３月３１日〜４月６日のオーストリアのニュース
３月３１日（月）
国外ニュース
ジンバブエでは選挙の不正の懸念が強まる
危機に陥っているアフリカの国ジンバブエでは、大統領、国会議
員、地方議会議員の選挙から2日、遅々として集計が進まないた
め、新たな選挙結果の捜査の疑惑を述べる声が強まっている。今ま
での集計では、月曜午後遅くまで、大統領ロバート ムガベ
（84歳）の政権党「ジンバブエ アフリカ民族同盟・愛国戦線」
ZANU-PFと、モーガン ツヴァンギライ（56歳）「民主化運動」
MDCが接戦を繰り広げていた。選挙委員会は国会の67議席の今ま
での配分を発表した。「ジンバブエ アフリカ民族同盟・愛国戦
線」は31議席、「民主化運動」は30議席、6議席がアーサー ム
タムバラ率いる「民主化運動」の分派である。この数字は、既に勝
利を宣言している野党の数字とは全く異なっている。集計の遅れ
は、20年に渡って政権を持つムガベによって、選挙では不正が行
なわれていた、との懸念を生んでいる。
国内ニュース
シュミートは連邦学校に10億オイロを支出すると予告
今後十年間で、少なくとも10億オイロを連邦の学校の基盤を整備
するために投資する、と教育大臣クラオディア シュミート（社会
民主党）は、昨日ウィーンで開かれた「学校首脳会談」を前に予告
した。この計画は2009年に始まり、主として教員の労働環境を改
善する設備と、学校の活動拡大のために使われる、とのことであ
る。この会議のもう一つの議題は、学校での暴力である。この問題
に関連して、学校の心理学者の数を150人から180人に増やすとの
措置を発表した。また人材確保の権限を、学校長に認めるなどの、
学校の責任に関する明確な規則を示した。緑の党はこの学校首脳会
談を批判し、この会談は「言語療法」に堕している、と教育問題の
専門家ディーター ブロスツは述べた。
４月１日（火）
国外ニュース
ポーランド国会はEU改革条約を批准
ポーランド国会は火曜日、EU改革に関するリスボン条約を批准し
た。これにより、政府と右派保守派の野党で大統領レフ カチンス
キの支持を受けている野党の間が、数週間に渡って対立していた
が、これが解消した。この法律に賛成したのは、最後には、政権与
党、右派自由主義の「市民公開会議」POと穏健な農民党PSL、左
翼連合LiD、無所属の国会議員と、右派保守党の「法と正義」PiS
の3分の2の議員である。首相ドナルド トゥスク(PO)は、自分は
大統領との妥協案を自分の側は守るつもりだ、と国会で述べた。こ
の法律にはポーランド政府は、EU改革条約修正の際には、独断で
賛成するのではなく、事前に大統領と国会に介入させることが含ま
れている。これは、EU基本憲章およびイオニア体制に対して、ポ
ーランドが留保をつける際にも有効である。
国内ニュース
調査委員会は作業計画を作成
内務省およびその他の省庁の疑惑に関する調査委員会は、水曜日の
会議で、議長ペーター フィヒテンバオアー（自由党）の考えに従
って、夏までの作業計画を作成する。フィヒテンバオアーは、内務
省の「決定的な文書」がまだ入手できていないので、決着をつける
ような決定がでる可能性は低い、と見ている。関係する官庁が求め
ている文書の請求を詳しく検討することも議題の一つである。フィ
ヒテンバオアーは、さらに調査委員会の恒久化の問題も取り扱う方
針である。
４月２日（水）
国外ニュース
ジンバブウェの選挙では政権党が敗者に
官庁の発表によれば、ジンバブエの国会議員選挙では、政権党であ
る「ジンバブウェ アフリカ民族同盟・愛国戦線」ZANU-PFは、
過半数を失った。投票から4日の水曜日に国民選挙委員会がこれを
発表した。それによれば、大統領ロバート ムガベの政権党は、も
はや絶対多数を持ってはいない。210の選挙区のうち199の集計が
終わった時点で、「民主化運動」MDCが105議席、「ジンバブウェ
アフリカ民族同盟・愛国戦線」は92議席を獲得した。無所属の
