１月１２日〜１８日のオーストリアのニュース
１月１２日（月）
国外ニュース
ガスをめぐる対立でロシアとウクライナの印象は悪化
EUはロシアとウクライナのガスをめぐる対立を解決する。ガスは
間もなく流れはじめることになっている。しかしロシアとウクライ
ナの両政府にとっては、財政的な損害の他にも、印象が大きく損な
われた。ロシアは信頼できるガス供給者としての資格を失い、厳し
い態度をとったことで再びいらだちを招いた。ウクライナは経済的
に疲弊してた国である、怪しげな手法で利益を得ようとした、との
印象をまきちらした。そして両国は共にEUを人質にとった。
国内ニュース
アリゴナの亡命申請は受け入れられる
ツォガイ事件は予想外の絵依拠を与えた。アリゴナとその母ヌリエ
の亡命申請が、月曜日に許可された。これよりに、この申請は既に
受理されている、との報道がなされていた。同時にアリゴナの兄弟
4人のうち3人も再びオーストリアに入国していた。彼らはハンガ
リーへ入国できなかった後、亡命希望者収容施設に宿泊したが、そ
の後にはオーストリアへ逃亡した。この難民状態の家族の世話をし
ている人と牧師フリーデルは、亡命中なので、まだ安心はできな
い、と述べた。
１月１３日（火）
国外ニュース
次期米国蔵相は圧力にさらされる
次期米国大蔵大臣ティモシー ガイトナーは、バラク オバマ政権
で閣僚入りする直前に、税金の不払いと、以前の家政婦との問題で
つまづいた。オバマの広報は昨日、声明を発表した。それによれ
ば、ガイトナーは（税金不払いでは）「よくある手違い」を犯した
が、以前の外国人家政婦の滞在許可が、最後の期間には切れていた
ことは知らなかった、とのことである。広報は上院に対して、ガイ
トナーは「現在の困難な時期に、米国の経済を回復させるために
は、ふさわしい男」であるから、彼を閣僚として承認するように、
と求めた。新聞報道によれば、上院は家政婦の件については、証拠
を検討している、とのことである。またガイトナーは2001年から
4年にかけて、国際通貨基金で働いている期間、社会保障の分担金
を支払っていなったが、税当局の指摘を受けて、払込金を利息つき
で支払ったとのことである。
国内ニュース
プラマーはグラーフの職員に質問
国民評議会第三議長マルティン グラーフ（自由党）の国会内での
職員2人が急進右派ではないか、との非難をめぐる事件が起きてい
るが、道議会議長バルバラ プラマー（社会民主党）にとって、解
決済みである。テレヴィ番組「報告」で彼女は昨日、国会での彼ら
の活動について質問した。「だんだん非難の声は強まっている」
中、グラーフは「彼ら2人が自分の下で勤務するのに、長い間耐え
られるかどうか」よく考えて見なければならない、と述べた。
１月１４日（水）
国外ニュース
国連はチャドではEU軍に代わって国連軍が指揮する方針
国連安全保障理事会は、チャドと中央アフリカ共和国のEU軍の任
務の引き継ぎ計画を作成した。国連最高の委員会である安保理は、
今日ニュー ヨークで全会一致で、国連軍の任務を拡大することを
認め、3月15日にEU部隊の指揮権を国連軍が引き継ぐことにな
る。この作戦の目標は、スーダンの紛争地域ダルフールとの国境地
帯で、一般市民と数万人の難民、およびその支援者の安全を確保す
ることである。国連は2007年9月に、国連軍の派遣を決定した
が、当面EUが暫定的にこの任務を果たすように求めていた。
国内ニュース
予算をめぐる議論でブーセクは大学にストを呼びかける
元科学大臣エアハルト ブーセク（国民党）は、予算をめぐる交渉
を間近に控え、各大学に対してストを呼びかけた。彼は、資金不足
を指摘するだけでは不十分であり、「政府がこの状況を理解できる
ように、大学はストを呼びかけるべきだ」とブーセクは「シュタン
ダルト」紙で述べた。彼は、1995年以降、各教育機関に対する連
邦からの助成金が引き上げられていないことを批判し、物価が上昇
していることを顧慮するなら、大学は今より3割多く受け取らなけ
ればならない、と述べた。インフィニオン技術幹部のラインハルト
ペットシャッハーも、国による研究助成が狭き門になっているこ
とを批判した。
１月１５日（木）
国外ニュース
米国上院は金融対策の後半を承認
米国新大統領としての宣誓を数日後に控え、バラク オバマは政治
的に重要な勝利を収めた。米国上院は昨日、オバマが求めていた通
り、金融部門の大幅な救済計画に対する7千億ドルの支援のうち、
残り半分の支出に賛成した。上院は52対42で、この資金投入を阻
止するための提案を否決した。退任する大統領ジョージ W. ブッ
シュは、彼の後継者の望みに応えて議会に対して3千5百億ドルの
支出を認めるように求めていた。上院に続いて、下院がこの支出に
賛成する必要がある。これは来週可決される見通しである。オバマ
は来週火曜日に、第44代米国大統領として宣誓を行なう。
国内ニュース
バンディオン・オルトナーは検察官を官房長に迎える
数週間遅れたものの、ファイマン内閣は昨日の午後から完全な形に
