8月25日〜31日のドイツのニュース



8月25日(月)

ロシア政府はカフカズ紛争で力を誇示

(モスクワ)ロシア政府は、カフカズ紛争で西側に対して力と強い姿勢を示してい
る。国会の両院は大統領ディミトリ メドヴェージェフに対して、グルジアから離
脱しようとしているアブハジアと南オセチアを承認するように求めた。大統領は
NATOに対して、あらゆる関係を断つと威嚇し、いわゆる沿ドニエストル紛争を軍
事的に解決しないように、とモルドヴァに警告した。首相ウラジミール プーチン
は、ロシアが世界貿易機構WTOへの加盟交渉の中で行なった約束を撤回する、と予
告した。既に結ばれたいくつかの世界貿易機構との協定は、「国の利益の観点か
ら」凍結する、とも語った。

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メルケルはロシアのカフカズに関する決定を非難

(ストックホルム)ロシア連邦評議会と下院は、南オセチアとアブ
ハジアの独立を承認するようにと要請したが、ドイツ首相メルケル
は、ロシア大統領メドヴェージェフに対し、この要請は国際法に違
反しているとして、撤回するように求めた。これが認められれば、
グルジアの領土の不可侵を念頭に置いた場合、困難かつ危機的な状
況になりかねない、と彼女はスウェーデン首相ラインフェルトとの
会談後にストックホルムで述べた。両首脳はロシアとの対話を続け
ることに賛成した。メルケルはロシアに対して再び、軍隊を合意通
りにグルジアから撤退させ、6項目の和平計画を完全に実施するよ
うに求めた。メルケルはこの紛争に関して、EU内部の方針を一本
化するために努力をしており、火曜にはさらにエストニアとリトア
ニアを訪問する。バルト海の両国は、カフカズ紛争ではロシアに対
して強硬な態度を取ることに賛成している。

パキスタンの連立政権は崩壊

(イスラマバード)パキスタンでは政権が崩壊した。元首相シャリ
フは、暗殺された元首相ブットーの国民党との連立を行なう、と予
告した。また彼は、自らのイスラーム教徒同盟が独自候補をたてて
大統領選挙に打って出る、と予告した。ただし専門家は、ブットー
の政党が単独で政権を取るためには十分な支援が得られないため、
この決断は国会議員選挙の早期実施にはつながらない、と見てい
る。イスラーム教徒同盟の大統領候補である元裁判官サイード ウ
ズ ザマン シディキは、9月6日の選挙で、国民党党首で死亡し
たブットーの寡夫ザラダリに挑む。連立政府がわずか5カ月で崩壊
した公式の理由は、大統領ムシャラフ時代に解任された裁判官の復
職をめぐ対立である、とシャリフは述べた。

アフガニスタンは外国軍に関する新たな話し合いを要請

(カブール)米国の空爆により、アフガニスタン西部で民間人
90人以上が死亡したことを受け、アフガニスタン政府と米国政府
の雰囲気が悪化した。大統領カルザイが率いる政府は、外国軍のヒ
ンドゥクシ駐留についての協定を、新たに話し合う方針である。こ
れに対して米国国防省は、イスラーム教徒のタリバーンの部隊に対
して、打撃が与えられたので、ヘラト州での作戦行動は正当化でき
る、と述べた。カブールの大統領府は、外国軍の上限と責任を明確
にし、民間人を目標とした空からの攻撃や、アフガニスタン国民に
対する違法な家宅捜索と逮捕を止めることが重要だ、と発表した。
アフガニスタン政府と国連は、外国軍に対し既に数回に渡って、も
っと注意して行動を取るように呼びかけていた。




8月26日(火)

ロシアはアブハジアと南オセチアを承認

(モスクワ)EUと米国からの警告にもかかわらず、ロシアはグルジアのアブハジ
ア州と南オセチア州の独立を承認した。大統領ディミトリ メドヴェージェフはテ
レヴィで演説し、安全上の必要性と、現地に住んでいる人の自己決定権を勘案し
て、この決定を下した、と理由を挙げた。ロシアは新たな冷戦を望んではいない
が、冷戦を恐れてもいない、とも語った。メドヴェージェフは諸外国に対して、ロ
シアの先例に続くように要請し、アブハジアと南オセチア両国の政治指導部を支援
する、と呼びかけた。ロシア政府がこのように決定を下した後、両国の首都スフミ
とツヒンワリでは、自然発生的な喜びの集会が開かれた。グルジア大統領ミハイル
 サーカシヴィリは、この承認は国際法上は無価値である、と述べた。

