12月15日〜21日のオーストリアのニュース



12月15日(月)

     国外ニュース

国連特使がニジェールで誘拐されたか?

ニジェールでは、カナダ人の国連特使が、誘拐の犠牲者になった可
能性がある。西アフリカの同国の政府広報は、このロバート ファ
ウラーの乗った自動車が、首都ニアメの北西部にあるカルマ近郊で
発見された、と発表した。この車で、国連の高官派日曜日に、2人
の随行員とともに、当局の許可なく外出していた。車内からは、携
帯電話3台と、カメラ、上着が発見されたが、ファウラーと随行員
の痕跡は見つからなかった。政府広報によれば、この自動車は土曜
日からトーゴで登録された自動車に追跡されていた、とのことであ
る。国連は、3人は国連食料計画の車を使っていたが、彼らの身も
とや国籍に関する情報は明らかにしなかった。ファウラーはニジェ
ールで正式の活動中ではなく、当局の招待で、同共和国建国50周
年の記念式に出席するつもりであった。彼が国連のために活動する
のは、これで2度目であった。

     国内ニュース

学生の数は再び増加に転ずる

オーストリアの大学は、学生数が際限なく増加するのに直面してい
る。今年度の冬学期には、約28万8千5百人が、オーストリアの21
の大学に登録している。これは昨年の23万3千46人より2.4%の増
加である。また初めてオーストリアの大学に登録した学生数の増加
も、2.3%である。この数は昨年の3万4,963人から、約3万5千8百
人に増えている。これは11月末の登録期間終了後の大学の報告に
基づくもので、科学省はこれをAPA通信の照会に答えて発表した。
学生数は2001年から比べて22%の増加である。




12月16日(火)

     国外ニュース

国連はソマリア本土で海賊狩りを行なうことを認める

国連安全保障理事会は、ソマリア沖で外国の軍隊が、海賊の追求を
行なっているのを、今度はソマリア本土と空域へも拡大するのを認
めている。同理事会はニュー ヨークで1851号決議を行ない、ソ
マリア海域を巡回する軍に対して、新たな命令を出すことを認め
た。この命令は2009年11月までの12カ月の期間に限定されてい
る。この決議は世界各国と国際的な組織に対して、海賊との戦いに
できる限り参加するように求めている。ソマリア沖での艦船の襲撃
事件が急速に増加しているため、アフリカの角の地上の情勢は目に
見えて悪化しており、国際平和にとって、脅威となっている。また
安保理は、海賊の証拠を集め、実際に利用できるように、この地域
の情報本部を作るように、との提案も行なった。

     国内ニュース

フンツトルファー「賃上げの断念は議題とならない」

社会福祉大臣ルードルフ フンツトルファー(社会民主党)は火曜
夜、「労働市場の活性化のための措置として、賃上げを断念するの
は議題にはならない」との立場を明確にした。彼の「ティロール新
聞」と「フォアアルルベルク通信」でのこの発言は、短時間労働に
関するもので、短時間労働とは、被雇用者が緊急時に、短時間働い
て、それの代償として小額の賃金を受け取るもののことである、と
報じられている。被雇用者が「同じ量の仕事に対して、より少ない
賃金を受け取る」ということは話にならない、と彼は述べている。




12月17日(水)

     国外ニュース

スロヴェニアとの国境紛争でクロアチアのEU加盟計画はぐらつく

スロヴェニアとの国境紛争が明らかになってきたため、クロアチ
アが2009年末までにEU加盟交渉を、うまく取りまとめるとのク
ロアチアの予定は、もはや確実なものではないかもしれない。ス
ロヴェニアからは、いずれにせよ、金曜日の時点で交渉開始に拒
否権を発動して阻止する、との牽制が行われた。クロアチア政府
は、この「前例のない」措置に怒りを表明した。一方スロヴェニ
ア政府は、この牽制によって、EU内部でより重要な声が起きる
ことを期待している。

     国内ニュース

ハイダーの血液を再検査

ケルンテン州首相ハイダーが事故で死亡してから2カ月以上たっ
たが、改めて捜査が行われれる。未亡人クラオディア ハイダー
がこのところ再三に渡って、夫イエルクの血液から大量のアルコ
ールが検出されたことに対して、疑問を投げかけていたためであ
る。今回はハイダーの血液が、未亡人の申し入れに応じて、調査
される、と検察は発表した。




12月18日(木)

     国外ニュース

パッサウ警察所長襲撃事件で警察は右派勢力を調査

パッサウの警察署長マニヒルがネオナチにナイフで切りつけられて
からほぼ1週間、犯人は今なお逃走を続けている。警察は精力的に
捜査を行なっており、極右勢力の活動全体を調査しているが、バイ
エルンだけではなく、オーバーエスターライヒ州へも捜査を広げて
いる。ただし現地警察署長リースルは、犯人はインフィルテル出身
ではない、と考えている。ただし彼は、ドイツとオーストリア国境
の両側で、ネオナチが密接に接触していることを認めざるをえなか
った。

