9月1日〜7日のオーストリアのニュース



9月1日(月)

     国外ニュース

バンコクで衝突 死傷者発生

バンコクでは、現地時間の月曜日朝に、タイ政府への反対派と支持
者が衝突して、死者1名、負傷者20名以上が出た。警官数百人が、
選挙された政府の建物前に集結した。数日前から続いている首相サ
マク スンダラヴェイ政権に反対する抗議活動での初めての死者
は、投擲弾が命中したものである、と英語の日刊紙「ネイション」
は報じている。その他に2人が死亡した、との報道もあるが、確認
は取れていない。衝突を起こしたのは野党で、国王に忠実な「民主
主義のための国民連合PAD」の支持者と、首相サマクの「国民党
PPP」の支持者である。軍は事態の激化を阻止する方針である。

     国内ニュース

国民党の選挙綱領では子女手当で方針転換

国民党は昨日選挙綱領を発表したが、その中では、収入に応じて差
をつける子女手当に関して、新たな考え方が示されている。党首ウ
ィルヘルム モルテラーは、今までの国民党の方針を転換するもの
ではない、と述べている。しかし彼は国民党の柔軟性のよい点を示
すものである、と述べた。この対策でどれだけの資金が必要になる
かを、国民党は今日中にもはっきりさせる方針である。子女手当に
関する新たな考え方を除けば、党の保守的な立場を強調している。




9月2日(火)

     国外ニュース

露大統領「サーカシヴィリはロシアにとっては政治的には死体」

ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフは、カフカズ紛争に関
して、グルジア指導部は「破綻」した、と述べた。「大統領ミハイ
ル サーカシヴィリは、我々にとっては存在しておらず、彼は政治
的には死者である」とイタリアのテレヴィ局RAIのインタヴューで
述べた、とロシア政府は発表した。昨日午後大統領行政府のインタ
ーネットサイトで公表された発言のなかで、メドヴェージェフは、
ロシアが紛争地域で戦争の後始末を手伝うつもりである、と強調し
ていた。また彼は、ロシアは西側からの圧力を恐れていない、と明
言した。米国が要求しているロシアのG8からの追放は、今米国で
行なわれている選挙戦のひとこまである、とロシアは解釈してい
る、と述べた。またメドヴェージェフは、ロシアの株式市場が低調
である責任の一端は、米国の財政危機にあり、これは南カフカズ地
方の危機の影響ではない、と述べた。

     国内ニュース

未決拘留中の動物保護活動家が釈放

動物保護活動家の組織に対する未決勾留には異論も出ていたが、地
方裁判所主席検事の要請により、これが解除された。主な容疑者で
あるマルティン バルッフは、この容疑は「証明できなかった」と
評した。彼は「自分が行ったことはすべて完全に合法的なことであ
った。私は何かを壊したこともないし、犯罪行為を呼びかけたこと
もない。今までやったことを、明日再びやることもできる」と彼は
述べた。




9月3日(水)

     国外ニュース

ニカラグアはアブハジアと南オセチアを承認

ニカラグアはロシアに続いて、グルジアの州であるアブハジアと南
オセチアを承認した。大統領ダニエル オルテガが昨日これを発表
した、と現地の報道機関が伝えた。ニカラグアはロシア政府の立場
を支持している、とオルテガは述べた。オルテガは既に火曜日の夜
に、ロシア首相ウラジミール プーチンが進めている、この地域を
ロシア連邦に組み込む計画を支持している、と述べていた。ロシア
は先週西側への抗議として、国際法上はグルジアに帰属しているこ
の地域を、承認していた。80年代にサンディニスタ政権と共に、
ソ連からの独立を主導したオルテガは、NATO加盟諸国は、同国を
かつてと同様にソ連と対立させるために、ロシアを包囲する軍事網
を作ろうとしている、と述べた。

