4月28日〜5月4日のドイツのニュース



4月28日(月)

ジンバブウェ野党はムガベに断固反対の方針

(ハラレ)ジンバブウェでは、野党は大統領ロバート ムガベとの対決姿勢を強め
ている。野党「民主化運動」MDCの党首モルガン ツヴァンギライは、今までに同
党から袂を分かった2つの政党と合併を行ない、「民主化運動」が国会の多数を握
る、と予告した。ツヴァンギライは既に分離していた会派の長アーサー ムタンバ
ラと共に、南アフリカのヨハネスブルクで声明を発表した。ジンバブウェ選挙委員
会は、4週間前の選挙で勝利したのは「民主化運動」である、と発表した。ムガベ
の政権党「ジンバブウェ アフリカ民族同盟・愛国戦線」ZANU-PFは、投票の一
部数えなおしを強行した。同委員会は月曜日に結果を発表する方針であったが、今
のところ発表はない。中立の機関の情報によれば、数えなおしの結果、野党の勝利
が確定した。

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コンゴの国連兵が反乱軍に武器を売った疑い

(ロンドン、キンシャサ)英国の放送局BBCの報道によれば、コン
ゴ民主共和国にいる国連平和部隊の兵士が、武器と弾薬を同国東部
の反乱勢力に売却した。インドとパキスタンの平和部隊の兵士は、
武器の見返りとして、金、象の牙、麻薬を手に入れていた、と同放送
局はインターネットサイトで報じている。平和部隊の兵士の中に
は、1994年にルワンダでツチの大衆殺戮に参加した疑いのあるフ
ツの民兵と、取り引きをした者もおり、この密輸には国連のヘリコ
プターも使用された、とのことである。さらに国連はこの事件の調
査を行なったが、公式に非難は行なわなかった、とも報じられてい
る。国連のコンゴでの任務には1万7千人の兵士が参加しており、
現在世界最大の国連の派兵である。

ハンブルクでのCDUと緑の党の連立は完成

(ハンブルク)州政治で初めてとなるキリスト教民主同盟と緑の党
の連立が成立した。緑の党に続いて、ハンブルクのキリスト教民主
同盟は、小規模な党大会を開き、連立協定を賛成多数で承認した。
210人の代議員の中で、反対票を投じた者はいなかった。日曜日に
は、緑の党の同市の党員集会が、この連立に道を開いていた。市長
フォン ボイスト(キリスト教民主同盟)は5月7日に、再選に向け
て議会に登場する意向である。新州政府には、キリスト教民主同盟
から6人、緑の党から3人が入閣する方針である。フォン ボイス
トは、この連立に理解を求めていた。以前のような政治的な対決姿
勢はもはや存在しない、と彼は述べた。

オーストリアの年金受給者が重大な近親相姦を告白

(ウィーン)ニーダーエスターライヒ州のアムステッテンで重大な
近親相姦が判明した。73歳の年金受給者が、娘を24年間にわたり
地下牢のようなところに監禁し、7人の子供をもうけていた、と告
白した。この女性は現在42歳である。生まれた子供のうち3人は、
窓がないわずか高さ1.7メートルの部屋で今までの人生すべてを過
ごさなければならず、他の3人はこの男とその妻により、養子およ
び里子として育てられた。1人は誕生直後に死亡し、その遺体は男
が自宅の暖房用ストーヴで焼いた、と述べた。この男の妻は、自分
の夫の二重生活に全く気がつかなかった、と主張している。オース
トリア当局は、この犯罪を世界的にも例のない犯罪である、と判断
している。




4月29日(火)

EUはセルビアとの加盟交渉を提案

(ルクセンブルク)EUとセルビアは、異論もある中、1年をかけて、より密接な関
係を築くための協定に署名した。EU加盟27カ国の代表と、セルビア大統領ボリス
 タジッチは、ルクセンブルクで外務大臣会談が行なわれるのと並行して、この協
定を確認した。この協定は、EU加盟の可能性に道を開く第一歩である。ただしオラ
ンダとベルギーの圧力を受け、セルビアが国連戦争犯罪裁判所に無制限に協力する
場合にのみ、この協定は有効になる。セルビアの5月11日の国会議員選挙まで2週
間、EUはこの措置により、同国の親ヨーロッパ勢力に支援をする方針である、と
EU評議会議長を務めるスロヴェニアは発表した。ヨーロッパに批判的なセルビア
首相ヴォジスラフ コシュトゥニッツァは、この協定を以前から強く批判してい
た。

