１０月２０日〜２６日のオーストリアのニュース
１０月２０日（月）
国外ニュース
ロシア政府「カダフィは軍備拡張に巨額を投入する方針」
リビアの国家元首ムアマル エル カダフィは、20年ぶりに武器
購入のためにモスクワを訪問する予定である。革命の指導者である
彼は10月31日にロシアの首都に入り、戦車、対空ミサイル、戦闘
機を最大で20億ドルほど発注する、とモスクワの経済新聞「ヴェ
デモスティ」は政府の情報の引用として報じた。ロシア外務大臣セ
ルゲイ ラフロフは、夕刻アルメニアの首都エレヴァンで、このよ
うな訪問が計画されていることを認め、両国関係の発展が重要だ、
とと述べた、とインターファクス通信は報じている。ロシア側の発
表によれば、カダフィが最後にモスクワを訪問したのは1985年で
ある。米国とEU加盟国数ヶ国の他、ロシアもアフリカ北部の湾岸
国リビア近くに、埋蔵量の多い油田を探している。
国内ニュース
アリゴラ事件で司祭フリードルと国民党の間で対立
司祭ヨーセフ フリードルと国民党は、アリゴナ ツォガイ事件を
めぐって対立しているが、それがさらに深まった。2007年10月に
起きた「匿名で電話をかけてきた者」との「接触」あるいは「接触
の開始」をめぐり混乱が生じている。「シュタンダルト」紙の報道
によれば、姿を消し、国外退去の可能性があったコソヴォ人アリゴ
ナ ツォガイを受け入れようとしていた司祭フリードルと、国民党
は接触していたが、この報道が両者の対立を激化させていた。国民
党党首ウィルヘルム モルテラーは、このような接触の開始はなか
った、と当初述べており、これが司祭フリードルを激怒させた。
１０月２１日（火）
国外ニュース
クロアチアのEU加盟交渉は2009年末までに決着
EU委員会は反対の声はあるが、クロアチアのEU加盟交渉を、おそ
らく来年末までに結ぶ方針である。ただしそれより前に同国は、ま
だいくつか残っている障害を取り除かなければならない、とEU拡
大委員オリ レーンの進展報告書を引用してEU筋が発表した。ク
ロアチアのEU加盟は2010年に予定されている。現在EU評議会の議
長を務めるフランスと、ドイツは加盟27ヶ国すべてがEU改革条約
に署名するまで、新たな国を加盟させることに反対している。この
改革条約はEUの行動力を増すためのもである。クロアチアに対し
ては、主として司法部門と、造船所および製鉄業を、EUの基準に
あわせることのほか、汚職との戦いを前進させることが求められて
いる。
国内ニュース
連立交渉でEUをめぐる確執にかすかな希望
社会民主党と国民党は昨日連立協議を始めたが、両党のEUをめぐ
る確執が解消する可能性が見られた。少なくとも国民党は社会民主
党の元首相ヴラニツキーの見解からある程度、離れる可能性があ
る。ヴラニツキーは先に、社会民主党のこの問題に関する立場に、
新たな解釈を呈示していた。ただし両党の交渉役は、交渉が始まっ
たばかりのこの時点では、寡黙な態度を取っている。国民党党首プ
レルは、これはすでに「新政権」を構成する要素の一部である、と
見ている。
１０月２２日（水）
国外ニュース
グルジア支援国会議は45億ドルを集める
水曜日に開かれたグルジア支援国会議では、グルジアの戦争被害を
克服するために、合わせて45億5千万ドルの約束が取りつけられ
た。公的な信用供与と補助金の形で総額37億ドルを、個人の出資者
から8億5千万ドルを集める、とEU委員会は発表した。ブリュッセ
ルで行なわれたこの会議には70カ国を越える国の代表が集まっ
た。グルジア首相ラド グルゲニッゼは、「この支援は我々の期待
を大きく上まわるものだ。このことを決して忘れない」と述べた。
専門家の見積もりによれば、グルジアは破壊された経済基盤を再建
