7月7日〜13日のオーストリアのニュース



7月7日(月)

     国外ニュース

新セルビア政府が議会で承認を受ける

セルビア議会は月曜日午後、民主党DSおよび社会党SPS、および
連立小政党および少数派の政党からなる新政権を承認した。首相ミ
ルコ クヴェトコヴィチの政権に、国会議員127人が賛成、27人
が反対した。78人の国会議員を抱える極端な民族主義のセルビア
急進党SRSは、この投票に参加しなかった。新政府は、セルビアの
さらなるEUへの接近、独立を求めているが承認していないコソヴ
ォとの外交的な対決、経済的な発展、汚職および犯罪との戦いを、
最重要の目標として掲げた。

     国内ニュース

国民評議会の選挙に向け最初の行動

国民評議会では火曜日、選挙に向けて最初の段階が取られる。各党
は9月に選挙を前倒しで実施することを可能にするために5会派の
提案に合意が得られるべく努力している。これが成立すれば選挙の
実施が来週木曜日にも決定される可能性がある。国会の総会の定例
の日程では、連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主
党)と副首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)が、重要度が低
くなってしまった内閣改造について、声明を発表することになって
いる。一種の非公式な選挙戦開始が、ここで行なわれると見られて
いる。テレヴィではグーセンバオアーとモルテラーの連立政権崩壊
に関する声明と、その後の議論を、生放送で中継する。




7月8日(火)

     国外ニュース

ムガベは野党との政権連合に前向き

ジンバブウェ大統領ロバート ムガベは、野党と連立政権を結成す
る用意がある、と外務省は発表した。ムガベは、「全ての政党」が
参加する政府を結成することを求めている、と外相スンバラシエ 
ムンベンゲグウィは、昨日訪問先のブルキナ ファソで述べた。た
だしどの程度まで野党の指導者モーガン ツヴァンギライを受け入
れるつもりかは、彼は述べなかった。ムガベは野党に対して暴力的
に対処した後、6月末に対立候補なしで決選投票を行ない、もう
1期大統領に選ばれた。野党の指導者ツヴァンギライは、3月の第
1回投票で勝利をしていたが、必要な過半数には達していなかっ
た。その後彼は、自分の支持者に対する攻撃が行なわれたため、選
挙戦から撤退していた。

     国内ニュース

国会議員選挙にはディンクハオサーも立候補

ティロール州州議会選挙で勝利を収めた国民党の少数派フリッツ 
ディンクハオサーは、国民評議会選挙にも立国補する意向である。
ディンクハオサーがティロール州の候補者名簿に名前を載せるのは
確定している。テレヴィ番組の中で彼は、複数の州から多くの問い
合わせがあることを認めた。これに見合う支援が得られ、新たな改
革の運動が生まれるなら、自分も連邦の候補者になることを検討す
ることになる、とも述べた。俳優のカールハインツ ハックルも、
自分の党「オーストリア社会文化SKOe」から国民評議会に立候補
する方針である。また反EUの「オーストリアを救済せよ」運動
も、候補者をたてる、と予告した。




7月9日(水)

     国外ニュース

トルコ首相エルドアンはバグダード入り

トルコ首相レジェップ タイップ エルドアンは木曜日に、イラク
首相ヌリ エル マリキと会談するために、バグダード入りする。
会談の議題は、イラクの再建である、とイラク政府筋は発表した。
6月にはエルドアンは隣国イラク政府に支援を約束していた。トル
コは、イラクにとって消費財を中心として、最大の貿易相手国であ
る。この会談では、イラク北部にいるクルド人反乱勢力に対するト
ルコ軍の派遣も議題となる可能性が高い。過去には特に空からの攻
撃が、クルド人の地方政府およびクルド大統領ジャラル タラバニ
の激しい抗議を受けていた。

     国内ニュース

国民党はブリネクを国民の代弁者に選ぶ

オーストリア労働者職員同盟の連邦女性議長ゲルトルーデ ブリネ
クが、マリーア フェクターの後任として、国民の代弁者の地位に
つく。ニーダーエスターライヒ州出身の彼女は昨夜、国民党議員団
によって、この職に指名された。国民党の科学分野の専門家でもあ
る彼女は、有力と見られていたペーター ゾンベルガーを決選投票
で破った。正式には木曜日の国民評議会の総会で、選出される。
2007年5月にも彼女は、国民の代弁者として扱われていたが、こ
の時はフェクターの後塵を拝した。彼女は国民評議会議員をまず
1988年から90年まで務め、1994年からはずっと国民党所属の議
員である。元国民学校および基幹学校の教員であった彼女が政界入
りしたのは83年、ウィーンのレオポルトシュタットの評議員にな
ってからであった。90年から94年までは州議会議員および州の閣
僚を務めた。また35年前から国民党会派の広報カール ブリネク
と結婚している。




7月10日(木)

     国外ニュース

ミサイル実験を受けイスラエルはイランを攻撃すると威嚇

イランがペルシャ湾岸で新たにミサイルの実験を行なったこと受
け、イスラエルはイラン政府に対して、軍事攻撃を行なう、と威嚇
した。イスラエルは、安全面での利益が損なわれる場合には、行動
を起こすことを躊躇しない、とイスラエル国防大臣エフド バラク
は木曜日夜にテル アヴィヴで述べた。しかしバラクは、イスラエ
ルは攻撃を行なう前に、別の「敵」が反撃を行なう可能性を検討し
なければならない、とも述べた。彼は急進派イスラーム教のパレス
チナ人組織ハマースと、レバノンのヒズブッラー民兵、およびシリ
アの名前を挙げた。この3者はイランの同盟国と目されている。

