1月5日〜11日のオーストリアのニュース



1月5日(月)

     国外ニュース

クリントン政権の主席顧問パネッタがCIA長官に就任との報道

米国の次期大統領バラク オバマは、ビル クリントン大統領時代
に大統領府の主席顧問を務めたレオン パネッタを、秘密情報部
CIAの新長官に就任させる方針である、と報じられた。それによれ
ば、さらにオバマは退任した将軍デニス ブレアを、国内秘密情報
部長にすると決定した。この職につけば、ブレアは米国の諜報機関
16すべての調整を担当することになる。

     国内ニュース

休みの短縮に国会議員の反応はさまざま

国民評議会議長バルバラ プラマー(社会民主党)は、国民評議会
の夏休みを、大幅に短縮することに賛成したが、国会議員による議
論が行なわれることは歓迎されている。ただし国会議員は、本会議
は自分たちの仕事の一部、それも小さな一部でしかない、と強調し
ている。国民党のフランツ グラーサーは、「これは人気取りの態
度表明で、根拠は全くないと思う。国会議員はみな、自分の選挙区
で働いており、会議を招集する必要があれば、招集することができ
る。私は国会の会議は、今のままにしておいてほしい」と述べた。
緑の党の女性問題の専門家ユーディット シュウェントナーは「こ
の問題で公平を保つのは難しいが、自分は国会議員も、普通の被雇
用者同様、5週間の休暇を取るのに賛成だ」と述べた。社会民主党
の財政の専門家カイ ヤン クライナーは、「会議がない日も休日
ではない」と述べた。プラマーは、自分の発言は未来同盟が長年求
めていたことに合致する、と述べていたが、同党のウルスラ ハオ
プナーは、次の国民議会にこれに関する動議を提出する、と述べ
た。




1月6日(火)

     国外ニュース

イスラエルは停戦の条件を提示

イスラエルはガザ帯状地帯での地上軍の攻勢をさらに拡大している
が、各国の危機外交は、少なくとも最低限度の成果を挙げることが
できている。初めてイスラエル首脳部は、停戦は行なう可能性があ
る、という姿勢を示した。首相オルメルトは、ガザ帯状地帯で停戦
が行なえるのは、ミサイル攻撃を中止し、武器の密輸をやめるとい
う約束を、拘束力を持つ形で定めた場合に限られる、と述べた。さ
らに支援物資をガザ帯状地帯に運びこむための「人道的な通路」を
開く、と予告した。

     国内ニュース

ファイマンは伝統にのっとりスイスを初めての国外訪問先に

ウェルナー ファイマン(社会民主党)は、連邦首相としての最初
の相互訪問を水曜日の行なう。行き先は隣国スイスである。彼はベ
ルンで、現在のスイス連邦大統領で大蔵大臣のハンス・ルードルフ
 メルツ(自由党)と経済大臣ドーリス ロイトハルト(キリスト
教民主党)、外務大臣ミシェル カルミ・レ(社会民主党)と会談
をする。両国関係に関する問題の他、ヨーロッパ問題、金融恐慌お
よびこれに関連する世界経済の見通しが議題としてとりあげられ
る。




1月7日(水)

     国外ニュース

バスクでは地方選挙を前に主要政治家が法廷に立つ

スペイン北部バスクでの地方議会選挙まで数週間、主要な対立候補
の2人が法廷で責任を問われる。ビルバオのバスク最高裁判所は、
穏健派の民族主義「バスク国民党」のバスク政府首相フアン ホセ
 イバレチェおよび、バスク社会党党首パチ ロペスに対する訴訟
を取り扱っている。彼らは2006年に、数回にわたりバタスナ党の
代表と会っていたためである。バタスナは、地下組織ETAとつなが
りがあるため、3年前に禁止されていた。両政治家は、この会議は
バスク地方の和平実現に貢献するためのものであった、と主張して
いる。

     国内ニュース

自動車業界の首脳は販売会社に対する支援策を取りまとめる

首相府では木曜日に、危機に揺れる自動車業界の支援のための「首
脳会談」が行なわれる。自家用車の販売が大幅に落ち込んでいるた
め、短時間労働の規則を拡大し、さらに柔軟なものにすることにな
っている。工業界は技能習得の認定措置を増やし、(職安にあた
る)オーストリア労働市場局に対して、受注の少ない時期を越えて
重要な専門職労働者が働けるように、一種の「保証金」を支払うよ
うに求めた。オーストリアでは自動車販売業に20万人ほどが働い
ている。




1月8日(木)

     最新ニュース

ガスをめぐる対立で新たな動き

ロシアとウクライナのガスをめぐる対立で、再び動きがあった模様
である。EU評議会議長のチェコ首相ミレク トポラーネクとロシ
ア首相ウラジミール プーチンは、ガスの輸送上重要なすべての地
点に、監視団を派遣することで合意した、とEU評議会が木曜夕刻
に、声明の中で発表した。監視団の派遣が、ロシアのEU諸国向け
のガス輸送再開につながる、とされていた。トポラーネクは、プー
チンのほかドイツ首相アンゲラ メルケルとも電話で会談してい
た。

     国外ニュース

トルコでは将軍逮捕後に不安

退役した将軍3人の逮捕で、トルコは大きな不安が広がっている。
彼らには、首相レジェップ タイップ エルドアンを失脚させよう
とした、との容疑が持たれている。そのため参謀本部長イルカー 
バスブグは、情勢を協議するために、急遽木曜日にエルドアンおよ
び大統領アブドゥッラ ギュルと会談した。暴動が起きる懸念が、
トルコの株式相場は約5%値下がりした。この将軍3人は、イスラ
ーム教を志向する政府を追い落とそうという陰謀に関与したとし
て、昨日逮捕された40人に含まれている、と検察は発表した。こ
れらの将軍の他に、将校9人も逮捕された。トルコでは、極端な民
族主義組織「エルゲンコン」に所属し、武装蜂起を計画したとされ
る86人の裁判が行なわれている。

