12月8日〜14日のオーストリアのニュース



12月8日(月)

     国外ニュース

アテネ中心部で多数の放火

アテネの暴動では、暴力が再燃し、新たな段階に対っている。約
1万人が平和的に抗議を行なった後、月曜日夜にはギリシアの首都
アテネの中心部では、激しい暴動となった。約4千人の若者が暴力
をふるい、市の中心部を火の海に変えた。情勢は全く掌握できない
もようである。非常事態宣言が出されるのではないかとの噂は、す
でに広まっているが、政府はこれを否定している。

     国内ニュース

シュピンデレガー「EU改革条約の修正は議題にならない」

EU改革条約をめぐる危機を解決しようとする首脳会談まで4日とな
り、外相ミヒャエル シュピンデレガーは字句の修正を行なう可能
性はない、と述べた。EU各国の外務大臣による協議が、月曜日に
ブリュッセルで行われ、「EU条約の修正は問題としてとりあげら
れない、とオーストリアは見ている」と彼は述べた。改めて条約を
修正するのは目標にはなりえない、「そんなことをすると再びパン
ドラの箱を開けることになるからだ」と述べた。「我々にとっても
っとも重要なのは、この首脳会談でリスボン条約が、2009年に発
効できるように土台を据えることだ。これが重要なのはオーストリ
アにとってだけではない。」と彼は強調した。EUがアイルランド
に対して、どのような政治宣言を認められるかが重要であるが、中
立性と妊娠中絶の問題は、「どちらかと言えば簡単な問題」である
とも認めた。




12月9日(火)

     国外ニュース

ギリシアで死亡した少年の葬儀後に衝突が発生

ギリシアでは情勢はまだ爆発の可能性がある。警察によって射殺さ
れた15歳の少年の葬儀が行われた後の火曜日夜にも、アテネでは
暴動が発生した。警察は、投石を行なうデモ隊に対して催涙ガスを
使用した。水曜日には労働組合は全面ストを行なうように呼びかけ
ている。航空運輸でもストライキが行われる予定である。暴動の被
害は、現時点ですでに10億オイロにも登る可能性がある。ギリシ
ア首相カラマンリスは、国民が一体になるように呼びかけた。

     国内ニュース

国民評議会は公務員給与を引きあげる

国民評議会は水曜日に、新政府の閣僚が宣誓を行なってから初めて
の採決を行なう。まず公務員の給与の3.55%引き上げが承認され
る。国会議員スサネ ウィンター(自由党)とペーター ウェステ
ンターラー(未来同盟)が、法務省の申し入れに基づいて不逮捕特
権が剥奪されて、引渡しを行なうかは、かなりの論議を呼ぶ。会議
の冒頭の議題は、ブリュッセルでまもなく行われるEU首脳会談が
おおきなものである。社会民主党は、「EU内での金融恐慌、経済
成長、エネルギーと環境政策。オーストリア連邦政府の立場」を、
時事問題の議題に選んだ。




12月10日(水)

     国外ニュース

国連「長期的難民は6百万人」

国連の集計によれば、世界各地で6百万人ほどが、戦争やその他の
危機で、長期的に難民となっている。彼らは主として、国際社会か
ら十分な支援を受けられない貧しい国々で、なんとか生きている、
と昨日難民高等委員アントーニオ グテレスは批判した。元ポルト
ガル首相である彼はジュネーヴで、住民が逃げ出さざるを得ないほ
ど、紛争の危険をはらむ地域は少なくとも30あり、彼らは何年も
前から、生まれた国に帰ることができていないが、これらの多くは
アフリカとアジアにある、と述べた。多くの難民が困難な情勢に直
面して、他国に移住しようとしているが、これは彼らが人身売買な
どの犯罪の餌食になる原因となっている、とも語った。

     国内ニュース

国民評議会はウェステンターラーとウィンターの引渡を認める

国民評議会は昨日午後、国会議員スサネ ウィンター(自由党)と
ペーター ウェステンターラー(未来同盟)の不逮捕特権を剥奪し
た。ウィンターの「引き渡し」は全会一致での賛成となったが、ウ
ェステンターラーについては、未来同盟の議員が反対した。引渡要
請は、ウィンターはグラーツ検察から、ウェステンターラーはウィ
ーン検察からである。ウィンターに対しては、宗教教義と扇動の誹
謗容疑で捜査が行われている。彼女はグラーツ地方議会選挙で、預
言者ムハンマドが6歳の少女と結婚し、「現在の法制度でなら幼児
暴行」である、との見解を述べていた。ウェステンターラーは、ウ
ィーンでのサッカー欧州選手権の試合を訪れた後、警官をはね、ひ
ざに軽傷を負わせた容疑が持たれている。彼の容疑は、行政職員に
対するもので、重大な傷害と検察に対する抵抗と見なされている。




12月11日(木)

     国外ニュース

EU改革に関するアイルランド2度目の国民投票に道が開かれる

EU首脳会談は、改革に関するリスボン条約を廃案にしないための
妥協に、原則的に合意した。この条約はアイルランドが2009年に
2度目の国民投票を行なうことを含んでいる。一方EUは、EU委員
会を18議席へと縮小するとの計画を捨てた。アイルランドを含む
すべての国が、将来も1人の委員を出すことになる。この妥協はEU
の首を絞める、と見ている人もおり、EU委員会は、旧ユーゴスラ
ヴィア諸国などへの次回のEU拡大を行なってしまえば、この委員
会はもはや、今以上の行動力を持つことはないだろう、と見てい
る。

