12月8日〜14日のドイツのニュース



12月8日(月)

アテネで新たな暴動

(アテネ)15歳の生徒が警察の発砲で死亡してから2日、ギリシアの首都アテネの
暴動は改めて激しさを増した。1万人が参加し、当初は平和的に行われていた抗議
活動は、中心部では夜になって、改めて激しい暴動となった。約6百人のいわゆる
自治派は、2軒のホテルのロビーを荒らし、十軒以上の商店から略奪した。されに
彼らは、大きな商店に放火した。警察は催涙ガスを大量に使用して、対処した。地
下鉄駅2ヶ所が、事前に閉鎖された。ギリシア政府は暴動により圧力を受けている
が、首相コスタス カラマンリスは、少年の死を引き起こしたものに責任を取らせ
る、と約束した。ギリシアのほぼ全土では、学校は閉鎖されたままである。ベルリ
ンのギリシア領事館の占拠は、約8時間後に平和的に終了した。

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サルコズィとブラウンはドイツと見解が異なるとの観測を否定

(ロンドン)英国首相ブラウンとフランス大統領サルコズィは、ヨ
ーロッパにおける景気刺激の支援に関して、ドイツとは意見の隔た
りがある、との観測を否定した。ドイツ首相メルケルが参加しない
で行われたロンドンでの特別会談の後2人は、金融および経済恐慌
に向け、EU各国が共通の対策をとることが重要だ、と述べた。た
だし、その際には必ずしもすべての国が、同じ手法を取ることはで
きないのははっきりしている、とEU委員会議長バローゾは述べ
た。ロンドンでのこの会議は、メルケルが招かれなかったため、事
前から混乱を引き起こしていた。この会議は、木曜日にブリュッセ
ルで行われるEU首脳会談の準備を行なうためのものであった。

メルケルはEU景気対策で一致した決定を主張

(ベルリン)今週ブリュッセルで行われるEU首脳会談をにらん
で、連邦首相メルケルは、景気を下支えするために下されることに
なっている決定では、意見を一致させることに固執している。政府
広報ヴィルヘルムはベルリンで、メルケルは週末にフランス大統領
サルコズィと、英国首相ブラウンに電話をし、作業に関しては密接
な協力をすることで合意した、と発表した。新聞のインタヴューの
中でメルケルは、ドイツの雇用が危険にさらされるような気候保護
に関する決定は阻止するつもりだ、と述べた。また彼女は、経済危
機対策として、EU委員会が巨額の国による投資をより早期に行な
えるように力を注ぐつもりである、とも語った。

自動車の部品製造の大会社が支払不能を届け出る

(レヴァークーゼン)販売市場の不振と金融市場の危機は、自動車
の大きな下請け会社の中から、初めて倒産を出した。レヴァークー
ゼンにある世界最大とも言われる制動装置の製造会社TMD フリク
ション社は、支払不能になったと届け出た。現在の業績は健全であ
るが、自動車産業の未来が極端に悪化し、信用保証がこの業種から
撤退しているため、支払能力が大幅に落ちた、と英国の同社社長ウ
ィットワースは述べた。また彼は、同社の売却が現在の目標であ
る、とも語った。TMD フリクション社は、世界で4千5百人を雇
用し、うち2千人はノルトライン・ヴェストファーレン州とザクセ
ン州の4つのドイツ工場で働いている。




12月9日(火)

ギリシアでは少年の埋葬後も暴動が続く

(アテネ)ギリシアで土曜日に警察の発砲で死亡した15歳の生徒が、埋葬され
た。アテネ近郊の墓地での埋葬には、数千人が立ち会った。追悼式が行われる中、
自治派と警察が衝突した。また火曜日には、ギリシアのいくつかの都市では、再び
暴動と市街戦が発生した。アテネでは国会議事堂前で、数百人の若者がデモを行な
い、警官に対して石と絵の具の入った袋を投げつけた。治安部隊は、暴徒を食い止
めようと、催涙ガスを使用した。4日前から続いている暴動は、政府に対する不満
が増大していることの現れとも目されている。保守田野首相コンスタンティノス 
カラマンリスは、暴徒を民主主義の敵と呼び、厳しい措置を取る、と予告した。野
党側は、カラマンリスと治安部隊が約束をたがえたと非難し、選挙を行なうように
求めている。

