1月28日〜2月3日のオーストリアのニュース



1月28日(月)

     国外ニュース

ブッシュは国民にむけ最後の演説

米国大統領ジョージ W. ブッシュは月曜夜に、国民に向けた最後の
演説を行ない、自分の景気浮揚に対する対策に信頼を寄せるように
訴え、米国人の神経をなだめるつもりである。しかし任期末をおよ
そ1年後に控えた61歳のブッシュに対しては、選挙戦の騒音が高ま
る中、自分の発言に耳を傾けてもらうのは困難である。彼の発言の
なかには、米国人の期待原則に対する不安がある。ブッシュは、石
油価格の高騰と信用および財政危機による景気減速を緩和するため
に、1千5百億ドルの景気てこ入れ策と発表していた。

     国内ニュース

情報保護で治安警察法に関して対立

連邦首相府で国際情報保護会議の催しが行なわれるのがきっかけと
なり、連立与党の中心的な代表が、治安警察法SPGの異論も出てい
る新法案を擁護する発言を行なった。緑の党の治安問題の専門家ペ
ーター ピルツは、情報保護評議会を解散することに賛成してい
る。同評議会の議長ハラルト ウェガーバウオアー(国民党)と情
報保護委員会の役員ワルトラオト コチー、ザルツブルク大学教授
ディートマール ヤーネルは、情報保護についての現実の問題につ
いて議論した。この法案は2007年12月6日に、国民評議会の最後
の会議の最後の議題として、深夜12時10分前に採択されたが、彼
らの議論の中心は、大臣ベルガーによるこの法案の採択であった。
この法案は、「身体および生命」に危険が及ぶと考えられる場合に
は、一時的IPアドレスを経由してのインターネット提供者に正式
な通告の義務を負わないで、関与することができる、という内容を
含んでいる。




1月29日(火)

     国外ニュース

米国共和党はフロリダ予備選で激しい争い

米国の共和党はフロリダ州での予備選挙で、投票まで激しいやりと
りを続けている。上院議員ジョン マケインは、急進的なイスラー
ム教徒トトの戦いで、自分は大きな経験を積んだ、と述べた。彼の
最大の競争相手である元知事ミット ロムニーが、マケインはワシ
ントンにいて国民とのつながりを欠いた、経歴を積み上げただけの
政治家である、と述べた。ロムニーとマケインは、最後の世論調査
では、ともに30%強でほぼ並んでいる。ニュー ヨーク元市長ルデ
ィ ジュリアーニがフロリダで、選挙戦に加わってくるかどうか
が、この緊張を招く原因となっている。彼は対立候補とは逆に、フ
ロリダに力を注いできた。ただし世論調査によれば、彼を支持する
のはわずか14%である。「我々は今日勝利する。世論調査や予想は
間違いだった」とジュリアーニはマイアミで戦闘的な姿勢を示し
た。

     国内ニュース

最初の兵士がチャドに向け出発

総勢160人のオーストリア人兵士の第一陣が、今日チャドに向けて
飛ぶ。12人からなる先遣隊が朝のうちに、リンツ・ヘルシングか
らヘラクレス型機で、リビア上空を経由して、チャドの首都ンジャ
メナに午後に到着することになっている。他の部隊は今後数日かけ
て、段階的にアフリカの紛争地域に移動する。遅くとも2月末に
は、全ての兵士が武器を携えてチャドに着任することになってい
る。EUからの最初の兵士は既に昨日現地入りした。ウィンでは、
報道関係者の注目が集まる中、音楽、ビール、グーラーシュで公式
の軍隊式の出発式が行なわれた。今回の派兵は合わせて4千人の兵
士によるもので、フランスが最大の2千人を出している。兵士の任
務は、スーダンとの国境地域にある難民収容所の防護である。人道
活動も中心的な任務である、と国防大臣ノルバート ダラボスは演
説の中で述べた。




1月30日(水)

