5月26日〜6月1日のオーストリアのニュース



5月26日(月)

     国外ニュース

イランは国際原発機構の核計画調査を阻止

イランは、自国の核計画に関して、国際原発機構をあいかわらず暗
闇においている。イラン政府は、国連の機関である同機構に対し
て、核兵器の研究を行なっているのではないかとの疑惑に、「実質
的な説明」を行なわなければならない、と同機構代表モハメド エ
ルバラダイが昨夜ニュー ヨークの国連安全保障理事会に提出した
報告書の中で述べられている。イランはあいかわらず、国連安保理
からのウラン濃縮を停止するように、との要請を無視し続けてお
り、ウランの転用について解明されておらず、爆発力の強い爆薬を
実験し、特殊なミサイル弾頭の開発していることなどが、核兵器を
開発しているのではないかとの懸念の原因となっている、とこの報
告書には述べられている。

     国内ニュース

健康保険制度改革をめぐる議論が具体化

建国保険組合の財政の健全化をめぐる議論が具体化する。火曜はこ
れに関する包括的な対策の評価を行なう期限である。夕刻には、医
師会が「ウィーン オーストリア センター」で「情報集会」を行
なう。ここでは、来週の抗議活動の進め方に関する意志確認が行な
われる。さらに医師会幹部と副首相ウィルヘルム モルテラー(国
民党)の会談の日程も取り決められる。医師会によるデモも計画さ
れている。ただし全体の基調は穏健なものである。




5月27日(火)

     国外ニュース

マケインは米国の核兵器庫削減を提案

米国共和党の大統領候補ジョン マケインは、自分が大統領に選ば
れた場合には、米国の核兵器の数を削減する方針である、との情報
がある。「冷戦は20年前に終了した。核兵器を世界で大きく削減
する時期が来た」と彼は昨日コロラド州デンヴァー入りして述べ
た。彼は現職のジョージ W. ブッシュに対する批判をほとんど隠す
ことなく、「世界が私たちに期待しているように、人類に対する核
の脅威を減らすために努力してきた米国大統領の伝統に則り、米国
は指導力を」再び発揮しなければならない、と語った。また彼は、
イランと北朝鮮に対する強硬路線を主張し、民主党の大統領候補バ
ラク オバマを経験不足だ、と述べた。

     国内ニュース

調査委員会ではクラコフが4時間にわたり質問を受ける

労働と経済銀行疑惑を担当する検察官ゲオルグ クラコフは、火曜
日に調査委員会で質問を受けたが、予定をはるかに越える長時間の
質問となった。彼はほぼ4時間にわたり質問に答えたが、そのうち
3時間は非公開となった。この会議の出席者の話としてAPA通信が
報じたところによれば、クラコフは警察に労働組合の銀行から社会
民主党に対して資金が流れたかどうかについての捜査を、正式に委
託したことはないが、この資金に関する噂が世間に広まってきたこ
とに関して、同銀行の特別委員会に問い合わせた、と述べた。また
検察とこの特別委員会の間には、信頼関係はできていなかった、と
も語った。




5月28日(水)

     国外ニュース

109カ国が集束爆弾禁止で合意

集束爆弾禁止のための国際会議で、参加者はこの武器の禁止で合意
した。109ヶ国は昨晩、集束爆弾が全面的な禁止されていることを
で合意した、とアイルランド外務省個広報は述べた。この爆弾を製
造し、使用している米国、ロシア、中国、イスラエル、インド、パ
キスタンの諸国は、アイルランドでのこの会議には参加していな
い。これより前に英国首相ゴードン ブラウンは、一方的に集束爆
弾の使用中止を予告していた。この爆弾は、大量の小型爆弾を広い
地域にばらまくもので、その4割はただちに爆発しないで、日にな
って人を殺害する可能性がある。犠牲者の多くは子供である。

     国内ニュース

健康保険改革でクドルスキーは医師との対立は解決可能と確信

厚生大臣アンドレア クドルスキー(国民党)は、今週末をはさん
で、問題となっている健康保険の制度改革で、対立点で合意を成立
させるつもりである。「輪足は週末までに、よい解決を得られると
確信している」とクドルスキーは昨日のテレヴィ番組で述べた。彼
女は、この交渉を行なうために、外国訪問を取りやめていた。医師
会の「戦いのための雄弁術」に彼女は理解を示し、「代表者として
の立場を取らなければならない時ももちろんある」と述べた。




5月29日(木)

     国外ニュース

米国は懸念を呼ぶ気候報告書を発表

米国大統領ジョージ W. ブッシュ政府は昨日、2000年以来となる
気候報告書を発表した。大統領府の科学分野の代表代理であるシャ
ロン ヘイズは、271頁の包括的な報告書の中で、集められた結果
は悪くない、との評価を主張していた。ただし政府が真剣に検討し
なければならない問題が一つある、と彼女は強調している。気候変
動はおそらく、米国の厚生制度に明らかな不平等を拡大することに
なるだろう、と主張した。特に大きな影響を受けるのは、貧しい
人、高齢者、障碍者、保険未加入者である、とも述べている。

     国内ニュース

サルコズィがウィーン入り

フランス大統領ニコラ サルコズィは、金曜日にオーストリアにや
ってくる。今回はサルコズィの「首都歴訪」の一環で、フランスが
EU評議会議長を2008年後半を務める用意の一部である。連邦大統
領ハインツ フィッシャーは、サルコズィを出迎える。引き続き彼
は、連邦首相アルフレート グーセンバオアーと会談をし、首相府
で記者会見を行なう。先日サルコズィは、ウクライナに対してEU
加盟ではなく「野心的なEU協力関係」という提案を行なっていた。
彼のオーストリア公式訪問は初めてであるが、ウィーン訪問は数時
間だけである。オーストリアを訪問するフランス大統領はジャック
 シラク、フランソワ ミッテランに続いて、3人目である。