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チェコはEU改革条約の批准を延期

(プラハ)チェコでは、EU改革条約の批准に関する決定が、再び
延期された。国会は過半数の賛成で、これに関する協議を2月上旬
に先送りにした。政府と野党はリスボン条約を支持しているが、首
相トポラーネクの市民党ODSは、反対意見もある米国のミサイル迎
撃網に関する決定と、この批准を結びつける方針である。米国のミ
サイル迎撃網計画では、レーダー施設がチェコに駐留することにな
っている。チェコはアイルランドと並んで、EU改革条約をまだ批
准していない国である。同国は1月1日に、EU評議会議長を引き継
ぐ。

ウクライナでは連立政権を維持するとの予告

(キエフ)ウクライナでは、2004年のオレンジ革命の指導者たち
が、数ヶ月にわたり対立してきたが、連立政権を維持する、と発表
した。キエフの通信社の報道によれば、大統領ユシュチェンコの政
党は、首相ティモシェンコとのを改めて試みる、とこの火曜日に国
会議長に就任したリトウィンは述べた。リトウィンの政党ととも
に、連立与党は450議席のうち過半数の247議席を持つ。

メルケルとトゥスクは気候保護に楽観的

(ワルシャワ)ポーランドがEU気候保護対策に拒否権を行使する
可能性は低くなった、とドイツ首相メルケルは見ている。ただしメ
ルケルは、ワルシャワでのドイツ・ポーランド協議が終了した後、
この対策を取りまとめるには、なお多くのなすべきことがある、と
述べた。ポーランド首相トゥスクは、石炭発電所が高い割合を占め
ている東ヨーロッパ諸国に対して、より大きな財政支援を求めてい
ることに、メルケルから理解を取りつけた、と述べた。ポーランド
とドイツは気候保護対策では、いくつかの経済地域むけに特別の規
則を定めようとしているが、環境保護活動家約2百人が、この方針
に抗議して、ワルシャワでデモを行なった。連邦環境省次官ミュラ
ーは、金融恐慌を念頭において、自分で発表した気候保護政策の目
標を撤回するように、と警告した。




12月10日(水)

ギリシアの暴動は全面ストの期間中も発生

(アテネ)ギリシアの状況はあいかわらず緊迫している。労働組合が全面ストを行
なった間も、暴力的な衝突が発生した。5日間続けて、若者を中心とした者たちが
警察と路上で衝突した。政府の経済および社会福祉政策に抗議して、全土でストが
行われ、公的生活がほぼ麻痺した。この間、首相コスタス カラマンリスはテレヴ
ィのインタヴューで、暴力を押え込み、公の安全を回復する、との固い決意を表明
した。土曜日から続いている暴動のきっかけとなったのは、交番からの銃弾が
15歳の少年を殺したことであった。そのため警官2人が捜査を受けている。1人の
警官の弁護士は、銃弾尾弾痕の艦艇によって、彼の関与の疑いを晴らせるものと見
ている。この若者は流れ弾に当たって死亡したのであって、これは事故である、と
弁護士アレクシス コウギアスは述べた。ただしこの評価は正式に確認されていな
い。

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メルケル「伝統が人権をなしくずし的に無化してはならない」

(ベルリン)ドイツでは政治と社会の代表が、人権の普遍的な妥当
性を強調した。これは国連人権宣言60周年がきっかけである。ベ
ルリンで開かれた式典で、連邦首相メルケルは、伝統や昔からある
法的原則によって、人権を無視してはならない」と述べた。(婚前
や婚外の性交を行なった女性に対する)名誉の殺人、教生結婚や死
刑を念頭に置いて、彼女は「価値観に基づく外交政策」を支持す
る、と明言した。その際には価値観は他の政治的利害と競合するも
のであってはならない、ともメルケルは強調した。外相シュタイン
マイアーは、人権は「国際的に責任ある社会の中で、普遍的な基
準」であるとのべた。市場の国際化に、政治の国際化が追随しなけ
ればならないが、政治の国際化の原則が、人権である、とも語っ
た。ドイツ アムネスティ インターナショナルの事務長ロッホビ
ーラーは、政治家に対して、自国でも人権を断固維持するように訴
えた。

中国で人権を求める抗議行動 記念式

(北京、ベルリン)中国では普遍的人権宣言60年記念日に、野党
が政府に対する抗議を行ない、逮捕されている異端者の釈放を要請
した。インターネット上では、自由と民主化をさらに求める19項
目の要請からなるいわゆる2008年憲章が発表された。20名ほどの
デモ隊が、北京の外務省前で、自分たちの立場を表明した。この抗
議行動は、30分後に警察によって終了させられた。ドイツ外相シ
ュタインマイアーは、この憲章に署名した教授劉の逮捕を批判し
た。彼は元哲学教授で、中国作家協会の会長も務めているが、人権
組織「人間の権利監団」の情報によれば、「国家権力の弱体化」を
非難した。

