書の統計に依拠して、この発言を行なった。一方チ
ェコ国会は、イラクから80人の兵士を撤退させることを決定し
た。これはチェコが派遣している兵士の80%に当たる。またこれと
は別に行なわれた投票で、同国の国会議員はアフガニスタンへの派
兵増加に賛成した。現在アフガニスタンには225人のチェコ兵が駐
留している。

デュッセルドルフのアル カーイダ裁判で拘留刑が言い渡される

(デュッセルドルフ)1年半に渡る裁判の末、アル カーイダのテ
ロリスト2人に対して、それぞれ6年と7年の拘留刑が言い渡され
た。デュッセルドルフ上級地方裁判所は、シリア出身の主たる容疑
者と無国籍のパレスチナ人共犯者に、テロ組織に加わり、巨額の保
険金詐欺を試みた件で、有罪判決を言い渡した。3人目の被告もパ
レスチナ系の来歴を持つが、共犯で3年半の有罪判決を受けたが、
彼は既に刑期の3分の2以上を未決勾留として過ごしたために、判
決後すぐに自由となった。この裁判は、いわゆる大規模盗聴に基づ
いて行なわれた連邦検察の訴訟の初めての事件である。




12月6日(木)

サルコズィとメルケルはパリで会合

(パリ)フランス大統領ニコラ サルコズィとドイツ首相アンゲラ メルケルは、
パリで公式会談を行なった。その際にはヨーロッパの政治および国際的な議題が取
り上げられたほか、2008年の後半にフランスが引き継ぐEU評議会議長職について
も話題となった。事前にはサルコズィが努力している地中海諸国との同盟関係が、
意見の明確な対立を招くものとの懸念があった。メルケルは水曜日にこの取り組み
について異議を呈した。サルコズィの計画はいわゆるバルセロナ措置と不必要な競
合関係にあるとみなされているため、EU内部では総じて留保がつけられている。
バルセロナ措置は、エジプトおよびトルコを含む地中海南部および東部の諸国と
EUの関係を強化するためのものである。

     その他のニュース

ショイブレはEUへの移住の規則の自由化を拒否

(ブリュッセル)ドイツ内相ショイブレおよび労働相ショルツは、
EUへの合法的移住を許可する規則に拘束力を持たせないことには
反対である、と述べた。ショイブレはブリュッセルで、誰が労働許
可を得るかの決定は、長期的に加盟国の権限であり続けなければな
らない、と述べた。ショルツは初めて開かれたEU内相および労働
相の会談で、ドイツはヨーロッパ以外の国々から専門家を呼ぶ必要
はないと考えている、と述べた。350万人の失業者がいるなか、専
門労働力の不足は、その育成によって完全に補える、とも語った。
一方ショイブレは、高い専門能力を持つ労働者を外国から受け入れ
る魅力を増すために、EUが、「ブルー カード」を導入するとの
EUの提案は歓迎した。

各州の内相は右派急進派の収入減を断つ方針

(ベルリン)各州の内相は、急進的な右派の組織に対する資金面で
の支援をせき止める方針である。国家体制を敵視する発言を繰り広
げている国家民主党NPDに近い立場の財団が、税金から資金を受け
取ることは許されない、とベルリン内相ケルティング(社会民主
党)はベルリンで述べた。この会合の冒頭で、キリスト教民主同盟
所属の内相たちは、国家民主党の禁止について連邦憲法裁判所に新
たな申請を行なうことには賛成しない、と明言していた。各州内相
は秋の協議で、「サイエントロジー組織」を禁止する可能性につい
ても協議を行なっている。ハンブルク市の提案では、連邦と各州
は、サイエントロジーに反対する材料を集め、活動を禁止するため
の土台を検討するべきだ、とされている。

ドイツとポーランドは関係を改善する方針

(ベルリン)ポーランド政権が交代したことを受け、ドイツとポー
ランドは両国関係に「新たな段階」を開く方針である。ドイツ外相
シュタインマイアーとポーランド外相シコルスキが、ベルリンでこ
れを約束した。両者は、バルト海の石油輸送管や国外追放者などの
懸案問題でも、対話を進めて行く意向を強調した。問題を合意の上
で解決する見込みが強まった、とシコルスキは述べた。シュタイン
マイアーは、できるだけ早くドイツとポーランドの政府間協議を再
開し、フランスを交えてワイマール三極の再活性化を検討するよう
に提案した。さらに彼は、ドイツとフランスの先例にならって、ド
イツとポーランドが共同で歴史書をまとめるように提案した。




12月7日(金)

