12月10日〜16日のオーストリアのニュース



12月10日(月)

     国外ニュース

ペルー元大統領フジモリは法廷で容疑を否認

ペルー元大統領アルベルト フジモリは、重大な人権侵害および汚
職に関する総合的な容疑を法廷で否認した。彼は昨日リマで、自分
は無実であると述べた。「私は訴えられた容疑を認めない」と
69歳の彼は裁判の最初の日に述べた。厳重な安全対策が取られる
中、国際人権の日に始まった公判には、多くの記者の他、フジモリ
の娘ケイコ、非政府組織の代表、犠牲者の家族が集まった。フジモ
リは1990年から2000年までペルーを支配した。自分は1990年に
破産直前の同国を、悲惨な状況から救い出した、自分の政府は
250万人のペルー人の人権を、「前例がないほど」尊重し、残虐行
為は自分の指示で行なわれたのではなく、自分はそれを非難してい
た、とフジモリは述べた。フジモリには最高で30年の拘留が言い
渡される可能性がある。

     国内ニュース

介護問題でブーヒンガーは国民党の「分別」に期待

社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー(社会民主党)は、月曜日
のテレヴィ番組で、介護問題に関して国民党が取った態度に激怒し
た態度を示した。自分は国会で共同提案に向けて調整を行なってい
るのに、「同じときに国会前でこれに反対するデモを行なってい
る」、連立相手の国民党は「あいまいな態度」を取っている、と非
難した。このやり方を取っていると長期的には、「協同作業」が不
可能になる、とブーヒンガーは述べた。彼は、国民党が分別を取り
戻し、「妥当」かつ「内容を伴った」決定を実施するように、との
期待を表明した。国民党は、オーストリア全体の介護のあり方を改
善するために十分な資金がある、と述べているが、ブーヒンガーは
これを強く否定した。




12月11日(火)

     国外ニュース

アル カーイダはアルジェを攻撃したことを認める

火曜日にアルジェは、2件の大規模な爆破によって震撼し、少なく
とも22人の生命が代償となった。この攻撃のうち1件は、国連の建
物近くで起きた。2件めは自動車爆弾によるもので、学生を乗せた
バスが通りかかったところ、最高裁判所前で爆発した。このバスに
は大量の爆薬が乗せられていた。死傷者の多くは学生であった。国
連の職員数人も死亡した。アル カーイダの北アフリカの組織が、
昨日午後、この攻撃を行なった、との声明を発表した。

     国内ニュース

オーストリア人の過半数がシェンゲン協定の拡大を拒否

オーストリア人の過半数が、シェンゲン協定の拡大を拒否してい
る。EUの国境管理が12月21日に廃止されることは、58%の人にと
って「良いことではない。」これは世論調査研究所OGMが、オース
トリア放送局の番組のために行なった調査の結果である。この調査
は18歳以上のオーストリア人500人に行なったものである。シェ
ンゲン協定の拡大に賛成したのはわずか3分の1に過ぎなかった。
4分の3は、国境管理の廃止後犯罪が増えることを懸念しており、
そう思わない人は22%に留まった。シェンゲン協定拡大の日程につ
いては、19%だけが情報を持っていた。




12月12日(水)

     最新ニュース

米国のロックの先駆者アイク ターナーが死去

米国のロックの先駆者アイク ターナーが76歳で死亡した、と元
妻のティナ ターナーのマネージャーが発表した。彼はカリフォル
ニア州のサン ディエゴ近くのサン マルコスの自宅で、午前中に
死亡していた、とのことである。死因についてはまだ発表されてい
ない。ターナーは50年代にブルースを歌っていたが、元妻と60年
代に「アイク アンド ティナ ターナー レヴュー」を行なっ
た。1976年に解散するまでの16年間で、彼らは「プラウド メア
リー」「リヴァー ディープ、マウンテン ハイ」「ナットブッシ
ュ シティ リミッツ」等のヒット曲を出していた。

     国外ニュース

スイスでブロッハーは閣僚に選ばれず

スイスでは水曜日、政治的な革命のようなものが起きた。政府の選
出にあたって、右派大衆迎合政党「スイス国民党」SVPを代表する
人物である法務大臣クリストフ ブロッハーに対して賛成投票をす
ることを、その他の政党が拒否した。国民党は外国人を敵視する選
挙戦を行なって、国会で最大勢力から脱落したため、野党になる、
と予告していた。これが確定すれば、数十年続いてきた完全な合議
制の体制が壊れ、スイス政界の平穏状態が破れたことになる。

     国内ニュース

欧州評議会は亡命希望者の取り扱いに懸念

欧州評議会の人権委員トーマス ハマーベルクは、オーストリアへ
の亡命希望者と移住希望者に対する条件について心配をしている。
人権の状況に関する報告書の中で彼は、亡命が与えられるまでの手
続きの難しさと、国外退去処分前の収容施設の使用が「ますます頻
繁に」行なわれていることを批判した。このほか既に数年に渡って
回答を待っているが、得られていない亡命希望者には、滞在許可を
認めるべきだ、とも述べている。差別からの保護を改善するために
彼は、人種差別的で外国人を排斥する行動と戦うために、「万全の
態勢」を取るように提案した。ハマーベルクは、警察が人権に対し
てもっと配慮する必要性がある、と強調した。政府に対しては、独
立の機関を作り、警察に対する暴力の容疑について調査を行なうよ
うに求めた。




12月12日(木)

