2月2日〜8日のオーストリアのニュース



2月2日(月)

     国外ニュース

アイスランドはEU加盟を急ぐ

アイスランドの新たな移行政府は、憲法修正を行なって、金融恐慌
に揺れる同国のEU加盟を急ぐ方針である。アイスランドが次の任
期中に、遅れることなくEUに加盟できるようにするためには、憲
法改正をすることになる、と社会民主党広報アルニ パリが昨日レ
イキャヴィックで述べた。憲法修正のためには、国会が解散され、
選挙が予告されなければならない、とのことである。首相ヨハンナ
 シグルサルトッディルの少数派政権は、この両方を4月25日に行
なう、と予告した。一方連立を組む左派緑の党は、EU加盟につい
て懐疑的な立場である。金融恐慌のさなかでの職務怠慢に対する措
置の第一弾として、シグルサルトッディルは、中央銀行の幹部3人
に即時辞任するように求めた。また彼女は、中央銀行の抜本的な改
革に関する法案を提出する、と予告した。

     国内ニュース

失業問題では若者向けの特別な措置が求められる

2009年1月の失業者数が大幅に増加していることに、被雇用者側
の代表は警告を発した。特に若者の失業が不安を広げている。カリ
タスも、教育および再教育の分野での投資を進めるために、緊急に
より多くの資金を入手なければならない、との要請を発表した。特
に派遣社員には、措置を取ることが必要である、とも述べた。1月
の失業者は前年度同月比で、12%増加している。




2月3日(火)

     国外ニュース

オバマは閣僚を失う ダシュルは税金問題で撤退

米国大統領バラック オバマ政権の中心課題の一つは、保健制度の
改革であるが、最後の最後に来て、彼は閣僚を失った。候補者であ
ったダシュルは、引き下がった。彼は過去数日、10万ドル以上の
税金の未払いで批判の中心に置かれていた。ダシュルは、国庫との
間で問題を抱えているオバマ政権唯一の閣僚ではない。この前には
予算を監視する大臣の候補者が、就任を断念していた。

     国内ニュース

緑の党のグラウィシュニヒは「団結」を求める

EU議会議員選挙の候補者を決め、元ヨーロッパ議会議員のヨハネ
ス フォッゲンフーバーを指名しないことにしたことで、緑の党内
に対立が生じたことを受け、緑の党の連邦広報エーファ グラウィ
シュニヒは、昨日党内に「団結」するように求めた。彼女はテレヴ
ィ番組の中で、今回の決定に不満な人すべてに向けて、「先を見る
目を持つように」との願いを述べた。彼女は、フォッゲンフーバー
が候補者では、共通の土台を見つけることができない、と述べた。
また彼女は選挙に向けて、力を結集するように求めた。




2月4日(水)

     国外ニュース

オバマは核兵器を大幅に削減する方針

米国大統領バラック オバマは、できるだけ早期に軍備縮小に関す
る選挙公約を実現する方針である。彼はロシア政府と話し合いを行
ない、保有する武器を抜本的に削減するべく努力する、と英国では
報じられた。両国の保有する核弾頭の数を、最大で8割削減し、
1千にすることにしている。またロシアからも、前向きの半応が出
ている。ただし話し合いの申し入れはまだ誰も受けていない、との
ことである。

     国内ニュース

ブーレスはオーストリア鉄道への償還請求を検討

基盤整備大臣ドーリス ブーレス(社会民主党)は、ドイツ銀行と
危険性が高い思惑取引を結んでいた、オーストリア鉄道の経営陣に
対する償還請求を行なう可能性を、否定しなかった。損失は6億
1,290万オイロに上る可能背がある。「経済新聞」のインタヴュー
の中でブーレスは、オーストリア鉄道の投機取引の責任者の解明
を、法廷で行なうことに賛成した。この判決が確定しなければ、控
訴する、とも述べた。




2月5日(木)

     国外ニュース

サルコズィはテレヴィでデモに回答

フランス大統領ニコラ サルコズィは、全国で危機を訴える抗議の
声が上がっているにもかかわらず、自分が進めている改革を修正す
ることはない。フランスは、経済危機後の時代に向けて、雇用を安
定させるために、異論もあるがこの改革に取り組んでいかなければ
ならない、と木曜日夜に、エリゼ宮から数人の記者を相手に1時間
半のテレヴィ放送でサルコズィは述べた。この演説は先週起きた大
規模デモに対するものである。彼は、自分にはフランスに競争力を
取り戻すことがゆだねられており、「この任務を果たすつもりだ」
とも述べた。また彼は労働組合に、短時間労働者の賃金の支払いに
ついて、話し合いを行なうように提案した。またサルコズィは、銀
行救済策を取っても、資金は無駄にならず、逆に資金が増えること
になる、と銀行救済策を擁護した。