コソヴォ三極は国連へ報告書を提出

(ニュー ヨーク)国連事務総長潘基文は、いわゆるコソヴォ三極の報告書を受け
取った。その中ではEU、米国、ロシアの使節団は、セルビアとコソヴォのアルバ
ニア人の間では、セルビアのコソヴォ州の地位について、意見を一致させることが
できなかった、と認めている。潘の公報は、この報告書は日曜日午後に国連安全保
障理事会に回される、と述べた。月王美には、この交渉の期限が公式に切れる。ロ
シアの国連大使ヴィタリ チュルキンは、この期日を過ぎても交渉を続けるように
提案した。コソヴォは1999年以来、諸外国の行政下に置かれている。コソヴォの
アルバには人は、近々独立を宣言する、との決定を下しているが、セルビア人はこ
れを断固拒否している。

     その他のニュース

NATOはコソヴォの部隊をそのまま維持

(ブリュッセル)コソヴォのアルバニア人が一方的に独立を宣言し
た場合にも、NATOはセルビアの紛争地域であるコソヴォに部隊と
ともに留まる方針である。暴力を行使しようとするいかなる試みに
も、断固対処する、とNATO事務長デ ホープ スケッフェルは、
ブリュッセルで開かれている同機構加盟国の外相会談の席上述べ
た。外相たちは、1万6千人強の規模の部隊をコソヴォに残留さ
せ、必要があれば増員する、と宣言した。国防軍は3,250人の兵
士を派遣しており、最大の兵士派遣国である。ロシア外相ラフロ
フは、セルビアの意向に反してコソヴォの独立を認めることがない
ように、と西側に警告した。もしそのような事態になれば、危険な
前例となりかねない、とブリュッセルでの加盟各国外相とのの協議
後でラフロフは述べた。ドイツ外相シュタインマイアーは、ロシア
政府からの強硬な反応を退け、コソヴォの進展は国際法のひな形に
はならない、と強調した。

内相会議「サイエントロジーとNPDに近い筋の基金の対策を取る」

(ベルリン)連邦と各州の内相は、サイエントロジー組織を、憲法
違反に分類し、憲法擁護庁に対して、捜査手続きを取るための情報
と資料を収集するように委託した。サイエントロジーの目的は、基
本法と一致しない、と内務相会議議長のベルリン内務相ケルティン
グは、ベルリンで開かれた会議後に述べた。右派急進派の連合と、
国家民主党NPDに近い基金の財源を減らすための措置も、検討され
ることになっている。特にこれらの組織が憲法を敵視する目標を達
成しようとするのであれば、彼らには公益性がないとされることに
なっている。

両親手当に連邦は1億3千万オイロを追加支出

(ベルリン)連邦家族省は、いわゆる両親手当として今年は、予定
よりも1億3千万オイロ多く支出しなければならない。費用が増加
した本質的な原因は、子育てに関る期間の申告が父親からも多く行
なわれたためである、と同省公報は述べた。またこの請求は、14
カ月の期間全部に関してなされているし、さらに出生率は喜ばしい
ことに安定している、とも発表した。両親手当は、両親の片方が子
育てに専念した場合だけでなく、少なくとも2カ月子育てを引き受
けた場合にも、全期間分支払われる。2007年予算では、両親手当
として約35億オイロが予定されている。




12月8日(土)

メルケルはムガベによるジンバブエ統治を批判

(リスボン)ドイツ首相アンゲラ メルケルは、EU・アフリカ首脳会談で、ジン
バブエ大統領ロバート ムガベの独裁的支配を厳しく批判した。異なる意見の持ち
主を弾圧し、独立した報道を阻止することは、何を持っても正当化できない、と
EUおよびアフリカ連合加盟各国首脳を前に、メルケルはリスボンで述べた。現在
のジンバブエの状況は、新たなアフリカの姿に悪影響を与えている、とも彼女は述
べた。ムガベはこの首脳会談に参加している。メルケルは、ジンバブエの他、スー
ダンも無能な政府と人権を刑している国である、と述べた。
アフリカの53カ国、EUの27カ国はリスボンに集まり、協力の新たな形を見いだそ
うとしている。この会合では人権の他、平和と治安、開発援助、移民および気候変
動対策の議論が行なわれる。

     その他のニュース

外務省はドイツ大使館での入国査証の不正取り引きを確認

(ベルリン)ドイツ大使館2カ所で、入国査証の不正申請で不当に
利益がむさぼられたことが発覚した。ベルリンで外務省は、「シュ
ピーゲル」誌のこの事件に関する報道を確認した。それによれば、
モスクワおよびカイロの大使館で、申請者が偽造した書類で、ドイ
ツへの入国許可を得ていた。1千2百件を越える事例がある、とさ
れている。大使館の数人の職員が解雇された。「シュピーゲル」誌
によれば、今カイロでは約5万人の入国査証の申請者が調査を受け
ている。2年前には、連邦議会の調査委員会は、東ヨーロッパを中
心に、大がかりな欺瞞が行なわれたことが確認していた。

