10月6日〜12日のオーストリアのニュース



10月6日(月)

     国外ニュース

米国国防相ゲイツはヨーロッパ訪問を開始

米国国防大臣ロバート ゲイツは火曜日、ヨーロッパ訪問を開始す
る。この訪問ではアフガニスタン派兵とカフカス紛争が議論の中心
となる可能性が高い。マケドニアではゲイツは、南東ヨーロッパ諸
国の国防大臣との会議に出席する予定である。その席上これらの国
は、NATO加盟を持ち出す。アルバニア、クロアチアはおそらく来
年加盟することになる。マケドニアは、国家の名称をめぐってギリ
シアと対立しているため、加盟は難しい。木曜日と金曜日にはゲイ
ツは、ブダペストで開かれるNATOの非公式閣僚会議に出席する。
金曜日にはNATOの委員とグルジアの代表が会議を行なう。

     国内ニュース

シュトラーヒェは「締め出し」は終わったと見る

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、次期国
民党党首ヨーゼフ プレルとの会談を行なった後、自由党が「締め
出される」時期は終わりに近づいた、と見得ている。国民党兄よれ
ば、この会合は「興味深い」ものであった。シュトラーヒェは政界
の「ちんぴら」である、とプレルは発言したが、これは今や許され
て、忘れ去られた。この話し合いの中身を聞かれるのは望ましくな
く、最後まで会合の場所は変更され続け、内容については「口外し
ない合意」が取りつけられた。シュトラーヒェはおそらくそこか
ら、好意を感じ、今度は自分から招待を行なう。




10月7日(火)

     国外ニュース

ポーランドは性的犯罪への刑罰を大幅に厳しくする

ポーランド政府は、性犯罪に対する刑罰を抜本的に厳しくする。首
相ドナルド トゥスクの内閣は火曜日、これに関する法案を承認し
た。刑務所で服役した後、犯人たちは「義務として」性衝動を抑え
るための医薬品を与えられることになる、とトゥスクは述べた。こ
れを拒否した場合には、犯人たちは隔離された施設に入るように指
示される、とのことである。この措置の目標は報復ではなく、犠牲
者となりうる人の最大限の保護である、とも述べた。法案によれ
ば、児童に対する性犯罪には、最高で15年の刑が言い渡される。
この法案が作られるきっかけになったのは、実際の事件である。
9月にポーランド東部で45歳の男が、長年にわたり娘を性的に虐待
し、2人の子供をはらませていた。この事件は全土で怒りを呼び起
こしていた。

     国内ニュース

ファイマンは組閣の委託を受ける

国民評議会選挙から10日、連邦大統領ハインツ フィッシャーは
水曜日、社会民主党党首ウェルナー ファイマンに、組閣を委託す
る。最大勢力を持つ社会民主党の党首として、ファイマンはこのた
めに大統領府に呼ばれる。具体的な組閣にむけた話し合いがいつ始
まるかは、まだ決まっていない。ファイマンは国民党と大連立に関
する話し合いを行なうことを求めている。ただし国民党の新党首ヨ
ーセフ プレルは、ファイマンの立場と今後の方針をまず探り出
し、「意向を打診する話し合い」について言及するのはその後にし
たい、との方針である。




10月8日(水)

     国外ニュース

金融危機でサルコズィとバローゾはEUが行動するように求める

フランスとEU委員会は、EU加盟27ヶ国に対して、金融危機との戦
いで、協力して介入するように粘り強く迫っている。協力して対処
することで、危機との戦いで成果を挙げる見通しが増すということ
を、各国が理解しなければならない、とフランス大統領ニコラ サ
ルコズィは昨日エヴィアンで述べた。現在EU評議会議長を務める
彼は、イタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニに続いて、英国首
相ゴードン ブラウンを自分の味方につけている。EUの4大国は土
曜日に、危機を各国が対処して解決する必要性を協調したが、その
うちドイツだけが銀行をヨーロッパが協調して救済する行動を取る
ことに反対し続けている。今のところEUは、それぞれの政府が単
独で税金を銀行救済に投入することができる、という点で合意して
いるが、EU各国はこれを中止する方針である。密接な調整が行な
われたが、今のところごくわずかの成果しか上がっていない。

     国内ニュース

預金者に無制限の保護

政府は不安な立場に置かれている預金者を安心させる方針で、水曜
日の閣議では預金の無制限の保護をヶ呈した。この措置は10月1日
までさかのぼって、適用さえる。銀行の流動資産も保護される。下
落した株価に対する投機の禁止も計画されている。社会民主党党首
ウェルナー ファイマンと国民党党首ヨーセフ プレルは、大混乱
を引き起こさないような声明を出して、一般大衆を落ち着かせてい
る。




10月9日(木)

     国外ニュース

EU加盟各国はエネルギー市場の新秩序をめぐって議論

EU加盟国のエネルギー大臣は、金曜日にルクセンブルクに集ま
り、ヨーロッパのガスと電力市場の新たな秩序について議論を行な
う。外交筋は、各国大臣が細かい問題で意見が一致していないた
め、個々の論点で激しいやりとりが行なわれる、と見ている。特に
議論となるのは、発電を行なうと同時に送電網も経営している企業
は、発電と送電をはっきり別の会社で行なっている国では、別の企
業を買収しなければならないか、という点である。法案は特に、ヨ
ーロッパ全体のエネルギー取扱会社を作る計画で、この会社では各
国の監督官庁が協力することになっている。