候補者で、ムガベの元情報大臣ジョナサン モヨも議席を獲得し
た。これより前に野党「民主化運動」は、同時に行なわれた大統領
選挙でも勝利をした、と発表していた。国営放送は、決選投票が行
なわれる、と示唆していたが、結果の趨勢から見ると、ムガベも野
党の候補者ツヴァンギライも、当選に必要な50%を取っていない、
と「ヘラルド」紙は報じた。
国内ニュース
調査委員会の最初の証言者の登場はようやく3週間後
内務省疑惑等の調査委員会で、最初の証人が登場するのは来週では
なく、4月末である。さらに書類の入手の課題も解決されていない
模様で、議長ペーター フィヒテンバオアー（自由党）によれば、
内務省から「必要な書類」が届いていない、とのことである。元連
邦刑事警察庁長官ヘルウィヒ ハイディンガーとの長時間にわたる
目撃者証言が、この調査で重要な役割を果たす、とのことである。
最初の問題は、内務省の職権乱用とされる件に取り組む方針であ
る。
４月３日（木）
国外ニュース
プーチンとユシュチェンコはNATO首脳会談に出席
ブカレストで開かれているNATO首脳会談が終わるにあたって、退
任するロシア大統領ウラジミール プーチンと、各国首脳が会談を
行なう。話し合いの中心議題は、米国が東ヨーロッパに計画してい
るミサイル迎撃網問題になる、と見られている。NATOはこの計画
を公式に支持している。NATOとウクライナ大統領ヴィクトル ユ
シュチェンコとの会談も計画されている。彼は昨日、NATO加盟国
に対して、NATO加盟交渉の具体的な日程を示すように求め、その
際ウクライナのNATO加盟は、どの国も、つまり「ロシアも」敵対
視するものではない、と強調した。ウクライナ政府は、ヨーロッパ
の安保態勢の一部になることを望んでおり、その「戦略的な方針に
向け」決断を下した、とも語った。批判的な勢力は、大統領は国民
の多数の意向に反して、NATO加盟を進めている、と非難してい
る。
国内ニュース
非喫煙者保護は最初の会議では成果は出ず
話し合いは続けられる。厚生大臣アンドレア クドルスキ（国民
党）と社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー（社会民主党）は木
曜日午後に、被喫煙者保護のための話し合いを行なった。両大臣の
「教の話し合いは、建設的かつ極めて良好な雰囲気で行なわれた。
話し合いの内容については口外しないことで合意した」とクドルス
キの公報は述べた。今年5月までに「連邦政府の行動計画に従う形
で、共同提案を練り上げる」とも公報は述べた。話し合いは1時間
15分行なわれたが、意見の歩み寄りがみられたかについては、言
及しようとしなかった。
４月４日（金）
国外ニュース
チベットで新たな抗議行動 死者発生の模様
数百人のチベット人が木曜午後から、中国南西部で再び、中国のチ
ベット政策に抗議を続けている。人権団体の発表によれば、この抗
議活動で、女性3人と僧侶1人を含むデモ隊8人が死亡した。国営の
新華社通信は金曜日には、抗議行動があり、警官1人が負傷した、
と報じている。チベット人に近い立場のロンドンの組織によれば、
政府軍がデモ隊に向け発砲した。一方国際オリンピック委員会は、
内部の覚え書きの形で、先月始まったチベット紛争にどのように対
処するか、委員に勧告した。委員長ジャック ロゲは3月17日に、
これに関する覚え書きを送っていた、と人権団体「国境なき記者
団」は報じている。その中でロゲは、中国の政策はオリンピックを
阻害することはないので、参加中止を拒否していた、とのことであ
る。パリに本部のある「国境なき記者団」は、信頼できる政府や組
織の中で、オリンピックへの不参加の考えを支持している者はな
い、とも述べている。
国内ニュース
オーストリア人人質の交渉は「全力で進行」
2月にアフリカ北部で誘拐されたザルツブルク人人質の釈放を実現
するため、オーストリアの交渉団の作業は、全力で行なわれてい
る。特使アントン プロハスカはフランスのAFP通信にマリの首都
