6月16日〜22日のオーストリアのニュース



6月16日(月)

     国外ニュース

EUとイスラエルは関係を強化する方針

EUとイスラエルは、今後さらに関係を強化する方針である。両者
は相互関係を、「力をより結集し、より大きな成果を挙げ、大きな
影響力を持つ協力」へと高める方針である、とスロヴェニア外務大
臣で現在EU評議会議長を務めるディミトリ ルーペルは、イスラ
エル外務大臣ツィピ リヴニと昨夜ルクセンブルクで会談した後に
述べた。協力関係は政治と経済に限らず、テロ対策、科学、文化、
教育の各分野でも深めていくが、この関係強化は何者かと対立する
ためのものではない、とリヴニは語った。EU外務委員ベニータ 
フェレーロ・ワルトナーは、近東での対立を仲裁することが、EU
とイスラエルの関係強化の前提であるかどうか、と質問されて、
EU加盟27ヶ国の大使が採択した文書の方がこの問題では重要であ
る、と述べていた。

     国内ニュース

プラターは同性同士の配偶関係を支持する声に反対

内務大臣ギュンター プラター(国民党)は、審査の態度表明の中
で、生活を共にする配偶関係の結婚式を拒否する方針を変えていな
い。同性同士の配偶関係を、戸籍役場で執り行うことを承諾するこ
とはできない、配偶関係が結婚があまりに似すぎているために、こ
の案は全体を再検討しなければならない、と述べた。法務大臣マリ
ーア ベルガー(社会民主党)が提案したこの案は、「配偶関係
は、結婚の別の形あるいは特殊な形である、との印象を与えないよ
うに、根本から見直さなければならない」とも語った。またプラタ
ーは、同性同士の配偶関係で、同じ名前を持つことにも反対した。




6月17日(火)

     国外ニュース

イスラエルはハマースとの停戦は時期尚早と判断

イスラエル国防大臣エフド バラクは、イスラエルと急進派イスラ
ーム教徒のパレスチナ人組織ハマースとの停戦に関する報告を、時
期尚早である、と評価した。現在、近々停戦に合意する可能性があ
るかを検討している、とバラクはテル アヴィヴの北にあるベート
 ジェホシュアで行なった演説で述べた。「たとえ停戦に合意して
も、どれだけそれが続くかは不明」であり、イスラエル軍は「その
後のあらゆる成り行きに対応」しなければならない、とも語った。
これより前にエジプトの通信社MENAは、閣僚の言葉として、ガザ
帯状地帯およびイスラエルとの国境地帯にある市町村での停戦は、
明日朝から行なわれる、と発表していた。ハマースは公報を通じ
て、少なくともこの一部を確認した。エジプトは、急進派パレスチ
ナ人によるイスラエルに対するミサイル攻撃と、ガザ帯状地帯での
イスラエルの軍事行動を停止することを目標として、仲介を行なっ
ている。

     国内ニュース

ブーレスは国民評議会議員に復帰を目指す

女性大臣ドーリス ブーレスが、社会民主党中央部へ転身すること
を受け、同党の閣僚の人事が変わるだけでなく、国会会派の陣営に
も影響がでる。社会民主党の連邦事務長に復帰した彼女は、国民評
議会の議員に復帰する意向である。「プレッセ」紙出ブーレスは、
「私は国民評議会に戻るつもりだ」と述べた。これにより社会民主
党の議員で、若い国会議員のラオラ ルーダスが、国会の議席を心
配しなければならない。ブーレスは閣僚になった後、ウィーンのリ
ーシングの筆頭候補として獲得した国民評議会議員を辞し、ルーダ
スが後任となっていた。ルーダスは、青年部で実際に活動している
若い女性の1人であるため、2人にとってよい解決を見いだすこと
を望んでいる、とブーレスは述べた。




6月18日(水)

