12月29日〜31日のドイツのニュース



12月29日(月)

イスラエル軍はハマースの重要な施設を破壊

(エルサレム)イスラエル空軍は、3日続けてガザ帯状地帯を攻撃し、ハマースの
重要な拠点に爆撃を行なった。攻撃目標となったのは、イスラーム教大学、ハマー
ス政権の首相イスマイル ハニーヤの事務所、ガザ市にある治安部隊の建物であ
る。イスラエル国防大臣エフド バラクは、ハマースと交渉を行なう可能性を否定
し、イスラエルは急進派イスラーム教徒にパレスチナ人組織に対して、「戦争」を
行ない「厳しい終末」を突きつける、と国会で述べた。またがざ帯状地帯との国境
に出撃させる部隊を増強し、行われる可能性のある地上軍による攻撃のため、予備
役を招集した。ただしイスラエルは、ガザ帯状地帯へつながる国境通過地点を開放
し、支援物資を通過させている。イスラエル側が攻勢に出ているにもかかわらず、
ハマースはアシュケロン市で、再びイスラエルに向けてミサイルを発射した。これ
により労働者1人が死亡した。土曜日に空爆が始まって以来、3百人以上が死亡し
た、とパレスチナ側は発表している。

     その他のニュース

ヒズブッラー支持者はベイルートでの追悼式に集まる

(ベイルート)ガザ帯状地帯でのイスラエルの攻勢に抗議して、ア
ラブ諸国の複数の年で、数万人が路上に繰り出した。レバノンの首
都ベイルートでは、急進派イスラーム教徒のヒズブッラー民兵が、
殺されたパレスチナ人の追悼集界を呼びかけた。エジプトの首都カ
イロでは、急進派イスラーム教徒の同胞の支持者数千人が、抗議デ
モに集まった。ヨルダンとイラクでも、改めて抗議活動が行われ
た。イスラエルの行動の他、自国政府の行動が遅れていることも批
判されている。急進派イスラーム教徒のハマースへの対処では、ア
ラブ世界の指導者たちは、全く違った方針を示している。特にエジ
プトは、ガザ帯状地帯との境界を閉じたままにしているため、イス
ラエルと「共犯」であると非難されている。

メルケルは近東紛争の激化に警告

(ベルリン)連邦首相メルケルは、イスラエルがガザに対して進攻
を開始してからの、近東紛争の激化に警告を発し、政治的な交渉に
立ち戻るように求めた。イスラエル首相オルメルトとの電話会談
で、両者は急進派イスラーム教徒ハマースが、事態の悪化を引き起
こしたという点では意見が一致した、と政府候補代理シュテークは
発表した。一方米国はハマースに対して、イスラエルをミサイルで
攻撃するのを中止するように呼びかけた。大統領府の態度声明の中
で、暴力終結の前提条件として、ハマースがイスラエルとの長期的
な停戦に賛成することを挙げた。ニュー ヨークでは、国連事務総
長潘は、両者に対して、暴力を中止するように呼びかけた。

バングラデシュの選挙で左派が首脳部入り

(ダッカ)バングラデシュの国会議員選挙は、最初の投票所の集計
が終わり、左派のシェイク ハシナ ワジェドのアワミ連盟が勝利
する見込みである。選挙委員会の発表によれば、同党は今まで明ら
かになった結果では、筆頭候補クハレダ ジアが率いる、対立する
国民党BNPに対して大きく優位に立っている。暫定結果は火曜日に
発表される予定である。8千万人以上の有権者が、月曜日に新国会
議員を決める投票を行なうように呼びかけを受けた。選挙監視団の
発表によれば、投票率は約70%である。2年間にわたる非常事態宣
言の後、バングラデシュでようやく行なわれる自由な選挙が円滑に
終了するために、65万人以上の治安部隊が動員された。




12月30日(火)

イスラエルは数週間に渡る戦闘を準備

(エルサレム)イスラエルは、ガザ帯状地帯への侵攻を開始して4日目も、停戦の
呼びかけすべてを拒否し、長期の戦闘に向け準備を進めている。イスラエルには、
長い期間の戦闘の準備ができている、と国防大臣代理マタン ヴィルナイは述べ
た。それにもかかわらずフランスは、火曜日夜にイスラエルに対して、パレスチナ
人居住区での48時間の停戦を提案したが、イスラエル首相エフド オルメルトは
拒否した。彼の広報は、今回の攻勢は、目標すべてを達成するまでは終了しない、
と述べた。空軍は、急進派イスラーム教徒ハマースを目標として激しい攻撃を行な
い、火曜日には少なくとも10人が死亡した。絨毯爆撃が行なわれ、さらに犠牲者
の数が大きく増えているにもかかわらず、ハマースもあいかわらず譲歩の姿勢を見
せていない。武装パレスチナ人は、イスラエルに向けて、ミサイルと榴弾20発以
上を打ち込んだ。土曜日以降、4百人近くがガザ帯状地帯で死亡している、とパレ
スチナ側は発表した。イスラエル側では、武装パレスチナ人のミサイル攻撃によ
り、今までに少なくとも4人が死亡している。
EU加盟国の外務大臣は夕刻、パリでの緊急会議に集まり、情勢を協議した。

