７月２８日〜８月３日のドイツのニュース
７月２８日（月）
バグダードではシーア派の巡礼者が攻撃を受け死者多数
（バグダード）イラクの首都バグダードでは、女性3人がシーア派の巡礼者の中で
自殺攻撃を行なった。警察の発表によれば、彼女たちは少なくとも28人を道連れ
に死亡し、約100人が負傷した。シーア派はこの火曜日に、最高指導者ムーサー
アル カージムの命日を祝う。日曜日には早くもバグダードの南部で、シーア派の
巡礼7人が射殺された。3年前には信徒たちがこのイマーム（教主）の神殿を巡礼
する際に、犯行に関する噂が大混乱を引き起こし、約1千人が死亡していた。
イラク北部のキルクークでは、攻撃とその後の銃撃で、25人が死亡し、120人以
上が負傷した。爆破はこの州の新しい選挙法に反対するデモ隊のところで発生し
た。ここでも犯行を行なったのは女性である、とのことである。
その他のニュース
イスタンブルでは過去5年で最悪のテロ攻撃が発生
（イスタンブル）イスタンブルでは2件の攻撃が行なわれ、少なく
とも17人が死亡した。トルコ当局は全力を挙げて犯人と黒幕の行
方を追求している。分離独立派であるクルド労働者党PKKに捜査は
集中している。同党は自らには一切の責任がない、と否定してい
る。トルコの治安の専門家は、ドイツなども例として取りあげて、
実行方法と犯行場所から、イスラーム教徒陣営のテロ組織による可
能性がある、と見ている。イスタンブルでは過去5年間で最も大き
な被害を出した攻撃が日曜日夜に起きており、150人以上が負傷し
た。捜査陣の発表によれば、同市でヨーロッパ人が多く住む人通り
の多い広場で、数分の間隔で2発の爆弾が破裂した。首相エルドア
ンは犯行現場で、トルコが団結するように呼びかけた。シュタインマイアーはアフガニスタン訪問を複雑な総括
（ベルリン）ドイツ外相シュタインマイアーは、アフガニスタン再
建に関して、好ましいものとまずいものの入り交じった決算を引き
出した。同国西部の情勢や、北部での国防軍が担当している分野
は、素人にもはっきり解る前進を遂げている、と4日間のアフガニ
スタン訪問を終えた彼はベルリンで彼は述べた。ただし治安情勢は
昨年は悪化したが、その原因はパキスタンの行動にある、とも語っ
た。シュタインマイアーは、隣国パキスタンはテロ組織と、断固戦
わなければならないし、アフガニスタン政府は状況の安定化のため
に、十分なことをしていないので、汚職および麻薬との戦いに不足
が生じている、と述べた。ルフトハンザ労組のストは旅客には影響なし
（フランクフルト アム マイン）第三次産業労働組合Verdiの無
期限ストが始まったが、その初日にはルフトハンザの旅客には、影
響がなかった。全ての飛行機は予定通り飛び、遅れもほとんどな
く、事前の対策が十分であった、と同社公報は発表した。同労組の
発表によれば、ドイツ全体で地上勤務および機内勤務の職員4千人
がストを行なった。ドイツ国内のほとんど全ての空港が影響を受け
た。労組側の交渉役代表オットは、ストの影響は数日後になって完
全に現れてくる、緊急事態での計画は、ルフトハンザ社に大きな金
銭面の負担を強いることになる、と述べた。労組は従業員5万人に
9.8%の賃上げを求めている。
７月２９日（火）
ジュネーヴでの世界貿易交渉は決裂
（ジュネーヴ）世界貿易の自由化に関する新たな協定を結ぶための交渉は、成果を
挙げることなく打ち切りとなった。世界貿易機構WTOの総裁パスカル ラミーが、
40の参加国すべてに、この協定はもはや成立不可能である、と通知した、との情
報がジュネーヴから伝えられている。この各国の大臣の会議は、貿易のさらなる自
由化を進めるために、2001年に始まったいわゆるドーハ交渉を決着させるための
ものであった。第一報によれば、農業分野の輸入に関する問題で、米国、インド、
中国が妥協をしなかったために決裂した。
その他のニュース
ズィーメンス社は経営陣幹部に損害賠償を請求する方針