     国外ニュース

2003年初めからのイラク人死者は百万人以上

米国が指揮する部隊が侵攻してから、イラクでは百万人を越えるイ
ラク人が、暴力で死亡した。昨日ロンドンで公表された調査によれ
ば、イラク人の世帯の5分の1ほどが、家族の一員をなくした。こ
の数には、2003年3月から昨年8月までの死者が含まれている。こ
の数字は、世論調査社ORB研究所と行政および市民社会研究所
IIACSSが共同で行なったものである。調査によれば、1.7%の誤差
で、103万3千人のイラク人が暴力で死亡した。質問を受けたの
は、18歳以上のイラク人2,414人であった。1997年の最新の国民
統計によれば、イラクの総世帯数は4百万強であった。

     国内ニュース

社民党は連立内で「より強い」態度を取る方針

社会民主党連邦執行部長ヨーセフ カーリナは昨日のテレヴィの番
組で、連立相手の国民党に対して「より強い態度を取る」、との同
党の確固たる姿勢を強調した。カーリナは、これは「無行動の方針
に対する挑戦」である、と述べた。人々は社会民主党に、「破棄さ
れたシュッセルの方針を、早期にそして抜本的に修正すること」を
期待している。連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民
主党)はすでに、連立相手の国民党に激しい攻撃を加えていた。国
民党は、社会党を劣っているように見せることを中心課題だと考え
ている、と「ニューズ」誌とのインタヴューで述べていた。国民党
とでは、大きめの改革計画を成し遂げることはできない。その反対
に、「怠惰にハンモックに」寝そべって、「侮辱に」力を注いでい
る。国民党はグーセンバオアーに「他人のことに口を出さない」よ
うに求めた。




1月31日(木)

     国外ニュース

連邦軍にとってはチャド侵攻は「不安ではない」

政府の発表によれば、スーダンの反乱勢力はチャドの首都ンジャメ
ナに接近した。チャド軍は一時、同市を防衛するために、陣地に入
った、と政府筋は昨日発表した。非公式な情報によれば、反乱勢力
はンジャメナの東約250キロのアチ市の近くにいる。スーダンの紛
争地域ダルフールからの難民を保護するためのEU軍の第一陣の到
着と時を同じくして、この侵攻は行なわれている。EU軍の将校に
よれば、ンジャメナおよび同国東部のアベッヘにそれぞれ50人の
先遣隊に属する兵士が派遣される。アベッヘには平和部隊の司令本
部が設置されることになっている。「プレッセ」紙によれば、オー
ストリアのチャド部隊については、最近の事態の進展から不安をも
つ理由はない、とのことである。

     国内ニュース

国民評議会は入国査証調査委員会設置を拒否

国民評議会は、調査委員会を設置して、入国査証発行に関する疑惑
を解明する必要はない。これに関する動議を自由党が提出したが、
総会が開かれる週の最後である昨日午後の会議で、連立与党の反対
でこれを却下した。未来同盟もこれを不当な要求として拒否した。
自由党副党首バルバラ ローセンクランツは、この動議提出の理由
として、この問題は政界にまで及ぶ組織犯罪である、と述べてい
た。オペラ座舞踏会の開幕と並行して行なわれるのに、連邦首相と
外務大臣をともに議論に出席させよ、との自由党のこの若干挑発的
な動議に賛成したのは、緑の党だけであった。




2月1日(金)

     国外ニュース

米国とポーランドはミサイル迎撃態勢で合意

ポーランドと米国は、ミサイル迎撃用の設備の設置で、原則的に合
意した。ポーランド外務大臣ラデク シコルスキは昨日ワシントン
で、米国政府が安全面での問題に対処する方針を示してくれたのに
は満足である、と述べた。彼は詳細については言及しなかった。シ
コルスキと米国外相コンドリーザ ライスは、共同記者会見で、米
国はポーランドの空域の防衛を支援することができる、と示唆し
た。シコルスキは、詳細は両者の交渉役が話し合って合意すること
になる、と説明した。ライスおよび国防大臣ロバート ゲイツとの
交渉を前にシコルスキは、この計画ではポーランドは「危険、それ
も政治的な危険に留まらない危険」をおかすことになる、と強調し
た。ロシアはポーランドとチェコにミサイル迎撃体制を整えるとの
計画に強く反対し、ぽランド基地に対してミサイルを向ける、と威
嚇していた。

