12月17日〜23日のオーストリアのニュース



12月17日(月)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯でジハード軍幹部を殺害

イスラエル空軍は月曜日にガザ帯状地帯を攻撃し、「イスラーム教
ジハード」の現地の軍幹部と、その副官を殺害した。さらに自動車
がミサイルで攻撃を受け、36歳の副官マドシェド エル ハラシ
ンも重傷を負った、とガザのパレスチナ人組織が発表した。一般市
民6人も負傷を負った、と病院は発表した。イスラエル軍の広報
は、この攻撃がイスラーム教ジハードの軍幹部を狙ったものである
ことを認めた。ハラシンは、イスラーム教ジハードの軍事部門であ
るエル・クッヅ旅団により、イスラエル南部にミサイル攻撃を行な
う活動家の調整を行なっていた、とも述べた。

     国内ニュース

介護問題でプレルは大口を叩いているとブーヒンガーは批判

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は同
州の各地域の首長に対して、2008年の最初の3カ月に、違法な介
護を罰するようにとの命令を出したが、社会福祉大臣エルウィン 
ブーヒンガー(社会民主党)は、これを厳しく批判した。州首相が
これを約束するのは、「あまりの大口を叩いている」ことだ、とブ
ーヒンガーは月曜日の記者会見で述べた。連邦法で猶予期間を設け
るのは決定されており、この期間の最後を決めるのも連邦法であっ
て、州の法律や州首相の命令でそれを行なうことは不可能である、
ともブーヒンガーは強調した。彼は国民に対して、「誤って自分が
安全だと思いこまないように」と呼びかけた。一方憲法の専門家ハ
インツ マイアーは、プレルの命令は職権乱用である、と述べた。




12月18日(火)

     国外ニュース

国連は全ての死刑を止めるように求める

国連は突然賛成多数で、世界各地で行なわれている全ての死刑を中
止することに賛成した。昨日ニュー ヨークで開かれた国連総会
は、長年にわたる議論を経てこれに関する決議案を、賛成104、反
対54、保留29で可決した。この文書では、全ての関係国に対し
て、既に下された死刑判決を実行に移さないように求めている。長
期的な目標は、問題となっている死刑を完全に廃止することであ
る。国連事務総長潘基文は、これは国連の「勇気ある措置」であ
り、死刑の最終的な廃止にむけた潮流を後押しするものだ」と述べ
た。EUに加盟するすべての国は、この提案を支持してきた。多く
のアジアの国々および米国が反対票を投じた。死刑は今なお66ヶ
国で行なわれている。

     国内ニュース

民党はアリゴナ事件への対処は「人間的だ」と主張

国民党のウィルヘルム モルテラーは、よりによって国民党の「人
間的な取り扱い」という名称の計画発表の際に、同党の立場と内務
大臣ギュンター プラター(国民党)のツォガイ事件に対する措置
を擁護した。アリゴナ ツォガイを国外退去にするとの決定もまた
人間的であって、彼女は国外退去前に学校を卒業することが認めら
れた、と述べた。




12月19日(水)

     国外ニュース

国連安保理でのコソヴォ会談は失敗に終わる

国連安全保障理事会は、水曜日に南セルビアのコソヴォ州の今後の
地位に関する対立で、打開策を見いだすことができなかった。立場
の違いは「和解できない」と西側の国連安保理の一員であるベルギ
ーの国連大使ジョハン ヴェルベッケはニューヨークで述べた。水
曜日に行なわれた交渉では、国連安保理が共通の解決に合意できて
いない、ということが再確認された、コソヴォ問題の解決に向け、
EUとNATOと協力して、連絡を取り合う組織を作り出す、とも語っ
た。西側はコソヴォの独立を望んでいるが、ロシアはセルビアの
「領土的な一体性」を守ることを求めている。セルビア首相ヴォジ
スラフ コシュトゥニッツァは会談を前に、コソヴォの独立を承認
しないように、と警告していた。

     国内ニュース

グーセンバオアーは滞在権を法律で認めることに反対

連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)は、長期
に渡ってオーストリアで生活している外国人の滞在権を、法的な根
拠を与えて認めることにはっきり反対した。そのようなことをすれ
ば、外国人をオーストリアに不法にやってくる招待状を発行するよ
うなものだ、と彼は述べた。内務大臣ギュンター プラター(国民
党)が、アリゴナ ツォガイとその家族に滞在を許可しない決定を
下したが、グーセンバオアーはこれを一度ならず後押ししていた。
このような決定はまず尊重されねばならないし、プラターが責任を
果たすべきものでもある、とグーセンバオアーは述べた。週末にも
彼は、プラターの決定は「完全に法にかなうもの」であると評し、
たとえ多くのオーストリア人からこの決定に理解が得られなくて
も、この件の決定を下すのはプラターの権限である、と指摘してい
た。




12月20日(木)

     国外ニュース

世論調査ではメドヴェージェフがプーチンの後継者として有力

世論調査によれば、ほぼ半分のロシア人が、ディミトリ メドヴェ
ージェフが大統領ウラジミール プーチンの後継者となることに賛
成している。木曜日に公表された世論調査機関VTsIOMの調査で
は、45%がメドヴェージェフを支持している。これによりプーチン
自らが大統領として好ましいとした42歳のメドヴェージェフは、
極端な国家主義者ウラジミール ジリノフスキーおよび共産党のゲ
ンナディ ジュガーノフに対して、取り戻し不可能なほど優位に立
っている。この両者は世論調査によれば、5%の支持である。この
世論調査が行なわれたのは先週末である。プーチンは12月10日
に、自分の後継者としてメドヴェージェフを押す、と明言してい
た。メドヴェージェフ政権下で、自分は首相職をひき受ける用意が
ある、とプーチンは今週になって統一ロシア党の会議で述べてい
た。メドヴェージェフはこの会議で、正式に筆頭候補に指名され
た。