（ミュンヒェン）ズィーメンス社は元役員会議長フォン ピーラー
とクランフェルト、さらに9人の経営陣幹部に対して、数件の汚職
容疑で賠償請求訴訟を起こす方針である。監査役会はこの決定を下
したが、金額については発表しなかった。該当する役員には、違法
な経営方針と汚職事件により、同社の組織としての義務と経営上の
義務を侵害した、との容疑が持たれている。技術産業である同社に
は、合わせて19億オイロの経費が発生した、との情報がある。ズ
ィーメンス社は、疑惑の支払いの総額は13億オイロと見積もって
いる。ボスニアの戦争犯罪者に長期にわたる拘留刑
（サラエヴォ）ボスニアの裁判所は、セルビア人7名に対して、ス
レブレニッツァ虐殺で、38年から42年の拘留刑を言い渡した。被
告は数百人のボスニアのイスラーム教徒を殺害した、とサラエヴォ
の裁判官たちは述べた。1995年7月に起きたこの大量流血事件
で、中心的な責任があるのは、元ボスニアのセルビア人指導者カラ
ジッチであるが、彼はデン ハーグの戦争犯罪裁判所でも責任を問
われることになっている。彼の引き渡しに関して、セルビアはまだ
決定を下していない。バグダード中心部では、数千人の急進的民族
主義政党の支持者が、厳重な治安措置が取られる中、彼の逮捕に反
対してデモを行なった。ベルルスコーニは兵士を巡回に派遣
（ローマ）イタリア政府は犯罪対策として、いくつかの大都市に合
わせて3千人の兵士を派遣する方針である。内務省と国防省は、反
対意見もあるこの計画を、当面6カ月間実施する。予定では、兵士
1千人がローマ、ミラノ、ナポリその他の大都市に警備のために派
遣される。その他の2千人は、ヴァティカン、駅、大使館、不法入
国者の収容施設を監視することになっている。野党はこれを批判
し、首相ベルルスコーニはこの措置で、警察の支出削減を覆い隠す
つもりである、と述べた。イタリア政府は1990年に兵士をシチリ
アに派遣し、マフィアとの戦いで警察の支援をさせていた。
７月３０日（水）
イスラエル首相オルメルト辞任
（エルサレム）汚職問題に巻き込まれているイスラエル首相エフド オルメルト
は、2カ月後に辞任する、と予告した。彼が属するカディマ党では9月に幹部の選
挙が行なわれるが、彼はこれには立候補しない、と62歳のオルメルトはテレヴィ
のインタヴューで発表した。彼は米国の企業家から膨大な寄付金を受け取ったとす
る告発を受けているが、これを改めて否定し、新首相が内閣の組閣を行ないやすく
するために、首相を辞する、と発表した。彼の後継者として最も有力な候補は、現
在ワシントンに滞在している外務大臣ツィピ リヴニと交通大臣シャウル モファ
スと見られている。
その他のニュース
トルコの政権党AKPは活動禁止にならず
（アンカラ）トルコの政権党で首相エルドアンが率いる「公正発展
党」は、その活動が禁止されない。同党の解散動議が提出されてい
たが、アンカラの憲法裁判所はこれを退けた。ただし財政面での制
裁は科された。裁判所長官キリッチは、これは同党に対する「警
告」である、と述べた。検察はほぼ6カ月前から、公正発展党が同
国のイスラーム教化を進め、国家と宗教の分離を定めた基本方針に
違反する、と非難していた。11人の裁判官は、6対5で同党の活動
禁止に「賛成」したが、必要な7人の賛成には足りなかった。この
裁判は、イスラーム教に基づく保守党と、軍および司法で支配的な
世俗勢力との対立が、一時極めて激しくなった結果である。同党
は、その改革の方向性が認められたと述べ、「民主主義とにとって
の勝利」であると語った。EUはトルコが新たな安定に達するよう期待
（ブリュッセル）西ヨーロッパの各国政府とEUは、トルコの政権
党「公正発展党」に有利な判断を裁判所が下したことを歓迎した。
EU外務使節ソラナは、これは「よい知らせ」であり、トルコは危
機的な状況を乗り越え、新たな政治的安定を実現する、と期待する
ことができる、と述べた。カラジッチはすみやかに国連裁判所へ