     国内ニュース

物価上昇で労組は断固たる賃金交渉を行なうと予告

オーストリア労働組合連合の幹部役員エーリヒ フォルクラーは、
「物価大臣マルティン バルテンシュタインには、対策の合意に向
けて限りなく多い時間を与えられているのであれば」、秋に行なわ
れる賃金交渉に向けて、断固戦う、と述べた。物価上昇により実質
収入は下がっているので、労働組合に対して、穏健な賃上げ交渉を
期待しているものは誰もいない、とフォークラーは昨日の放送で述
べた。彼は金属・繊維・食料労働組合議長であり、多くの分野の賃
金妥結額の水準点となっている労組連合の部分組織の代表でもあ
る。




9月4日(木)

     国外ニュース

EU各国外相はグルジア問題を協議

オーストリア外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)を含むEU
加盟国の外相は、金曜日にアヴィニョンで、グルジア支援の拡大に
ついて協議する。EU加盟各国首脳は月曜日の特別会議で、戦火を
受けた同国に対する国際支援国会議を提案していた。これは、EU
の専門家をグルジアに派遣するのと同様の準備措置と見られてい
る。ロシア軍がグルジアの本土に持続的に駐留する問題について
も、大臣たちは議論する可能性が高い。EUはこの会議で、協力協
定に関する交渉を持続するかどうかは、ロシア兵が撤退するかどう
か次第である、とした。EU評議会議長フランスが取りまとめた停
戦協定によれば、ロシア軍はグルジアでの戦争前に保有していた拠
点に戻らなければならない。グルジアから離脱しようとしているア
ブハジアと南オセチアでは、戦闘開始前からロシア兵が駐留してい
た。

     国内ニュース

国民党は正式に選挙戦を開始

金曜日に国民党は正式に選挙戦を始める。同党はグラーツのヘルム
ート・リスト会館に支持者と幹部を集め、投票前最後の3週間の集
中選挙戦に向け調整を行なう。外国からの賓客を同党は招待しなか
ったが、ドイツ首相アンゲラ メルケルが、9月20日の大きな選挙
集会にリンツにやってくることになっている。グラーツ市長ズィー
クフリート ナクルの歓迎のあいさつと、シュタイアーマルク州国
民党党首ヘルマン シュッツェンヘーファーに続いて、筆頭候補ウ
ィルヘルム モルテラーが選挙の暴動の演説を行なう。またグラー
ツではフリッツ ディンクハオサーも出陣集会を行なう。社会民主
党と自由党は既に選挙戦を開始している。未来同盟はその翌日にグ
ラーツで、自由主義公開会議は昨日選挙戦を始めた。最後となる緑
の党は、来週水曜に式典を行なう。




9月5日(金)

     国外ニュース

パキスタンでの選挙集会で新大統領が選ばれる

パキスタンでは土曜日、8月に辞任した大統領ペルヴェズ ムシャ
ラフの後任が選ばれる。国会の両院、4つの州の集会が、アジス 
アリ ザルダリを新大統領に選ぶのは確実であると見られている。
国民の中では、殺害されたPPP党首ベナズィール ブットーの寡夫
は、汚職疑惑のため人気はない。5年間の人気の宣誓は、結果発表
直後にも行なわれる可能性がある。イスラーム教徒連合PML-Nと
の連立政権は、ムシャラフの後継者問題で、破綻していた。同党の
候補で元裁判官のサイード ウズ ザマン シディクが勝利する可
能性はない。

     国内ニュース

選挙戦の冒頭で国民党は力を入れなおす方針

国民党は、グラーツのヘルムート・リスト会館で、国民評議会選挙
に向け、公式の選挙戦の最初の集会を行なった。世論調査で同党
は、社会民主党の後塵を拝しているため、もう一度喝を入れなおす
方針である。今回の選挙の標語として同党は「信頼」を掲げてい
る。国民党は、社会民主党の選挙公約が破綻し、いま作りなおして
いることを示し、社会民主党党首ウェルナー ファイマンに対する
攻撃を行なうことに、選挙戦の冒頭の重点を置いている。




