6月6日〜22日のドイツのニュース



6月16日(月)

EUは2008年中の危機解決に取り組む

(ルクセンブルク)EUは、アイルランド国民がEU改革に関するリスボン条約を否
決したことにより生じた危機を、年内にも解決する方針である。ドイツ外務大臣フ
ランク・ヴァルター シュタインマイアーは、ルクセンブルクで開かれたEU外相
会談後に、この期日を示した。今後の措置に向け提案をするのは、当面アイルラン
ド政府の仕事である、とも述べた。EU加盟各国の外相は、まだ国会でこの条約に
賛成を取りつけていない8カ国で、批准の手続きを進めることに賛成した。ドイツ
首相アンゲラ メルケルとポーランド首相ドナルド トゥスクも、グダニスクで行
なわれた会談でこの立場を取っていた。EUが異なる速度で改革を進める2つの陣営
に分裂すること、すなわち2つの速度を持つ一つのヨーロッパという考えを、メル
ケルとトゥスクは拒否した。

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EUとボスニアは提携協定に署名

(ルクセンブルク)EUとボスニア・ヘルツェゴヴィナは、安定お
よび提携に関する協定を結んだ。EU27ヶ国の代表とボスニア首相
シュピリッチは、ルクセンブルクでこの合意に署名した。セルビア
人のシュピリッチの他、ボスニアのイスラーム教徒の指導者シライ
ジッチも、この署名式に出席した。この協定は、EUの圧力の元
で、2つの国民勢力が参加する警察部隊を作るという内容の新たな
警察法を、4月のボスニア国会が受け入れることで、可能となっ
た。ボスニアはこの措置を実行する最後のバルカンの国である。ク
ロアチア、元ユーゴスラヴィアの共和国であったマケドニア、アル
バニア、モンテネグロ、セルビアは、既にEUとの安定協定を結ん
でいた。

英国政府はイランに対するさらなる制裁に賛成

(ロンドン)英国はイランとの核対立で、さらなる制裁を科すよう
に他のEU諸国に迫る方針である。首相ブラウンは、米国大統領ブ
ッシュとロンドンで会談した後、これを発表した。英国はこの月曜
日にも、イラン最大の銀行メリの国外資産を凍結するための措置を
講ずる、と述べた。イランでは週間新聞が、資産が凍結される恐れ
があるため、イランはヨーロッパの銀行から約750億ドルを引き上
げた、と報じている。

NATOはアフガニスタン南部に増派する

(カブール)NATOとアフガニスタン政府軍は、同国南部の部隊を
増強し、タリバーンによってカンダハルの施設に入れられている収
容者数百人の解放を目指す方針である。NATO公報がこれをカブー
ルで発表した。一方米国は、パキスタンとアフガニスタンの緊張関
係を和らげる努力を行なっている。大統領ブッシュは、両者に対話
と秘密情報の交換を呼びかけた。アフガニスタン大統領カルザイ
が、タリバーンに対抗するべく国境を越えて軍を活動させると威嚇
したことに対して、パキスタンは厳しく抗議をしている。




6月17日(火)

バグダード攻撃で死者多数

(バグダード)警察の発表によれば、イラクの首都バグダードで、自動車爆弾によ
る攻撃があり、少なくとも51人が死亡し、さらに75人が負傷した。発表によれ
ば、シーア派が主として住む町の一画フリヤで、爆発物が破裂した。これはこの
3カ月にバグダードで起きた攻撃の中で、最も多くの血を流した事件であった。今
のところこの犯行を行なったと発表した者はいない。ただし治安部隊は、この事件
を引き起こしたのは、イラクのアル カーイダであるとした。

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ケーラーはドイツの近代化を進める方針

(ベルリン)連邦大統領ケーラーはドイツ人に対し、改革をさらに
進め、近代化に取り組むように呼びかけた。彼は3度目のいわゆる
「ベルリン演説」を行ない、全ての人に公平な機会を与えるように
促し、多くの国民の不満に理解を表明し、代議員制度に基づく民主
主義を擁護した。ケーラーは、減税を異例なほどはっきり支持し、
なかでも中間層の負担がますます不公平を生んでいる、と批判し
た。専門技術者の家族は現在、以前であれば金持ちに適用されてい
た税率で納税しなければならなくなっており、こうしたことすべて
が、納税する気持ちをなえさせているので、今では全体を見渡すこ
とが困難になっている税法を単純化することが必要だ、と述べた。
またケーラーは基本方針をめぐる演説の中で、今まで進んできた改
革を賞賛し、これを中途で壊すことがないように、と警告した。個
人加盟の年金、67歳からの年金受給開始および2010年行動計画
は、よい出発点であった、とも語った。