（デン ハーグ）ボスニアの元セルビア人指導者カラジッチは、木
曜日に初めてデン ハーグの国連戦争犯罪裁判所で、尋問を受け
る。63歳の彼は午前中に、セルビアから同法廷に引き渡され、ス
フェヘニンゲンにある国連の収容施設に移された。カラジッチは戦
争犯罪、民族殺戮を含む11の容疑が持たれている。裁判開始まで
には、多くの訴訟上の問題があるため、数ヶ月かかり、さらに判決
までには数年かかる可能性がある。控訴人の代表ブラメルツは、
「困難な裁判」となると予期しているが、速やかにかつ効果的に裁
判を進めて行きたい、と述べた。カラジッチに続いて、今なお逃亡
している軍の指揮官ムラジッチが逮捕されれば、2つの裁判をまと
めて行なえる、とベルギーの裁判官であるブラメルツは述べた。
７月３１日（木）
カラジッチは初めて国連戦犯法廷に出頭
（デン ハーグ）元ボスニアのセルビア人指導者ラドヴァン カラジッチは、国連
戦争犯罪裁判所に引き渡されてから1日、デン ハーグの法廷に初めて連れてこら
れた。主席裁判官アルフォンス オリーは、63歳のカラジッチに訴訟の中心とな
る容疑を読み上げた。カラジッチは民衆虐殺、人間性に反する犯罪、戦争犯罪の容
疑が持たれている。彼は1995年に約8千人のボスニアのイスラーム教徒が死亡し
たスレブレニッツァの虐殺に、中心的な責任を持つ人物と目されている。起訴項目
は間もなくさらに拡大される、とのことである。カラジッチは、自分で弁護を行な
う方針であり、修正された訴状を読んだ後で、有罪か有罪でないか弁論を行なう、
と主張している。主席控訴人セルジュ ブラメルツによれば、本来の裁判は数ヶ月
後に始まる予定である。
その他のニュース
IOCは中国のインターネット検閲をめぐる対立で圧力を受ける
（北京）オリンピック期間中の中国のインターネットの検閲に関す
る対立で、委員長ロゲ率いる国際オリンピック委員会は、声明を発
表しなければならない事態に陥っている。オリンピック委員会は報
道の自由を守るとの約束を破り、中国当局の手先となっている、と
述べる政治家、報道機関と記者組織の代表の数はますます増加して
いる。オリンピックの報道で中心となる施設の中では、人権擁護団
体やいくつかの報道機関のサイトに入ることができなくなってお
り、その中には「ドイッチェ ヴェレ」のものも含まれている。ド
イツ オリンピック スポーツ連合の総監督ヴェスパーはロゲに、
主催者中国に圧力をかけるよう求めた。中国にいる外国の通信員
は、国際オリンピック委員会に対して、中国当局との協定の詳細を
公表するように求めた。ダルフールの反乱勢力に対して30件の死刑判決
（ハルツーム）スーダン司法は、ダルフールの反乱勢力が首都ハル
ツームに侵攻したことに対して、合わせて30人に対して死刑を言
い渡した。22人が、5月に行なわれたこの攻撃に参加していたこと
で、有罪とされた。残りの8人は既に火曜日に、有罪を言い渡され
ていた、と弁護士は発表した。ハルツーム侵攻は、「正義と自由を
求める運動」の呼びかけで行なわれたもので、彼らは政府軍の兵士
およびアラブ系騎馬民兵と、ダルフールで戦いを繰り広げている。イタリアはEU改革条約を批准する24番目の国となる
（ローマ）EUの制度上の危機で、アイルランドとチェコの批判的
な勢力への圧力が強まっている。イタリアは24番目の国として、
EU改革条約を国会の手続きにしたがって批准した。保守的な首相
ベルルスコーニは、EU高官と共に、この投票結果を歓迎した。こ
れで国会の投票をまだ行なっていないのは、スウェーデンとEUに
批判的なチェコだけである。アイルランド政府は、国民がリスボン
条約を拒否したことを受け、10月中旬のEU首脳会談までに、解決
の道を示すことになっている。
８月１日（金）
中国でのインターネット検閲をめぐる対立は続く
（北京）オリンピック開会まで1週間、中国でのインターネット検閲に関して、戦
いは続いている。中国大統領胡錦濤は、「オリンピックを政治化」することがない
