7月14日〜20日のオーストリアのニュース



7月14日(月)

     国外ニュース

ベルギー首相は内閣の辞任を提案

ベルギー首相イヴ ルテルムは、国王アルベール2世に昨日午後、
同内閣の退陣を申し入れた、と政府筋が発表した。連邦主義の国家
建設の改革に関する話し合いが失敗終わったためである、とのこと
である。ベルギーでの報道によれば、5党による連立の首脳は、長
年に渡る国家改革をめぐる対立を解決する試みに失敗した。ルテル
ムは当面さらに時間を与えるように求めた、と「デ スタンダール
ド」紙のインターネット版は報じている。背景にはオランダ語社会
とフランス語社会の政治家が、国内でより大きい影響力を得ようと
対立したことがある。この対立は、2007年6月10日の選挙以降、
ベルギーの歴史上最も長い政権の危機につながっている。ルテルム
は、組閣問題の解決を7月15日までに見つける、と春に明言してい
た。

     国内ニュース

未来同盟は調査委員会への参加を拒否

未来同盟は、内務省事件調査委員会の次回会合への参加を拒否して
いる。火曜日には未来同盟所属の国会議員は委員会に出席しない、
と同党公報がAPA通信に述べた。その理由として、ゾガイ事件は、
「この調査委員会の議題ではない」ことを挙げた。今日からはゾガ
イとゼガイの事件で、警察の情報蓄積機エーキスから信頼できる情
報を引き出し、その後それを報道機関に渡すかどうかの問題で、証
人の質問が行なわれる。同委員会議長ペーター フィヒテンバオア
ー(自由党)は、同党の予告を承知しているが、誰にも会議に出席
するように強制することはできない、と述べた。未来同盟はいずれ
にせよ、会議には情報収集係を派遣するだけで、質問は行なわな
い。ゾガイ事件で重要なのは、有効性を持つ法律が行使されてい
る、ということである、とも語った。




7月15日(火)

     国外ニュース

イスラエルとヒズブッラーの捕虜交換への道が開かれる

数ヶ月に渡ってひそかに交渉が続けられていたが、イスラエルはド
イツが仲介していたレバノンのヒズブッラー民兵との捕虜交換を、
最終的に承認した。それによれば水曜日午前中に国境のロシュ ハ
ニクラで、イスラエルの兵士2名が返される。イスラエルでは、
2006年7月12日に誘拐されたエフド ゴルトヴァサーとエルダド 
レゲフはおそらく死亡している、と見られている。イスラエルで
は、イスラエルは兵士の遺体と収容者を交換するなら、誘拐犯側
が、人質を生かしておく意欲を失うことになる、との批判が出てい
る。ベルリンでは、ドイツが仲介を行なったことに関して詳細が初
めて公表された。それによれば、国連の委託を受けた連邦情報局の
熟練の職員が、18カ月以上前から、両者の交渉を進めていた。

     国内ニュース

内務局長はゾガイ事件で情報を問い合わせたことを認める

内務省の部長が昨日の調査委員会の公聴会で、ゾガイ事件で警察に
対して情報を与えるように申し入れていたことを認めた。行なわれ
たのは滞在に関する問題の調査だけであった、と彼は何度も強調し
た。彼は数回の質問に答えて、アリゴナスの父親ゼヴァト ゾガイ
にも、刑法犯罪の構成要件の調査を行なったことを認めた。この情
報照会はすべて、「滞在許可の観点」から行なわれたもので、内務
大臣の申し入れを受けたものだ、と述べた。緑の党の会派長ペータ
ー ピルツは、この調査の時点では、家族に対して捜査手続きは始
まっておらず、法的根拠を欠いている、と述べた。




7月16日(水)

     国外ニュース

ベルギーではルテルムは首相職に留まる可能性も

ベルギー首相イヴ ルテルムが辞表を提出してから1日、数ヶ月前
から続く政治危機を解決するために、大政党の指導者たちが議論を
続けている。国王アルベール2世の招待を受け、彼らは昨日ラーケ
ン宮殿で話し合いを行なった。話し合いの詳しい内容は秘密のまま
である。ただし参加者数人は、協議後に、ルテルムが殊勝に留まと
いうのが、フランス語を話し政党の中だけでなく、フラマン語を話
すキリスト教民主党でも、最大の支援を受けられる選択肢である、
と示唆した。国民主義の「新フラマン連合」と急進右派の「ヴラー
ムス ベラング」だけが、この協議に招待されなかった。

