3月24日〜30日のオーストリアのニュース



3月24日(月)

     国外ニュース

イラクでは人質ヌスバオマーの同僚の遺体が発見

米国の警備会社の社員2人がイラクで誘拐されてから1年以上経つ
が、彼らの遺体が見つかった。オーストリア人ベルト ヌスバオマ
ーも、当時はこの一団に加わっていた。遺体が誰のものか判明し
た、と米国連邦警察FBIは発表した。死者は、それぞれ2006年
11月と2007年1月に誘拐されたロナルド ウィズローとジョン 
レイ ヤングである。ウィズローは警備会社JPIワールドワイドの
イラクでの従業員であり、ヤングはクレセント警備会社で働いてい
た。2006年11月にイラクで誘拐されたままのヌスバオマーも、ク
レセント社で働いていた。ウィーンの外務省は、米国の担当者と常
時連絡を取っている、とのことであるが、ヌスバオマーについては
新たな情報はない、とのことである。

     国内ニュース

チェコ大統領クラウスがウィーンを訪問

チェコ大統領ヴァーツラフ クラウスが明日から、オーストリアを
1日の日程で公式に訪問する。彼は連邦大統領ハインツ フィッシ
ャーと政治会談を行なう。大統領府の発表によれば、EU改革に関
するリスボン条約、EUの今後、コソヴォ問題、および両国関係が
議題になる、とのことである。お昼にはクラウスは、妻リヴィアと
共にウィーン入りし、王宮内部で大統領から軍隊式の栄誉で出迎え
を受ける。その後王宮では、両大統領による会談の他、記者会見が
行なわれる。午後には大統領夫妻は民俗学博物館で「ツタンカーメ
ンとファラオの世界」を訪問し、夜には「アルプバッハ会談」の一
環として、「緑の環の中の青い地球 環境と自由どちらが脅かされ
ているか」という本について語る。




3月25日(火)

     国外ニュース

中国はチベット紛争で仲介を受けるのを拒否

チベット人の抗議活動が続いているにもかかわらず、中国はこの紛
争の仲裁に外国を参加させることを断固拒否している。新たに起き
た暴動では、少なくとも警官1人と、チベット人僧侶1人が死亡し
た、との報道がある。亡命チベット人の発表によれば、10日間続
いている外国人である中国人による支配に対する抗議活動では、既
に140人ほどが死亡している。チベット人の宗教上の長ダライ ラ
マは、チベット人に対して改めて非暴力を訴え、自分が身を引く、
と威嚇した。今後も暴力的なデモが行なわれるのであれば、自分に
は、政治の舞台から身を引く以外の選択肢はない、と述べた。一方
中国政府広報は、チベット問題は中国の国内問題であって、外国の
介入を拒否する、と述べた。さらに外国人記者十人ほどを選んで、
チベットの首都ラサを訪問する機会を作る、とも発表した。

     国内ニュース

元経済相は税制改革案を呈示

元経済大臣ヨハネス ディッツ周辺の国民党に近い組織は、包括的
な税制改革案を提出した。その内容は、13カ月および14カ月目の
月給に関する改革を含む給与所得税の支払い者の負担の大幅な軽減
である。国民党は、代わりの増税を拒否するという党としての方針
を立てているため、それとは逸脱する形でディッツは、株式による
所得と賭博の売り上げに対して課税するように求めている。また国
民党の経済連合に近い立場のユリウス ラープ財団の社会市場経済
研究所は、社会福祉制度に関して、急進的な改革を提案した。




3月26日(水)

     国外ニュース

グルジアとウクライナをめぐるNATO内部での対立

ドイツを含む西ヨーロッパ諸国は、米国政府の外交上重要な案件
で、米国大統領ジョージ W. ブッシュを、ぞんざいに扱っている。
外交筋からの「ドイツ経済時報」の情報によれば、西ヨーロッパ諸
国は、来週ブカレストで行なわれるNATO首脳会談では、ウクライ
ナとグルジアが加盟の候補国としての地位を得るのを阻止する方針
である。NATOの東への拡大に関する最も重要な部分が、これが行
なわれれば、当面停止することになる。現在NATOの東ヨーロッパ
への拡大は、バルト諸国とポーランドからブルガリアまで進んでい
る。この阻止の背景には、ロシアをこれ以上怒らせたくない、との
願いがある、と報じられている。退任する大統領ウラジミール プ
ーチンは、もしウクライナがNATOに加盟するのであれば、核ミサ
イルをウクライナに向ける、と威嚇していた。外交官の情報によれ
ば、ブッシュはドイツ首相メルケルと電話で話し合い、ウクライナ
を強く支持していた、とのことである。