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西側はメドヴェージェフの決定に怒り

(ウィルナ、ブリュッセル)ロシアが南オセチアとアブハジアを承
認したことに対し、西側は一致して、また強い調子でこれを批判し
た。ドイツ首相メルケルは、ロシア大統領メドヴェージェフの決断
は国際法に違反しており、「全く受け入れられない」と述べた。
EUとロシア政府の協力を今後も継続できるようにするためには、
国際的な権利、人権および民主主義の原則を尊重することが、前提
条件である、とエストニアとラトビアを訪問しているメルケルは述
べた。ただし彼女は対話を打ち切るつもりはない、と強調した。バ
ルト海に面した国々との会談を行なうことで、彼女はロシア政府は
グルジアの領土の不可侵性を尊重しなければならない、と強調して
いた。またEUとNATOはロシアが約束を守り、グルジアから部隊を
引きあげるように迫った。

北朝鮮は核反応炉の撤去を中止

(平壌)北朝鮮はヤンゴンの核反応炉の撤去を中止し、ウラン濃縮
施設を再び建設する検討に入った、との情報がある。その理由とし
て、米国は今までのところテロを支援する国家の一覧表から、北朝
鮮をはずしていないことを挙げた。これは米国政府が、核計画の中
止に関するいわゆる6ヶ国会談の取り決めに違反している、として
いる。

ジンバブウェのムガベは国会を開会

(ハラレ)ジンバブウェでは、国際的に異論のある大統領ムガベ
は、新たに選出された国会を開会した。抗議の意思を示すため、野
党「民主化運動」MDCの国会議員たちは、野次を飛ばして、ムガベ
の演説を妨害した。さらに彼らは、彼に敬意を表するのを拒否し、
彼が会議室に入場したときに腰かけたままであった。84歳のムガ
ベは25年以上に渡って政権を握っているが、間もなく彼の政党と
野党「民主化運動」の間で、権力の分割に関する協定に署名が行な
われる、と楽観的な考えを表明した。ムガベの「ジンバブウェ ア
フリカ民族同盟・愛国戦線」はもはや国会の過半数を持っていな
い。さらに「民主化運動」は国会議長を出している。




8月27日(水)

グルジアに派遣されるドイツの軍事監視官が増員

(ベルリン)グルジアのドイツ人軍事監視官の数が、15人まで増やされる。ロシ
アはこれを前に、ヨーロッパ安保協力機構の非武装の人員の追加派遣に賛成してい
た。彼らはこの地域での停戦を監視することになっている。先に行なわれたロシア
大統領ディミトリ メドヴェージェフとの電話会談で、ドイツ首相アンゲラ メル
ケルは、ロシア政府が一方的に南オセチアとアブハジアを承認する前に、国際的な
話し合いをしていなかったと批判し、ヨーロッパ安保協力機構や国連安全保障理事
会のような委員会が、それにはふさわしい、と述べた。グルジアの両地域の独立に
関しては、メルケルは以前同様にさまざまな立脚点がある、と述べた。

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カフカズ紛争がさらなる憤慨を招く

(パリ)カフカズ紛争に対するロシアの対処は、さらなる立腹を招
いている。ロシアは、グルジアの地方であるアブハジアと南オセチ
アを独立国家として承認したのが、NATOはこれを撤回するように
ロシアに要請した。ブリュッセルで発表された声明の中で、NATO
はロシア首脳部の決定を非難し、この決定を修正しなければならな
い、と述べた。EU評議会議長を務めるフランスは、ロシアがグル
ジアに対して、今後さらに国境をずらそうとする可能性があるので
はないか、と懸念している。仏外相クシュネルは、クリミア、ウク
ライナ、モルドヴァでそのような可能性がある、と名前を挙げた。
英国外相ミリバンドは、ロシアが新たな「冷戦」を引き起こさない
ように、と警告した。ロシア首相プーチンの公報は、ロシア政府は
「冷戦」の危険はないと見ている、と述べた。

アフガニスタンでは国防軍から再び死者

(クンドゥス)アフガニスタン派兵増強に関して、連邦議会が決定
を下すまで数週間となったが、同国北部で、ドイツ兵が爆発物によ
る攻撃の犠牲となった。巡回隊の車が爆発物を踏み、隊長1人が死
亡、同僚3人が負傷した。現地当局は、急進派イスラーム教徒タリ
バーンとテロ組織アル カーイダがこの犯行を起こした、としてい
る。これにより2002年以降、攻撃を受けたり事故で死亡したドイ
ツ兵の数は27人になった。ドイツ政府は、この攻撃を陰険であ
る、と非難した。国防相ユングは、派兵する国防軍の数を4千5百
人に増やす計画である。