旧東独の民衆蜂起55周年記念日

(ベルリン)旧東ドイツで起き、弾圧された民衆蜂起から55年、
ベルリン市長ヴォーヴェライトは、1953年6月17日を、ドイツの
自由の歴史のなかで重要な日である、と位置づけた。この蜂起は人
間の自由へのあこがれを述べたものである、とベルリンで開かれた
犠牲者の追悼式典で社会民主党に属する彼は述べた。国防相ユング
は、6月17日は、東ドイツの実際の状況が独裁制であったことを明
確に示す歴史的な日付の一つであると強調し、国民蜂起である、と
当然語られうる事件だ、と述べた。旧東ドイツの約7百の市町村
で、当時百万人の人が路上に繰り出した。抗議はソ連軍と、国民警
察の部隊に弾圧され、多くの人が死亡した。

連立政府はトラック通行料を大幅に値上げ

(ベルリン)ドイツのトラック通行料は、2009年に一部を大きく
引き上げる。連邦政府はベルリンでこれに合意した。来年からトラ
ックは走行1キロあたり平均で、現在の13.5ツェントから、16.3ツ
ェントへと値上げされる。ただし連立政府は、通行料を一律に値上
げするのではなく、トラックの大きさと環境への影響によって多様
化する方針である。通行料の値上げ計画は、内閣がこの水曜日に可
決する方針の第2期気候保護対策の一部である。さらに新たな建築
物を建てる際に、温暖化を抑えるための措置をさらに厳格化する方
向へも進めることになっている。




6月18日(木)

欧州議会は問題の国外退去の方針を可決

(ストラスブール)欧州議会は、異論も出ている不法移民のEU外退去の方針を採
択した。新たな規定には、不法移住者収容期間の上限に関する規定が含まれてい
る。それによれば、収容期間は6カ月を越えてはならないが、特殊な事例では1年
半まで延長が可能である。またこの方針は、追放された外国人を最大で5年間の再
入国禁止を科すことを認めている。賛成派の意見では、EU加盟国は今後、国外追
放を行なう際には、ヨーロッパ人権会議を尊重することが義務づけられる。一方社
会民主党の一部と、緑の党、共産党は、この規定は「ヨーロッパという要塞」を築
くのを助ける、という理由で、この提案に反対している。

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ドイツ政府は第2次環境対策を決定

(ベルリン)連邦政府はエネルギーと環境対策の第2次包括案を採
択した。これによって、天候に悪影響のある二酸化炭素の排出を
2020年までに、1990年の状況より40%削減する、との目標に近
づく方針である。これによれば、新たな建物の建築や、大規模な修
復の際に、エネルギー節約を義務づける規則が大幅に強化され、燃
料に関する必要経費の削減が新たに盛り込まれ、環境に配慮した電
力を送電できるように、電力供給網を北から南へと拡大し、トラッ
クの通行料を値上げすることになる。二酸化炭素排出にかかる自動
車税の実施は、2010年まで延期された。連邦環境省ガブリエル
は、世界でも最も野心的な気候保護計画である、と述べた。一方野
党と環境保護はこれを、多くの点で不十分である、と批判してい
る。今後連邦議会と連邦参議院が、この決定を可決しなければなら
ない。

イスラエルは和平の努力を南北の国境に集中する

(テル アヴィヴ)イスラエルは2つの提案を行ない、同国の南北
の国境地帯での不安定な情勢を、落ち着かせる方針である。政府
は、この木曜日にハマースとの間で結ばれた停戦が発効することを
確認した。急進派イスラーム教徒のパレスチナ人組織は、ガザ帯状
地帯を支配下に収めている。エジプトの仲介の元で話し合いが行な
われた停戦は、当面6カ月間有効である。この停戦が守られれば、
イスラエルはガザ帯状地帯の封鎖を段階的に解除する方針である。
さらにイスラエル首脳部はレバノンに対し、直接の平和会談を受け
入れるように呼びかけた。その際には、問題となっている論点すべ
てを、議題としなければならない、と政府広報は述べた。現在、捕
虜の交換に関する詳細も話し合われている模様である。米国および
ドイツ政府は、この停戦の関する合意を冷静に見守っている。