     国内ニュース

財産増加税問題でバルテンシュタインは投資家を落ち着かせる

経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)は、予定され
ている財産増加税の詳細を初めて発表した。彼はこれにより、小規
模の投資家を安心させようとしているものと見られ、株の投資の機
関を「ある程度延長」するものに過ぎない、と述べた。新たな税金
が導入されることは議論されていない、と「シュタンダルト」紙、
「プレッセ」紙、「エスターライヒ」紙にバルテンシュタインは述
べた。株式による利益は現在、1年間保有していれば、無税であ
る。バルテンシュタインは、これを延長する可能性があるが、自分
の考えでは、私的な不動産、土地の10年間の保有期間よりは、か
なり短い期間にするつもりだ、とも語った。利子利益税と同様25%
の税率が考えられる、とも述べた。現在売却益に対する税金は、
38.3%から50%が課される不動産所有者には、現在よりも有利にな
る可能性がある。




3月27日(木)

     国外ニュース

シーア派指導者サドルはバスラでの暴力行為の中止に賛成

急進派シーア派の説教師モクタダ エル サドルは、数日に渡って
自分の支持者とイラク治安部隊が公選を続けたことを受け、暴力の
公使を中止する話し合いに応ずる用意がある、と発表した。彼は木
曜日に、最も重要な顧問を通じて、全員が政治的な解決を模索しな
ければならないし、自分の支持者の抗議活動は、平和的なものでな
ければならない、と発表させた。「イラクが血を流すことを忘れて
はならない」と態度表明の中で述べた。イラクのいくつかの都市で
戦闘が行なわれた後、治安部隊は首都バグダードに3日間の外出禁
止令を課した。バスラを中心として繰り広げられた戦闘と、治安部
隊とサドルの支持者、その他のシーア派組織の間で再燃した暴力
で、百人を越える人が死亡した。

     国内ニュース

資産増価税には国民党内にも反対派

国民党内部では、資産増課税計画に反対する声が増えている。農業
大臣ヨーセフ プレルとフォアアルルベルク州首相ヘルバート サ
オスグルーバーは、「土地と大地には手を出すな!」と求めた。国
民党のある国会議員は、自分の意見を隠して置かないとして、自分
にはこの資産に対する新税は「馬鹿げた思いつき」である、と述べ
た。経済界もこれには反対している。大蔵大臣で副首相のウィルヘ
ルム モルテラー(国民党)は、党内からの批判に落ち着いた反応
をしている。彼は、25%の税率について、例外措置も含めて検討し
ている。




3月28日(金)

     国外ニュース

米軍がバスラでの戦闘にますます大きく介入

イラク軍は、シーア派の説教師ムクタダ アル サドルの民兵に対
する攻撃では、戦果をあげておらず、ますます大規模な米軍の支援
に頼らざるを得なくなっている。イラク南部のバスラでの戦闘開始
以来初めて、英国と米国の軍機が石油都市であるバスラを爆撃し
た。バグダードでも米軍は、激しい戦闘に巻き込まれている。治安
部隊と民兵の間で続く戦闘は、4つの都市にも拡大している、と報
じられている。イラク国防大臣アブデル カデル ヤシム アル 
オバイディは記者会見で、これは通常の動員であるが、民兵の抵抗
に驚いており、計画と作戦を修正しなければならない、と述べた。
一方米国大統領ジョージ W. ブッシュは昨日ワシントンで、イラク
は強力なシーアは民兵との戦いで、岐路に立っている、と語った。
自分が国民の多数派を代表していると主張する政府は、法に違反し
て行動することができると信じ込んでいる犯罪組織や犯罪者に立ち
向かわなければならないが、これがまさに今バスラで起きているこ
とだ、ともブッシュは述べた。