9月6日(土)

     国外ニュース

トルコとアルメニアは関係正常化を望む

隣国トルコとアルメニアは、オスマン帝国でアルメニア住民が大量
に殺戮された事件で、国境をはさんで対立しているが、その関係を
改善する方針である。トルコ大統領アブドゥッラー ギュルはアル
メニア大統領セルズ サルキスヤンとエレヴァンで歴史的な会談を
行なった。両大統領は昨日午後、両国間の問題で妥協をはかるとの
「政治的な意向」を表明した。サルキスヤンは、サッカーの世界選
手権予選のトルコ代表とアルメニア代表の試合をきっかけに、ギュ
ルを招待し、一緒にこの試合を観戦した。ただし今回の訪問中に
は、反トルコの抗議活動が行なわれた。

     国内ニュース

緑の党は連邦候補者名簿を決定

緑の党は日曜日に連邦会議を開くが、以前からの議員にとっては、
政治的な生き残りが議題になる可能性がある。国民評議会選挙にむ
けて連邦候補者名簿の決定が、議事日程に上がっている。同党が獲
得できそうな議席の数は4から6議席であるが、これをめぐって、
3人の国会議員が争っている。安全保証問題の専門家ペーター ピ
ルツ、社会福祉の専門家カール エリンガー、予算の専門家ブルー
ノ ロスマンである。ピルツは既に、自分が候補者名簿の第4位に
置かれるのであれば、政治生活を終えるつもりである、と述べてい
た。筆頭候補のアレクサンダー ファン デア ベレンと副代表エ
ーファ グラウィシュニヒの第2位に続いて、第3位には2人の移
民、カメルーン出身の女性の権利活動家ベアトリーチェ アカレケ
と、トルコ生まれのウィーン市閣僚のアレフ コールンが初めては
いる。第5位には連邦執行部長のミヒャエラ スブルニーが置かれ
ている。連邦会議はグラーツで行なわれる。




9月7日(日)

     国外ニュース

カフカス紛争でサルコズィは会談でモスクワに出発

フランス大統領でEU評議会議長ニコラ サルコズィは、月曜日に
モスクワに出発し、カフカズ紛争に関する6項目計画の完全な実施
を迫る。ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフとの会談の目
標は、最低でもグルジアの本土からロシア軍の完全な撤退をさせる
ことである、とフランス政府は発表した。サルコズィはその他に、
EUの監視団をカフカズに派遣することに理解を求める方針であ
る。彼はEUを代表して、ロシアとグルジアの間で6項目計画を取り
まとめ、グルジアから離脱しようとしている南オセチアとアブハジ
アをめぐる軍事紛争を、仲介しようとしていた。サルコズィと共に
EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾとEU主席外交官ハヴィ
エル ソラナもまずモスクワを訪れ、その後トビリシに向かう。一
方グルジアの港町ポチにいる米国の軍艦によれば、ロシアはグルジ
アでの部隊の規模を増強している。またメドヴェージェフは、米国
は支援物資を隠れ蓑に、新たな武器をグルジアに運びこんでいる、
と非難した。

     国内ニュース

緑の党は選挙に向けて立ち上がる

緑の党は日曜日にグラーツで、国民評議会選挙に向けて立ち上がっ
た。既に名簿の順位をめぐる厳しい戦いは行なわれた。安保問題の
専門家ペーター ピルツは、社会福祉の専門家カール エリンガー
および予算の専門家ブルーノ ロスマンを抑えて、第4番目の順位
を得た。彼が名簿の第4位でなければ、彼は政治生活を終える、と
威嚇していた。エリンガーは、ロスマンを押しのけて候補者名簿入
りした。党首アレクサンダー ファン デア ベレンは、今までで
最も悪い結果であったが、筆頭候補の座を確保した。




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