3月10日〜16日のオーストリアのニュース



3月10日(月)

     国外ニュース

ニュー ヨーク知事は売春事件に巻き込まれる

新聞報道によれば、ニュー ヨーク州知事エリオット スピッツァ
ーはある売春組織の顧客であった。「ニュー ヨーク タイムズ」
紙の報道によれば、「ウォール ストリートの保安官」として有名
な元法務大臣である彼は先月、連邦当局から、どのように売春婦と
あう約束を取りつけたか、事情をきかれた、とのことである。フォ
ックス テレヴィは、情報源を明かさずに、スピッツァーはおそら
く辞任するだろう、と報じた。突然行なわれた記者会見で、スピッ
ツァーは家族に「個人的な件」で謝罪し、「自分がみずからに課し
た高い基準を守らなかった」と述べた。彼は新聞報道にも、売春組
織にも言及せず、今後の政治生命についても語らなかった。

     国内ニュース

EU法務委員会はマルティンの不逮捕特権解除に賛成

欧州議会の法務委員会は月曜午後、無所属のEU議員ハンス・ペー
ター マルティンの不逮捕特権を取り消すことを、反対1票で勧告
した。この問題の最終的な決定は、ストラスブールの総会で議員の
会議で下されねばならない。この投票は水曜日の議題に上ってい
る。この採決のきっかけになったのは、マルティンの元税理士の事
務所メルクール トロイハントが、欧州議会議員の秘書補助金の利
用に関連して、訴えられたためである。法務委員会はこの件は、マ
ルティンに政治的な活動とは無関係であると判断し、ウィーンの裁
判所の申請を支持した。一方マルティンは「不合理な政争である」
と述べた。




3月11日(火)

     国外ニュース

米国民主党予備選挙がミシシッピ州で始まる

米国大統領選挙の候補者を選ぶ戦いは、現地時間の昨日始まったミ
シシッピ州での予備選挙で、新たな段階に入った。バラク オバマ
がはっきり優位に立って、投票に突入した。対立候補のヒラリー 
クリントンは、既に米国南部での予備選挙で成果をあげないままで
あった。ニュー ヨーク選出の上院議員である彼女は、4月22日に
次の選挙が行なわれるペンシルヴァニアに期待をかけている。アフ
リカ系の市民の割合が大きいため、ミシシッピではイリノイ出身の
上院議員オバマが、はっきり勝利するものと見られている。8月の
民主党候補指名党大会には、ミシシッピから33人の代議員が投票
を行なう。158人の代議員を決めるペンシルヴァニアの価値の方が
はるかに大きい。AP通信の計算によれば、オバマは1,579人、ク
リントンは1,473人の代議員を持っている。大統領候補になるため
には、少なくとも2,025人の代議員が必要である。共和党では既に
ジョン マケインが大統領候補に確定した。

     国内ニュース

フィッシャーは「選挙のヒステリー」を望まない

連邦大統領ハインツ フィッシャーは昨日、「新たな選挙を行なっ
て興奮状態」を過度に引き起こすのには反対である、と述べた。彼
は昨日午後のテレヴィ番組で、「この問題を強調をする周知の結果
が先週既に出ている」と語った。政権の委託は、4年間の任期全体
に対するものであるのは変わらない、重要なのは事態に即してよい
仕事をする努力が払われることであって、もし政府がよい仕事を行
なって任期を全うするのであれば、喜ばしいと思う、とも語った。
連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)と副首相
ウィルヘルム モルテラー(国民党)の昨日午後の王宮での緊急会
談の内容については、フィッシャーは何も語らず、「信頼感に満ち
た話し合いであった」とだけ述べた。少数政権問題についても、何
の発言もなかった。




3月12日(水)

     国外ニュース

ニュー ヨーク州知事スピッツァーは辞任

売春疑惑に関与したニュー ヨーク州知事エリオット スピッツァ
ーは、月曜日に辞任すると昨日発表した。「ニュー ヨーク タイ
ムズ」紙が以前に報じたところによれば、民主党に属する彼は、高
級売春婦とあう約束を数回電話で行なったのが盗聴された、とのこ
とである。スピッツァーは、混乱に陥っている債券保証会社MBIA
とアムバクの救済計画を進める勢力の1人であった。彼は以前はニ
ュー ヨーク州の法務大臣と検事総長を務めていたが、彼は金融会
社に対する容赦ない捜査を行なう、との評判を得ていた。