ようにと警告した。ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアー
は、中国外務大臣に電話をして、この措置を熟慮しなおすように勧告した。一方、
検閲官は、英国のBBCとドイッチェ ヴェレの中国語のサイトへは、入れるように
した。しかしそれ以外のサイトへは入れないままになっている。チベット亡命政府
や中国の異端者に関する情報などを入手する方法はない。ドイツ新聞出版社協会
は、国際オリンピック委員会とドイツ オリンピック スポーツ連合にたいして、
行動を起こすように求めた。同同盟は、これは報道の自由とオリンピックの精神に
対する「明白な違反」である、と述べた。
その他のニュース
国際原発機構はインドと米国の核協定を認める
（ウィーン）国際原発機構は、反対意見も出ているインドと米国間
の核をめぐる協定を認めた。同機構は、インドが持つ核施設の監視
に関して呈示したインド政府の提案に同意した、とウィーンで発表
した。ただしこれは施設の軍事部門に関しては適用されない、との
ことである。ウィーンの同機構とインドの間では、22あるインド
の核施設のうち17カ所が査察を受け入れることで合意している
が、この合意が、米国政府とインド政府の核をめぐる協定を結ぶた
めの前提条件である。この異論も出ている協定には、米国は30年
以上に渡って中止してきた、核燃料棒や核技術のインドへの輸出を
再び認める項目が含まれている。ただし貿易対象品目は、民間利用
のものに限られている。ただし米国議会がこの協定を批准しなけれ
ばならない。カラジッチは発言を求める
（デン ハーグ）戦争犯罪者として訴えられている元ボスニアのセ
ルビア人指導者カラジッチは、1996年に、刑事訴追を受けないで
すむようにするとの約束を、米国と間で取りつけている、と主張し
た。その見返りとして彼は、元米国の交渉役ホルブルックに対し
て、自分がすべての政治上の役職から退くと約束しなければならな
かった、と述べた。この約束に基づいて自分は行動してきた、とデ
ン ハーグで公表された声明の中でカラジッチは強調した。ただし
ホルブルックは、カラジッチにそのような約束をしたことを、何度
も否定していた。日本では大規模な内閣改造
（東京）日本の首相福田は、政府を大幅に改造した。17からなる
閣僚のうち13を新たな人が占め、財務相と経済相も変わった。新
経済相与謝野は、国家財政の健全化を進める人物と目されており、
増税に賛成している。また首相福田は、以前の政敵である麻生を与
党自由民主党の事務長に指名した。これにより麻生は有力な福田の
後継者となった。
８月２日（土）
ロゲはインターネット接続を「おおむね可能」にのみする方針
（北京）国際オリンピック委員会議長ジャック ロゲは、中国のインターネット検
閲に関する対立で、発言を取り消した。ロゲはインターネットへ「自由かつ検閲な
しで」接続できるようにする、と約束していたが、北京での初めての記者会見でベ
ルギー人の彼は、約2万5千人の報道関係者が「おおむね」接続「可能」にするつ
もりだ、と述べた。ただし彼は、国際オリンピック委員会は今後も、今後もインタ
ーネット接続の状態を改善する努力をする、と強調した。米国に本部がある人権擁
護団体「人間的権利」の中国でのウェッブサイトは、あいかわらず接続できないよ
うになっている。中国の非合法教会と関連を持つカトリックの通信社「エイジアニ
ューズ」のウェッブサイトにも、入ることができない。この状態は亡命チベット政
府のウェッブサイトも同様である。
その他のニュース
ドイツの閣僚は中国での報道の自由拡大を求める
（ベルリン）ドイツ外相シュタインマイアーは、北京オリンピック
の報道施設の中でのインターネット検閲を批判した。彼は、何故中
国政府がインターネットへの接続を制限して、世界各国の疑惑を引
き起こしたのか、理解できない、と「シュピーゲル」誌に述べた。
連邦内相ショイブレも、中国が報道の自由をもっと認めるように求