     国内ニュース

最後の閣議はわずか15分で終了

わずか15分で終わった。破綻した社会民主党と国民党の連立政権
の夏休み前、最後の閣議が昨日行なわれ、約1年半にわたる任期中
で、最も短いものになった。両党は、9月28日を国会議員選挙の期
日に定めた。その他のことは閣議では話し合われなかった模様であ
る。しかし社会民主党の社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガーと
国民党党首ウィルヘルム モルテラーの間では、介護をめぐって当
てこすりの言い合いが起きた。社会民主党所属の首相アルフレート
 グーセンバオアーは、「皆さんを引き止めることはない」と述べ
て議論を打ち切った。




7月11日(金)

     国外ニュース

ジンバブウェへの国連制裁は拒否権発動で失敗

国連安全保障理事会が計画していたジンバブウェに対する追加制裁
は、ロシアと中国の拒否権行使で失敗に終わった。南アフリカ、リ
ビア、ヴェトナムも、米国が提案したこの案に反対した。米国政府
はこの決議で、武器の禁輸と、大統領ロバート ムガベを含む同国
の要人12名に対する処罰の措置を科す意向であった。ムガベは木
曜以来南アフリカで、野党「民主化運動」MDCの党首モーガン ツ
ヴァンギライと、ジンバブウェの政治危機を決着させるための話し
合いを行なっている。ムガベは先日大統領であることを確認させた
ばかりである。ツヴァンギライの支持者が脅され、そのため選挙へ
の参加を断念したため、この選挙のやり方には国外で激しい抗議が
発生した。

     国内ニュース

ファイマンは選挙前に連立の条件を出すことを拒否

社会民主党の新党首で、同党の筆頭候補になるウェルナー ファイ
マンは、9月末の選挙の前には、連立に関する条件を示さない。昨
日のテレヴィ番組で、同党がEUの方針を変更したことを受け、EU
に関する決定を国民投票にはかることを連立の条件とするかどう
か、質問された彼は、「私は選挙戦では連立の条件を明言しない。
有権者はまず公約を聞くことになる」と述べた。ファイマンは先
日、シュトラーヒェを党首とする自由党との連立を明確に拒否し
た。ただしファイマンは「社会民主党と自由党の連立」を原則とし
て排除すると強調し、有権者は党が連立相手を除外するかどうか、
知る権利を持っている、有権者が社会民主党を選ぶのであれば、自
由党との連立を退けることになる、と述べた。




7月12日(土)

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地中海連合がパリで設立される

日曜日にパリでは、42カ国とパレスチナ自治区の首脳が集まっ
て、地中海連合を設立する。この連合は、EUおよび地中海南部の
諸国と近東の、政治的および経済的な協力を強化するためのもので
ある。発案者はフランス大統領で現在EU評議会議長を務めるニコ
ラ サルコズィである。この首脳会談では、地中海の浄化などの初
期の計画が取り上げられるが、そのほかには執行部の体制について
合意が取りつけられなければならない。フランスは2年間の予定で
共同議長を引き受ける方針であるが、エジプト大統領ホスニ ムバ
ラクが南部の国々の代表を務める。この会合を前にフランスは土曜
日に、カタール王国と共に、シリアとレバノンが、歴史上初めての
外交関係を樹立するのを仲介した。大統領サルコズィは、これは
「歴史的な前進」であり、これがうまくいけば、ヨーロッパは今ま
でよりも近東での発言力を増す、と述べた。

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ディンクハオサーとマルティン「協力計画はあり得る」

ティロール州国民党の反対勢力フリッツ ディンクハオサーと無所
属のEU議会議員ハンス・ペーター マルティンは、協力して活動
する可能性を否定しなかった。「オーストリアのために共同で候補
者名簿を作って立候補することは、双方ともにとって利益がある」
とディンクハオサーは、マルティンと土曜日午後に「方針を定める
話し合い」を行なった後に、APA通信に述べた。民主政治に生じた
空白を埋めなければならない、とも彼は述べた。マルティンもま
た、この会談は「刺激を与え、示唆に富んでおり、緊張感があっ
た。私たちは公正なオーストリアを必要としている」と述べた。




7月13日(日)

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トルコで誘拐されたドイツ人をめぐる懸念

「クルド労働者党」の反乱勢力によって、登山客3人が誘拐されて
から5日、ドイツとトルコはこの誘拐事件の解決に向けた密接な協
力体制が最高の水準にあることを示した。ドイツ首相メルケル(キ
リスト教民主同盟)とトルコ首相レジェップ タイップ エルドア
ンは、出席した昨日のパリでのEU・地中海首脳会談と並行して、
バイエルン人3名の早期解放に向けて、協力を集中して行なうこと
で合意した。「クルド人労働者党」に近い通信社フィラトが伝えた
声明によれば、人質の状態はよい、とのことである。このクルド人
組織は間接的ながら、トルコにあるドイツの経済拠点に対する攻撃
を行なう、と威嚇した。一方ナイジェリアで人質となっている2人
の命運は、まだ不明である。

     国内ニュース

国民議会選挙でLIFの候補者は決定に至らず

「自由公開討論」LIFは、秋に行なわれる国民評議会選挙の候補者
に関する決定を、週末には下さなかった。「人材の適切な擁立」が
まだ中心的な問題であり、それが変わっていない、と昨日APA通信
に対して発表した態度声明の中では述べられている。自由党が立候
補者をたてるかどうかに、これが決定的な影響を持つことになる、
とも述べられている。決定は来週行なわれることになっている。




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