     国内ニュース

シェンゲン協定の拡大に政府は準備が十分であると判断

きょうの深夜にシェンゲン条約の反意が拡大され、オーストリア
と、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、スロヴェニアの境界がな
くなる。オーストリアはこれにより、安全になるばかりでなく、国
の政治的な意義も「再び少し」増すことになる、と連邦首相アルフ
レート グーセンバオアー(社会民主党)は述べた。「私たちが上
手く対処すれば、」シェンゲン条約は「二重の安全をもたらす」、
と副首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)は楽観的な見解を示
した。オーストリアはいずれにせよ安全確保の備えを行なってお
り、「数年前からこの日に向けて準備を行なってきた」と内務大臣
ギュンター プラター(国民党)は述べた。




12月21日(金)

     国外ニュース

米国政府はCIAの映像破棄を擁護

米国政府は裁判所の聴聞会で、破壊されたCIAの捜査の映像は、グ
アンタナモの収容所に入れられていたテロ容疑者の虐待を映したも
のではない、と公式に述べた。「破棄された映像の中に、グアンタ
ナモ収容所の虐待、拷問の光景があった可能性がある、とは思えな
い」と大統領府の弁護士ジョディ フントは述べた。CIAは2002
年のテロ容疑者の聴取の映像を破棄したことを、2週間前に認め、
これはテロ組織アル カーイダの報復から、職員を守るためのもの
であった、と述べていた。CIAは現在、米国の収容所の中で、テロ
の容疑者を虐待さらには拷問していたことを示す映像を破棄したの
ではないか、との疑いを持たれている。

     国内ニュース

シェンゲン協定拡大による国境解放後も議論は続く

オーストリアの隣国によるシェンゲン条約の拡大の持つ意義をめぐ
って、ケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同盟)とケルン
テン州生まれの外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)が、「ケ
ルンテンでの議論」といったものを行なった。ハイダーの側はま
ず、「超国家ヨーロッパ」を重んじ、国民国家をわきに置くことが
ないように、と警告した。一方プラスニクは、この拡大は、EUに
よってオーストリアおよびその各州にとって大きな機会が到来し、
それを利用しなければならない、と指摘した。これに対してハイダ
ーは、「夢見る幻想家」とならないように、と述べた。




12月22日(土)

     国外ニュース

トルコはイラク北部を改めて空爆

トルコ軍は土曜日、イラク北部のクルド人反乱勢力を、空から攻撃
した、との情報がある。中部ヨーロッパ時間12時25分から14時の
間に、クルド労働党PKKの「重要拠点」を空軍が攻撃した、とトル
コ参謀本部が軍のウェッブサイトで発表した。引き続き砲兵隊が、
イラク北部のクルド労働党の拠点を砲撃した、とのことである。ま
た先週のクルド人反乱勢力に対する攻撃では、「数百人のテロリス
ト」を殺害した、とのことである。12月16日には、トルコ空軍は
北部のカンディル山地のクルド労働党の拠点を大規模に空爆してい
た。火曜日にはトルコ地上軍が、隣国に侵攻していた、とクルド人
側は発表した。

     国内ニュース

喫煙禁止で国民党は飲食店に選択の自由を認めるように主張

国民党はタバコ法をめぐる対立で、自らの路線を変更していない。
小さな飲食店の経営者は、自ら喫煙可能な店か、禁煙店のいずれに
するかを自ら決定できるようにすべきである、と厚生大臣ダンドレ
ア クドルスキは昨日オーストリア放送に述べた。テレビ番組の中
で、厚生省からの情報として、国民党がこの問題で譲歩する可能性
がある、と報じられていたが、彼はこれを否定したことになる。小
規模な飲食店の問題で、今まで新たなタバコ法が成立していない。
社会民主党は、75平方メートル以下の小型の飲食店は、すべて禁
煙の飲食店としなければならない、と主張していた。経済界と国民
党はこれに激しく抵抗している。




12月23日(日)

     国外ニュース

ベルギー政府が承認される

ベルギー議会は昨日、新移行政権に信任を与えた。数時間にわたる
特別議会の終わりで、国会議員97人が元首相で、新首相も務める
ギイ フェルホフスタットとその閣僚に賛成票を投じた。反対した
のは46人で、保留が1名いた。これによりベルギーは、6カ月間に
わたる政治的な危機を最終的に乗り越え、行動能力のある政府を、
暫定的な形ではあれ持つことになった。今回の連立政権は5つの政
党によるもので、国会でぎりぎり3分の2の多数を持つ。閣僚は合
わせて14人で、経済大臣と副首相に就任するフラマン語地区のキ
リスト教民主同盟のイヴ ルテルムにとって重要な意味を持つ。彼
は6月の国会議員選挙で勝利をしていたが、その後半年、政権を樹
立することができなかった。国王アルベール2世はその後12月中旬
に、元首相フェルホフスタットに組閣を委託していた。今回の移行
政府は、国会の承認を得て、3月23日まで職に留まることになって
いる。現在の計画では、その後レテルメが権力を得ることになって
いる。

     国内ニュース

国防軍は不動産売却で5,800万オイロの収入

国防軍は今までに所有地と不動産を合わせて45カ所売却し、5千
8百万オイロを得た、と昨日のテレヴィ番組が報じた。国防軍改革
の一環として、不動産のほぼ4割、これは所有地約90カ所の全体と
50カ所の所有地の一部分の売却が決定されていた。旅団長ハンス
 ハンベルガーは、最終的には4億ないしは4億5千万オイロの収入
が得られるものと確信している、今までで最も高額だったのは、
1,550万オイロで売れたザルツブルクの兵舎であった。




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