アハティサリはノーベル平和賞を受賞

(オスロ、ストックホルム)フィンランド元大統領アハティサリ
は、ノルウェーの首都で、2008年のノーベル平和賞を受賞した。
71歳の外交官で、社会民主党の政治家である彼は、ノーベル委員
会から、国際紛争と戦争を仲裁した業績が表彰された。アハティサ
リの最大の業績は、2005年にインドネシアの紛争地域アチェの内
戦を仲裁し、終結させた件と目されている。彼は感謝の演説の中
で、次期米国大統領オバマに対して、近東紛争の解決を仕事の重点
項目にするように呼びかけた。ノーベル文学、物理学、化学、医
学、経済学賞は、ストックホルムでスウェーデン国王カール グス
タフが手渡した。受賞者の中にはドイツ人の癌研究者ツア ハウゼ
ンも含まれている。彼は2人のフランス人と共にノーベル医学賞を
受賞する。




12月11日(木)

EUは気候と景気について協議

(ブリュッセル)EU加盟諸国の首脳はブリュッセルに集まり、EUの野心的な気候
保護対策について協議する。EUは2020年までに、温室効果ガスの排出を20%引き
下げるよう努力する。ポーランド、イタリア、ドイツなどの国々は、フランスが議
長を務める今回の首脳会談では、経済回復のために、厳しさを押さえた対策を求め
る方針である。ドイツ首相アンゲラ メルケルはドイツの化学企業および製鉄業に
対し、無料の環境汚染の権利を与えるように主張している。ブリュッセルからの報
道によれば、フランス大統領ニコラ サルコズィは、工業界と東ヨーロッパ諸国に
大幅な譲歩をすることで、この首脳会談が失敗に終わるのを防止しようとしていえ
る。その他EUはアイルランドに対して、いわゆるリスボン条約に関する国民投票
をやり直すべく、譲歩をする、との情報があるが、詳細についてはまだ発表されて
いない。

     その他のニュース

ベルギー警察はアル カーイダの容疑者を逮捕

(ブリュッセル)ベルギー警察はテロ組織網「アル カーイダ」に
属すると見られる14人を逮捕した。彼らは自殺攻撃の準備をして
いたが、どこで攻撃が行われることになっているか、はわかって
いない、と司法当局は発表した。攻撃目標の可能性がある場所とし
ては、ベルギーあるいはヨーロッパの他の国が考えられる。この逮
捕は、EU首脳会談が始まる数時間前で、前夜にはブリュッセルと
リエージュで手入れが行われていた。

大統領は景気後退対策に「演奏会のような行動」を求める

(ベルリン)連邦大統領ケーラーは、政界、経済界、労組に対し
て、景気後退に対して「演奏会のように協調のとれた行動」を取る
ように呼びかけた。景気後退が雇用を犠牲にするのは避けられな
い、と彼は「南ドイツ新聞」に述べた。ケーラーは、世界的な経済
危機の原因にかたをつけるため、政治家、学者を交えて、世界経済
会議を行なうように呼びかけた。また緊急の課題は、銀行相互が再
び金を流通させ、金融市場を安定させることである、とも彼は述べ
た。その他に彼は、労使双方が社会福祉での協力体制を、時代に即
したものにすることに理解を求めた。「協調のとれた行動」という
表現でケーラーは、60年代後半のような考え方を示した。当時は
大連立政権の幹部が、数回にわたってボンで経済界と労組の代表と
話し合いを行ない、戦後初めての景気後退に、協力して対処し、そ
れが成果を収めていた。

シュタインブリュックは英国政府の金融恐慌策を批判

(ロンドン)連邦蔵相シュタインブリュックは、英国の金融恐慌対
策を批判し、同国政府の立腹を招いた。米国の「ニューズウィー
ク」誌とのインタヴューで、社会民主党の政治家でである彼は、首
相ブラウン政権の減税と多額の国家の負債を、はっきりと批判し
た。シュタインブリュックは同誌に対して、ブラウンの政策は、す
べての世代が負担をしなければならない負債という結果を生む、と
述べた。ブラウンはシュタインブリュックの発言を、ドイツの国内
で起きている論争向けの表現であるとして退けた。




12月12日(金)