     国外ニュース

ミサイル迎撃網交渉では突破口が見いだせず

米国とロシアは木曜日にブダペストで、問題となっている中部ヨー
ロッパのミサイル迎撃に関する米国の計画について、話し合いを行
なったが、なんの突破口も見いだせなかった。米国交渉団長ジョン
 ルードは引き続き行なわれた記者会見で、「有益な対話」であっ
た、両者はそれぞれの立場を説明した、と述べた。米国政府が、中
部ヨーロッパにミサイル迎撃用の用の施設を作る計画を発表してか
ら、政府の専門家による会議が行われるのはこれで5回目である。
ロシア代表団の団長は外相代理セルゲイ キスリヤクが務めてい
る。

     国内ニュース

シュミートは母国語を用いた授業を増やすのに賛成

教育大臣クラオディア シュミート(社会民主党)は、木曜日に学
校首脳会談を招集し、その会議後には、移民のオーストリアへの組
み込みをより上手く行なうために、母国語による授業を増やすこと
に賛成した。この会議には百人を越える専門家、責任ある立場の人
々、学校側からの出席者が参加し、2カ国語を使うことを早期から
促し、特に尊重するのが、どれほど重要であるかを明らかにした、
とも述べた。具体的にはトルコ語とセルビア・クロアチア語での授
業が念頭に置かれている。




12月14日(金)

     国外ニュース

バリ島での世界気候会議は合意に達することなく延期

バリ島で行なわれている国連気候会議の交渉は、中部ヨーロッパ時
間の昨日午後、数時間中断した。ドイツ環境大臣ズィークマール 
ガブリエルによれば、大きな進展があったものの、最終的な合意に
は達していない、とのことである。「さらに努力を重ねれば、妥協
案に合意することができると確信している」と社会民主党に属する
彼は述べた。ただし米国と発展途上国の意見の隔たりは大きいもの
の、工業国諸国に対する中期的な気候保護を目的とする対立点は、
解消された、とのことである。交渉は明日午前も続けられる。

     国内ニュース

「サウナ事件」をめぐる警察の報告書はすべて仕組まれたものか

「サウナ事件」をめぐる警察の内部報告書は、これは「捏造された
容疑」である、と述べている。元警察長官ローラント ホルンガッ
ハーおよび刑事事件局の局長ローラント フリューウィルトに対す
る批判が強まっている。具体的な容疑がないまま、ホルンガッハー
によりもと官僚の長であるエルンスト ガイガーに対して捜査が行
なわれた、とのことである。




12月15日(土)

     国外ニュース

クロアチア組閣をサナデルに委託

クロアチア大統領ステイエパン メシッチは土曜午後、今まで首相
を務めていたイヴォ サナデルに、組閣を依頼した。「首相サナデ
ルは国会議員の多数の支持を得ている、と言うことを私に確信させ
た」とメシッチはザグレブで開かれた記者会見で述べた。サナデル
は月曜日に、連立を組む可能性がある政党との交渉を正式に開始す
る方針である。サナデルは憲法の規定の30日以内に政府を成立さ
せることの自信をのぞかせた。クロアチア議会の多数を得るため
に、彼は153議席のうち少なくとも77議席を必要としている。
11月末の選挙に勝利した政党クロアチア民主同盟HDZは、66議席
を持っている。社会自由党HSLSおよび農民党HSSとの交渉はすで
に始まっている。

     国内ニュース

フィッシャーはEU改革条約を国民投票にはかるのに反対

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、EU改革条約を国民投票に
かけることに反対している。テレヴィ番組で彼は昨日、この条約の
国会による批准が「支持できる解決法」であると述べた。フィッシ
ャーにとっては、8百万人のオーストリア人が国民投票で、4億4千
2百万人のヨーロッパ人にとってこの条約が妥当なものであるかど
うかを決定するのは問題が多い、と見ている。首相アルフレート 
グーセンバオアー(社会民主党)も、国会による批准を擁護してい
るが、未来同盟はフィッシャーが党派的である、として非難してい
る。




12月16日(日)

     国外ニュース

イランは「全力で」核計画を進行させる

イランは国際的に異論が持たれている核計画を「全力で」進行させ
る、と大統領マハムード アフマディネジャドは述べた。これに関
してイラン政府は、財政的な制裁や軍事的な威嚇によって妨害を受
けるつもりはない、とアフマディネジャドは日曜午後にイランのテ
レヴィ局に述べた。さらにイランは西側の要求に屈伏し、ウランの
濃縮計画を断念するつもりはない、とも語った。「個人的には、国
連の3度目のイラン決議はおそらく行なわれない、と考えている。
そのような制裁には意味もなく、正当化もできない」と今後の制裁
の可能性について述べた。12月初めには米国秘密情報部が、イラ
ンは現在核兵器を開発していない、との報告を公表していた。その
報告書の中では、2003年までその計画は存在したが、その後中断
した、と述べられている。

     国内ニュース

シュトラーヒェはEU改革条約に悪態をつく

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは日曜日テ
レヴィ番組に出演し、EU改革条約を国民投票に諮るように改めて
要求した。もしそうしない場合には、オーストリアのEUからの脱
退にむけて力を注ぐかどうかについては、この番組の中では明言し
ようとしなかった。シュトラーヒェは最終的に、国民投票が実際に
行なわれないのであれば、自由党は他の国々とともに「ヨーロッパ
の別のあり方」を目指して努力している、との立場を述べた。現在
の状況は彼に、メッテルニヒの「会議は踊る」を思い起こさせ、
「いわば春の前」の状態にある、とも述べた。




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