12月1日〜7日のオーストリアのニュース



12月1日(月)

     国外ニュース

オバマは実利的な出発を約束

ヒラリー クリントンが米国の新外務大臣に就任することが確定し
た。「彼女は私の全幅の信頼を得ている」と次期米国大統領オバマ
は月曜日に、外交および安全保障政策の担当者を発表する席上で述
べた。国防大臣には、共和党のゲイツが留任し、新たな国内安全顧
問は、元NATOの上級司令官ジョーンズが就任する。現在の「不確
実な世界」の中で、オバマは彼の新しい人材とともに、実利的な出
発を切るべく全力をあげている。また彼は、「すべてのアメリカの
勢力を」専門的に「融合させる新たな戦略をとる」と約束した。

     国内ニュース

新閣僚が就任の宣誓を行う

オーストリアは火曜日に、新政府を持つ。国民評議会議員選挙から
65日、連邦大統領ハインツ フィッシャーは、9時半にファイマン
の閣僚に宣誓をさせる。宣誓後に閣僚は初めての閣議に集まり、昼
からは各省への初めて職務の引き継ぎが行われる。水曜日には最後
に、国民評議会で政府声明が発表される予定である。ただし閣僚の
全体が完全に決まったわけではない。国民党に入党する法務大臣ク
ラオディア バンディオン・オルトナーの宣誓はのちに行われる。
この間は科学大臣ヨハネス ハーン(国民党)が法務大臣を代行す
る。舞踏会の建物を通って大統領府へ進んでいくのは、長い間なか
ったほど平静に行われる可能性が高い。ウィーン警察の広報は、抗
議活動が行われる、との報告はない、と述べた。




12月2日(火)

     国外ニュース

自動車の販売不振 必要は創意を生む

自家用車の売れ行き不振は続いている。ヨーロッパ最大の自動車市
場ドイツでは、新規登録を行った自動車の台数が、18%落ち込ん
だ。売れ行きの回復の見込みがないばかりでなく、その逆である。
新規登録の台数を増やすために、「全ドイツ自動車クラブ」は、中
古自動車のくず鉄にするときの割増金を1千オイロ支払うように求
めた。フランス大統領サルコズィも、この割増金を自分の景気浮揚
策の中に入れるつもりのようである。

     国内ニュース

大学授業料の全面的廃止に学長は賛成

オーストリア国内の大学の学長は、授業料を全面的に廃止するよう
に、との異例の要求を出した。最近決まった授業料を免除に関する
例外措置は、数が多く、複雑なので、処理に多額の費用がかかり、
収入を上回ってしまう、と述べている。学長会議は、これは「授業
料の無駄遣い」である、としている。すでに学生代表も、同様のこ
とを述べていた。科学大臣ヨハネス ハーン(国民党)はこれに反
対しており、授業料は「今後に対する影響力を持っている」と述べ
た。




12月3日(水)

     国外ニュース

クロアチアで政府批判家が逮捕

クロアチアとスロヴェニアでは政府を批判する人たちが、フェイス
ブックを通じて動員をかけている。この呼びかけの目的は首相サナ
デルと、解任された元外務大臣ルーペルを、新スロヴェニア政府の
要職につかせることである。クロアチアでは、現地のフェイスブッ
ク事件で、これを計画した人物が最近逮捕された。彼は社会党の後
継政党の政治家で、政治の波を再三産み出している。政府は、サナ
デルにナチの制服を着せた表現に怒っており、野党は意見の自由が
危険にさらされている、と見ている。

     国内ニュース

オーストリア航空売却 事業所委員会は複雑な反応

オーストリア航空の事業所委員会は、ドイツルフトハンザ社からの
買収の予告に対して、若干の不安を表明した。「私は全般的には、
ルフトハンザ社には全く反対していない。だが、今後の行動が重要
だ」と同社の事業所委員アルフレート ユングハンスは昨日、ウィ
ーンで述べた。事業所委員会委員長である彼は、同社の雇用に一定
の危険がある、と見ている。それは市場が一部分重なり合ってお
り、それは他の協力関係にある航空会社の場合にはなかったことで
あるためである。シュウェハト空港を持つウィーンの本店は、東ヨ
ーロッパへの出入り口という機能を失い、縮小する可能性が高い、
と彼は見ている。




12月4日(木)

     国外ニュース

インド警察はテロ警戒でニュー デリー空港を捜査

インドでは警察は昨日午後、テロの警告が出たことを受け、ニュー
 デリーの空港を創作した。英国のテレヴィBBCは、これより前に
銃撃戦が起き、武装した6人が治安部隊に射殺された、と報じてい
る。インド当局はこの報道を否定し、これは「突発事件」であっ
て、テロリストが背後にいるわけではない、と述べた。「死者は出
なかった」と警察広報は発表した。空港の運営は中断することなく
続けられた。

     国内ニュース

ヨーロッパ中央銀行は基準金利を引き下げる

深刻な経済恐慌のため、ヨーロッパ中央銀行は木曜日に、公定歩合
を大幅に引き下げ、2.5%とする決定を下した。経済会議とオース
トリア労働組合連合は、この措置を歓迎し、より有利な信用供与
で、経済は活性化される、と述べた。基準金利引き下げの直後に
は、国内のいくつかの銀行が貸出金利を大幅に引き下げる、と予告
したが、同時に貯金の金利も引き下げる、とも発表した。いくつか
の修正をして金曜日にもこれが発効する。