し、戦争の犠牲者を救済するために、少なくとも35億ドルを必要
としている。米国は10億ドルの支援を約束した。EU委員会は既
に、2010年までに5億オイロを提供する。EU27カ国がさらに5億
オイロを出すように、外務委員ベニータ フェレーロ・ワルトナー
は求めた。日本は2億6千万ドルと予告した。
国内ニュース
ケルンテン州州議会は州首相を選ぶ
ケルンテン州州議会は木曜日に、新州首相を選ぶことになってい
る。10月11日に自動車事故で死亡したイエルク ハイダーの後継
者としてなる可能性が最も強いのが、今まで州首相代理を務めてい
たゲアハルト デルフラー（未来同盟）である。国民党はデルフ
ラーの就任に事前に賛成の方針を示していたが、経済政策上の条件
をつけていた。州議会で第2勢力のケルンテン州社会民主党は、同
州党首のラインハルト ローアを選挙戦に送り込む。社会民主党、
選挙のやり方をめぐる意見が違うため、選挙を回避し、州議会選挙
を遅らせる可能性がある、と発表した。
１０月２３日（木）
国外ニュース
金融恐慌でニュー ヨーク市はブルームバーグの任期を延長
金融危機のため、ニューヨーク市長マイケル ブルームバーグは、
法律の規定より長く、市長の座に留まることになる。ニュー ヨー
ク市議会は昨日、市長の任期を2期を上限とする制約を破棄したの
で、ウォール ストリートの経験豊かな取引人で、大金持の彼は、
11月に3期目を目指して立候補することができるようになった。ブ
ルームバーグは2001年と5年の市長選挙で勝利を収めたが、経済
的に困難な時期に、ニュー ヨーク市の指揮をとる方針である。市
議会議員たちも新たな任期に向け、立候補することが可能である。
国内ニュース
緑の党は今日党代表を決定
緑の党は党の代表を今日決定する。ウィーンのオイローパハオスで
行なわれる、議員による組織会議で、緑の党の会派長およびその代
理が決定される。次期党首エーファ グラウィシュニッヒが、会派
の指導者に就任するのはほぼ確実と見られている。彼女は事前に、
会派長および党首を一人で引き受ける、と述べていた。誰が2人の
代理になるかは不透明である。前例に従えば、男性1人と女性1人
になる。1999年にハイデ シュミットと彼女の「自由主義公開会
議」が国民評議会から出て、マデリーネ ペトロヴィッチを、アレ
クサンダー ファン デア ベレンの緑の党に委ねたが、女性が国
会議員の会派長に就任するのは、その時以来である。
１０月２４日（金）
国外ニュース
オバマを支持する共和党員が増える
米国大統領選挙まで2週間を切り、バラク オバマは、共和党陣営
の要人から指示を受けた。最新の世論調査では、民主党は選挙に重
大な影響を及ぼす州で、共和党の対立候補ジョン マケインを10%
以上引き離している。元外務大臣コリン パウエルに続いて、大統
領ジョージ W. ブッシュの元公報スコット マクレランと、共和党
の元マサチューセッツ知事ウィリアム ウェルドもオバマを支持し
た。マクレランはCNNテレヴィに対して、米国政界を変え、問題を
解決する可能性が最も高いオバマ候補を支持する、と述べた。元知
事のウェルドは、オバマの指導力の高郷判断力を評価した。
国内ニュース
世論調査では現時点では社民党支持が国民党を明確に上まわる
国民評議会選挙から4週間が過ぎたが、社会民主党は既に国民党を
9%上まわっている。日刊紙「エスターライヒ」紙のために「ギャ
ラップ社」が行なった新たな世論調査では、そのような結果が出て
いる。選挙の時点と比べて、社会民主党は5%支持を増やし、現在
は34%の支持である。これは連立を組む相手にとっては、暗い状態