リビア政府「飛行機乗っ取り犯人は投降」

(トリポリ)リビアへ向かうボーイング737型機を乗っ取った犯人
たちは、リビア政府に投降した、との情報がある。誘拐犯たちは、
クフラ軍用空港で、最後まで乗組員を人質としていた。彼らは火曜
日にスーダンの紛争地帯ダルフールから離陸した直後に、サン航空
の飛行を掌握していた。彼らはスーダンの反乱勢力の一員であり、
乗っ取った飛行機でパリへ向かうつもりであった。




8月28日(木)

ロシアはカフカズ危機でさらに孤立する危険

(ブリュッセル、トビリシ)ロシアはカフカズ危機で、さらに孤立を深める可能性
がある。主要工業国7カ国G7は、ロシアがグルジアの地域アブハジアと南オセチア
を承認したことを非難した。この間EUは制裁も検討している。ただしEU評議会議
長を務めているフランスはこの手段を支持していない。中央アジアのロシアに近い
国々が代表を送りこんでいるいわゆる上海協力組織は声明を発表し、グルジアでの
軍の実力行使を非難した。一方グルジア大統領ミハイル サーカシヴィリは、ヨー
ロッパに向けてロシアに節度を持った行動を取るように指示するように呼びかけ
た。彼はドイツラジオで、ロシアの行動は、ヨーロッパ大陸全体を脅威にさらして
おり、ロシア政府のこの行動を認めれれば、すぐに別の場所に広げていくだろう、
と述べた。ニュー ヨーク出は国連安全保障理事会が、カフカズ紛争をめぐり緊急
会議を開く。

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国防軍は人事面での問題に関する報道を否定

(デュッセルドルフ)アフガニスタン派兵も原因となって、国防軍
は人事の問題を抱えている、と新聞が報じている。「ライン新聞」
は将校筋の情報として、部隊の早期除隊の理由づけとして、この派
兵を持ち出す事例がますます増加している、と報じている。特に熟
練飛行機乗組員が、民間航空の割のいい条件に惹かれているほか、
軍の志願兵への申し込みが、かなり減少している、とのことであ
る。国防軍は、この成り行きは、普通の変動である、と解釈してい
る。

8月の失業者数はわずかながら減少

(ニュルンベルク)ドイツの8月の失業者数は、わずかに1万4千人
減少した。つまり319万6千人が失業中であると報告している、と
連邦労働仲介所は発表した。昨年8月との比較では、51万人減少し
ている。失業率はドイツ全体で7.6%、ドイツ東部だけでは12.8%
となっている。連邦労働仲介所所長ヴァイゼは、労働指示は景気の
推進力が弱まっていることから、今のところ影響を受けておらず、
8月の景気変動は、過去2年分の変動の規模である、と述べた。

ラムシュタインで飛行機事故の追悼式

(マインツ)ラインラント・プファルツ州議会は、ラムシュタイン
での飛行機事故の犠牲者を追悼した。州首相ベックは、事故から
20年たっても、喪失感は社会から消えていない、と語った。墜落
地点には遺族が集まり、事故の犠牲者の追悼を行なった。1988年
8月28日の航空ショウで、イタリアの戦闘機動詞が衝突して墜落
し、70人が死亡した。




8月29日(金)

アラスカ州知事パーリンがマケイン陣営の副大統領候補に

(ワシントン)共和党の大統領候補ジョン マケインは、アラスカ州知事サラ パ
ーリンを副大統領候補に選んだ。44歳の彼女は米国最北端の州の州知事となって
2年である。5人の子供の母親で、強硬な保守派とされている。彼女は堕胎に強く
反対し、武器関係の圧力団体の一員である、とのことである。
前夜には民主党の対立候補バラク オバマが、同党の大統領候補への指名を受諾し
ていた。デンヴァーのフットボール競技場に集まった8万人の観客の前で彼は、米
国人に対して政治の新たな出発を起こそう、と呼びかけた。