     国内ニュース

司法「調査委員会を常時設置することはできない」

司法の権利保護の代議員であるゴットフリート シュトラサーは、
少数派の権利として、国会の調査委員会設置を歓迎している。ただ
し、この調査委員会を国会に常時設置することは許されない、と昨
日のテレヴィ番組で彼は述べた。今までこの新たな規則について
は、国民党が長年反対していたが、5つの会派すべてがこれに合意
した。




12月19日(金)

     国外ニュース

ベルギー国王は内閣辞職を当面受け入れず

ベルギー国王アルベール2世は昨晩、閣僚の辞職願を当面受け取ら
ない意向である、と発表した。首相イヴ レテルメはこれより前
に、全閣僚の辞任に関する申し入れを行なっていた。その背景に
は、金融会社フォルティス銀行のフランスの銀行BNPパリバへの売
却をめぐる疑惑がある。ベルギーの最高裁判所は午後に、ベルギー
政府がこの件で、司法に対して圧力を行使したことを示す「重要な
証拠」があることを認めていた。ベルギー法務大臣ヨ ヴァンドゥ
ールゼンは、このため昨晩に辞任を表明していた。これより前には
レテルメは留任する方針で、政府は副首相で大蔵大臣のディディエ
 レインデルスは、夜間に行われた緊急会議の後で、政府は続投す
る方針である、と述べていた。この事件では、レテルメも担当裁判
所に圧力を行使していた、とされている。

     国内ニュース

オーストリアの汚職で欧州会議は厳しい批判

欧州会議は、汚職が広範に拡大していることを確認している。汚職
はイタリアなどだけでなく、オーストリアにもまん延している。汚
職は多くの分野で議事日程に上がっており、「どの分野も汚職では
免責される事はない」と今回公表された報告書には記されている。
もっとも激しく批判されている分野の一つは、警察と検察で、あま
りに強く政治からの影響力を受けている、とされている。




12月20日(土)

     国外ニュース

アテネのデモは企業の建物に放火

覆面をしたデモ隊が昨晩、アテネで建物に放火した。これより前に
警察は、市の中心部にある巨大なクリスマス トゥリーにゴミを投
げつけた活動家に対して、催涙スプレーを使用していた。その他夜
には、約150人がゴミ袋を枝からぶら下げ、警察と暴力的に衝突し
た。クリスマスの祭典で、若者たちはアテネ市長にこのパイを投げ
つけた。2週間前には警察が出動した際に、15歳の若者が死亡して
いた。

     国内ニュース

シェンゲン条約の拡大から1年 フェクターが総括

オーストリアは、2007年12月に国境監視をやめて以来、前年の同
時期と比較して、犯罪行為が3.3%減少した。これは内務大臣マリ
ーア フェクター(国民党)が、2007年12月20日にシェンゲン
条約拡大1年をきっかけに発表した。不法移民などの逃亡幇助など
の分野では、特に大きな成果が上がった、とフェクターは昨日述べ
た。「オーストリア国内では、直接の国境監視を、柔軟で大規模な
国境監視に切り替えた。隣国と一緒に国境通過の業務を協力するこ
とに力を注ぎ、専門的に行なうことになった」とも語った。




12月21日(日)

     国外ニュース

EU・ブラジル首脳会談がリオで開催

リオ デ ジャネイロで第2回EU・ブラジル首脳会談が開かれる
が、両者は戦略的協力関係を作り上げるための努力の日程を、月曜
日に確定させる方針である。EUを代表して、現在の評議会議長で
あるフランス大統領ニコラ サルコズィと委員会議長ジョゼ マヌ
エル バローゾが出席する。主催者ブラジル大統領ルイース イナ
シオ ルーラ ダ シルヴァとの話し合いでは、国際金融恐慌、天
候変動、エネルギー供給、南アメリカの政治情勢について議論が行
われる。引き続き火曜日には、サルコズィがブラジルを正式訪問す
る。

     国内ニュース

自由党はハイダー未亡人の評価を得ようと努力

自由党の党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは月曜
日、3月1日に行われるケルンテン州議会選挙に向け、「最高の筆
頭候補」を提示する方針である。自動車事故でなくなった州首相イ
エルク ハイダーの「遺産」を守るのは、未来同盟ではなく自由党
であるのは疑問の余地がない、とシュトラーヒェは考えている。こ
の目標を達成するために、シュトラーヒェはハイダー未亡人クラオ
ディアの支持を得ることをに力を注いでいる。シュトラーヒェは自
由党支持者の中に、何としても彼女を含める意向である。




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