である。国民党はわずか25%の指示で、9月28日と比べて1%下が
ったことになる。野党各党の間でも、若干の変動があった。自由党
は選挙のときの比べて、0.5%減少で17%、未来同盟は0.3%増の
11%であった。未来同盟の創設者イエルク ハイダーの死亡は、第
3勢力争いには、今のところ影響を与えていない。一方緑の党は
1.6%増やして、12%の支持となり、未来同盟をかろうじて上まわ
った。
１０月２５日（土）
国外ニュース
ペイリンはアラスカでの権力乱用で質問を受ける
米国の共和党の副大統領候補サラ ペイリンは、権力乱用事件と解
雇問題で、宣誓をした上で質問を受けた。昨日の米国での報道によ
れば、アラスカ州知事である彼女は、自ら求めて同州の人事委員会
で発言を行なった。ペイリンの弁護士によれば、彼女は3時間にわ
たって詳しく回答した。同委員会は、ペイリンがアラスカの治安担
当の責任者ウォルト モネガンを7月に解任した時、人種的な原則
を侵害したかどうかを検討することになっている。アラスカ州の議
会の調査委員会は、10月中旬にこの結論に達していた。ペイリン
は同委員会は、自分に反対する政治活動を行なっている、と非難
し、2回目の調査を行なうように申請した。調査委員会は、ペイリ
ンがモネガン他数人の警官に対して、個人的な理由から、警官マイ
ケル ウーテンを解任するように迫っている、と判断した。モネガ
ンは、ペイリンの夫トッドの強い圧力にもかかわらず、解任を行な
うのを拒否していた。ウーテンはペイリンの姉妹と結婚したが、当
時極めて意見の錯綜した離婚手続き中であった。
国内ニュース
国民の祝日に伝統に則り式典が行なわれる
オーストリアの公的機関は日曜日、伝統に則った式典を行なって、
国民の祝日を祝う。日程の最初では、連邦大統領ハインツ フィッ
シャーと連邦政府が、英雄広場の地下聖堂に花輪を捧げる。その
後、特別閣議が行なわれる。大統領事務室、連邦首相府、多くの省
庁は、門を国民に対して解放する。国防軍はできるだけ大がかりな
軍事ショウを英雄広場で行なう。国会は、共和国台展示会のために
改築作業中なので、閉鎖されたままである。国民の祝日には、王宮
も扉を開く。連邦大統領フィッシャーと握手をする希望者は、共和
国誕生の時代に関する展示を見て、長い待ち時間をつぶすことがで
きる。
１０月２６日（日）
国外ニュース
リトアニアでは保守党が選挙での勝利を発表
リトアニア元首相アンドリウス クビリウス率いる保守的な「祖国
連合」が、昨日午後に国会議員選挙で勝利した、と発表した。「リ
トアニアは中道右派連合によってもたらされる方向転換を選択し
た」と51歳のクビリウスがヴィリニュスで述べた。リトアニアは
日曜日に、新国会の構成を決める2回目の投票を行なっていた。こ
れより前には保守党とキリスト教民主党からなる彼の「祖国連合」
が、国会の38議席を獲得していた。「祖国連合」は141議席中、
合わせて45議席を得ると見られる。クビリウスは、1999年から
2000年にかけて、バルト地域にある同国の首相を務めていた。選
挙の第1回投票では141議席のうち70議席が比例配分によって決め
られ、残りの71議席は昨日の決選投票で決められた。
国内ニュース
公務員の給与交渉が始まる
経済の枠組みを為す条件を明確にしつつ、今日から公勤務従事者の
賃金交渉が始まる。この交渉には、経済研究所WIFOの専門家アロ
イスも呼ばれている。労働組合の具体的な要求や、使用者側の具体
的な提案はまだ行なわれず、公勤務労働組合は当面、物価上昇と経
済成長に見合う賃上げを顧慮して、給与の引き上げを求めるという
一般的な要求のみを伝える。公務員は、金属産業と商業の就労者に
続いて、秋の賃上げ交渉を行なう3番目の団体である。