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グルジアはロシアとの関係を制限

(トビリシ)グルジアはアブハジアと南オセチアをめぐる紛争で、
ロシアとの外交的関係を縮小し、ロシア大使も追放した。大統領サ
ーカシヴィリ政権は、これによってグルジア国会の決定に従ったこ
とになる。独立を求めて努力している両地域をロシアが承認したた
め、グルジアは在モスクワ大使館員を、既に緊急体制に縮小してい
た。カフカズ紛争をめぐるEUの特別首脳会談が月曜日に行なわれる
のを前にして、ドイツ政府は特に加盟国が統一した態度を取るよう
に努力している。ロシアが約束を守り、部隊をグルジア内部から撤
退させることが重要である、とベルリンで発表された。外相シュタ
インマイアーは、ロシア政府に対して懲罰的な措置を取る可能性を
改めて否定した。一方国連安保理では、対立はあいかわらず激しい
ままである。コソヴォを承認した西側は、二重の基準を適用してい
る、と非難した。

アフガニスタンのドイツ兵が関係する突発事故で死者

(カブール、ベルリン)国際アフガニスタン保護部隊に参加してい
るドイツ人が、突発事態に居合わせ、民間人に死者を出した。この
ような事態は初めてである。ベルリンの国防相は、クンドゥス近郊
で、3人が死亡、数人が負傷した、と発表した。クンドゥス州の警
察署長アクタシュは、死亡したのは女性1人と子供2人である、と
述べた。連邦国防相の発表によれば、この事故は木曜日夜に起きて
おり、民間の自動車2台がアフガニスタン警察とドイツ兵がいた検
問所に近づいたが、治安部隊であるとのはっきりした目印があった
のにもかかわらず、2台の車の運転手は、車を先へと走らせ、その
後治安部隊が発砲していた。

セルビア人指導者カラジッチはあいかわらず明言を避ける

(デン ハーグ)元ボスニアのセルビア人指導者、カラジッチは、
国連の戦争犯罪者裁判所で改めて、大量殺戮の容疑に対して、回答
することを拒否した。デン ハーグのの同裁判所に2度目の出廷を
行なった彼は、有罪か無罪かの論告を行なうことを拒否した。主席
裁判官は規定に基づいて、この態度は無罪の表明であると判断し、
検察はカラジッチの容疑を証明しなければならない、と述べた。




8月30日(土)

メドヴェージェフとプーチン「EUとの対話を続ける」

(モスクワ、ベルリン)ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフは、カフカズ
でヨーロッパ側の専門家とさらに話し合いを続けるのに賛成した。モスクワの通信
社の報告によれば、ヨーロッパ安全協力機構の専門家が、グルジアの安全な場所に
入るのが望ましい、とメドヴェージェフが英国首相ゴードン ブラウンと電話会談
後に述べた、とのことである。EU特別首脳会談を前に、メドヴェージェフは首相
ウラディミール プーチンにならって、「EUとの建設的な対話」に賛成である、
と述べた。ドイツのテレヴィ番組でプーチンは「ヨーロッパと米国の協力者連合体
の意図」は残念であると述べ、ヨーロッパに対して、これ以上米国政府の命令に従
わないように、と勧告した。
モスクワからの情報によれば、ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタイン
マイアーとロシア外務大臣セルゲイ ラフロフは電話会談を行ない、これ以上紛争
が激化するのを容認しない、ということで合意した。

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外相はグルジア危機EU首脳会談での明確な警告通達に期待

(フランクフルト アム マイン)連邦外相シュタインマイアーは
月曜日に行なわれるグルジア危機に関するEU首脳会談を前に、対
立する両者に強い警告を送るように訴えた。ヨーロッパがその役割
を強めた場合にのみ、理性と責任への会期が可能になる、とシュタ
インマイアーは「フランクフルト一般日曜新聞」に述べた。ただし
彼はロシア政府が南オセチアとアブハジアの独立を承認したこと
と、グルジアがロシアとの外交関係を断絶したことを批判し、残念
ながら過去数日の情勢は、一方的な行動によってさらに険悪となっ
た、と述べた。情勢さらに悪化するのを今食い止めなければならな
い、とも語った。

タイでは国会の特別会議が招集

(バンコク)タイ政府は、数日に渡って抗議活動が続いていること
を受け、日曜日に国会の特別会議を招集した。約3千人のデモ隊
が、首都バンコクの政府の建物を5日に渡って封鎖している。首相
サマクは支持者数千人を前に、いわゆる「民主主義のための国民連
合」からの辞任要求には応じない、と述べた。彼は国王プミポン
に、情勢について説明を行なった。プミポンは既に数回に渡り、現
在の危機の調停に乗り出していた。一方デモ隊は、サマクは
2006年に軍によって失脚させられた首相タクシンのあやつり人形
である、と非難している。「国民連合」は、軍のクーデタの前に大
規模な抗議活動を組織した実業家や学者の連合である。