     国内ニュース

閣議は最低限度の保険の方向へ最初の手段を取る

社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー(社会民主党)の最低限度
の保険を作る計画の報告書は、水曜日に閣議を通過した。ニーダー
エスターライヒ州とフォアアルルベルク州を中心に出ている懸念
を、今後2、3週間で取り除きたい、との希望を彼は持っている。
国民党の閣僚も、最低限度の保険を労働市場局へと広げて行くこと
に賛成しており、少なくとも、各州との交渉では少なくとも非公式
の支援は受けられるものと思っている、とも述べた。各州は、最低
保険を行なうのに適切な場は、労働市場局ではなく、各郡の行政当
局である、と見ている。ブーヒンガーによれば、今までの計画に対
して、さほど大きな修正を加える必要がないとの評価の草案が、
3月末か4月初めに出される。国民評議会での採決は6月に行なわ
れ、この日程通りに行けば、最低保険は2009年初めにも発効す
る、と彼は述べた。




3月13日(木)

     国外ニュース

気候保護と地中海連合でEUは今後の予定に合意

EU加盟各国の首脳は、年末までにEUの気候保護対策をまとめる方
針である。EU首脳会談はこの「野心的な予定表」に合意した、と
EU評議会議長を務めるスロヴェニアのヤネス ヤンシャは、27カ
国の首脳との協議を終えた木曜日夜にこれを発表した。地中海の隣
国とEUとの「地中海連合」の計画でも合意が成立した。「遅くと
も2008年の初めに」は、気候保護対策はEU議会で採択される、と
ヤンシャは述べた。フランスとどいつが提案した地中海連合は、今
回の首脳会談で支援を受けたが、各国首脳は、この問題では原則的
な問題だけを討議するにとどまった、と報告した。EU委員会議長
ジョゼ マヌエル バローゾは、全てのEU加盟国が地中海連合に
参加するというのははっきりしている、と述べた。

     国内ニュース

ファイマンは連立の分割よりも合同を求める意向

社会民主党の政府調整官で、基盤整備大臣ウェルナー ファイマン
は、連立の危機にあたって、分裂よりも協力を推す方針である。た
だし物価の上昇に緊急対策を決定するのは、どうしても必要であ
る、と語った。そのためファイマンは、国民党に拒否された税制改
革の早期実施を主張している。今後2ないし3週間で、国民党と解
決に向け、主要な論点に取り組むことになるが、いずれにせよ機会
を逃してはならない、とファイマンはテレヴィ番組で述べた。問題
となっている連邦首相アルフレート グーセンバオアーの発言につ
いては、彼は誰かを個人的に侮辱するつもりではなかった、と述べ
た。また内閣の人事改造はないだろう、との見通しも述べた。




3月14日(金)

     国外ニュース

南ドイツ新聞「メルケルは近東会議をベルリンに招待」

「南ドイツ新聞」の情報によれば、ドイツ政府は6月上旬に、パレ
スチナ人独立国家を建国する際の支援に関して国際会議を招待する
方針である。外務大臣が出席する水準の会議には、イスラエルとパ
レスチナ人自治当局の代表の他、EU27カ国、近東四極の国連、
EU、ロシア、米国、さらにアラブ諸国から出席する、と同紙は伝
えている。ドイツ政府の広報はこの情報を確認し、「この会議で
は、パレスチナ人居住地区の警察と司法の再建を取り扱う会議」が
行なわれる、と述べた。同紙によればこの会議の目的は、独立国家
の責任を引き継ぐ準備をパレスチナ人にさせることであり、ドイツ
首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)が、この会議を開
会し、首相府および外務省とともに組織する。

     国内ニュース

シュッセルは秋に選挙が行なわれる可能性を排除しない方針

国民党会派長ウォルフガング シュッセルは、秋に選挙が行なわれ
る可能性を、完全には否定しない方針である。これは社会民主党の
考え方次第である、とシュッセルは「ザルツブルク通信」紙のイン
タヴューで述べた。社会民主党が選挙を望むのであれば、秋まで待
つ必要はない、とも述べた。首相で社会民主党党首のアルフレート
 グーセンバオアーがブリュッセルでのEU首脳会談から帰国して
すぐ、シュッセルは、「明確で、確実、信頼できる」方針を示すよ
うに求めた。一方シュッセルは、連邦政府が次々に変わることは支
持できず、国民党、緑の党、未来同盟との二重の連立が行なわれる
のではないか、との観測を否定した。そのような考えは、「全く不
合理」であり、政府は任期を全うするべく努力すべきだ、と述べ
た。