     国外ニュース

英国はEU改革条約を批准

アイルランドがEU改革に関するリスボン条約を否決してから6日、
英国はこれを承認した。英国上院つまり第2院の議員たちは、この
条約を数時間の最終討議の後、昨晩可決した。これにより、国王エ
リザベス2世により、批准の法律が署名され、発効することにな
る。英国は、この条約を国会で承認した19番目の国である。先週
木曜日には、アイルアランドがEUの中で唯一国民投票を行ない、
改革条約を否決したため、EUは危機に陥っていた。

     国内ニュース

通勤補助の引き上げは期限付きに

2008年7月1日から通勤手当が0.376オイロから0.42オイロに引
き上げられるが、これは2009年12月31日で終了し、その後は以
前の少ない額に戻る。オーストリア自動車連合の調査、これが明ら
かになり、大蔵省もこれを確認した。政府の通勤費用の負担軽減に
関する妥協案が呈示された時には、これは発表されていなかった。
また通勤手当の15%増額も期限付きである。同連合事務長レオ ム
ズィールは、「国民を意図的に欺いた」「政府があらかじめ通勤の
費用軽減を定め、同時にその軽減が一時的なものであることを黙っ
ているなら、他の言い方をすることはできない」と述べた。自由党
は、この措置を「上げ底」である、と述べた。




6月19日(木)

     国外ニュース

EUはスロヴァキアにオイロ導入を認める決定

スロヴァキアは来年冒頭に、オイロを導入できる。EU加盟国首脳
は、昨日ブリュッセルの首脳会談で、これを認める決定を下した、
と外交官が発表した。これにより約5百万人の人口を持つ同国は
2009年1月1日に、自国の通貨クローネの代わりにオイロを採用
することができる。これでオイロ使用地域は16ヶ国へと増加す
る。ヨーロッパ中央銀行は、物価が必要な水準で長期に渡って維
持できないとの深刻な懸念を表明していたが、EU委員会はスロ
ヴァキアが「オイロを導入する用意が整った」と判断した。正式
の決定は7月8日の大蔵大臣協議会で下される。英国、デンマー
ク、スウェーデンを除く全てのEU加盟国は、赤字、物価上昇、
金利の基準を満たした場合、ただちにオイロを導入することが義
務づけられている。

     国内ニュース

憲法裁判所は新たに亡命関連で2千件の抗告が行なわれると予想

憲法裁判所の新総裁ゲアハルト ホルツィンガーは、7月1日に亡
命裁判所が設立されることを受け、憲法裁判所に持ち込まれる抗告
の数は、2倍に増加する可能性がある、と懸念している。現在2千件
から3千件の抗告が毎年起こされているが、今後は最大で2千件の
亡命に関する事例が持ち込まれる可能性がある。同裁判所はこの新
たな情勢に対処する準備を進めているが、問題が発生する可能性も
ある、と憲法委員会の会合で昨日ホルツィンガーは述べた。亡命裁
判所の構成に関して、彼は批判の言葉を述べなかった。こぼした牛
乳について語るのは無駄だ、と彼は述べたが、行政裁判所の元に組
み込まれる形の別の解決の方が望ましかった、と認めた。




6月20日(金)

     国外ニュース

米国下院は盗聴法案を可決

数ヶ月にわたり民主党と共和党が対決してきた包括的な盗聴法案
を、米国下院は可決した。この法律は、電話の監視を行なうにあた
って、政府に全権を委ねるものである。さらに2001年9月11日の
攻撃以降、裁判所の許可なく盗聴に関与した電話会社の刑の免除
が、条件づきながら含まれている。

     国内ニュース

ファイマンが夏から首相に? ブーレスは「噂」と述べる

女性大臣を退任して社会民主党連邦執行部長に就任するドリス ブ
ーレスは、社会民主党の執行部の議長ウェルナー ファイマンが夏
にも新連邦首相に就任する、というのは「噂」である、と見てい
る。「彼は基盤整備大臣である。自分にに生命をくれるものを、誰
も自分から拒絶することはできないだろう。しかし連邦首相はアル
フレート グーセンバオアーである」とブーレスは昨晩のテレヴィ
番組で述べた。




