11月3日〜9日のオーストリアのニュース



11月3日(月)

     国外ニュース

国連支援隊がコンゴで空っぽの難民収容所を見つける

反乱勢力が制圧したコンゴ東部の地域にいる数万人の難民のため
に、支援物資を運ぶ国連の支援隊の第一陣は、誰もいなくなった収
容所を目の当たりにした。「全ての収容所が空っぽです。難民はみ
な立ち去りました」と国連人道問題調整事務所OCHAの代表は月曜
日に述べた。また宿舎は破壊されていた、とも国連職員は述べた。
支援組織の職員は、難民が追放されたのか、それとも逃亡したの
か、を突き止めようとしている。いくつかの地域では数人が救出さ
れ、あるいは自宅に戻ることガできた、とのことである。国連難民
高等委員会UNHCRは、北キヴ地域だけで、緊急支援を必要として
いるのは、少なくとも5万人いると見ている。フランスはEU軍の派
遣を提案したが、他のヨーロッパ諸国はこれを拒否している。

     国内ニュース

ファイマンとシュトラーヒェが2人で会談

連立協議が進む最中に、社会民主党党首ウェルナー ファイマンが
自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェが、2人だ
けで会談を行なった。この2人は月曜日に1時間15分、国会内の
「どちらの陣営でもない」部屋で、政権交渉の進み行きと、現在の
政治問題について話し合った、と会談後にシュトラーヒェは述べ
た。ファイマンの事務所は、会談は好ましいものであった、と述べ
た。ファイマンは繰り返し、国会に議員を送りだしている政党すべ
てと、建設的な協力を行なうつもりである、と強調した。両者が
2人だけで会談するのは、選挙後初めてである。シュトラーヒェ
は、少数政府や、社会民主党と国民党の連立以外の政権は、「全く
議題に出なかった」と述べた。




11月4日(火)

     国外ニュース

安保理はコンゴに関する決定を延期

コンゴ東部の情勢が緊迫しているにもかかわらず、国連安全保障理
事会は、アフリカの同国での国連軍を増強するかどうかについて、
11月下旬にようやく協議する方針である。新たに安保理の議長を
務めるホルヘ ウブリナ(コスタ リカ)は昨日ニュー ヨーク
で、現在安保理ではこの問題で意見が一致していない、そのため協
議は少なくとも11月26日の予定となる、と述べた。彼は、コンゴ
の人々のためには「最もよい報告ではない」ことを認めた。国連安
保理には国連特別使節アラン ドスから、コンゴへ派遣する部隊
MONUCを合わせて1万7千人規模へと上積みするように、との正式
な照会が行なわれている。国連事務総長潘基文は、火曜日にこの要
請を支持し、広い地域での活動であるため、この部隊では規模が小
さすぎる、と述べていた。また難民となっている25万人の今後の
命運は、はっきりしない。

     国内ニュース

プレルは2009年の税制改革と国家財政の大幅赤字を覚悟

水曜日に予定されている財政部門での連立協議の話し合いを前に、
国民党党首の職務代行ヨーセフ プレルは、社会民主党に対して歩
み寄りを見せている。「クリール」紙、「オーバーエスターライヒ
通信」紙、「ザルツブルク通信」紙のインタヴューの中でプレル
は、税制改革の一部を1年前倒ししして2009年に、そしてより大
きな予算の赤字、さらには国家財政の赤字を国内総生産の3%を上
限とするとのマーストリヒト条約の規定を越えることを覚悟してい
る、と述べた。彼はこの上限を「わずかに越える」ことになる、と
述べたが、具体的な数字は述べなかった。副首相で大蔵大臣のウィ
ルヘルム モルテラー(国民党)は、財政問題での妥協を行なうか
について、何も述べなかった。自由党と未来同盟は、この問題の早
期決着を迫っている。




11月5日(水)

     国外ニュース

メドヴェージェフは任期を延長する方針

ディミトリ メドヴェージェフは、ロシア大統領に就任して半年た
ったばかりである。おそらく彼はこれが気に入り、国内の情勢に関
する最初の演説の中で、大統領の任期を現在の4年から6年に延長
することを求めた。ロシアの憲法に従えば、現職の大統領にはこれ
は適用されないため、専門家はメドヴェージェフの意図は別のとこ
ろにある、と見ている。専門家の見方によれば、43歳のメドヴェ
ージェフが、力のある前任者で現首相のウラジミール プーチンが
復帰するための線路を敷くつもりである。ロシアの専門家オルガ 
クリシュタンコフスカヤは「次回の大統領選挙は2012年で、その
時がプーチン2024年計画の始まりであると言える」と述べた。

     国内ニュース

プレルは大連立が成立する可能性は半々ではないと見る

国民党党首ヨーセフ プレルの見方によれば、社会民主党と国民党
の連立政権が成立する可能性は、半々ではない、とリンツで開かれ
た水曜夜に開かれた記者会見で述べた。プレルは改めに、明日に設
定された社会民主党との会談は、今後の交渉を行なうかを決定する
もので、今後5年間の国家財政計画、税制改革、景気対策で合意す
ることが重要だ、と述べた。自由党と未来同盟が呈している批判
は、この交渉の進み行きには全く影響を与えない、とプレルは強調
した。関係者が「全力をあげて」重要な方針転換を取りまとめてい
る、とも述べた。彼はあいかわらずクリスマスまでに、「はっきり
した決着が出る」と期待している。社会民主党党首ウェルナー フ
ァイマンとの4時間半に及ぶ交渉の後でプレルは、「景気対策と減
税が行なわれなければならない」という点では基本的な合意は成立
しており、大連立成立の可能性はある、とも語った。




11月6日(木)