12月5日(金)

     国外ニュース

中国の抗議にもかかわらずサルコズィはダライ ラマと面会

フランス大統領で現在EU評議会議長ニコラ サルコズィは、土曜
日午後にポーランドのグダニスクで、ダライ ラマと会談する。サ
ルコズィはポーランドの労働組合「連帯」設立者で、のちに大統領
となったレフ ワレサのノーベル平和賞受賞25周年を祝うのと並
行して、亡命中のチベットの指導者であるダライ ラマと話しあ
う。中国政府はこれに抗議して、先の月曜日にリヨンで計画されて
いたEU・中国首脳会談を中止に追い込んでいた。中国共産党の
「国民解放軍」は1950年にチベットに侵攻した。1959年3月に
は、民族感情の高まりが弾圧されたことを受け、ダライ ラマは国
を出て、10万人以上が国境をこえてインドに入った。ダライ ラ
マは、チベットでは中国が、強制追放と強制断種など、重大な人権
侵害を行なっている、と繰り返し非難した。また彼は、チベットで
の中国の移民政策を「文化的民族虐殺」であると非難した。

     国内ニュース

調査委員会は少数野党の権利を確定させる

国会の調査委員会からの動議は、少数野党の権利を確定する。社会
民主党の会派長ヨーセフ カープと国民党の会派長カールハインツ
 コプフが「ティロール新聞」と「フォアアルルベルク通信」紙
に、これを行なうと予告した。「我々は執務規定の改革を行ない、
少数派の権利も調査委員会で真剣に取り上げることに賛成である、
とカープは両紙のインタヴューで述べた。国民評議会の新第2議長
のフリッツ ノイゲバオアーは先にラジオ番組で、国民党は懐疑し
ていると述べていたが、コプフは議会の監視機能を重視するなら、
野党はこれを拡大する可能性を持たなければならない、と述べた。
ただし「中立の調査委員会議長を置くなど、それが受け入れられる
ような形式である」ことが重要である、とも語った。カープは、調
査委員会の任期と、委員の人数を決めることに賛成している。




12月6日(土)

     国外ニュース

タイで野党は組閣に必要な過半数の支持を得たと発表

タイでは数日にわたる飛行場封鎖と、憲法裁判所が政権を強制的に
退陣させたことを受け、政治が解決する可能性が開けている。最大
野党は昨日、国会議員400人のうち、260人の支持を受けて、次期
内閣を組閣する、と発表した。アピシット ウーチャチーワの民主
党を中心とする5つの政党による連立は、失脚した首相ソムチャー
イ ウォングサワットの連立与党の国会議員からも支持を受けてい
る。ソムチャーイの「国民の力」党は、組閣を断念しておらず、プ
エア タイと改称し、自党の国会議員数人が野党に寝返る気である
ことがわかっているとして、危機対策会議を招集した。新政府につ
いての投票は、30日以内に行われることになっている。また首相
の選挙は本来であれば日曜日に予定されていたが、国王プミポン 
アドウンヤデートが病気のため、延期された。

     国内ニュース

ヴィリムスキーは自由党中央で「電気銃」を試験

自由党中央部での「自分の体を用いての実験」は、大きな影響を持
つかもしれない。日刊紙「クリール」のインターネット サイトに
掲載されたヴィデオの中では、自由党の国会議員で事務長であるハ
ーラルト ヴィリムスキーが、制服を着た人の助けを借りて、電気
ショック銃でみずからを撃たせた。その際には5万ヴォルトの電圧
が彼の体を貫いた。同紙の写真では、制服を着た者たちの中には、
看守がいるように見える。この映像では彼らの顔は見えないように
されており、「司法の専門家」と見られる男の声はひずまされてい
る。法務省は、APA通信の照会に対して、調査を行なう、と述べて
いる。ヴィリムスキーは、武器の使用を支持しており、看守がこの
銃を使用するのに理解を求める方針である。




12月7日(日)

     国外ニュース

ライスはイラク占領の責任を認める

米国外務大臣コンドリーザ ライスは、テレヴィのインタヴュー
で、イラク占領の責任を正式に引き受ける。彼女は米国大統領ジョ
ージ W. ブッシュに対し、2003年春にイラクの権力者サッダーム
 フセインが失脚した後、占領を行なうように、と助言した、と当
時ブッシュの安全保障の顧問であったライスは、日曜日にフォック
ス ニューズに述べた。当時の国防大臣ドナルド ラムズフェルド
には、必ずしもすべてが計画通りに運んだわけではなかった占領の
責任を負わせることはできない、軍事面での介入は大成功であった
のだから、ともライスは語った。ただしその後の時期は、米国は明
確な戦略を欠いており、占領の局面に必要な決定を国防省にも負わ
せたのは、間違いであった、とも述べた。

     国内ニュース

ファイマン「マーストリヒト条約の基準は「聖域」ではない」

連邦首相ファイマン(社会民主党)は、金融恐慌のさなかでは、増
え続ける失業との戦いを、最優先することを認めた。その際重要な
のは、人々の苦しみであり、高い失業率は情勢を悪化させる、と日
曜日のテレヴィ番組で彼は述べた。ファイマンはさらなる景気刺激
策を取る可能性を否定しない、とも述べた。マーストリヒト条約の
規定は、この場合限定的に考慮するつもりであり、国家予算の赤字
の上限を、国内総生産の3%に制限するという規定は、聖域ではない
と語った。




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