2月23日〜3月1日のオーストリアのニュース



2月23日(月)

     国外ニュース

グアンタナモの拘留者が英国へ 拷問を受けた可能性

バラック オバマが米国大統領に就任してから初めて釈放されたグ
アンタナモの拘留者である30歳のエチオピア人は、第二の故郷英
国に帰国した。キューバにある問題の米国の収容所で4年以上過ご
し、ハンガーストライキで衰弱したビニヤム モハメドは昨日ロン
ドン近郊の軍事空港に到着した。釈放後彼は、米国に対してまた英
国秘密情報部に対して、以前拷問をしたと非難した。これは、数回
にわたってテロ容疑者に対する拷問に秘密情報員が関与した可能性
を否定していた英国政府に対して、重圧となる発言である。今後数
日はモハメドは、喧騒を逃れて、家族および法律顧問と過ごす予定
である。

     国内ニュース

滞在権とくず鉄割増金の決定を前に閣議が開催

火曜日には閣議が野心的な計画に取り組む。社会民主党と国民党が
合意できれば、人道的に滞在許可を与えるための新たな手続きと、
政府のくず鉄割増金が承認される。景気刺激策の枠内で企業にとっ
て減価償却を有利にする点と、ガザ帯状地帯に対してオーストリア
が30万オイロの緊急支援を行なうことは決まっている。これに加
えて、今後自動車登録書を銀行のキャッシュカードの形でも発行す
ることも決められる。人道的滞在許可については、詳細はまだ未確
定である。くず鉄割増金も最後までどうなるか不明で、単に「環境
対策割増金」と言う名前になっている。1996年以前に登録した自
動車をくず鉄にし、新車に乗り換える際には、1千5百オイロの割
増金が課される予定である。




2月24日(火)

     国外ニュース

ロシア政府は職員を解雇

ロシア政府も支出削減をしいられている。少なくとも1百人の政府
職員が、金融危機のために解雇される、とロシア大統領ディミトリ
 メドヴェージェフの広報が昨日予告した。その他2011年まで
に、支出が削減されることになっている。この支出削減策につい
て、広報は精確な発表をせず、詳細は3月1日までに発表される、
とのことである。現在ロシア政府には1千5百人が働いている。先
週メドヴェージェフは、金融恐慌および経済恐慌を理由として、国
家の全機関に対して節約を求めていた。ロシア政府は、赤字を国内
総生産の8%以下に抑えるために、2009年の国家予算の修正を進め
ている。

     国内ニュース

国民党は党の新綱領作成を開始

ザルツブルク州とケルンテン州の州議会選挙を4日後に控え、国民
党の幹部が水曜夜に、党幹部による非公開会議を開き、時事問題を
議論する。その席上、党の新綱領作成に向け、出発が行なわれるこ
とになっている。さらにウィーンのリヒテンフェルスガッセの当本
部で会議が開かれ、規約および組織上必要な決定が下されることに
なっている。6月7日のEU議員選挙の候補者名簿は、議題にはなら
ない。新綱領の作成に関する議論は、もと農業大臣で現在党首のヨ
ーセフ プレルが議長となって練り上げられた将来像の報告書に基
づいて策定される。事務長フリッツ カルテネッガーは1ヶ月前
に、新綱領作成には2年ほどかかるだろう、と述べていた。今回の
綱領は1945年以降、7つめのものになり、1995年に作られた「ウ
ィーン綱領」の代わりになるものである。




2月25日(水)

     国外ニュース

バングラデシュでは軍の暴動 死者発生

バングラデシュでは、精鋭部隊に属し不満を持つ兵士が暴動を起こ
し、政府は数十人が死亡したのではないか、との懸念を持ってい
る。おそらく50人ほどの士官が死亡した、と現地時間の昨日発表
があった。正式発表によれば、兵士たちは武器を捨て、蜂起を中断
しはじめた。彼らは部隊の本部で、上等士官を含め百人以上を、数
時間に渡って人質にとっていた。現地の報道によれば、彼らが暴動
を起こしたのは、賃上げ、食料調達の補助金、より多くの休暇を求
めてであった。首相シェイク ハシナは、彼らに交渉の中で、罰す
ることはない、と申し入れた。報道によれば、これはクーデタでは
ない、とのことである。

     国内ニュース

国民評議会では短時間労働とオーストリア航空売却を議論

国民評議会は木曜日、新たな短時間労働のありかと、オーストリア
航空売却に関する国家委員会設置について、決定を下す。3日後の
ケルンテン州とザルツブルク州での州議会選挙が、期待をもって見
守られている中、野心的な議論が行なわれる、と予想されている。
この会議に積極的なのは自由党で、同党は時事問題の議論の冒頭
で、「犯罪の爆発的増加、亡命権の乱用、イスラーム教化、大量の
移民のない安全なオーストリア」という議題を提出した。またいつ
ものように与党が放棄した場合には、自由党からは緊急動議も提出
される。自由党の側では、連邦軍の悲惨な状況を議題とする計画も
ある。




2月26日(木)

     国外ニュース

国際刑事警察機構は反テロの戦いを弱体化しないように警告

国際刑事警察機構は、経済恐慌のため、世界各地での反テロの戦い
が弱体化するのではないか、と懸念している。「これも国際的な脅
威であって、我々の多くに対するこの脅威は、多くの人によって無
視される」と同機構事務長ロナルド K. ノーブルは今日公表され
た全世界の主要政治家にあてた公開書簡の中で述べている。今月に
なって、クウェート出身のある教授が米国で新たな攻撃が行なわれ
ることを期待すると述べた映像が、公開された。この男はアル カ
ーイダの支持者が、生物兵器を用いるか、原子力発電所に対する攻
撃を行なうことを願っている、とノーブルは述べた。国際刑事警察
機構は、テロ組織アル カーイダは、アフガニスタンとイラクから
国際部隊が撤退したあとも、大きな脅威でありつづける、と見てい
る。