ドイツでは数千人が気候保護のためにデモを行なう

(ベルリン)バリ島での世界気候会議が中休みをとる中、ドイツで
は数千人がさらなる気候保護を求めてデモを行なった。環境保護団
体グリーンピースによれば、ベルリンだけで5千人ほどの参加者
が、ブランデンブルク門の前で行進を行なった。デュッセルドルフ
近郊のグレフェンブロイヒ・ノイラートでは約3千人が新たな褐炭
発電所の建設に反対して抗議を行なった。世界環境の日の集会の頂
点は、「光を消せ!」という運動で、20時からブランデンブルク
門、ケルン大聖堂、ノイシュヴァンシュタイン城などの名所が、
5分間暗闇に包まれた。ドイツ、オーストリア、スイスの個人の家
でも、電灯を消すように呼びかけが行なわれた。

ブッシュはCIAの映像事件への関与を否定

(ワシントン)アル カーイダのテロリストと見られる人物の盗聴
に関する録画を、CIAが破棄した事件に対する関与を、米国大統領
府は一切否定した。大統領ブッシュは木曜日にCIA部長ヘイデンか
ら、この映像の破棄について知らされたばかりである、と公報は発
表した。これは、アル カーイダの首領ビン ラーディンの腹心お
よびその他のアル カーイダ要人の事情聴取を録画したものであ
る、とのことである。CIAによれば、この映像が廃棄されたのは、
秘密情報部員が報復を受けないようにするためである。それに反し
て「ニュー ヨーク タイムズ」紙は、米国政府の職員の言葉とし
て、この録画は「乱暴な事情聴取の手法」が記録されているため、
関係した職員が法的な問題に巻き込まれないようにするため、破棄
されたのだ、と報じている。




12月9日(日)

アフリカ諸国はEUの貿易戦略に異議

(リスボン)アフリカ諸国の指導者は、第2回EU・アフリカ会談の最後で、ヨーロ
ッパの貿易戦略を大きく批判した。アフリカは原材料の輸出だけ、あるいは単なる
販売市場であることをだけを望んでいるわけではない、とアフリカ連合委員会議長
アルファ オウマル コナレはリスボンで述べた。多くの国の政府は、EUが努力
している貿易条約を拒否している、とセネガル大統領アブドゥライ ワッドは表明
した。アフリカは自らの経済的な利益を守っており、中国およびインドが主要な取
り引き国となった、とも語った。一方人権問題でも、アフリカ諸国は、ヨーロッパ
からの介入を拒否する、との姿勢を明確にした。これらの対立にもかかわらず、今
回の会議では「平等な条件で戦略的な協力関係」、および平和確保のための活動、
貧困との戦い、移民、気候保護など8つの分野での具体的な行動計画が合意に至っ
た。EUの議長を務めるポルトガルは、「歴史的な成果」があげられた、と述べ
た。

     その他のニュース

ムガベはメルケルの批判を受け欧州諸国を批判

(リスボン)ドイツ首相メルケルが、ジンバブエの人権侵害につい
て厳しい批判をしたことを受け、大統領ムガベは、ヨーロッパ諸国
に対して厳しい言葉で反応した。彼はEU・アフリカ首脳会談の最
中に行なった非公式な発言の中で、ドイツ、デンマーク、スウェー
デン、オランダを、傲慢な「四人組」と呼んだ。彼は、メルケルか
ら教えてもらう必要はなく、アフリカ人は抑圧的な植民地体制と戦
ってきたということを忘れているのではないか、と83歳のムガベ
は述べた。他にアフリカ側の大統領数人も、メルケルのリスボンで
の発言は「不公正」で「現実からかけ離れている」と評価してい
た。

連立政権は経営者の給与に関する法的規則に意見がまとまらない

(ベルリン)経営者の高額な給与に関する議論で、大連立内部では
意見の接近が見られない。社会民主党は、法律によって高額の支払
いを正当化できないとして禁止するように求めている。これに対し
キリスト教民主、社会同盟は、経営者の給与の法的上限の設定を拒
否している。ただし連邦内相ショイブレは、会社の幹部の給与の公
表には賛成である、と述べた。緊急の場合には、法律によって上場
企業にこれを強いることも必要である、とキリスト教民主同盟に属
するショイブレは述べた。

タリバーンが支配する町の周辺で激しい戦闘

(カブール)アフガニスタンと外国の部隊は、同国南部の、急進派
イスラーム教徒タリバーンが支配する都市ムサ カラ周辺の包囲を
狭めた。カブールで国防省は、町の中心まで2キロに迫った、蜂起
勢力には、武器を放棄するように呼びかけた、と発表した。タリバ
ーンが指名した州およびこの地域の知事は、逮捕された、との発表
もあった。ムサ カラへの攻撃では、NATOの兵士2人も戦死し
た。数百の家族がヘルマンド州から逃げ出している。




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