米国の選挙戦で民主党はマケインの副大統領候補を攻撃

(ワシントン)米国民主党は、アラスカ州知事ペイリンが共和党の
副大統領候補に指名されたのを、厳しく批判した。オバマ陣営は、
ペイリンでは緊急事態が起きた際には、「極端に外交経験の浅い」
米国大統領が誕生することになると批判し、これは「軽率」で「不
安を招く」とも民主党の上院議員たちは警告した。44歳のペイリ
ンは、人工中絶に反対し、武器産業の圧力団体の一員でもあって、
共和党の保守派に属している。ペイリンはヒラリー クリントンが
達成できなかったこと、つまり女性として初めて大統領府に入りた
い、と述べた。




8月31日(日)

ロシアはアブハジアと南オセチアとの連携を強化する方針

(モスクワ)ロシアは、独立が承認されたグルジアの地域南オセチアとアブハジア
を、軍事的および経済的にみずからとより密接に結びつける方針である。ロシア大
統領ディミトリ メドヴェージェフは、これに関する条約が、アブハジアと南オセ
チアとの「連合」関係の土台を作り出す、と述べた。メドヴェージェフは、いつこ
の条約に署名するかについては、発言しなかった。ロシアの報道機関は、数日中に
も署名が行なわれる、と推測している。メドヴェージェフのこの発言は、カフカズ
紛争をめぐるEU首脳会談を翌日に控えて行なわれた。ドイツ外務大臣フランク・
ヴァルター シュタインマイアーは、この紛争をこれ以上激化させて、とはならな
い呼びかけ、ここ数日どれほど軽率に「冷戦の不安が多くの陣営から再び口に上っ
ているか」を見て、愕然としている、と述べた。

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大暴風雨「グスタフ」でニューオリンズから人の姿が消える

(ニュー オリンズ)大暴風雨「グスタフ」の上陸の予想を翌日に
控え、米国南部の大都市ニュー オリンズの住民は、同市からの退
去を開始した。市長ネイギンは、これは「さらなる嵐を産み出す元
凶」であると強く警告し、ニュー オリンズからの強制退去を指示
した。50万人の住民の大部分は、既に安全な地域に映っている。
市行政部は、略奪を阻止するため、今晩の外出を禁止した。同市は
3年前に大暴風雨「カトリーナ」によって壊滅的な打撃を受けてい
た。その時は1千8百人が死亡した。過去数日で「グスタフ」はカ
リブ海を通り、重大な損害を与え、80人以上の死者を出してい
た。この嵐は早ければ、月曜日に米国の沿岸に上陸する。

オルメルトとアッバスは2008年にも和平協定を結ぶ意向

(エルサレム)イスラエルとパレスチナ人は、首相オルメルトが政
界から引退しても、包括的な和平協定を年末までに結ぶという目標
を、変更しない方針である。両者がエルサレムで会談した後、彼ら
の広報がこれを発表した。イスラエル政府広報はその際に、オルメ
ルトは首相辞任前の数週間の間にも、部分的な協定を完成させるべ
く、作業を急がせるのではないか、との報道を否定した。イスラエ
ルの日刊紙「ハアレツ」は、特に議論のある問題であるエルサレム
問題を、この協定には含めないことにするとの意向をオルメルトは
持っている、と述べた。イスラエルはエルサレム全体が、イスラエ
ルの首都である、と見ている。これに対してパレスチナ人は、東エ
ルサレムを独自国家の主ととする方針である。汚職容疑が持たれて
いるオルメルトは、9月に首相を辞任する、と予告している。

タイ首相は緊急事態の告示を断念する方針

(バンコク)数日前からタイは危機に陥っているにもかかわらず、
首相サマクは辞任をしない意向である。彼はバンコクの国会の特別
会議で、この方針を強調した。しかしサマクは、国内の世論をさら
に悪化するのを避けるために、緊急事態を宣言するのは断念する、
と約束した。首相官邸はあいかわらず、野党の支持者数千人に取り
囲まれたままである。タイの多くの地域では、鉄道交通が麻痺して
いるが、それは鉄道職員が、デモ隊に同情してストを行なっている
ためである。一方観光客の集まるプーケットとクラビの空港は、デ
モ隊が2日間包囲した後、再び開かれた。野党は、サマクは
2006年に軍事クーデタで失脚し、権力の座への復帰の準備を進め
ている首相タクシンの「わら人形」にすぎない、と見ている。




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