     国内ニュース

区画監視の規則が手直しされる

道路交通を遠距離からの撮影するための区画監視が再開されるかも
しれない。国民評議会が木曜午後に、そのための法的土台を作り出
した。憲法裁判所は数週間前、遠距離撮影のための移動可能な設備
は違憲である、との判断を下していた。その理由は法的根拠がない
まま運営されれば、情報保護の基本的権利に違反するからである。
そのためそれ以降、区画監視の映像を理由とした処罰は課されてい
ない。この設備の目的は、レーダーを用いて、運転速度の監視を行
うものである、という点がこの法律では明確化されている。無関係
な人が気がつかないうちに写真に撮られることがあり得るという点
が、問題となっている。報道機関はこの区画監視の映像を、今後は
特定の交通状況および天候状況の場合にのみ利用可能となる。




2月27日(金)

     国外ニュース

オバマ「イラク派兵は2010年8月に終了」

戦争開始から6年目の記念日を直前に、米国大統領バラック オバ
マは、イラクでの軍事活動の終了を予告した。2010年8月まで
に、部隊は米国に帰還し、「引き継ぎ部隊」の3万5千人から5万人
が、2011年末までイラクに残る、とオバマは昨日北カロライナ州
の基地キャンプ ルジューンで述べた。さらに彼は、今まで北朝鮮
との主席交渉役であったクリストファー ヒルが新イラク大使に就
任する、と発表した。ヒルはイラクの安定化と発展のために、米国
の外交的努力を前進させる、とオバマは述べた。

     国内ニュース

武器の売り込みメンスドルフ・プイイが逮捕される

南ブルゲンラントの武器売り込み屋アルフォンス メンスドルフ・
プイイが、彼の故郷のルイシング(ギュシング郡)で金曜日午後に
逮捕された、とウィーン検察は発表した。彼は自分の城の中で、資
金洗浄と証拠湮滅のおそれがあるため逮捕された。英国の武器製造
会社BAEシステムズが彼に対して支払いを行なったのが問題となっ
ている。彼は国民党所属の元厚生大臣マリーア ラオホ・カラット
の夫で、ウィーンの司法機関があるヨーセフシュタットに移され
た、と司法は発表した。裁判官は逮捕から48時間以内に、拘留し
て尋問するかを決定しなければならない。




2月28日(土)

     国外ニュース

ハリリ法廷がデン ハーグで始まる

元レバノン首相ラフィク ハリリの暗殺から4年、レバノン特別裁
判所がデン ハーグの郊外で日曜から始まる。この裁判所はまず第
一に、ハリリの暗殺を解明する。彼は2005年に他の22人と一緒
に、ベイルートで自動車爆弾による攻撃を受けて死亡した。さらに
2004年に始まった政治的動機に基づく連続襲撃事件に対する調査
が行なわれる。裁判が終了するまでに、数年かかる可能性もある。
この裁判所は、オランダの秘密情報部があった敷地に建てられた。

     国内ニュース

オイロファイター購入が売り込み業者の逮捕で再び議論のまとに

武器売り込み業者アルフォンス メンスドルフ・プイイが、資金洗
浄の容疑で逮捕されたことを受け、オーストリアでは再び、迎撃戦
闘機オイロファイターの調達を解明するように、との声が大きくな
っている。緑の党の安全保障問題の専門家ペーター ピルツは、オ
ーストリアがこの事業から撤退する好機だ、と感じている。自由党
の国会議員マンフレート ハイムブーヒナーも、メンスドルフ・プ
イイの容疑事実を、極めて細かく検討し、特にオイロファイター問
題に力を注がなければならない、と述べた。日曜午後までに、裁判
所がメンスドルフ・プイイについて未決勾留を科すかどうかを決定
することになっている。




3月1日(日)

     国外ニュース

国内での遺伝子組替とうもろこしの栽培禁止に関しEUが採決

畑作農業でオーストリアがとっている反遺伝子技術の方針が、今日
再び検討にさらされる。EU委員会は、オーストリア国内での遺伝
子操作を行なったとうもろこしの種類MON810とT25の栽培禁止
を、逆転させること臨んでいる。これについては担当する環境大臣
の賛成が必要である。オーストリアの立場に対して、十分な数の賛
成が得られない場合、同委員会はこの問題に関する決定を下し、禁
止措置の撤廃が行なわれる可能性がある。オーストリアが支持を集
められるかどうかは、事前には不透明であったが、慎重ながら楽観
的な情勢だ、との情報がある。もしオーストリアの方針が賛成を得
られなければ、裁判になる可能性がある。

     国内ニュース

連邦と州は幼稚園を無料化する年齢について協議

家族問題を担当する政務次官クリスティアン マーレク(国民党)
と各州は、月曜日に初めて、5歳児の幼稚園を無料化する問題につ
いて話し合う。連邦政府は毎年、このために7千万オイロを支出す
る方針である。この資金をどのように分配するかが、話し合いの中
心となる。無料化は2009年秋から始まり、学校入学前の最後の
1年間、幼稚園に通うのが義務化されるこの計画をマーレクは今日
にも承認させるが、今一度抜本的に議論を行なう方針である。現在
幼稚園の費用の一部を無料化している州では、何が無料化されてい
るのかが議論の中心である。マーレクは、児童の養育施設にさらに
投資を行なうように、との条件を付すことを検討している。




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