     国内ニュース

ファイマンはヴラニツキーの元閣僚を顧問に

社会民主党では、間近に近づいた選挙戦に向けて、宣伝会社を変え
るだけでなく、次期同党党首ウェルナー ファイマンは、顧問につ
いても人材を登用する。同党の筆頭個穂であるファイマンは、元首
相フランツ ヴラニツキーの閣僚だったカール クラマーを選挙対
策本部に迎える。日刊紙「エスターライヒ」紙の報道によれば、フ
ァイマンの広報は昨日午後、APA通信にこれを確認した。クラマー
は元首相ヴラニツキーの元で、公報と官房長をつとめた。1997年
に退任した後、クラマーは戦略、政策、ロビイ活動を中心として行
なう、独立の企業顧問として働いていた。2001年以降は、彼はオ
ーストリア放送財団の「交友団」の会長を務めている。




7月17日(木)

     国外ニュース

ベルルスコーニ「世界には指導力が欠けている」

イタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニの考えでは、世界は気候
保護などの現実の問題解決に責任を持つ人材が欠けている。外交の
面では、指導力を持つ人物が書けている、と懸念を持ちながら断言
せざるをえない、と71歳の彼は昨日ローマで開かれた催しで述べ
た。以前の首脳に並ぶような後継者を持っていない国が多い、とも
彼は述べた。具体的にベルルスコーニは、ドイツと元ドイツ首相ゲ
アハルト シュレーダーのことを念頭においている。彼はシュレー
ダーを高く評価していた。その他彼は英国、ロシア、フランス、ス
ペイン等、彼の考えでは力のある人物が権力の座に就いていない、
と指摘した。彼はこの春に首相に就任したが、これは合わせて3度
目のことである。

     国内ニュース

ライトルは社会保険からの辞任を検討

経済会議議長クリストフ ライトル(国民党)は、社会保険組合の
経営の健全化に失敗したことを受け、社会保険の役員を辞任するこ
とを検討している。「本来であれば、社会保険から即刻、私の配下
を引き上げなければならない」とライトルは「プレッセ」紙に述べ
た。その理由として、社会保険組合の破綻状態のもんだいでは、こ
の改革をぶち壊そうとしていた人がいる中、過失から倒産状態に陥
った責任は役員にあると考えられることをあげた。ライトルは、社
会保険改革の模範として、(職安に相当する)労働市場局AMS改革
に習うつもりであり、「熱くなった頭を一時冷却するために、国会
が改革を取りまとめるか、あるいは労働市場局改革を模範とする対
案を私たちが作るかのどちらかである」と述べた。労働市場局は
1994年に連邦の管轄から、公的権限を持つ職務遂行企業へと改組
されていた。この会社の中には政府と労使双方が代表を送ってい
る。




7月18日(金)

     国外ニュース

イランが初めて米国・EUと核をめぐり話し合う

イランとの核をめぐる対立で、米国の有力外交官が初めて、EU特
別使節ハヴィエル ソラナおよびイランの交渉役サイード ジャリ
リとの交渉に参加する。この会議はジュネーヴで行なわれる。話し
合いの中心になるのは、6月中旬にソラナが提案した国連の5大国
とドイツの提案で、これはイラン政府がウラン濃縮を中止した場合
には、通商、金融、農業、先端技術の分野での支援を約束してい
る。米国代表は外務次官ウィリアム バーンズである。イラン外務
大臣マヌーチェフル モッタキはこれに先立ち、訪問先のアンカラ
で、楽観的な見解を述べた。彼は米国代表が初めて参加するのは、
よい兆候である、と評した。