     国内ニュース

オーストリアの司法はナチ戦犯ハイムの死亡の証拠を探す方針

行方を追求されていたナチの戦争犯罪者アリバート ハイムは、既
に1992年にカイロで死亡していた、との噂で、捜査官は途方に暮
れている。ドイツの連邦刑事警察庁などは、捜査の呼びかけを撤回
した。ただしオーストリア司法は、シュタイアーマルク生まれのこ
の男が死亡したことをはっきりと示す証拠を求めている。ナチの手
先に刑罰を与えることを望む組織も、彼の死に懐疑的である。さら
に巨額の遺産をめぐり、死亡宣告に利害を持っている人もいる。




2月6日(金)

     国外ニュース

米国上院は景気刺激策で合意

民主党と共和党が粘り強い交渉を続けた後、米国ジョインは国によ
る景気刺激策の基本条項について合意した。上院議員たちは、総額
7千8百億ドルの景気刺激策で合意した、とのことである。発表に
よれば、両党の穏健派の小人数の上院議員が、譲歩を取りまとめ、
9千4百億ドルにふくらんでいた上院の提案の削減に成功してい
た。

     国内ニュース

緑の党元党首は党内に大きな問題はないとみている

緑の党の元党首アレクサンダー ファン デア ベレンは、同党の
EU議会議員の候補者を決める流れの中には、大きな問題はない、と
見ている。選挙で勝てるのは1人だけであり、それが十分な能力を
持つウルリケ ルナチェクであった、ということだ、とのべた。フ
ォッゲンフーバーが候補者名簿の第1位以外の地位を得たことは、
ファン デア ベレンにとっては支持できることである、緑の党の
最高機関である連邦会議の決定を撤回することは容易ではない、と
昨日のテレヴィ番組のインタヴューで彼は述べた。




2月7日(土)

     国外ニュース

EUと米国はロシアに歩み寄るが全面的にではない

土曜日にミュンヒェン安全保障会議では、和解が基調音となった。
米国副大統領バイデンは、ロシアが数年前から批判しているミサイ
ル迎撃網計画について、米国は熟慮すると予告した。一方ロシアは
各武器庫の撤去を検討している。EU加盟各国の首脳は、同時にロ
シアとの協力を強化することに賛成した。彼らは、人権侵害につい
ての批判をEUの政治家にゆだねている。しかしバイデンも友好的
な態度をとってはいるものの、ロシアがもはや「これ以上に勢力圏
を拡大することはない」という点を明確にさせた。

     国内ニュース

巨額の詐欺事件で証拠はリヒテンシュタインを指し示す

連邦会計取扱局は、詐欺事件の証拠を探しているが、おそらくこれ
はリヒテンシュタインにつながっている。報道雑誌「プロフィル」
が、これを報じている。行方側から抜かった1,650万オイロのう
ち、850万オイロは、ライフアイゼン・州立銀行 オーバーエスタ
ーライヒの子会社ウィーン個人銀行株式会社の口座に入っている。
この間に逮捕されたウィーンの弁護士が、署名権限を持っている
が、この弁護士は、スイスの金融斡旋業者のミューレンターラーと
その共同出資者の受託者となっている、とのことである。また
360万オイロはヴェネチア個人銀行に、のこりは小規模の個人銀行
に収まっている。




2月8日(日)

     国外ニュース

国連人権評議会は中国情勢に取り組む

国連人権評議会は、今日初めて、中国の人権状況に取り組む。中国
政府の代表は、ジュネーヴで同国の報告書を提出する。この報告書
は、すべての国連加盟国が1年半前に設立された同評議会に<4年
ごとに提出を義務づけられている。複数の人権組織は既に、中国が
この報告書で、多数派がイスラーム教徒の新疆ウィルグル自治区や
チベットでの重大な人権侵害を取り上げていない、と訴えている。
人権擁護派は、中国政府がチベット人やウイグル人を弾圧してい
る、と非難している。

     国内ニュース

政府は第1回非公開会議を行なう

政府は月曜日と火曜日に、東ティロールのシリアン村で、初めての
非公開会議を行なう。取り上げられる予定の重要議題は、税制改
革、教育、健康保険制度である。具体的な内容は、先に行なわれた
調整会議の議題であった。2日間の非公開会議は、作業会議、閣僚
評議会、写真撮影からなる。ただし多くの時間(約13時間)が、
行き来で無駄になる。朝には「政府専用バス」がウィーンの舞踏会
広場を出発し、「数人の閣僚も」含めて運ぶことになっている。午
後早くにシリアンに到着し、閣僚はスポーツホテル前で、集合写真
を撮る。初日には、3時間にわたり教育と健康保険に関する実務会
議が行なわれる。この会議では教育に関する投資と、健康保険組合
の清算と長期的な安定について話し合いが行なわれる。




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