     その他のニュース

ロシアはカフカス地域の部隊を増強する方針

(モスクワ)離反した地域アブハジアと南東オセチアをめぐり情勢
が緊迫していることを受け、ロシアはカフカス地域の部隊を増強す
る方針である。国防省はその理由として、グルジアが過去数日間、
兵士と警官を集結させたことをあげた。グルジア外務省は、軍を集
結させたことはない、と否定した。アブハジアと南東オセチアは、
ソ連崩壊後、グルジアからの独立戦争のなかで、分離をした。平和
を確保するために、ロシアは独立国家共同体の委任を受けて、2千
人から3千人の兵士を現地に駐留させていた。4月中旬にロシア政
府は、アブハジアとの協力関係を強化すると予告して、グルジア政
府はこれに怒りを表明していた。グルジアの無人偵察機がアブハジ
ア上空で撃墜され、数日後に緊張が高まった。

ジンバブウェで逮捕された野党の支持者は釈放

(ハラレ)ジンバブウェの野党支持者約2百人は、逮捕から4日で
自由の身となった。彼らは、野党「民主化運動」の本部を警察が手
入れした際に逮捕されていた。彼らの釈放は月曜日に裁判所が命じ
ていた。情勢が不安定なため、EUは国際的な輸出禁止をアフリカ
南部の同国に対して課すように求めた。声明の中でEU各国の外相
は、すべての国に対して、武器および弾薬をジンバブウェに対して
販売するのを中止するように求めた。米国大統領ブッシュは、ジン
バブウェの隣国に対して、ムガベを大統領とするジンバブウェ政府
に対して圧力を強めるように求めた。またブッシュは記者会見で、
3月末の選挙では、国民は転換を求める投票を行なった、と強調し
た。

国連は食糧危機対策緊急対策班を設置する方針

(ベルン)世界各地で食料品の価格が激しく高騰していることを受
け、世界銀行はアフリカに対して、財政支援を大幅に拡大し、国連
とともに緊急対策班を設置する方針である。情勢はすさまじい規模
で拡大しており、自力では十分な食料を確保できないきわめて貧し
い人々を直撃している、との声明を世界銀行総裁ゼーリックと国連
事務総長潘は発表した。情勢を変化させるために、値段を下げる効
果を持つ食料の輸出禁止を破棄しなければならないし、国際社会が
世界食料計画に対して、緊急に必要とされている7億5千5百万ドル
の緊急支援を行なわなければならない、とも述べた。またアフリカ
の農業計画に対する信用供与を、1年以内に8億ドルへと倍増すべ
きである、とも語った。




4月30日(水)

NATOはロシア軍増強を批判

(ブリュッセル)ロシア政府は、離反したグルジアの州アブハジアと東南オセチア
のロシア軍を増強する、と予告したが、NATOはこれを厳しく批判した。暴力が行
使される危険性があるため、緊迫が強まり、グルジアの領土が次第に損なわれる、
とNATO公報はブリュッセルで発表した。退任するグルジア外務大臣ダヴィッド 
バラカッゼは、EU外交使節ハヴィエル ソラナとの会談のためにブリュッセルに
滞在していたが、ロシア政府からの通告に関して特別な不安を表明した。この通告
は、軍事攻撃を行なうのに向けて準備を進めている、と捉えるしかない、とバラカ
ッゼは述べた。アブハジアと東南オセチア地域は、おおむね独立を勝ち取ってお
り、グルジア政府の意向に反して、数年前からロシアの支援を受けている。

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トルコ政府は問題となっている「トルコ条項」を修正

(ブリュッセル)EU委員会は、問題となっているトルコの刑法典
の301条の改革を歓迎した。「トルコ的なものに対する侮辱」に関
する規定を緩めるのは、正しい方向への一歩ではあるが、まだまだ
この後に行なわれなければならないものがある、とEU拡大委員レ
ーンは述べた。トルコで市民が、根拠なく刑事訴追されることがな
くなる状態が目標である、と述べた。301条の改革は、EU加盟交
渉の枠組みの中でEUが最も重点的に求めていたものの一つであっ
た。この条項は今まで、トルコ的なものの名誉を毀損した場合の罰
則を定めている。この概念が明確でないため、この条項はトルコの
国民主義的な勢力が何度も乱用して、トルコの批判的知識人や、人
権を重視する法律家を法的な手段を用いて、沈黙させていた。