バマコで述べた。誘拐犯から最後に示された期日が過ぎる前に、誘
拐されたアンドレア クロイバーとウォルフガング エープナーを
解放できるかどうか、自分は楽観的にも悲観的にもなっていない、
と述べた。人質はマリ北部や、アルジェリア南部などにおり、一定
の場所には留まっていないようだ、とも語った。ハライン出身の彼
らは2月22日にアルジェリア出身のイスラーム教徒組織「イスラー
ム教マグレブのアル カーイダ」に誘拐され、マリへ連れ去られて
いた。人質犯が設定した3度目の最終通告では、身代金の他、アル
ジェリアとチュニジアの収容所にいる同志の釈放を求めているが、
この期日は日曜日に切れる。
４月５日（土）
国外ニュース
ジンバブウェ野党はムガベへ圧力をかけるように呼びかける
ジンバブウェの野党は、大統領ロバート ムガベとの大統領選挙を
めぐる対立で、外国に支援を求めた。「世界各国が、ジンバブウェ
国民の意志を受け入れるように、ムガベを説得してください」と昨
日野党の広報ネルソン カミサは述べた。野党の候補モーガン ツ
ヴァンギライは、初めて自分が選挙で勝利した、決選投票は「行な
う必要がない」と述べた。大統領選挙の正式の結果はあいかわらず
出ていないが、野党は国会議員選挙では勝利した。野党は発表をす
るように、裁判所へ訴えを起こしていた。一方国営放送によれば、
大統領ムガベの支持者は、ある白人の農園を占拠し、独立戦争の退
役兵が、白人所有の農場のうち最後まで残っていたものを占拠し
た、とのことである。
国内ニュース
ヒルツベルガー事件で弁護士は国を相手に訴えを起こす
ヒルツベルガー事件の主たる容疑者の身元が特定されたことを受
け、オーストリアは、ストラスブールのヨーロッパ人権裁判所で、
裁判手続きが取られる可能性が高まった。警察が記者会見で、主た
る容疑者の写真を公開し、彼の名前を完全な形であげたため、弁護
士ニコラウス ラストは、オーストリア共和国を同裁判所に訴える
方針である。現在書類を推敲中である、と彼は「クリール」紙に述
べた。オーストリアの報道に関する権利は、私人を公にさらすこと
がないように、個人の権利を厳密に守る内容を含んでいるが、容疑
者追及を行なう場合などには、警察には例外が認められている。し
かしこの容疑者は、記者会見の時点で既に逮捕されていた。名前の
公表と写真の公開は、彼が犯人であることを示すさらなる証拠が得
られる、と警察は期待していた。
４月６日（日）
国外ニュース
モンテネグロ大統領にヴヤノヴィッチ再選
モンテネグロ大統領フィリップ ヴヤノヴィッチは、非政府組織の
最新の得票予想によれば、日曜日に再選を間違いないものにした。
監視本部によれば、ヴヤノヴィッチは投票の52.3%を獲得し、「セ
ルビア人候補者名簿」の党首アンドリヤ マンジッチが19.3%でこ
れに続いた。「変革運動」党首ネボイサ メドイエヴィッチは、
17.3%の第3位に留まった。親セルビアの「社会主義国民党」議長
セルジャン ミリッチは、11.3%であった。投票率は約68%であ
った。監視本部の集計予想は、1,100ほどの投票所のうち243カ所
の選挙結果に基づくものである。ヴヤノヴィッチは既に勝利宣言を
行なった。
国内ニュース
健康保険問題で労使の改革にむけた文書が成立
健康保険改革にむけた労使双方の案が成立した。オーストリア労働
組合連合幹部は、日曜日夜に5時間にわたる集中討議の末、全会一
致でこれを受け入れた。この提案の詳細は、月曜午前中に労使双方
の首脳により発表される。APA通信が、労働組合連合筋から確認し
たところによれば、この案の中には、連邦〜の財政支援と、医師お
よび医薬品の支出の削減が含まれている。この文書は、経済連合事
務長カールハインツ コプフ（国民党）とウィーン地域健康保険会
長フランツ ビットナー（社会民主党）が、この文書を練りあげ
た。国民党所属の議長ルードルフ フンツトルファーと経済会議議
長クリストフ ライトルは、週末を使って文書の集約を前進させて
いた。