EU首脳会談は気候保護と景気刺激策を確認

(ブリュッセル)EUは激しい対立を乗り越えて、気候保護問題で、巨額の費用を
分担することで合意した。EU加盟27ヶ国の首脳は、首脳会談の終わりに、EUの温
室効果ガスの排出を2020年までに、1990年の水準から2割削減することを目標
とする法案を採択した。今回の気候に関する妥協からは、ヨーロッパのいわゆるエ
ネルギー大量使用国が特に利益を得る可能性が高い。、ドイツなどのEUの経済大
国は、東部および中部ヨーロッパ諸国の代わりに、負担を引き受ける。にもかかわ
らずドイツ首相アンゲラ メルケルとフランス大統領ニコラ サルコズィは、この
決定を全面的な成功である、と評価した。首脳会談はさらに、深刻な経済危機の中
で職場を確保するために、2千億オイロの大規模な景気刺激策を決定した。アイル
ランド首相ブライアン コウエンは、EU改革に関するリスボン条約をもう一度国
民投票にはかる用意がある、と述べた。一方、アイルランドは、ブリュッセルの
EU委員会の議席を今後も確保する保証を取りつけた。

     その他のニュース

国連気候会議は前進なしに終わる

(ポズナン)2週間にわたってポーランドで開かれていた世界気候
会議は、原則部分では前進なしに終了した。もっとも重要な成果
は、2009年末にコペンハーゲンで開かれる国連気候会議につなが
る今後の日程が合意したことであった。この会議は京都議定書の後
継となる協定を最終的に可決することになっている。具体的な排出
目標に関する合意は、成立していない。中進国と発展途上国を気候
変動の影響との戦いで支援するための、いわゆる適応基金に関して
も、いくつかの条項は決着がついていない。環境保護団体と発展途
上国は、ポズナンでの国連の会議に失望を表明し、この1年は気候
保護にとっては無駄に過ぎた、と述べた。

米国政府は自動車製造業に財政支援を行なう

(ワシントン)深刻な経営危機に陥っている米国の自動車産業に対
する支援策を、上院が拒否したことを受け、米国大統領ブッシュ
は、自動車製造業に短期的に7千億ドルの救済資金を、金融機関に
対する支援金の中から拠出する用意がある、との方針を示した。大
統領府は、ジェネラル モーターズ、クライスラー、フォードの各
社を救済するための、あらゆる方策を検討しているが、経済情勢が
悪化している中、この業種が破産するのを放置するのは無責任であ
る、とブッシュの広報は述べた。ジェネラル モーターズとクライ
スラーは、生き延びるためには、今年中にも巨額の支援を必要とし
ている。さまざまな集計によれば、米国では3百万ないし5百万人
が自動車製造に携わっている。上院の共和党は、求めている借金の
削減および給与の引き下げに、自動車業界が十分妥協していない、
と見ている。

リュッセルスハイムのオーペル社は失望

(リュッセルスハイム)ドイツの自動車製造業オーペル社は、米国
の打撃を受けた製造業者に対する支援策が成立しなかったことで、
当面の失望感を味わった。これによりオーペル社の親会社ジェネラ
ル モーターズの情勢は、ますます悪化する、とリュッセルスハイ
ムで同社広報は述べた。ジェネラル モーターズは、年末までに資
金面での支援が必要だ、さもなければ倒産の可能性がある、と発表
した。ただし米国大統領ブッシュが、緊急に必要な巨額の信用供与
を、金融機関むけの救済計画から支出する用意がある、と述べたた
め、オーペル社では、若干の希望を見いだしている。リュッセルス
ハイムの同社幹部は、同社は米国での混乱芋かかわらず、今後も今
まで通りの活動を行なう、と協調した。




12月13日(土)

景気刺激のため新たな資金注入を早期に決定することはない

(ベルリン)連邦首相アンゲラ メルケルと外務大臣フランク・ヴァルター シュ
タインマイアーは、首相府での危機対策会議の直後に控えて、景気刺激策の第2弾
を早期に決定するとの期待を打ち消した。さらに2人は、雇用の維持のために、あ
らゆる対策を取ることで合意した。日曜日の危機対策会議は、特に現状と2009年
の見通しについて判断を共有することが重要である、とメルケルは述べた。「シュ
ピーゲル」誌の報道によれば、連邦政府は1月に景気予想を大幅に引き下げ、経済
が2%縮小すると予想する予定である。連邦経済大臣ミヒャエル グロースは、こ
の数字は単なる推測に過ぎない、と述べた。
「経済週間」誌は、連邦政府内部では、すでに景気刺激策の第2弾が作成中であ
り、これはおそらく米国新大統領バラク オバマの就任後1月20日に発表される可
能性があり、この措置は、少なくとも300億オイロの規模になると予定されてい
る、と報じている。