ブルンジの反乱勢力は238人の少年兵を釈放

(ブジュンブラ)アフリカ中央部のブルンジでは、フツの民兵の反
乱勢力が、少年兵238人を解放した。この子供たちは、首都ブジュ
ンブラの北で、ブルンジ政府、国連児童支援組織UNICEF、アフリ
カ連合の対策班に、引き渡されたことをUNICEFは確認した。9月
から続いていた反乱勢力との子供たちの解放に関する交渉は、困難
を極めていた、とも述べた。この子供たちは、政府の受け入れ施設
で身元を確認し、再び社会に戻されることになっている。ブルンジ
では2004年から6年の間に、すでに3千人の少年兵が反乱勢力から
解放され、国連に渡されている。

郵便と労組は労働条件をめぐる対立で合意

(ケルン)ドイツ郵便と労組フェアディは、数週間にわたり労働条
件をめぐって対立していたが、譲歩した。両者の発表によれば、郵
便職員の賃金は、11月1日から4%、1年少ししてさらに3%引き上
げられる。200オイロの一時金も支払われることになった。通常の
労働時間には変更はない。ただし、今まで給与が払われていた休憩
時間は、短縮される。合意の前には、郵便職員は、無期限ストを行
なうとの決定を下していたが、これは行なわれることがなくなっ
た。労組は、組合員にこの合意に賛成するように勧告した。




5月1日(木)

メルケルはアーヘンでカール賞を受賞

(アーヘン)EUのさらなる拡大を呼びかけて、連邦首相アンゲラ メルケルは、
国際カール賞を受賞した。EU加盟国は、リスボン条約によって、EUの基盤を新た
なものに取り替えることによって、それを実現する意志を持つことを証明した、と
メルケルは歴史あるアーヘン市役所で述べた。彼女は、ヨーロッパ統合に関する功
績に対して、この高名な賞を受賞した。フランス大統領ニコラ サルコズィは祝辞
を述べ、ヨーロッパ政策ではメルケルと自分は共に歩んでいる、と強調した。

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労組と社民党は最低賃金導入を要請

(マインツ)労働組合は、毎年恒例の5月1日「労働の日」の集会
で、全国で適用される最低賃金の導入を訴え、社会的格差を生むこ
とがないように、と警告した。貧富の格差はますます大きくなって
いる、とドイツ労働組合連合会長ゾマーは同連合のマインツでの中
央集会で述べた。数百万人の労働者が、最低賃金しか受け取ってい
ない、とも語った。社会民主党党首ベックはマインツで演説し、労
働組合の要求を支持した。労働組合連合の発表によれば、連邦各地
で行なわれた5月の集会には、約41万6千人が参加したが、昨年よ
りも十万人ほど少なかった。

ハンブルクでは反国家民主党のデモで小競り合いが発生

(ハンブルク)右派急進勢力の国家民主党の行進に反対するデモ
で、ハンザ都市ハンブルクでは、左派陣営と警察が路上で衝突し
た。1万人ほどが参加したデモは、当初は平和的に行なわれていた
が、左翼自治派が警察を襲った。機動隊が放水車を投入した。双方
に負傷者がでた。警察はデモ隊の数人を逮捕した。暴徒は数台の自
動車に放火し、タイヤ置き場とゴミ集積場が炎上した。ニュルンベ
ルクでは、バイエルン州州首相ベックシュタインを含め約9千人
が、国家民主党の集会に抗議を行なった。警察との衝突が散発的に
発生した。

イスラエルはホロコーストの犠牲者の追悼を行なう

(エルサレム、アウシュヴィッツ)イスラエルはホロコーストの日
に、ドイツのナチによって殺害された6百万人のユダヤ人を追悼し
た。全国で2分間にわたりサイレンが鳴らされ、人々は黙祷を行な
った。首相オルメルトは、ユダヤ人虐殺は決して忘れたり、否定し
てはならない、と述べた。イスラエルでは現在約27万人のホロコ
ーストの生存者が暮らしており、そのうち約8万人は強制収容所の
収容者であった。アウシュヴィッツでは、約1万人の若いユダヤ
人、ポーランド人、第二次世界大戦の生存者が、いわゆる生者の行
進に参加した。ナチ最大の絶滅収容所だけで、150万人のユダヤ
人、シンティとロマ(いわゆるジプシー)とポーランド人が殺害さ
れた。




5月2日(金)