5月30日(金)

     国外ニュース

オルメルトは汚職疑惑の責任を取る

イスラエル首相エフド オルメルトは、党内からの圧力が強まって
いるため、汚職疑惑で捜査を受けている責任を取る。彼はこのとこ
ろ反対を受けているため、ようやくカディマ党党首を選ぶ党内の選
挙を行なうことに賛成した、とイスラエルのテレヴィが報じた。オ
ルメルトはこの選挙には立候補しない。最新の世論調査では、後継
者となる見込みが最も高いのは、外務大臣ツィピ リヴニと交通大
臣シャウル モファスである。さらにイスラエルでは選挙が行なわ
れる可能性がますます高まっている。イスラエル副首相で、オルメ
ルトの信頼が厚いハイム ラモンはワシントンで、遅くとも11月
までに選挙を前倒しで実施する見通しだと述べた、イスラエルでは
報じられている。通常なら国会議員選挙は2010年に行なわれる予
定であった。

     国内ニュース

交通省はウィーン市街鉄道を告発

市街鉄道全体で事故が起きたことを受け、行政法上の措置がこれか
ら講じられる見通しである。「クリール」紙と「ウィーン新聞」の
報道によれば、交通省は3月28日に既にウィーン路線を告発してい
た。告発によれば、ウィーン路線は、検査義務を怠った、とのこと
である。ウィーン路線は、従業員保護法および労働方法に関する命
令に違反した容疑が持たれており、同社の検査義務に関する議論が
起きると見られている。




5月31日(土)

     国外ニュース

米国民主党はフロリダに票を減らした形で与える

米国民主党は土曜日に、先立って行なわれた決定をくつがえして、
フロリダ州の代議員を、大統領候補を指名する党大会に送ることを
認める決定を下した。党の内部委員会は、ワシントンで開かれた会
議で、フロリダ州の代議員の参加を認め、通常の票だけを投ずるこ
とができる、との決定を下した。同党は、フロリダ州とミシガン州
が、予備選挙を許可なく早期に実施したため、両州を指名党大会か
ら締め出していた。ただしこの決定は、代議員の出席を求めている
候補者ヒラリー クリントンは疑問視している。彼女はこの両州
で、オバマにはっきり勝利を収めている。党幹部は、投票日の時点
で既にこの投票は無効である、と宣言していた。また同委員会は今
なお、ミシガン州の解決を探っている。

     国内ニュース

社民党は健康保険と年金問題を協議

社会民主党幹部は日曜日、健康保険の改革と年金の自律について議
論する。保険組合の負担軽減措置については、いくつかの州から批
判が出ており、年金問題については、同党指示の高齢者が政府の提
案に反対している。連邦執行部長ヨーセフ カーリナは、この特別
幹部会を行なう理由として、直接発言する機会を利用できるように
したい、と述べた。午後には首相府で、政府と医師側が新たな交渉
を行なう。同党幹部野会合では、この2つの問題の他に、党首アル
フレート グーセンバオアーに対する批判が強くなると見られる。
一方刻印党内部でも、政府案に対する抵抗が強まっている。オース
トリア労働者職員連合は、社会保健問題で経済会議の力が強くな
り、加入者個人に対して社会保険本部が持つ権限が強まることに反
対している。




6月1日(日)

     国外ニュース

マケドニアの国会議員選挙 現連立政権が優位に立つ

今までマケドニアで政権を握っていた、首相ニコラ グルエフスキ
を中心とする民族主義と保守勢力の連立、内部マケドニア革命組織
・マケドニア国民統一民主党VMRO-DPMNEは、予定を早めて行な
われた国会議員選挙で優位に立っている、との情報がある。「より
良きマケドニアのために」の連立は、新議会で63議席を持つ、と
日曜日夜に、票の28%の集計が終わった時点で、同党の選挙担当者
は首都スコピエで発表した。国の選挙委員会の暫定的で不完全な発
表でも、同党が社会民主党の3倍以上の票を集めている。対立する
社会民主主義の連立「太陽」は、120議席のうち30議席しか取れ
ないだろう、とのことである。最大のアルバニア人政党DPAは、北
西部の都市テトヴォで、選挙の勝利を祝った。アルバニア人政党
「民主的統合連合」DUIと「アルバニア民主党」DPAの両党の支持
者が衝突し、1人が死亡し、少なくとも9人が負傷し、11人が逮捕
された。EUと選挙監視団は、選挙のやり方に懸念を表明した。EU
主席外交官ハヴィエル ソラナは、暴力行為が発生したため、いく
つかの投票所ではやり直しが必要である、と述べた。グルエフスキ
もこれに賛成した。

     国内ニュース

ディンクハオサーはティロール州での国民党との連立を否定

ティロール州の選挙を前に、連立の駆け引きをめぐって全く新たな
発言が、テレヴィ番組で、フリッツ ディンクスハオサーの口から
もれた。国民党がたとえ新たな指導体制になった場合でも、国民党
との連立を行なうことはない、と彼は述べた。今まで彼は、ヘルウ
ィヒ ファン シュターの後任に現内相プラターあるいは国民党所
属の州閣僚であるツァノンとホスプが就くのであれば、自分は選挙
に立候補しない、と強調していた。




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