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日中韓は密接な協力に合意

(東京)日本、中国、韓国は世界的な金融危機克服に、協力する方
針である。アジア北部の3大経済国、は数十年にわたり敵対関係を
続けてきたが、日本の福岡で首脳会談を開き、この協力関係で合意
した。3カ国の代表は、国内需要の活性化と、地域の外国為替市場
の振興のための対策を取ることで合意した。さらにアジア開発銀行
の資本を増強し、危機で打撃を受けているアジア諸国の支援を強化
することにもなった。

米国防相ゲイツがバグダード入り

(バグダード)米国国防相ゲイツは、近東諸国に対して、テロとの
戦いでイラク政府をさらに支援するように、と呼びかけた。イラク
が安定することで、この地域では重要な役割を引き受けることがで
きる、とバグダードを短期間訪問中のゲイツは述べた。さらに近東
諸国は、血にまみれた急進派の勢力を削ぐために、アフガニスタン
治安部隊を支援するべきである、とも述べた。ゲイツはイラクの首
都バグダードで、米国部隊の指揮官と、現状と今後の部隊の撤退に
ついて協議を行なった。次期米国大統領オバマは、戦闘部隊を16
カ月以内にイラクから撤退させる方針である。

インドとドイツの軍艦が海賊襲撃を阻止

(ニュー デリー)インド海軍はアデン湾で、エチオピアの貿易船
を海賊の襲撃から守った。当局の発表によれば、2隻の高速艇に乗
っていた23人のソマリア人とイエメン人が逮捕された。貿易船の
緊急通報があったため、軍艦1隻がヘリコプターの支援を受けなが
ら、海賊船に発砲した。またドイツのフリゲート艦メクレンブルク
・フォアポメルンは、エチオピアの輸送船の支援用生を受けて、イ
エメン沖合いで攻撃を行なっていた海賊を蹴散らした。11月には
アデン湾で、ギリシアの化学物質輸送船がソマリアの海賊に拿捕さ
れたが、これは解放された。ソマリアでの正式の発表によれば、乗
組員3人は人質事件から生還することはできなかった。




12月14日(日)

政府首脳は危機に力を傾注する方針

(ベルリン)連邦首相アンゲラ メルケルと外務大臣フランク・ヴァルター シュ
タインマイアーは、国を挙げて経済危機に力を注ぐように呼びかけた。メルケル
は、企業の経営陣、労働組合、経済の専門家が首相府で会議を行なう直前に、全体
で責任を引き受けることが重要だ、と述べた。シュタインマイアーは、力強い行動
を取ることが必要だが、それも頭を使わなければならない、と語った。
首相府での会議は、景気対策の第2弾を取るかどうかを大連立政府が決定するため
の、基盤を作りだすことになっている。

     その他のニュース

自動車製造業に対して悲観的な予測

(ヴォルフスブルク)自動車産業は、景気後退に直面し、「厳しい
変化」にさらされている、とフォルクスヴァーゲン社役員会議長ヴ
ィンターコルンは語った。来年は世界全体での総売り上げが2割減
少する、と予想している、とヨーロッパ最大の自動車製造業者の長
である彼は「南ドイツ新聞」に述べた。同社の売り上げの減少は、
約1割になるだろう、ともヴィンターコルンは述べた。

ネオナチと見られる者が警察署長を刺す

(ミュンヒェン)パッサウ警察署長マニヒルは、ネオナチと見られ
る者によって、重傷を負わされた。検察と警察の発表では、52歳
の彼は、土曜日夜に自宅前で刺されたが、その前に犯人である髪の
毛を剃り上げた男は、極右特有の言葉で侮辱していた。緊急手術を
受けたマニヒルは、回復に向かっている、とのことである。捜査当
局は、パッサウ周辺にいる極右に対する警察の活動の指揮を、マニ
ヒルが取ったことに対する報復である、と推定している。バイエル
ン州内相ヘアマンは、右翼の犯罪が新しい段階に入った、と語っ
た。

ブッシュは突如イラクを訪問

(バグダード)米国大統領ブッシュは、と突然イラクを訪問し、イ
ラク政府との安全協定の意義を強調した。彼はイラク大統領タラバ
ニと会談した後、この協定は、米国の安全を確保し、イラクに希望
を生み、世界平和を維持するために欠かせない、と強調した。この
安全協定は3週間前に、イラク国会で可決され、米軍を2011年ま
でに撤退させる、という内容を含んでいる。ブッシュはこの短期訪
問の間にも、派遣中の米兵に感謝の言葉を述べる方針である。彼は
2003年春に戦争が始まってから、イラクを訪問するのは4度目で
ある。




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