     国外ニュース

米国は近東和平協定は2008年中には不可能と見る

米国大統領府は、今年中にイスラエル人とパレスチナ人の間で、和
平協定を結ぶ可能性はもはやない、と見ている。2月20日に国会議
員選挙が前倒しで行なわれる、というイスラエルでの政治動向のた
め、年末までに合意を結ぶことは不可能のようにみえる、と大統領
府公報ダナ ぺリノは木曜日にワシントンで発表した。昨年は協定
を結ぶための土台が築かれたのだから、交渉を続けることが重要で
ある、とも述べた。米国外務大臣コンドリーザ ライスは、近東訪
問の冒頭で、今年協定を話し合いで取りまとめられないのではない
か、と疑問視していた。

     国内ニュース

会計検査院「オーストリアは京都議定書の目標を達成できない」

以前の政府が可決した二酸化炭素排出削減のための措置は、不十分
である。より多くのことがなされなければならなず、もしそうしな
ければ京都議定書の目標を達成できないため、オーストリアは数年
後にはかなり高額の罰金を支払わなければならなくなる可能性があ
る、と金曜日に公表される会計検査院の報告書にはしるされてい
る。




11月7日(金)

     国外ニュース

国連「コンゴ部隊には過大な要求がなされている」

コンゴ政府は、同国にいる国連和平部隊は民間人の保護のために十
分な活動をしていない、と非難したが、国連はこれを退けた。「こ
れが我々の中心的な課題であり、今後もこれを続けて行く」と和平
維持対策班の副事務長エドムント ムレットは昨日の記者会見で述
べた。現在コンゴには1万7千人の国連兵がいるが、彼らには過大
な要求が突きつけられており、「我々は4つの前線で戦い、それも
極めて広い地域で活動して」おり、国連安保理には3千人の兵士を
和平部隊に派遣するように検討してもらいたい、ともムレットは述
べた。また「我々は情勢はさらに悪化するとの懸念を持っている」
とも彼は発言した。

     国内ニュース

数千人がヘルムート ツィルクとの別れを告げる

昨日も市民は市役所で、ウィーン元市長ヘルムート ツィルクとの
別れを告げることができた。今日行なわれる埋葬式には、国外から
の来賓の出席も予定されている。市庁舎の式典の広場で行なわれた
追悼式だけでも、1千人を越える弔問客が招待された。そのなかで
チェコ元大統領ヴァツラフ ハーフェル、連邦大統領ハインツ フ
ィッシャー、ウィーン市長ミヒャエル ホイプル(社会民主党)が
弔辞を述べることになっている。




11月8日(土)

     国外ニュース

バリ島爆弾犯3人がインドネシアで処刑

インドネシアでは現地時間の土曜日深夜、6年前のバリ島爆弾襲撃
事件の黒幕として、死刑判決を受けた3人が処刑された。処刑前に
インドネシアでは、安全対策が強化されたが、それは処刑後にイス
ラーム教徒による報復行為が予想されたためである。この地域のイ
スラーム教徒テロ組織網ジャマー イスラミヤに属していた3人
は、2002年10月のバリ島の観光地クタにある3軒のディスコに対
する爆弾攻撃を計画した、司法は判断した。このときには202人が
死亡、多くは外国からの観光客であった。2003年には黒幕3人に
死刑が言い渡された。ジャマー イスラミヤは、イスラーム教徒の
テロ組織アル カーイダとつながりを持っている。

     国内ニュース

ティロール州労組連合の新会長にゲアハルト シュナイダー

個人企業被雇用者労働組合GPAのティロール州執行部長ゲアハルト
 シュナイダー(社会民主党労働組合員会派FSG)が、土曜日にテ
ィロール州のオーストリア労働組合連合の新会長に選出された。こ
れより前に彼は同会派内部の投票で、今まで会長を務めていたフラ
ンツ ライトナーを破っていた。シュナイダーの支持は64%、ライ
ターの支持は36%であった。ライターに反対する勢力は、シュナイ
ダーの就任で労組連合が強化されるのではないか、と期待してい
る。




11月9日(日)

     国外ニュース

核のゴミの輸送反対派に警棒が使用される

ドイツのヴェントラントでは、数千人の原子力発電所の反対派は日
曜夜、座り込んで線路を封鎖し、フランスからの核のゴミの輸送列
車が、ドイツの中間施設ゴアレーベンに入るのを妨害しようとし
た。リューネブルクとダネンベルクの間の線路の最後の部分に沿う
森のところでは、繰り返し運行が妨害された。デモ隊と警察との小
競り合いはだんだん小さくなった。フランスの再処理工場ラ アー
グからの核のゴミの輸送列車は、夜のうちに数時間遅れでリューネ
ブルクに到着し、月曜のうちに目的地ゴアレーベンに到達する可能
性が高い。線路を守るために、警官が大規模に動員されている。ゴ
アレーベンでは、6百人強の人々が、中間施設への入り口を封鎖し
ている。

     国内ニュース

連立問題について国民党は2週間以内に態度を明らかにする方針

国民党の連立交渉を担当するカールハインツ コプフは、今後
14日以内に、新たな大連立を組むことについて明確な態度を示
す、との見方を述べた。土曜日には社会民主党党首ウェルナー 
ファイマンは、交渉の終了を11月末にする見込みだ、と述べてい
た。「今後2週間以内に、連立を組むかどうか決定は出るに違い
ない、と見ています」と国民党経済連合の事務長である彼はAPA
通信に述べた。国民党の党大会は、10月28日に結果を呈示する
ことになっていた。コプフは「前向きの兆候が出て」おり、景気
浮揚策や、減税規模について合意がなりたっているが、まだ問題
も残っている、と述べた。




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