     国内ニュース

アイルランド産豚肉180トンがオーストリアに到着

ダイオキシンに汚染されたアイルランド産の豚肉に関する問題が、
今度はオーストリアにも波及する。国内の2つの大きな食肉製造業
者は、木曜日に公表した。この肉はドイツから購入したもので、そ
の中にはアイルランドからの豚肉も含まれているが、商品はすでに
回収されている、とのことである。厚生省によれば、最大で180ト
ンの汚染された肉がオーストリアに到着し、その一部はすでに食べ
られたが、倉庫にはすでにダイオキシンに汚染されていない肉が確
保されている。




12月12日(金)

     国外ニュース

エクアドルは国家の負債の支払いを拒否

エクアドルは国外の国際の金利の支払いを停止した。月曜日に期限
が来る3千1百万ドルの資金は支払われない、と左派の大統領ラフ
ァエル コレアは昨日述べた。この負債は「違法」なものであり、
出資者には再編成の提案を説明する、とも述べた。エクアドル政府
には、法廷闘争を行なう用意がある、とも述べた。「我々は、真の
怪物が誰かを知っている」とコレアは述べた。アンデスの石油輸出
国である同国は、38億ドルの国外公債を発行し、あわせて1百億ド
ルの負債を抱えている。エクアドルはこの10年で2回、期日通りに
金利を支払いそこねている。米国の民間銀行の意見では、コレアが
金利の支払いを中止するのは政治信念上の理由からで、外国の投資
家の投資行為を拒否しているからである。今回は2012年に期限が
切れる国債が問題となっている。

     国内ニュース

プレルはゼメリング・トンネルの建設を予告

ゼメリング基幹トンネルの建設に、青信号がともる模様である。ニ
ーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は、以
前はこの建設計画にもっとも強硬に反対するうちの1人出会った
が、突然、この建設に対して賛成する発言を行なった。その理由と
して、以前のトンネル建設計画の代案として、より環境に影響を与
えない計画を検討している、とか立った。このトン得るは2015年
には通行可能になる、とも語った。




12月13日(土)

     国外ニュース

パキスタンはインドが領空を侵犯したと非難

パキスタンは、インドが領空を侵犯したと非難した。インドの航空
機がパキスタンのカシミール地方の国境を越え、戦闘機に追い出さ
れた、と空軍広報が発表した。パキスタン情報大臣シェリー レフ
マンは、インド空軍は、これは手違いであったと発表した、と述べ
た。ムンバイのテロ攻撃の後、それまでも冷淡な関係であった国境
を接する両国の関係は、さらに緊張が高まった。インドの発表によ
れば、このテロ攻撃の犯人は、パキスタンからやって来たとのこと
である。

     国内ニュース

フィッシャーが近東訪問

連邦大統領ハインツ フィッシャーと、その妻マルギート フィッ
シャーは、日曜日にイスラエルとパレスチナ地域を公式訪問する。
水曜日までに、エルサレム、テル アヴィヴ、ラマラを訪問し、イ
スラエル首相シモン ペレス、パレスチナ大統領マハムード アッ
バスを含む政界の用心と一連の会談が予定されている。主要な議題
は、両国関係のさらなる強化と、近東和平の努力の継続、そしてこ
れに対するヨーロッパの関与である。フィッシャーに随行するの
は、新外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)、国防大
臣ノルバート ダラボス(社会民主党)、教育大臣クラオディア 
シュミート(社会民主党)、経済会議副議長リヒャルト シェンツ
などの大代表団である。今回の訪問は、2004年10月にモシェ カ
ツアフがイスラエル大統領として初めてオーストリアを正式訪問し
た返礼である。フィッシャーの前には、1994年に当時の連邦大統
領トーマス クレスティルがイスラエルを訪問していた。




12月14日(日)

     国外ニュース

ドイツ危機首脳会談でメルケルは「国をあげた行動」に賛成

ドイツ連邦首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)と副首
相フランク・ヴァルター シュタインマイアー(社会民主党)は、
深刻な経済恐慌に対して、国をあげて行動を起こすように呼びかけ
た。政界、経済界、労働組合は、一つの目標に向かって進まなけれ
ばならない、とも述べた。「我々が一緒になって、責任を引き受け
なければならない」とメルケルは日曜日にベルリンで開かれた、最
高経営陣、労組連合、経済学者の首脳会談を前に述べた。ドイツ連
邦政府は、景気を単独で下支えすることはできない、とも語った。
シュタインマイアーは、協力して行動を取ることに理解を求め、国
は負担軽減を目指さなければならない、と述べた。この会議によっ
て決定が下されることは期待されていなかった。

     国内ニュース

減税でプレルは「大きな一石を投じる」と約束

副首相で大蔵大臣のヨーセフ プレル(国民党)は、日曜のテレヴ
ィ番組で、次回の税制改革の予定を初めて発表した。クリスマスの
直後には、彼はこれを審査させる方針で、復活祭前にも国会にこの
法案を亭主つるすことになっている。ただし負担の軽減は1月から
始まるが、法案が通るまでの期間の分の貸し方は、事後的に処理さ
れる、とプレルは説明した。改革の規模があまりに小さすぎる、と
いう意見を彼は退け、子供がいる人などに対しては、特に優遇した
措置をとって、15カ月目の給与を支払う、とも述べた。これらは
みな、「大きな一石」である、とプレルは見ている。




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