ジンバブウェは国連人権事務所職員を国外に追放

(ハラレ、ジュネーヴ)ジンバブウェは、入国したばかりの国連人
権高等事務所の職員1人を、国外追放にした。退去になった特別委
員アルブールはジュネーヴで、ジンバブウェ政府のこの行動にはと
ても驚いている、と述べた。大統領ムガベは、高等事務所との協力
を拒否している。一方国営新聞「ヘラルド」は、ジンバブウェ政府
は2週間前に課された非政府組織の活動禁止を、一部解除した、こ
れは食料品を分配したり、エイズ拡大を防ぐ活動をしている組織に
あてはまる、と報じた。ムガベは西側が、国内の支援組織を利用し
て自分を失脚させるつもりである、と非難した。




6月19日(木)

EU危機対策首脳会談はアイルランドの孤立化に反対

(ブリュッセル)EU危機対策首脳会談は、EU改革に関するリスボン条約の未来に
ついて、27ヶ国からなる1つのヨーロッパを明確に支持する方向を取った。重要な
のはそれぞれの国の声に耳を傾けることだ、とEU委員会議長ジョゼ マヌエル 
バローゾは2日間に渡ってブリュッセルで行なわれる協議の冒頭で述べた。アイル
ランド首相ブライアン カウエンは、彼の政権は解決を模索するためにさらに時間
を必要としている、と発表した。アイルランドは国民の53%が国民投票で、EU改
革条約に反対したため、EUを危機に陥れていた。ドイツ首相アンゲラ メルケル
も、アイルランドを孤立化させないのに賛成である、と述べた。ただし彼女は、た
だちに話し合いを行なうように求めた。一方バローゾは、10月の通常のEU首脳会
談が、さらなる議論に適した機会である、と述べた。

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スロヴァキアはオイロを受け入れる

(ブリュッセル)スロヴァキアは2009年1月1日から、オイロを導
入することが可能となる。EU加盟各国の首脳は、ブリュッセルで
行なわれた首脳会談で、ヨーロッパ共通通貨使用地域への加入を認
める決定を下した。スロヴァキアは、旧東側陣営の先頭を切って、
自国の通貨をお色に取り替えることになる。スロヴァキアの使用開
始で、オイロ使用地域は年末で16カ国となり、人口では3億2千
5百万人を抱えることになる。その他に近々オイロを使用する国が
増える予定はない。

ドイツ兵がボスニアで死亡

(サラエヴォ)ヨーロッパ平和部隊のヘリコプターがボスニアで、
迂回飛行中に森林地帯に墜落し、ドイツ兵2人とスペイン兵1人が
死亡した。このヘリコプターは、サラエヴォの北西100キロにある
トラヴニク近郊出墜落した、とのことである。ボスニアおよびヘル
ツェゴヴィナの和平部隊には、ドイツ国防軍からは現在130人、ス
ペインからは370人が参加している。ドイツ人の死者2人は、ツヴ
ァイブリュッケンの出身である、と国防相ユングは発表した。

ジンバブウェの野党は反逆罪で訴えられる

(ハラレ)ジンバブウェでは、1週間前から反逆罪容疑で身柄を拘
束されている野党「民主化運動」MDCの事務長ビティが、正式に訴
訟を起こされた。彼はさらに、選挙違反の陰謀、虚偽の情報の流
布、国家元首の侮辱、軍の士気の腐敗化の責任が追求される。有罪
となった場合、彼には死刑が言い渡される可能性がある。南アフリ
カ野党デ リレはハラレを訪問し、現状は内戦状態に近っく、この
地域の国家連合「南アフリカ開発調整会議」SADCが緊急首脳会談
を招集しなければならない、自由で公平な選挙は不可能である、と
述べた。




6月20日(金)

EUは石油価格の高騰に税制措置を検討

(ブリュッセル)EUは石油価格の高踏に対する税制上の措置を検討する予定であ
る。各国首脳はブリュッセルで行なわれた首脳会談で、EU委員会に対して、10月
までにこれに関する分析を提出するように求めた。ドイツ首相アンゲラ メルケル
は、石油市場に財政上の介入を行なうことについては疑問を呈した、フランス、イ
タリア、オーストリアの要請を受けて、検討することに賛成した。
EU改革に関するリスボン条約の未来は、アイルランドの有権者が先日拒否したこ
とを受け、再び中に浮いている。手痛い打撃を受けたが、今までに批准を行なって
いない国々でも、今後手続きをとり続けることになる、とブリュッセルで発表があ
った。アイルランドは次の首脳会談の10月まで、この条約を救済するための提案
を行なう時間的な猶予を持っている、とも述べられている。重要な参加国は、改革
がなければEUの拡大は行なえない、との意見である。