     国内ニュース

ファイマンはアリゴナ ゾガイの滞在許可を要請

次期社会民主党党首ウェルナー ファイマンは、アリゴナ ゾガイ
に滞在権を与えるのに賛成である、と述べた。この若い女性がオー
ストリアに滞在する許可を与えられるべきであるか、という「ザル
ツブルク通信」紙の質問に答えて彼は、「私は賛成だ」と述べた。
これに関する手続きを簡略化するために、政治はあまりに長い時間
を浪費してきた、と交通大臣である彼は述べた。「それにより長年
オーストリアにおり、その間に子供たちは成長し、学校に通い、友
人を見つけた」ので、既に社会に適応している人の場合には、例外
とすべきである、と彼は述べた。内務大臣マリーア フェクター
(国民党)は先日、ゾガイの家族をコソヴォに集めることに賛成で
ある、と述べていた。




7月19日(土)

     国外ニュース

ジュネーヴでのイランとの核交渉は目に見える進展はなし

昨日EUとイランの間で、イランのウラン濃縮計画に関する話し合
いが、新たに行なわれたが、目に見える進展をあげることなく終わ
った。EU外交使節ハヴィエル ソラナは、イランの核交渉人サイ
ード ジャリリとの会談後、建設的な雰囲気の中で実質的な話し合
いを行なった、とジュネーヴで述べた。「しかし我々の質問に対し
てもっと回答があると期待している」と彼は付け加えた。今回の交
渉には米国から、外務省で第3位の高官ウィリアム バーンズも参
加した。イランがウラン濃縮を中止した場合に提供される、経済、
科学、政治の分野を含む協力関係に関するEUの提案が議論され
た。米国政府の代表がイランの外交官と同じ席に座るのは、30年
ぶりのことである。

     国内ニュース

フェクターは「国外追放はランボー的な手法」と発言

内務大臣マリーア フェクター(国民党)は土曜日に、ケルンテン
州首相イエルク ハイダー(未来同盟)が、6人の亡命希望者を国
外追放にした演出は、「他の州を犠牲にした上での大衆への人気取
り政策」以外の何物でもない、と述べた。彼女はこれは「ランボー
的な手法」である、とも語った。ハイダーはフェクターを非難し
て、フェクターは6人をケルンテン州からトライスキルヒェン(ニ
ーダーエスターライヒ州)の収容所への「追放」するのを邪魔し
た、と述べたが、これに対してフェクターは、この非難は「選挙戦
の最初の行動としては拙速かつ失敗」で、政治的な演出である、と
述べた。




7月20日(日)

     国外ニュース

ビン ラーディンの運転手がグアンタナモで裁判を受ける

アル カーイダ首領のウサマ ビン ラーディンの元運転手で、護
衛を務めていた男にたいする裁判手続きが、月曜日に始まる。これ
は第2次世界大戦以降、米国が初めて行なう戦争裁判である。キュ
ーバのグアンタナモにある米国逮捕者収容所に設置された軍委員会
で、37歳のサリム ハムダンに対する裁判が行なわれる。イエメ
ン人である彼には、陰謀およびテロ行為の支援の容疑が持たれてい
る。有罪となれば、死刑が言い渡される可能性もある。この裁判に
は、この裁判所の法的適格性に関する疑問と、ハムダンが収容所内
で虐待を受けたとの非難がつきまとっている。

     国内ニュース

フェクターは選挙戦で亡命問題を今後も取りあげる

内務大臣マリーア フェクター(国民党)は、認められた難民は、
今後は一定の条件に合致した場合には、亡命の地位を失う可能性を
作り出す方針である。具体的には、難民が犯罪行為を置かしたり、
故郷が再び安全なちと考えられるようになった場合に、それが可能
となる。彼女は「クリール」紙に、1999年の内戦でオーストリア
に逃げてきたコソヴォ人がそれにあてはまる、と述べた。コソヴォ
はその間に再び安全な場所と見られるようになったため、有罪判決
を受けた場合には、亡命の手続きを新たに検討することになる、と
語った。また外国人犯罪者が有罪判決を受けた場合に、より素早く
国外追放できるように、フェクターは関係諸国と新たな帰国の受け
入れに関する合意を結ぶ方針である。




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