ジンバブウェ選挙委員会は決選投票実施を予告

(ハラレ)ジンバブウェでは大統領選挙からほぼ5週間、選挙委員会は公式結果を
発表した。3月29日の選挙では、大統領ロバート ムガベも野党の指導者モーガン
 ツヴァンギライも、当選に必要な絶対多数を得ることができなかったため、決選
投票を行なわなければならない、と選挙委員会公報はハラレで発表した。ツヴァン
ギライは投票の47.9%、1980年以降政権の座にあるムガベは43.2%を得た。
野党「民主化運動」は週末に行なわれる協議で、今後の対策について話し合う、と
発表した。今まで同党は、ツヴァンギライが第一回投票で、票の半分以上を獲得し
た、と主張していた。

     その他のニュース

近東四極はイスラエルを批判

(ロンドン)いわゆる近東四極は、イスラエルに対して、西ヨルダ
ンの地の入植地を拡大して、パレスチナ人との和平実現の過程をだ
めにしないように、と要請した。米国、EU、ロシア、国連の外相
および上級外交官が、ロンドンで協議を行なった後、国連事務総長
潘は、イスラエルは2001年3月以降に建設した入植地すべてを解
体ししなければならない、と発表した。また近東四極はイスラエル
とパレスチナ人に対して、交渉を続けるように、と求めた。ドイツ
外相シュタインマイアーは、世界各国に対して、警察都市法の安定
化では、パレスチナ当局を支援するように呼びかけた。

イランに対し核をめぐる会談で新たな提案

(ロンドン)国連安保理で拒否権を持つ5カ国とドイツは、イラン
との核をめぐる対立で、話し合いを進めるための新たな提案で合意
した。信頼感に基づく提案が、イラン政府に伝えられる、とロンド
ンでの外相会議後、英国外相ミルブラントが発表した。ドイツ通信
社の情報によれば、新たな交渉の提案は、イランがウラン濃縮を放
棄する場合には、大規模な技術的協力と制裁の中止を行なう、との
内容である。

ハンブルク警察「右派急進派は暴力を行使するつもりだった」

(ハンブルク)ハンザ都市ハンブルクでは、右派急進派と彼らに反
対するデモ隊の間で衝突が起こり、警察が報告書を作った。機動隊
の隊長は、5月1日に暴動が起きた責任はネオナチの側にある、と
述べた。ハンブルクでここ数年で起きた中では、最も激しい暴力事
件で、右翼急進派の暴徒が初めて対立を積極的に引き起こそうと
し、相手に対する双方の攻撃は極めて高く、警察の介入がなければ
死者が発生していただろう、とハンブルク警察署長はヤントシュは
述べた。路上での暴動は、早朝まで続いた。国家民主党の支持者
1千5百人の行進に反対して、約6千人ほどが抗議活動を行ない、当
初は平和的に進んでいた。警察は合わせて60人のデモ隊を逮捕
し、2百人以上が拘留された。




5月3日(土)

「民主化運動」は決選投票に原則的には反対せず

(ハラレ)ジンバブウェの野党「民主化運動」は、同党首モーガン ツヴァンギラ
イと現職のロバート ムガベの間で決選投票を行なうことに、今後は原則的に反対
しない模様である。ただし同党の副議長トカザニ クフペは、ハラレで党幹部の協
議後に、決定を下す前に、3月29日の選挙結果をアフリカ南部開発共同体による調
査が行なわれなければならない、と述べた。同党は、ツヴァンギライが5週間前の
選挙ではっきり勝利を収めたのだから、決選投票は本来必要がないとの立場である
のは変わらない、ともクフペは強調した。
ジンバブウェ選挙委員会の発表によれば、3月29日の選挙では、ツヴァンギライは
絶対多数には達しなかった。

     その他のニュース

食糧危機でアフリカ銀行は信用供与枠を拡大

(チュニス)基本的な食品価格が高騰しているため、アフリカ開発
銀行は、農業分野に対する信用供与を10億ドル増額した。これに
より、総額で48億ドルの信用供与の準備が出来たことになる、と
同行主カベルカは述べた。追加の資金の出所については、彼は明ら
かにしなかった。開発銀行は、アフリカ諸国およびその他の24カ
国から、資金の提供を受けて運営されている。

米国はアフガニスタンの部隊を増強する方針か

(ワシントン)「ニュー ヨーク タイムズ」紙の報道では、米国
は来年、約7千人の兵士をアフガニスタンに追加派兵することを検
討している。同紙は、NATO加盟国には十分な兵士を派遣する意志
がなく、またそのような情勢にもないため、この追加派兵は必要で
ある、との米国政府筋の情報として報じた。国防相ゲイツの発言に
よれば、急進派イスラーム教徒のタリバーンとの戦いの主戦場であ
るアフガニスタン南部での、NATO軍に関する指揮権を米国が引き
継ぐことになるかもしれないが、そこに指揮組織を2つ維持するこ
とに意味があるかどうかを検討しなければならない、ともゲイツは
述べた。アフガニスタンには現在1万6千人の米兵が、NATO軍の一
部として駐留している。その他に米国の指揮下に置かれた米兵1万
8千人が活動している。