     その他のニュース

EUはジンバブウェにさらなる制裁を課すと威嚇

(ブリュッセル)EU加盟諸国の首脳は、今週末のジンバブウェで
の大統領選挙の決選投票を、平和かつ公正に行なうように迫った。
ブリュッセルでの首脳会談を終えるにあたって、首脳たちは、投票
を前に野党に対して現大統領ムガベが加えている弾圧が終わらなけ
れば、問題のムガベの支配に対して、さらなる制裁を科す可能性が
ある、と述べた。EUはアフリカ連合およびアフリカ南部国家共同
体に対して、十分な和男選挙監視団をジンバブウェに派遣するよう
に訴えた。一方野党の指導者ツヴァンギライの政党は、決選投票に
参加しない、との決定を来週初めにも行なう、と発表した。

野党は連邦刑事警察庁の権限強化に警告

(ベルリン)ドイツの国会のや党勢力は、テロ阻止のために計画さ
れている連邦刑事警察庁に新たな権限を与えることについて、あい
かわらず強く拒否している。ますます自由権が奪われ、国家が国民
に対する監視をますます強めることになる、と緑の党、自由民主
党、左翼党は連邦刑事警察庁法案に対する連邦議会での議論の中で
訴えた。特に住居の監視とネットを利用した捜査が、拒絶された。
内相ショイブレ(キリスト教民主同盟)は、「イスラーム教徒によ
るテロ」による脅威を改めて指摘した。社会民主党は、ショイブレ
同様に、連邦刑事警察庁の権限を拡大することを求めているが、詳
細については修正を求めている。

ドイツはアフガニスタンへ兵士1千人を増派

(ケルン)最新の報道によれば、最大でドイツ兵1千人がアフガニ
スタンに追加派遣されるのは、連邦政府では決定済みの事項であ
る。統合幕僚長シュナイダーハンの提言は、数週間前に確定してい
る、と「ケルン市新聞」は報じた。他の数紙も一致して、NATO軍
のアフガニスタン平和部隊のなかでドイツ国防軍のしめる比率の上
積みは、来週半ばに会派に正式に呈示される、と報じている。それ
によれば秋以降は、ヒンドゥクシには4千2百人が投入され、3百人
が予備役として確保される。




6月21日(土)

ベックは党内の批判勢力を「臆病」と呼ぶ

(ベルリン)ベルリン社会民主党党大会で、党首クルト ベックは、首脳部の意向
を発表し、党内の批判勢力から自分の立場を擁護した。彼は批判勢力を「臆病」
で、「非協力的な」態度を取っている、と非難した。「名を明かさないまま」入れ
られる横槍には屈しないつもりだ、と代議員からの拍手を受けながら彼は述べた。
「シュピーゲル」誌は情報源を示さないで、党幹部を年内にも解任するよう迫る、
との社会民主党右派の考察を報じている。幹部会および党評議会は月曜日に、ベッ
クをめぐる対立と対左翼党戦略に決着をつけ、党内の争いを鎮める努力を行なう方
針である。

     その他のニュース

亡命チベット人はネパールで抗議

(カトマンズ)ネパールの首都カトマンズでは、反中国の抗議をす
る亡命チベット人5百人以上を、警察が逮捕した、との情報があ
る。デモ隊の中には多くの仏教の僧侶や尼が含まれていた。一方こ
れより前、3カ月前に紛争が起きたチベットでは、オリンピックの
松明が首都ラサに持ちこまれていた。中国治安部隊に大規模な動員
が行なわれ、松明を運ぶ沿道約10キロに人員が配備された。突発
事件は発生しなかった。商店は閉店したままであった。住民は2時
間の催しからは締め出された。外国人30人、現地の報道関係者
20人は、この日あらかじめ入国していた。公の情報によれば、オ
リンピックの式典があるため、3月中旬の紛争後逮捕された1千人
以上を釈放した。

