12月3日〜9日のオーストリアのニュース



12月3日(月)

     国外ニュース

サルコズィはアルジェリア訪問「植民時代は極めて不公正」

フランス大統領ニコラ サルコズィは、初めてアルジェリアを公式
訪問しているが、その冒頭でフランスの過去を植民勢力であった、
と非難した。植民地制度は「極めて不公正」であって、フランス共
和国の3つの価値観自由、平等、友愛に反している、とアルジェで
開かれた会議でサルコズィは昨日述べた。フランスは長期に渡っ
て、植民地時代の暴力を謝罪することを拒否していた。サルコズィ
は両国に対して、植民地時代の歴史を協力して吟味するように呼び
かけた。また彼は人種差別、イスラーム教の敵対視、反ユダヤ主義
との戦いを共に行なおう、と訴えた。

     国内ニュース

国民評議会は今年の最終局面に入る

国民評議会は今年の最後の局面に入る。火曜日は、2007年総会が
行なわれる最後の週の始めにあたり、27の議事に決着をつけるこ
とになる。そのうちもっとも注目集めるのが、年金の引き上げ、診
療料金の上限の設定、および24時間介護の財源に関する15a合意
である。さらに自由業に対する失業給付金の失業保険、自営業者に
対する(退職金にあたる)「新たな出発資金」の導入、「飲酒によ
る昏睡」との戦いのために、店に対する命令の修正、および犬の取
り扱い業者に集積回路を組み込んだ装置の装着を義務づける新たな
動物保護法も可決される。時事問題の時価の議題では、自由党が提
案した、EU改革法が取り上げられる。




12月4日(火)

     国外ニュース

ブッシュは1月に初めてイスラエルを訪問

米国大統領ジョージ W. ブッシュは1月に、大統領就任以来初めて
イスラエルを訪問する方針である。イスラエル政府が、これに関す
る報道を昨日午後に確認した。フランスの放送局は、ブッシュは今
回の訪問でイスラエルとパレスチナ人の間の和平交渉を前進させる
つもりである、と報じた。近東紛争解決にむけた対話の再開は、ブ
ッシュの招待で米国のメリーランド州アナポリスで行なわれた和平
会議の席上可決されていた。ブッシュのイスラエル訪問は、
1998年のテキサス州知事時代に行なわれたのが最後である。

     国内ニュース

ベルガーは拷問の刑法上の要件を導入する方針

法務大臣マリーア ベルガー(社会民主党)は、拷問の刑法上の公
正要件を導入する方針である。きっかけになったのは、在留資格の
ない外国人バカリー J.に対して4人の警察官が虐待を加えたが、ゆ
るい判断が加えられた件である。ベルガーはウィーン市の新聞「フ
ァルター」で、「このような行為には、より厳しい刑罰が科されな
ければならない」と述べていた。そのほか彼女は、刑の執行を監視
する委員会を改革する方針である。「外部から医師、弁護士、社会
福祉関係者を呼んで監視を強化するつもりだ」と述べた。




12月5日(水)

     最新ニュース

米国の商店街では精神に混乱を来したものが数人を殺害

米国ネブラスカ州のオマハにある商店街で、精神に混乱をきたした
人が、少なくとも9人を射殺した。その他少なくとも5人が射殺さ
れた。目撃者の話では、15発から20発の銃弾が発射された。この
ため客は大混乱に陥り、多くの人が店の中に逃げ込んだ。今のとこ
ろ銃撃犯が逮捕されたか、逃げおおせたかは不明である。ただ市警
察は容疑者1人を確保し、2人目がいるのではないかと捜索してい
る。この店舗外は閉鎖された。オマハでは大統領ジョージ W. ブッ
シュが、この直前に演説を行なっていた。ブッシュがワシントンへ
帰った後に、この事件は起きていた。

     国外ニュース

グアンタナモの収容者が米国最高裁へ出廷

グアンタナモ湾の収容者の代表が、水曜日に米国の最高裁に、代表
をアメリカの裁判所に出廷させる権利を求めて戦った。最高裁判所
でのこの裁判では、米国政府と国会が、今までと同様に、関係者が
拘留に異議を唱えることができない状態で、拘留者を無期限に収容
し続けることが許されるかどうかが中心的な問題となっている。判
決は来年春より前には出ないが、口頭陳述は緊迫感をもって見守ら
れていた。この訴訟の中心になっているのは、2001年末にテロ容
疑でボスニアで逮捕されたアルジェリア生まれの集団で、彼らは現
地の最高裁では、証拠不十分で釈放されていた。現在グアンタナモ
には305人の外国人が拘留されているが、訴えられたのは3人だけ
である。

     国内ニュース

「新型中等学校」の試みは将来的には可能である

「新型中等学校」通称総合学校の試験的運用のための道が開かれ
た。国民評議会は水曜午後、連立与党の賛成多数で学校組織法の修
正を可決した。これによりその地域の教師と親が3分の2以上の賛
成をした場合に、先例となって調査を行なう学校を作ることが可能
となった。一方野党は、その論拠は異なるが、この提案に反対し
た。緑の党の教育問題の専門家ディーター ブロスツは、法律改正
が十分でなく、学校全体について議論することができない、と述べ
た。自由党の教育の専門家マルティン グラーフは、今の形ので
「新型中等学校」は、あまり重要性を帯びていない、として拒否し
た。一方学校大臣クラオディア シュミート(社会民主党)は大き
な試みではない、と述べた。




12月6日(木)