トルコ軍はPKKに対する空爆を成功と評価

(アンカラ)イラク北部のクルド人反乱勢力の拠点に対して先日空
爆を行なったトルコ軍は、クルド労働者党の戦闘員150人以上を殺
害した、との情報がある。アンカラの参謀本部の発表によれば、木
曜日と金曜日の空からの攻撃で、目標としたクルド労働者党の拠点
すべてを攻撃した。一方クルド労働者党の公報は、死亡したのは
6人だけである、と発表した。トルコ軍の推定によれば、数千人の
クルド労働者党の戦闘員が、イラク北部を退却地として利用してい
る。2月にはトルコ兵が、イラク北部への地上軍の侵攻を行なって
いた。




5月4日(日)

サイクロンがビルマに大きな被害 死者350人以上

(ラングーン)強力な嵐がビルマを襲い、少なくとも350人が死亡し、沿岸地域に
重大な被害をもたらした。軍事独裁政権が支配するアジアの同国では、さらに犠牲
者が増えるのではないかとの懸念が報じられている。サイクロン「ナルギス」は、
数千軒の家を破壊し、約十万人が家を失った。同国の多くの地域では、電力供給と
電話網が寸断されており、飲み水の供給網も被害を受けた、と情報省は発表した。
「ナルギス」の影響を得意強く受けたのは、大都市のラングーンとイラワディ川の
家屋地域である。政府は沿岸の5つの地域に緊急事態を宣言した。
国連の災害の専門家の話によれば、軍事政権によって外部との連絡が途絶している
同国の被害の全容がはっきりするまでには、まだ十日間ほどかかる模様である。
このサイクロンはタイへ向かう途中、大きく勢力を弱めた。

     その他のニュース

中国と亡命チベット人はさらなる話し合いで合意

(北京)中国政府の代表とダライ ラマの使節は、3月中旬にチベ
ットで暴動が起きて以来初めて会談を行ない、今後も話し合いを行
なうことで合意した。中国の国営通信社新華社は、両者はさらに接
触を続け、決められた期日に協議を行なうことで合意した、と報じ
た。また新華社は、深セン市で行なわれた信頼感あふれる会談で
は、中国の代表2人が、ダライ ラマに対して「信頼できるような
手段」を取るように求めた、と報じた。さらに、チベットの宗教界
の長であるダライ ラマは、チベットの独立に向けて関与するのを
断念し、北京オリンピックを妨害するのを止めなければならない、
とも報じた。インドで亡命生活を行なうダライ ラマは、自分は北
京オリンピックに賛成しており、チベットの独立ではなく文化的自
治を求めている、と繰り返し述べていた。

ボリヴィアの一地域が自治を求める住民投票

(ラ パス)国の富の分割をめぐる権力争いが行なわれているボリ
ヴィアでは、天然資源に富むサンタ クルス地区の住民が、左派的
な中央政府から大規模な自治を獲得することを目指す提案に投票を
行なう。原住民の一部が暴力的な抗議を行なう中、この住民投票が
実施された。大統領モラレスは、この投票は憲法違反であると述べ
て、結果を承認しない、と予告している。この住民投票は、ボリヴ
ィアのアンデス地域にすむ貧しいインディオ少数派と、裕福でヨー
ロッパ系の移住者が多く住む同国東部の地域の対立の現れである。

ライスはラマラとエルサレムを訪問

(ラマラ)米国外相ライスは、近東和平交渉にはずみをつける努力
の一つとして、パレスチナ大統領アッバスおよびイスラエルの有力
閣僚と面会した。アッバスとラマラで会談した後にライスは、年末
までに和平合意を締結することは可能である、と述べた。彼女はイ
スラエルに対して、西ヨルダンの地にユダヤ人入植地を拡大してい
ることをほのめかして、和平条約の障害となりうるような事態を作
りあげないように求めた。イスラエル外相リヴニは、ライスとエル
サレムでの交渉の後、イスラエル政府は、予想される撤退を前に、
西ヨルダンの地の入植地拡大を行なうことで、国の安定をはかる秘
密計画を実行したりしていない、と述べた。




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