     国内ニュース

会計検査院は交通政策を批判

会計検査院は昨年の気候保護政策と交通政策を批判した。2002年
の気候保護の戦略は、「十分な成果をあげられなかった」し、「実
際に起きている交通量の増加を吸収」できていない、と「クライン
新聞」に掲載された報告で厳しい批判が述べられた。現政権の気候
保護戦略は、交通量を5分の1減らすための「新たな展望」を欠い
ている、とも批判された。この報告書はグラーツ大学の研究を引用
して、人気を失うような措置が取られなければならない、たとえば
ガソリンと軽油の税金を大幅に引き上げたり、トラックからは走行
距離に従って通行料を取ったりしなければならない、と記してい
る。




3月29日(土)

     国外ニュース

チベットのラサでは再び抗議活動

チベット亡命政府の発表では、チベットでは新たな抗議行動が発生
した。抗議は昨日、首都ラサにある僧院の外で起きた、とインドの
ダラムサラに本部がある亡命政府が発表した。現地時間の午後2時
頃、僧院ラモチェ前に抗議の人々が集まったほか、近くの寺院の前
と路上でデモが行なわれた、たちまち数千人の規模となった。外国
筋の情報では、中国治安部隊は、これらの僧院の周辺を中心に、ラ
サの各地を通行禁止にした、とのことである。チベットの反中国抗
議行動は、3月10日に始まり、4日後に強大化した。チベット亡命
政府の発表によれば、少なくとも135人が死亡した。中国政府は、
死者は20人ほどである、と述べている。

     国内ニュース

医師会は社会福祉の協力体制に関する文書を拒否

医師会は経済会議と労働組合が発表した文書を、「断固」拒否し、
間接的ながら路上で抗議をする、と威嚇している。この「まとまり
のない思いつき」のごく一部であっても現実に移されるのであれ
ば、オーストリアでの医療は大幅に劣化することになる、と会長ワ
ルター ドルナーは昨日午後に発表した。同時に彼は、医療関係者
は以前に、このような計画に反対してデモを行なったことがある、
と指摘した。このような事態になれば、医師は事前に定められた経
済的な指標によって縛られ、「技術水準に従ってではなく、安価な
治療法」で診療を行なわなければならなくなる、とも語った。




3月30日(日)

     国外ニュース

イラクでは民兵との戦闘が終了する兆し

数日にわたる流血の戦闘の後、イラクではシーア派民兵と政府軍の
間の戦闘に、終わりが見えてきた。シーア派急進派の指導者モクタ
ダ サドルは昨日声明を発表し、自分を信奉する人々に、撤退する
ように呼びかけた。彼は「イラク人が血を流すのを止め、イラクの
独立と安定を守ることを求めていると述べ、逮捕された自分の支持
者を釈放し、攻撃を止めるように求めた。これより前に、イラク当
局と民兵は、交渉を開始していた。首相ヌリ エル マリキは、サ
ドルの呼びかけを「よい提案である」と述べた。ただし、イラクの
首都バグダードと南部の都市バスラに課されていた外出禁止令は、
当面撤回されない。サドルのメフディ民兵とイラク治安部隊の戦闘
は、火曜日に石油都市バスラで始まり、吸うとしに拡大していた。
この戦闘では270人以上が死亡した。サドルの活動は、住民に大き
な影響をもっており、政治的な発言権の拡大を求めていた。しかし
サドルは支持者に2007年8月以降は、停戦を守るように命じてい
た。

     国内ニュース

調査委員会はほぼ1年続く可能性

内務省疑惑の調査委員会は、当初の予想よりも長引く可能性があ
る。「期間は半年以上はかかる。これは間違いない」と調査委員会
議長ペーター フィヒテンバオアー(自由党)は昨日述べた。これ
に対して国民党会派長ヘルムート クーカッカは、調査の作業は早
く、できれば夏までに終えるように求めた。水曜日の次回の会合で
は、フィヒテンバオアーは委員会に呼ぶ人の最初の一覧表を決定す
る方針である。社会民主党とともに、国民党も調査委員会は、いつ
何時でも調査委員会は終了してよい、との考えである。




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