     国内ニュース

ツォガイの兄弟姉妹に対する生徒の入国査証は発行されず

アルビン ツォガイとアルボナ ツォガイに対する就学用の入学査
証の発行申請は、郡長フェックルアップルックが却下した。これは
この家族を担当する世話人のクリスティアン シェルクフーバー
(オーバーエスターライヒ州国民支援)が発表した。ツォガイの弁
護士ヘルムート ブルームは、月曜日に控訴を行なう、と予告し、
オーバーエスターライヒ州との話し合いも計画されている、と述べ
た。




10月10日(金)

     国外ニュース

金融危機でG7は行動計画を発表

主要工業国7カ国G7の大蔵大臣が昨日午後遅く、世界的な金融危機
克服のための共同行動計画を決定した。この計画には、大銀行の倒
産が金融体制全体に重大な絵依拠を与える危険性がある場合には、
「使用可能な全ての手段を用いて」阻止することが含まれている、
と昨日ワシントンでこの会議の主催国米国の大蔵省が発表した声明
の中で述べられている。米国、日本、ドイツ、英国、フランス、カ
ナダ、イタリアの代表は、「現在の情勢では、緊急かつ例外的な行
動が必要であるという点で、意見が一致している」とのことであ
る。またこの会議では、5項目の行動計画で合意が成立した。その
中では、各国には「金融市場を安定させ、信用を再び流通させ、世
界的な経済成長を促すために、さらなる協力を行なう」ことが義務
づけられている。

     国内ニュース

「オーストリア会議」の日程が確定

「オーストリア会議」の日程が正式に確定した。5つの党の党首の
議論は、来週火曜日16時半に行なわれる、と社会民主党党首ウェ
ルナー ファイマンの事務所から発表があった。「オーストリア会
議」は国民党党首ヨーセフ プレルが提案し、ファイマンが招集し
た。この会議では原則として、国会で3分の2以上の賛成が必要な
場合に、内容的な協力が得られるか意向を推し量り、各党の今後の
相互の関係を改善にむけて話し合いが行なわれる。連立協議につい
ては、話し合いは行なわれれない。この問題では社会民主党は、国
民党とだけ話し合いを行なうが、国民党は今のところ辞退してい
る。




10月11日(土)

     国外ニュース

国際通貨基金はG7の金融恐慌対策を支援

国際通貨基金は、世界的な金融恐慌との戦いで、主要工業国7カ国
の提案を支持した。採択された行動計画を全面的に支援する、と国
際通貨基金は昨日ワシントンで行なった後、これを発表した。経済
危機はきわめて深くそして広く侵攻しているので、勇気ある行動を
取るためには、各国が特に優れた調整を行なうことが必要である。
G7諸国はこれに先立ち、金融恐慌には断固、そして協調して対処
する、と発表していた。金曜日にはG7諸国の蔵相は、5項目の計画
に合意していた。この計画では、「金融市場を安定化し、信用の流
れを再び取り戻し、世界的な経済成長を促すために、さらに協力す
る」ことを各国に義務づけていた。

     国内ニュース

メッツナーはG7の行動計画を歓迎

昨日発表されたG7の声明は、体制に影響のある銀行を倒産させな
い、という内容であったが、大蔵次官クリストフ メッツナー(社
会民主党)は、昨日ワシントンで、世界銀行と国際通貨基金の秋の
会議に出席して、これを明確に支持した。G7蔵相と発券銀行総裁
は昨日、銀行救済のための共同活動計画を決定した。「我々も銀行
を雨の中に放置しない」とメッツナーは、オーストリア政府の金融
機関支援の政治的な意志を協調した。

     おまけの国内ニュース

ハイダー死亡の詳細は調査中

ケルンテン州首相イエルク ハイダーが、土曜日早朝に自動車事故
で死亡した原因は、まだはっきりしていない。おそらく速度の出し
過ぎが影響を与えた、と見られている。詳細は日曜日に発表される
ことになっている。ただしハイダーが車で、追い越しを行なった
後、明確な理由もなしに、道からはずれたのは事実である。事故の
詳細は今なお調査中である。




10月12日(日)

     国外ニュース

EU加盟国外相はグルジアについて協議

EU加盟各国外相は月曜日にルクセンブルクに集まり、グルジアか
らのロシア軍撤退について検討する。EU評議会議長を務めるフラ
ンスは、ロシア政府に対して金曜日、離反したグルジアの州南オセ
チアとアブハジア周辺の緩衝地帯から、期限通りに撤退した、と文
書で述べた。多くのEU加盟国は、これでロシアとの新たな協力協
定に関する交渉を再会できる道が開かれた、と見ている。ポーラン
ドとバルト諸国、スウェーデンは留保している。また今回の外相会
談では、水曜日からブリュッセルで行なわれるEU首脳会談の準備
と、ベラルーシ情勢について話し合いが行なわれる。ここでは、
2年前にに科されたベラルーシ要人の入国禁止措置の一部解除が計
画されている。

     国内ニュース

ファイマンは「オーストリア会議」に期待

社会民主党党首ウェルナー ファイマンは、未来同盟党首イエルク
 ハイダーの死去にもかかわらず、火曜日に予定されている5党に
よる「オーストリア会議」が行なわれることを期待している。「私
たちはこの期日を利用したい」が、未来同盟にも「無理な負担を」
かけるつもりもない、と彼の広報は昨日APA通信に述べた。この期
日を利用するのは誰かを、未来同盟が決定するのを待たなければな
らないとも述べた。本来国民党党首ヨーセフ プレルが望んでいた
「オーストリア会議」を中止しなければならなくなれば、できるだ
け早い時期に次の日程を見つけなければならない、とも公報は述べ
た。「原則的にはいつでも話し合いを行なう」ともファイマンの広
報は述べていた。




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