3月15日(土)

     国外ニュース

ブダペストでは国民の祝日に市街戦

土曜日午後ブダペストでは、極右の反政府勢力数百人が、警察と市
街戦を行なった。暴力的なデモ隊は、可燃物を投げ、ゴミ収集箱を
ひっくり返し、交通標識を根元から引きちぎった。警察は21人の
暴徒を逮捕した。警官数人が軽傷を負った。この暴動は、約千人の
右翼急進派が参加し、規則にのっとって行なうと申請していた集会
から逸脱したものであった。扇動者の1人が参加者に対して、自分
とともに数キロ離れた芸術王宮まで「散歩」しようと呼びかけた。
芸術王宮ではこの時、社会党の首相ジュルチャーニ フェレンツが
出席して、式典が行なわれていた。ハンガリーでは昨日、1848年
に起きたハプスブルク支配に向けられた革命の160年記念式典が行
なわれた。ジュルチャーニの有名な「嘘の演説」が発覚した
2006年秋から、右翼急進派は、さまざまな歴史の記念日を、反首
相の暴力的な抗議活動の場として利用している。ジュルチャーニは
この時、党内の演説で、2006年4月の国会議員選挙で勝利を収め
るために、有権者を「欺いた」ことを認めた。

     国内ニュース

ブーセクはシュトラーヒェの自由党との連立を断固拒否

国民党所属の元副首相エアハルト ブーセクは、ハインツ・クリス
ティアン シュトラーヒェを党首とする自由党との連立には、絶対
に反対である、と述べた。また国民党、自由党、未来同盟の連立と
いう「緊急の解決」も自分は受け入れられない、国民党内部にこの
ような考え方があることに、自分は「きわめて激しく」抵抗する、
とブーセクはテレヴィ番組「来客を交えて時事問題に」で述べた。
彼が望ましいと思う連立のあり方は、もし大連立が上手く機能しな
いのであれば、国民党と緑の党との連立である、と語った。




3月16日(日)

     国外ニュース

サルコズィは地方選挙で手痛い敗北

フランス大統領ニコラ サルコズィ政府は、ストラスブールや、エ
アバス社のお膝元であるトゥールーズなどの大都市で敗北し、昨日
の地方議会選挙で手痛い敗北を喫した。社会党は、パリとリール等
の拠点を守り、中央政府に対抗する「下からの対抗勢力」を作る基
盤を拡大することに成功した。首都パリでは、社会党の市長ベルト
ラン ドラノエの陣営が、第1回集計発表によれば、国民運動連合
UMPの候補者のフランソワーズ ド パナフューに明確に勝利し
た。「大統領はフランス人の訴えに耳を傾けるように求められてい
る」と社会党党首フランソワ オランドは述べた。首相フランソワ
 フィヨンは、選挙結果を「道具」として使わないように、と警告
し、改革の方針に集中する、と予告した。

     国内ニュース

連立両党はお互いに仕事を促しつつ責任転嫁

国民党が6月1日に選挙を行なう場合の戦略文書が表に出て以来、
政権党両党がお互いに仕事を行なうようにとの呼びかけと、連立の
停滞に関する責任のなすりつけあいが強まっている。社会民主党は
昨日、この問題に関するこの内容の通達を発表した。「国民党党首
モルテラーは、どれぐらいの範囲で彼および国民党が、オーストリ
ア国民のために働く気があるのか、明確にしなければならない」と
国会の会派長ヨーセフ カープは述べた。同様の論調は、社会民主
党オーバーエスターライヒ州党首エーリヒ ハイダーと、ブルゲン
ラント州首相ハンス ニースルも述べた。一方国民党事務長ハネス 
ミセントホーンは社会民主党に、「連立政権綱領の本分に戻る」よ
うに訴えた。経済大臣バルテンシュタイン(国民党)は、インタヴ
ューの中で、秘密の文書の存在を間接的に認めたが、この文書は
「威嚇のため」のものであると小さく評価し、連立の未来について
は楽観的な見通しを述べた。




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