     その他のニュース

EU委員会はガザ帯状地帯の情勢に懸念

(ブリュッセル)EU委員会は、イスラエルと急進派イスラーム教
徒ハマースに対し、即時ガザ帯状地帯での暴力の行使をやめるよう
に、と呼びかけた。EU委員会は、より多くの支援物資と医薬品
を、パレスチナの湾岸地帯へ運びこむのを認め、負傷者の手当ての
ために緩衝地帯を作るようにイスラエルに求め、ガザ帯状地帯の病
院が置かれている状況は、劣悪である、と述べた。

シュタインマイアーは近東での人道的な停戦を支持

(ベルリン)外相シュタインマイアーは、近東での「人道的停戦」
に賛成した。彼はイスラエル国防相バラクと、シリアおよびエジプ
ト外相と電話で会談し、この紛争をこれ以上激化させないようにと
警告し、もしそうしなければ、建設的な議論を行なうアラブ側の交
渉役が、和平実現に向けた合意から目をそらすことになる、と外務
省は発表した。もしそうなれば、今後長年にわたって平和実現の見
通しが妨げられることになろう、とシュタインマイアーは述べた。

ベルギーに新首相誕生

(ブリュッセル)ベルギーの政権の危機は解決された。首相レテル
メが辞任してから11日、国王アルベール2世は、彼の後継者として
ファン ロンパイに宣誓させた。フラマン側のキリスト教民主党員
である彼は、5党による連立政権を継続する方針である。閣僚人事
もおおむね変更しない。金曜日には国会が、新政権を信任すること
になっている。61歳のファン ロンパイは、今まで国会議長を務
めていた。首相レテルメは、フォルティス銀行の破綻をめぐる事件
で、辞任していた。




12月31日(水)

イスラエルは停戦を求める声を退ける

(ガザ市)諸外国が停戦に向けて努力しているにもかかわらず、イスラエル空軍に
よるパレスチナ人の住むガザ帯状地帯への空爆は続いている。代わりに武装パレス
チナ人は、イスラエル南部へのミサイル攻撃を再び行なった。フランスが48時間
の停戦を提案したが、イスラエルの安全保障内閣は、これを拒否した。これは「非
現実的」であり、停戦をしても、急進派イスラーム教徒のハマースによるミサイル
攻撃とテロの終了を保証することはできないし、停戦を行なう条件が整っていな
い、と首相エフド オルメルトは強調した。カイロで開かれたアラブ連盟の閣僚会
合では、同連盟事務長アムレ ムサは、パレスチナ人に対して、内部の対立を解消
するように呼びかけた。彼は、ハマースとファタハが緊張しているため、この紛争
が起きていると述べ、パレスチナ大統領マハムード アッバスは、イスラエル軍の
攻撃をなす術もなく傍観している、と非難した。今までのところすくなくとも
390人のパレスチナ人が死亡した。

     その他のニュース

イラクは駐留協定に署名

(バグダード)イラクの多国籍軍に関する国連の委託期間が切れる
のを直後に控え、イラク政府は英国およびオーストラリアとの駐留
協定に署名した。その中で、現在今なお4千1百人の英国兵士と約
1千人残っているオーストラリア人が、今後7カ月はそのまま活動
するための条件が明記されている。その後はイラクに駐留するのは
米兵だけとなる。他の国々が派遣している兵士はもっと少ないが、
国連の委託が切れるため、年末までにイラクから既に退去してい
た。

ロシアとウクライナのガスをめぐる対立は行き詰まる

(モスクワ)ロシアとウクライナのガスをめぐる対立は、ロシア側
が設定した期間が終了する数時間前になっても、解決は見えてこな
い。ロシアの独占ガス会社ガスプロム社は、1月1日の中部ヨーロ
ッパ時間の8時に、ガスの輸送を中止する、と威嚇している。ウク
ライナが、15億ドルの借金の大部分を支払ったが、情勢は全く変
わっていない。ロシアは、約5億ドルの延滞金の支払いを求め、大
幅なガス価格の値上げを含めた、新たな供給契約の締結を求めてい
る。ウクライナはこれを拒否している。供給停止が行なわれれば、
ウクライナは西ヨーロッパ向けのガス輸送管を外すと威嚇している
ため、西ヨーロッパのガス供給が損なわれる可能性もある。

首相メルケルは2009年を楽観視

(ベルリン)連邦首相メルケルは、新年の演説の中心に、世界的な
経済恐慌と戦うための計画を置く。社会的市場経済の原則に従う、
国境を越えた規則を各国が導入しなければならない、と彼女は述べ
た。国内的には、雇用を確保するために、未来を目指した投資をす
ることが重要である、とも語った。彼女はドイツ人に対して、経済
恐慌のさなかでも自信をもって新年に向かうように呼びかけ、ドイ
ツは2009年も国力と実証された力をあてにすることができる、と
述べた。メルケルは演説の中で、さらに国民の税負担の軽減を行な
うと約束したが、この点については具体的には述べなかった。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system