め、記者たちが仕事を妨げられるようなことがあってはならない、
と述べた。またショイブレは中国とのぎりぎりの対立の中で、同国
が前進を受け入れるように呼びかけ、中国はオリンピックによって
ますます開かれたものになるだろう、と「フランクフルト一般新聞
日曜版」の中で述べた。さらに彼は、中国の発展は尊重すべきであ
るし、中国指導部が克服しなければならない問題の大きさをも考慮
すべきだ、とも語った。日本の新内閣が宣誓
（東京）日本の首相福田は、新内閣の最初の会合で、経済を中心に
さらなる改革を行なう、と予告した。これより前に8人の大臣が東
京にある宮殿の中での式典で、天皇明仁を前に宣誓を行なった。現
在国民の間ではほとんど支持を受けていない福田は、この内閣改造
で政権にてこ入れをする方針である。ハマースの隊員がファタハよりの家族との戦闘で死亡
（ガザ市）急進派イスラーム教徒のハマースと、パレスチナ大統領
アッバスとのファタハ運動の間の緊張は、まだ続いている。対立す
る双方の支持者がガザ市で銃撃戦を行ない、ハマースの隊員3人が
死亡した。この戦闘への報復として、ファタハの武装部隊の隊員
が、西ヨルダンランドのハマースの指導者を人質にし、彼を殺害す
る、と脅迫した。ただしこの人質は数時間後に解放された。パレス
チナ人相互の交戦で血が流される事態になるのは、数ヶ月前にハマ
ースの警官がファタハに属する血族を、ガザ帯状地帯で逮捕しよう
としてから生じている。
８月３日（日）
ヒンドゥ教寺院で大混乱 死者120人以上
（ニュー デリー）インド北部のヒンドゥ教寺院が大混乱に陥り、正式の発表によ
れば、死者の数は120人を越えた。死者の中には多くの子供も含まれている。目撃
者の話によれば、ビラスプルにあるナイナ・デヴィ寺院への長い階段に、多くの人
が集まっていた、とのことである。地滑りがあった、との噂が多くの人の冷静さを
奪い、多くの人が逃げようとする中、階段の手すりが壊れたもので、犠牲者はその
際に踏みつけられた、とのことである。
その他のニュース
数百人が戦闘を逃れて南オセチアを脱出
（モスクワ）グルジア軍との戦闘が再燃したことを受け、数百人が
南オセチアからロシアへ逃げこんだ。バスが子供や高齢者を中心と
する千人以上の人を、国境を越えて運んだ、とロシアでは報じられ
ている。さらに多くの人が、安全な場所に運ばれるのを待ってい
る、とのことである。最近起きた戦闘では、少なくとも6人が死
亡、15人が負傷した。南オセチアはアブハジアと同様、90年代初
頭にグルジアから離脱していた。両地域には、ロシア軍が駐留して
いる。ドイツ外相シュタインマイアーは、先日この紛争を仲裁しよ
うとしたが、失敗に終わっていた。タジッチ「セルビア人の住むコソヴォがEU加盟よりも重要」
（ベオグラード）セルビア大統領タジッチは、以前セルビアの州で
あったコソヴォに関する権限はセルビアにある、と強調した。セル
ビアはヨーロッパへの統合を犠牲にしても、「国の利益の確保」を
放棄しない、とベオグラードでの記者会見で述べた。セルビアが
EU側の「恐喝」に屈することはない、とも彼は語った。セルビア政
府は2月に発表したコソヴォ独立を、あいかわらず拒否している。ファタハの隊員がイスラエルに逃げこむ
（ガザ市）1年前に急進派イスラーム教徒のハマースが、ガザ帯状
地帯の権力を掌握したが、それ以降最も多くの血を流したパレスチ
ナ人の内部抗争で、ガザ帯状地帯では少なくとも9人が死亡、80人
以上が負傷した。土曜夜にはパレスチナ大統領アッバスのファタハ
組織の約180人が、ハマース民兵との戦闘を行なった後、国境を越
えてイスラエルに逃げこんだ。ただし彼らのうち40人は日曜日に
は、イスラエル国防相バラクの決定を受けて、ガザ帯状地帯へと帰
還した。バラクは、アッバスの自治当局の依頼に応えたのだ、との
ことである。ガザ帯状地帯で戦闘が起きるきっかけとなったのは、
ファタハの属する血族が、ハマースの警官によって逮捕されそうに
なった事件であった。