欧州の米軍各兵器保管所は安全ではないとの調査結果

(ワシントン)米空軍の内部調査によれば、ヨーロッパにある米国
の核兵器保管所は、国防相の最低の安全基準を満たしていない。こ
れは米国の科学者組織「核科学者同盟」FASがインターネット上
で、これを発表した。核科学者同盟の発表では、この調査は、安全
体制、防護柵、保管所の建築状態に問題がある、と指摘している。
同同盟は、ヨーロッパには約200から350発の核爆弾が保管されて
いる、と推定している。ドイツの他、ベルギー、英国、イタリア、
トルコ、オランダに基地がある。

国連核当局はイランを軍事攻撃しないように警告

(ドゥバイ)国連核当局の長エルバラダイは、イランに対する軍事
攻撃という結論を出さないように、と警告した。攻撃が行なわれれ
ば、近東全体が「火薬玉」になってしまいかねない、とエルバラダ
イはテレヴィ局「アル アラビア」で述べた。彼自身はこの件で、
辞任するつもりだ、とも述べた。「ニュー ヨーク タイムズ」紙
は金曜日に、イランの核施設に対する攻撃があるかもしれないの
で、その準備のためにイスラエルが軍事演習を行なっている、と報
じていた。イラン政府は、この軍事演習は、政界平和にとって脅威
である、と批判した。




6月22日(日)

ジンバブウェ野党は決選投票に不参加

(ハラレ)ジンバブウェの野党は、国内で暴力が発生しているため、今週金曜日に
行なわれる大統領選出のための決選投票に参加しない、との決定を下した。国家機
構が既に現職のロバート ムガベの勝利に向け準備を進めているため、自由で公正
な投票は不可能である、と野党「民主化運動」党首モーガン ツヴァンギライはハ
ラレで述べた。また彼は、自分の政党は有権者に生命を危険にさらすことを望むこ
とはできない、とも語った。この直前には武装したムガベの支持者が、野党の選挙
集会を妨害していた。政府は、決選投票の準備は当面続ける、と発表した。選挙へ
の不参加が実施されるなら、憲法は84歳の現大統領ムガベのさらに5年間の任期を
定めている。

     その他のニュース

サウディ・アラビアは石油増産を約束

(ジッダ)世界最大の産油国サウディ・アラビアは、原料に対する
需要が高まって起きている、世界的な石油価格暴騰に歯止めをため
るために、さらなる増産に向け準備をしている、と国王アブドゥッ
ラーは述べた。サウディ・アラビアの港町ジッダで開かれた緊急首
脳会談に参加している彼は、近い未来の具体的な生産量については
言及しなかった。ただし彼は、石油価格の高騰の影響を減らす巨額
の対策を取り、貧しい国々を助けるための提案を行なう、と発表し
た。英国首相ブラウンは、年内にも連続会議を行なうと約束し、産
油国および購入国に対して、双方に対する投資を開放するように、
と要請した。ドイツ経済相グロースは、緊急会議は、石油価格を安
定化に向けたよい信号になることを期待している、と述べた。

台風によるフェリー事故で数百人の死亡が懸念

(マニラ)台風「フェンシェン」に引き起こされたフィリピン沿岸
でのフェリー事故で、当局は多くの人が死亡した、と予想してい
る。沿岸警備隊は、船に載っていた約840人の多くが死亡したので
はないか、との懸念を発表した。大統領アロヨは、このフェリーは
台風警報が発令されているにもかかわらず、首都マニラを出港して
いた、と批判した。彼女はこの事件が解明されることを期待してい
る。一方イロイロ州当局は、台風上陸により、少なくとも155人の
人命が失われた、と発表した。この台風は、時速約200キロで、フ
ィリピンの一部を横切った。高波と地崩れが起こるため、数十万人
が安全な場所に避難していた。

レバノンでは再び戦闘

(トリポリ)レバノン北部の都市では、親西側の国会多数派の支持
者と、親イランの野党の支持者が交戦し、少なくとも3人が死亡
し、約30人が負傷した。政治家とイスラーム教の聖職者がまず仲
介の努力をした後に、引き続き軍が介入し、対立する両者を引き離
した。戦闘の間には、スンニー派の大統領セニオラを支持する多数
派会派の支持者と、シーア派のヒズブッラーに指揮されている野党
の支持者が、角を突き合わせた。トリポリには主としてスンニー派
が住んでいる。




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