     国外ニュース

ブッシュは負債に苦しむ家屋購入者の支援計画を呈示

米国政府は、困難な状況に陥っている負債を抱えている米国人の救
済計画を提案した。これは抵当に入っていて危機的な状態に陥る人
をこれ以上増やすのを阻止するための計画である。大統領ジョージ
W. ブッシュは木曜日、これに加わる資格のある120万人の借り手
に対して訴えかけた。彼らには基本的に経済的な負担を減らすため
に、2つの選択肢が設けられる。専門家は国が措置を取らなけれ
ば、上昇する金利を定めた契約を履行できないため、数十万人の国
民が家を失う可能性がある、と懸念している。

     国内ニュース

国民評議会は公務員の給与を大幅に引き上げ

国民評議会は公務員の給与を2.8%から3.8%引き上げた。収入が少
なければ少ないほど、上積みは増える賃上げである。全ての党が賛
成し、これに関する国務院新法が午後に可決された。具体的には
2.7%の賃上げに、一時金175オイロを加えたものである。一時金
は来年の賃金には影響を与えないもので、来年の交渉の材料には持
ち込まれない。この費用の総額は、3億1千万オイロに上る。




12月7日(金)

     国外ニュース

ブッシュはCIAの盗聴の映像の存在を忘れる

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、テロリストと目されていた人
物の盗聴に関する映像資料が存在するかしないかについて、情報を
持っていたことを思い出すことができない。大統領府公報が昨日、
これをワシントンで発表した。ただし彼女は、大統領府がこの措置
に関与した可能性を否定しようとはしなかった。大統領は、秘密情
報部部長マイケル ヘイデンに「全幅の信頼」を寄せており、彼は
金曜日に大統領に2005年の録画を破壊したことについて報告して
いた、とも公報は述べた。ブッシュは大統領府の法律顧問に対し
て、内部調査の際にはヘイデンを支援するように、と委託してい
た、とのことである。

     国内ニュース

警察は携帯電話とインターネットを聞くことが許される

内務委員会では議論を行なうことなく、夜の会議に入る直前に修正
を行なった。社会民主党と国民党は、警察の権限の大幅な拡大を、
ようやく国会に送り込んだ。この修正が認められれば、関係者の私
的生活に大幅に介入できることになる。今後警察は「遅延が懸念さ
れる場合には」携帯電話とインターネットを聞くことができるよう
になり、そのためには裁判官の賛成を必要としなくなる。情報保護
を訴える人々は、市民に対する影響が出る、と警告している。




12月8日(土)

     国外ニュース

米国は廃棄された事情聴取の件で予備調査

事情聴取の映像を破棄した容疑で、米国法務省と秘密情報部CIA
は、予備調査を開始した。国の安全を確保するための官庁の部局と
CIA監察長官の事務所は、CIAで行なわれたテロ容疑者の事情聴取
に関するヴィデオ映像の破棄によって、もみ消しを図った疑いで、
捜査を行なっている、と法務省は昨日ワシントンで発表した。その
発表によれば、この予備調査は、容疑が固まるかどうか、さらに広
範囲の捜査を正当化できるかについて解明するためのものである、
とのことである。CIA局長ミヒャエル ヘイデンはこれより前に、
職員あての内部文書の中で、この録画の破棄を命じたとの報道を確
認した。それは捜査員の映像がアル カーイダに特定されることを
防ぐためであった、と述べている。

     国内ニュース

首相と外相はチャド派兵を擁護

チャド派兵EU軍の一部として、国防軍の派遣計画を野党が批判を
していることについて、連邦首相アルフレート グーセンバオアー
(社会民主党)と外務大臣ウルスラ プラスニクは、リスボンで開
かれているEU・アフリカ首脳会談で、この批判を退けた。「人間
の命に関る場合には、このような冷笑家の態度は不適切であると思
う」とグーセンバオアーは述べた。EUは数十万人の人間が生き延
びられる機会を確保するために、現地に赴くのであり、派兵は難民
が安全な地域に移動できるように、絶好の条件を作り出すのに役立
つ、とも語った。プラスニクは、「今回の派兵については十分検討
を行なった」と強調した。一方緑の党は金曜日に、オーストリアが
チャド派兵に参加しないように、と警告した。安保問題の専門家ペ
ーター ピルツは、プラスニクと国防大臣ノルバート ダラボス
(社会民主党)を批判し、フランスからチャドでの任務について十
分な情報を得ておらず、今回の派兵は中立的でもなければ、多国籍
のものでもない、と述べた。




12月9日(日)

     国外ニュース

ブラウンは急遽イラクを訪問

英国首相ゴードン ブラウンは昨日、急遽イラク入りした。バスラ
で彼は現地に駐留する英国軍を訪問した。2週間後には同国南部の
州の管轄権を、イラク治安部隊に引き渡すことになっている。これ
により英国は2003年に侵入して以来監視し続けていた4つの州の
最後の一つの管轄権もイラク側に引き渡すことになる。ブラウンは
兵士を前に、多くの努力と多数の犠牲者を出して、イラクの情勢は
「本質的に改善した」と述べた。「暴力は終わっていないが、いま
や我々はこの州の管轄を委ねる。皆さんが成し遂げたことに感謝す
る」と兵士の割れるような拍手の中、ブラウンは語った。

     国内ニュース

緑の党は社会民主党の姿勢を「赤い未来同盟」と呼ぶ

緑の党党首アレクサンダー ファン デア ベレンは日曜日のテレ
ヴィ番組の中で、威令の攻撃的な姿勢を示した。彼は社会民主党は
「赤い未来同盟」と呼んだ。政権内部で国民党に対して自らの政策
を押し通すことができない政党であるからだ。亡命裁判所の決定
と、学校改革の問題での社会民主党の態度の豹変は、彼にとっては
きわめて大きな重罪である。クラオディア シュミートが教育大臣
であるのは、極めて残念だ、政府の仕事は「第一級の敗北」であ
る、とファン デア ベレンは述べた。




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