     国内ニュース

年金委員会の新議長問題に決着

年金委員会の議長に誰が就任するかは、現在の難しい局面に変化が
見えている。以前社会福祉大臣であったローレ ホタシュ(社会民
主党)の筆頭参謀だったベルンハルト シュワルツが、クラーゲン
フルトの企業顧問マリーア ボーゲンスベルガーから議長職を引き
継ぐ、と「プレッセ」紙が報じている。2月末あるいは3月上旬に
この委員会は、平均余命が長くなることによって、さらなる年金改
革が必要となるかどうかについて、協議しなければならないが、こ
れは政治的に大きな問題である。オーストリア統計局の最新の予想
によれば、改革が切迫した問題である。ボーゲンスベルガーは
2005年秋に、元社会福祉大臣ウルスラ ハオプナー(未来同盟)
に突然任命されていた。任命が意外であったボーゲンスベルガー
は、公には年金に関する議論には実質的には全く加わらなかった。
年金委員会は毎年秋に、翌年の年金の引き上げの規模について算定
を行なう。また新議長のシュワルツは労働者会議の出身である。




2月2日(土)

     国外ニュース

オバマはイエスと武器所有権に信を置く

民主党大統領候補に名乗りを上げているバラック オバマは、米国
西部の保守的な中間層の有権者を自分の側に引き寄せようと、自分
はイエスと武器所有権に信頼を寄せている、と述べた。「私は20
年前から同じ教会に通って、イエスをたたえてきた」とイリノイ州
選出の上院議員オバマは、アイダホ市の1万人の聴衆を前に述べ
た。彼は、自分がひそかにイスラーム教徒で、米国を破壊するつも
りであると述べた電子メールを信じないように、と警告した。その
他彼は、武器を持つことは権利である、とも強調した。「私には人
々から武器を取りあげるつもりはない」と述べた。その際彼は、武
器所有の管理を厳格化することを支持したことには言及しなかっ
た。

     国内ニュース

会計検査院の「ケルンテン村」批判 未来同盟は設計者に責任

インドネシアのバンダー アチェの津波犠牲者のために、ケルンテ
ン村」を作ったことに対して、会計検査院がきわめて否定的な見解
を発表したことを受け、未来同盟は責任は設計者にあり、この問題
を裁判に持ち込む方針である。この村は募金を使って建設されたも
のの、孤児の入所は行なわれなかった。




2月3日(日)

     国外ニュース

イスラエルでは急進派がガザへミサイルを密輸

イスラエルの発表によれば、エジプトとガザ帯状地帯との間の国境
が開かれた後、過去数日の間でパレスチナ人急進派数十人が、ミサ
イルと武器をガザへ運びこんだ。パレスチナ人急進派は、国境が開
かれたことで生じた混乱状態に乗じている、とイスラエル秘密情報
部シン ベトの部長ユヴァル ディスキンは発表した。特に長距離
ミサイル、地対空ミサイル、対戦車ミサイルがこの地域に密輸され
た、と彼は閣議に報告した、と閣議の参加者が伝えた。

     国内ニュース

プラマーは国会からのテレヴィの完全中継に賛成

国民評議会議長バルバラ プラマー(社会民主党)は、本会議の議
論の中継をより容易に行なえる用にする方針である。今後、会議を
最初から最後まで生で放送することを可能にしたい、と彼女は昨日
のオーストリア放送の番組「国会」で述べた。この問題は各党の間
で対立を生むのではないかと見られていた。オーストリア放送は、
介護の規則の順守を猶予する期間の延長をめぐる議論で、中継を断
念したが、それはプラマーがそれを禁じたためであった。禁止の理
由は、各会派が生中継の間の発言時間で合意ができなかったためで
あった。プラマーは、国民評議会の会議全体を最初から最後まで、
たとえそれが深夜2時であっても、放送することが最善の解決であ
るが、このやり方は他の議会の場合には長すぎるので、インターネ
ットに接続できない人でも、国民がすべてを追いかけられる可能性
を持つことになる、と述べた。




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