6月21日(土)

     国外ニュース

オバマへの献金は大幅に減少

米国民主党の大統領候補バラク オバマは、選挙戦の献金が、大き
く不足することを覚悟しなければならない。国民選挙委員会が昨日
公報した数字によれば、オバマは先月支持者から2,190万ドル
(1,400万オイロ)の選挙戦の資金を受け取った。これはそれ以前
よりも大幅に少ない額である。1月から4月の間イリノイ州選出の
上院議員である彼は、月平均で3、100万ドル、日額で1百万ドル強
を受け取っていた。ただし彼はあいかわらず、共和党の大統領候補
ジョン マケインより優位に立っている。選挙委員会によれば、マ
ケインは先月選挙のための献金として2,100万ドルを得ていた。木
曜日にオバマは、国からの選挙資金8千万ドル以上を放棄する、と
発表していた。これによりかれは、私的な献金を無制限に使用する
ことができる。一方マケインは、献金額が大幅に少ないため、国か
らの補助金を受け取る。

     国内ニュース

シュピンデレッガーが社民党に選挙実施を迫る

国民党の国民評議会議長ミヒャエル シュピンデレッガーは、社会
民主党に選挙を行なうと威嚇している。彼は昨日のテレヴィ番組
で、「コンゴどれぐらい連立が維持できるか」との質問に答えて、
新党首ウェルナー ファイマンが、数日中に解決に向けてはっきり
した支持を表明しないのであれば、「私は終わりがやって来ている
と判断する」と述べた。またシュピンデレッガーは、年金の収支均
衡問題で、「社会民主党の信頼性と協力の質」がもはや確保されて
いない、と見ており、国民党は妥協を図った、と述べた。副首相ウ
ィルヘルム モルテラー(国民党)は、中央委員会の設置を提案し
た。それは「ファイマンによい出発点を与えるためである」ともシ
ュピンデレッガーは述べた。




6月22日(日)

     国外ニュース

違法入国者収容者がパリで放火 負傷者20名

チュニジア人が死亡したことに対する抗議として、フランスの国外
退去者収容者がその施設に放火した。火災では20人ほどが負傷し、
病院に運ばれた、と警察は発表した。情報によれば、パリ郊外のヴ
ァンセンヌにある収容所の複数の部屋で、収容者が寝具に放火し、
この火事により、273人の人間が入っている建物2棟が被害を受け、
被害にあった者は別の場所に移された、とのことである。当局の発
表によれば、50人の収容者がこの火災発生を利して逃亡した。
41歳のチュニジア人が土曜日に死亡していた。警察は、死因を心
筋梗塞である、と発表していた。それによれば、彼が死亡した時に
は、房に1人でいた。警察は捜査を開始している。人権団体はこの
施設の劣悪な条件が、この死を引き起こした、と批判している。

     国内ニュース

社会民主党は閣僚の配置替え

首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)は月曜日、
1週間前に開始した党幹部の配置替えの措置を最終的に確定する。
次期社会民主党党首ウェルナー ファイマンとともに彼は、党中央
部に転身したドリス ブーレスの後任となる新女性大臣を提案す
る。有力なのは政務次官ハイドルン シルハフィである。彼女は大
臣に就任するのがふさわしいと目されている。新次官として名前が
あがっているのは、社会民主党の国会議員アンドレアス シーダー
である。「プレッセ」紙によれば、今までの女性省は分割される。
シルハフィは、女性および報道の分野だけを担当する。シーダーは
閣僚の今後のあり方を担当することになる。国民党側も、副首相ウ
ィルヘルム モルテラーを解任するために、大蔵省政務次官を変え
るとの噂も出ている。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system