     国内ニュース

国民評議会議長グラーフは社員の味方をする

国民評議会第3議長マルティン グラーフ(自由党)は、明日自分
の会社の社員数人が商品を注文したとされる出版社とは、距離を保
つと予告した。グラーフはこの社員の解雇については何も知らな
い、と主張した。国民評議会議長のバルバラ プラマー(社会民主
党)とフリッツ ノイゲバオアー(国民党)が、緊急性があるため
今日公表した声明によれば、グラーフは、社員がナチのTシャツや
本、旗を注文したとされる混乱を生んだ出版社とは距離を取ると表
明している。




1月9日(金)

     国外ニュース

グルジアと米国は戦略的協力関係を結ぶ

グルジアと米国は昨日、戦略的協力関係に関する協定に署名した。
この条約は、防衛、貿易、エネルギーの安定の分野での協力を拡大
するためのものである、と米国外務大臣コンドリーザ ライスは署
名式典で述べた。グルジアを代表して外務大臣グリゴル ヴァッシ
ャゼが署名を行なった。米国外務省はこれに先立ち、米国政府は、
グルジア政府を支援し、治安、民主主義、経済の分野での改革を進
めるのに協力するだけでなく、両国の協力を前進させ、ヨーロッパ
と米国のつながりの中にグルジアをより深く取り込むことになる、
と発表していた。米国政府は、旧ソ連の共和国グルジアとウクライ
ナをNATOに取り込むことで、ロシアが怒るのを懸念している。

     国内ニュース

犯罪告発の統計によれば青少年犯罪が増加

まずよい報告から。オーストリアでの警察への告発の数は、前年と
比較して減少した。あわせて3.6%、21.545件の告発が行なわれ
た。ただし内務大臣マリーア フェクター(国民党)は昨日、
2008年の統計を発表するにあたって、「喜びの声をあげるのを」
急ぎすぎないように、と警告した。というのは、児童および青少年
の犯罪の告発の減数が、急速に上昇しているのが不安を生んでい
る、との傾向が見られるからである。10歳から14歳の少年たちに
よる犯行の告発の数は、前年と比べて25.8%上昇し、14歳から
18歳の青少年の犯罪の告発数は8.6%増加した。




1月10日(土)

     国外ニュース

ハマース「ガザ戦争が交渉を駄目にする」

ガザ帯状地帯での戦争は、イスラエルとの交渉の最後の機会を台な
しにした、とハマースの政治部長クハレド マシャアルは述べた。
アラブ系の放送局アル ジャジーラで彼は昨日、イスラエルの軍事
攻勢を激しい口調で非難し、これは「ホロコースト」である、と述
べた。また彼は、ガザ帯状地帯でのイスラエルの攻撃を即時中止
し、イスラエル軍を全面的に撤退させ、ハマースが支配しているパ
レスチナ自治区へつながる国境通過地点をすべて開放するように求
めた。ハマースが停戦に賛成するのは、その後のことである、とマ
シャアルは述べた。

     国内ニュース

ファイマン「景気刺激策の規模を80億オイロに」

社会民主党は、ザルツブルクで開いた新年の非公開会議の2日目
を、失業対策の議論にあてた。その後開かれた記者会見では、党首
で首相ウェルナー ファイマンは、景気を上向きにするために行な
う努力を、さらに一段と強める、と強調した。彼の算定によれば約
80億オイロが投入される。50億オイロ強が連邦、25億ないし
30億オイロが各州が調達する額である。ファイマンは、失業問題
に議論を集中するつもりだと強調し、あちこちに力を分散させるこ
とはない、首尾一貫した見通しのつく行動を取るのが自分のやり方
だ、と述べた。




1月11日(日)

     国外ニュース

EU閣僚がガス危機についてブリュッセルで協議

EU加盟各国のエネルギー大臣が、ガス危機に関する特別会議のた
めに、ブリュッセルに集まった。EU評議会議長を務めるチェコに
よれば、彼らはロシアとウクライナの間で続いている対立の影響に
対する対策について協議する意向である。EU加盟各国は、ガス輸
送の中断でさまざまな規模の影響を受けている。ポーランド、ブル
ガリアなどの国々では、ガス不足で緊急事態が引き起こされてい
る。そのためこの会合では、EU加盟国相互の連帯が議論になる可
能性が高い。オーストリアからは、経済大臣ラインホルト ミッタ
ーレーナー(国民党)が出席する。

     国内ニュース

外相はグラーフ問題で国の印象が悪化したとは見ていない

外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は、国民評議会
第三議長マルティン グラーフ(自由党)の職員2人が極右である
とのは難易よって、オーストリアの評価が大きく損なわれるとは見
ていない。グラーフはインターネット通信販売会社の引き起こした
混乱にはグラーフが関与していない、という点を承知しており、他
の2人の国民評議会議長が、これに不満がないのであれば、自分も
それに倣う、と昨日のテレヴィ番組で述べた。外務大臣としては、
グラーフが「首脳の一つである」第三議長として、オーストリアの
評価を損なうのではなく、高めるよう努力することを期待してお
り、グラーフも自分には何が課されているかは知っていると思う、
と述べた。




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