なった。労働と経済銀行の弁護士クラオディア バンディオン・オ
ルトナーが宣誓を行ない、内容のある発言と初めての決定を下して
注意を集めた。よりよよって労働と経済銀行裁判の検察官ゲオルグ
クラコフが、彼女の官房長になる。両者にとってこの長期の裁判
が、出世の舞台となった。新大臣バンディオン・オルトナーは、異
例のことだ、とは思っていない。
１月１６日（金）
国外ニュース
ロシアはガス危機首脳会談で解決策を呈示する
ロシアとウクライナのガスをめぐる対立で、土曜日にはモスクワで
危機対策会議を開き、ヨーロッパ向けのガス輸送再開のための、解
決策で合意を図ることになっている。ロシア大統領ディミトリ メ
ドヴェージェフがクレムリンで開く会合には、ウクライナ首相ユリ
ア ティモシェンコも出席する。代表団を派遣するEUは、この首
脳会談が失敗に終わった場合には、ロシアとウクライナとの関係を
検討する、と威嚇している。この対立の中心問題の一つは、輸送管
での輸送に必要ないわゆる技術的に必要なガスである。ロシア側
は、外国のいくつかのエネルギー会社が、企業合同体を作ることで
合意した、と発表した。オーストリア石油管理株式会社は、この分
配施設に必要なガスを提供し、紛争の解決に協力するために、
E.ONルールガス、イタリアのENI、ウィンガス、フランスのGdFス
エズと共に企業連合を作っている。
国内ニュース
ファイマンは銀行対策を修正する方針との報道
首相ウェルナー ファイマン（社会民主党）は、2月に東ティロー
ルで行なわれる予定の閣僚会議で、昨年に決定された銀行救済策
を、修正する方針である。「銀行対策は修正が可能である。中小企
業が今後の計画おために再び借入れを行なうと発表できるようにな
るまでは、政府は満足しては行けない」とファイマンは「ティロー
ル新聞」で述べた。多くの企業が、借り入れを行なうのは困難だ、
と訴えている。経済大臣ラインホルト ミッターレーナー（国民
党）は、国立銀行に対して、銀行の企業に対する信用供与の実態調
査を開始するように求めた。ただ史、ファイマンはどのような修正
を行なうかは明言しなかったが、懸案となっているのは、今修正を
行なっても「今年さらに修正することになる」という点だ、と述べ
た。
１月１７日（土）
国外ニュース
アル カーイダはドイツにあてた映像を公開
イスラーム教徒のインターネットサイトを専門的に扱う米国の研究
所の発表によれば、テロ組織網アル カーイダは、ドイツにあてた
親書を公表した。30分間のこの映像は「ドイツ人アブ タルハ」
が出したもので、「ドイツ救済計画」という題名である、とワシン
トン近郊にあるインテルセンターが昨日発表した。この内容の詳細
については、まだ発表されていない。同研究所は、今までに「アル
カーイダがドイツに向けて送った親書の中でもっとも重要なもの
で、ヨーロッパ向けの親書としてももっとも重要かもしれない」と
述べた。
国内ニュース
緑の党はEU議会議員の筆頭候補を決定
緑の党は日曜日、EU選挙の筆頭候補を決定する。この争いには、
既にEU議会議員として実績のあるヨハネス フォッゲンフーバー
のほか、ウルリケ ルナーチェクとエーファ リヒテンベルガーが
加わっている。3人すべてに党内では同じぐらいの可能性があり、
緊迫した投票が予想されている。フォッゲンフーバーは、第1位候
補でなければ選挙には立候補しない、と予告している。この選挙の
他、緑の党の連邦会議の2日目の中心となるのは、前日エーファ
グラウィシュニヒが正式に後継者となった連邦代表アレクサンダー
ファン デア ベレンで、彼の65回目の誕生日が祝われる。グ
ラウィシュニヒは昨日、記録的に高い代議委員の支持97.4%で、新
党首に選ばれた。
１月１８日（日）
国外ニュース
ガスをめぐる対立で再び合意 EUは懐疑的な態度
ロシアとウクライナの政府首脳は、ガスをめぐる対立を解消するこ
とで合意し、これによりヨーロッパでは改めて、輸送の再開の望み
が高まった。以前にまとまった2度の合意が壊れ、今度も問題が残
ったままである、とウラジミール プーチンとユリア ティモシェ
ンコの合意についてEUは控えめな見解を発表した。早くも今日、
ガスはヨーロッパに向けて送り出されることになっている。合意が
守られれば、ウクライナは2010年からガス料金として、他のヨー
ロッパ諸国と同じ額を支払うことになる。その価格は2008年と比
べて、約3倍となる。厳しい景気後退と戦うウクライナは、今まで
はこれを不可能だ、としてきた。
国内ニュース
ルナチェクが緑の党の欧州議会の筆頭候補に
緑の党では数週間前から、EU選挙の筆頭候補誰にするかで議論が
続いていた。同党の連邦会議で、ウルリケ ルナチェクが、決選投
票で勝利を収めた。経験豊かな緑の党の欧州議会議員ヨハネス フ
ォッゲンフーバーは敗北した。投票後にルナチェクは、フォッゲン
フーバーに支援をするように求めた。彼は「そもそもこれ以上何も
言う」つもりがないとして、その場を逃げ出した。ルナチェクはヨ
ーロッパ議会議員となる喜びを表明した。