3月9日〜15日のオーストリアのニュース



3月9日(月)

     国外ニュース

チベットの反中国蜂起は50周年を迎える

中国のヒマラヤ地方の州チベットは、北京の中央政府の支配に対し
て立ち上がったものの、失敗に終わった蜂起から、今日で50年の
記念日である。チベット人活動家は、チベット人が置かれている状
況に抗議して、インドのダラムシャーラーでデモを行なう、と予告
した。同地で亡命生活を送るチベットの宗教上の指導者ダライ ラ
マが、演説を行う予定である。3月14日は、チベットの首都ラサで
暴動が起こり、血が流されてから1年の記念日でもある。中国政府
は過去数日、この地域の治安部隊を大幅に増強した。それにもかか
わらず、チベット人が多く住む中国のこの地方からは、数回に渡っ
て衝突が起きた、との報道がなされている。

     国内ニュース

教員の労働時間でプレルはシュミートをとがめる

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は昨
日、教育大臣クラオディア シュミート(社会民主党)か関与し
た、教員の労働時間延長計画の書類を批判した。シュミートはま
ず、関連者の代表と話し合いをするべきであった、とプレルはウィ
ーンでの国民党の政治研究会の議論で述べた。「中央からの指令を
受けた人は、2時間長く働くことになるのか?」とプレルは述べ
た。彼は関係者の代表を議論に招待するように訴え、それが教育政
策をできるだけ前へ進めることになる、と述べた。「議論を冷静な
状態に戻すために、あらゆることを行うつもりだ」とも彼は述べ
た。




3月10日(火)

     国外ニュース

オバマは生徒の休みを短縮する方針

米国大統領バラック オバマは、子供たち、若者たちを、今後は今
までより長く学校に通わせる意向である。彼は教育改革の計画を呈
示し、他の国々と比べて、米国では休みが長く、授業日数が短いこ
とを批判した。「21世紀の課題は、教室でもっと長い時間を過ご
すことを求めている」と述べた。また彼は教員の給与は、実績に応
じて支払われうべきだ、と述べた。米国では教育改革の必要性は、
党派を越えて認められているが、オバマの計画はいくつかの点で抵
抗にあう可能性が高い。オバマの民主党の重要な一部である教員労
働組合は、業績に応じた教員給与の支払いを拒否しており、さまざ
まな社会的背景の下で比較をすることは困難である、と指摘してい
る。

     国内ニュース

国民評議会は税制改革を決定

国民評議会は水曜日に、税制改革を決定する。この改革では、すべ
ての給与所得税支払い者に対して、税率を引き下げることで負担を
軽減する。さらに経営者には、非課税額を引き上げることで便宜を
図る。支援組織に対する寄付金は、人道的な活動を行なっている組
織に対するものであれば、控除可能となる。教会への寄付の控除額
は100オイロから200オイロに引き上げられる。また今年中に新車
を買うか、古い車を下取りに出す場合には、解体の割増金1千5百
オイロの支払いが決定される。また暴力保護対策の第2弾が決議さ
れ、被害者の保護が改善され、性犯罪に対する罰則が強化される。
また性的犯罪の犯人に対する就職および活動禁止も課されることに
なる。インターネット上での児童のわいせつ画像を意図的に入手す
ることにも、罰が下される。




3月11日(水)

     国外ニュース

米国下院はチベット宣言を可決

中国に支配に対して反対して起きたものの、失敗に終わったチベッ
ト蜂起50周年から2日、米国下院は正式に弾圧をやめるように求め
た。賛成422、反対1のほぼ全会一致で決定を下した。この決議
は、中国政府と亡命中のチベットの長ダライ ラマとの対話も進め
るように求めており、チベット問題の長期的解決が目標である。ま
たインドが、数万人のチベット人難民を受け入れたことをが賞賛さ
れている。ダライ ラマもインドのダルマサラで亡命生活を送って
いる。おととい米国外務省はヒマラヤ地域の人権の情勢について
「深い憂慮」を表明し、中国政府に対して、政策を検討するように
求めていたが、中国政府は、これは米国との関係を損なう可能性が
ある、と警告していた。現在ワシントンを訪問中の中国外務大臣楊
潔チは、今日米国大統領バラック オバマと会談することになって
いる。

     国内ニュース

教員の労働時間に関する対立で初めての抗議活動

オーストリア全土で、公勤務従事者の集会が開かれ、教員は今日、
教育大臣クラオディア シュミート(社会民主党)が計画した授業
の担当時間の延長に関する不満をぶちまける。これは生徒にとって
は、授業時間の短縮を意味し、オーストリア全体の問題を一律に解
決する方法はない。義務教育を受ける多くの生徒は、11時に授業が
終了し、一般校等学校と職業訓練中高等学校は、最初の数時間の授
業がなくなる。8時半にシュミートは、教員労働組合と会談し、計
画中の措置について今後の話し合いを取りまとめる。8年生までの
子供たちが、教員の代表が教育大臣の計画について教員に説明する
集会の間も、世話を受けられるように、シュミートは各州の大臣に
指示を出した。託児所の一部は、もっと早く開かれる。




3月12日(木)

     国外ニュース

アムステルダムで攻撃計画が発覚し7人が逮捕

オランダ警察は、アムステルダム郊外の複数の建物に対して、爆弾
攻撃を計画したとの容疑で、7人を逮捕した。なかでも家具屋とコ
ンサート用ホールが爆破されるところであった、と午後に当局が発
表した。逮捕者の1人は、2004年3月のマドリード爆破攻撃に関与
していた人物の親戚である、と検察官は述べた。容疑者は男性6人
と女性1人で、19歳から64歳のモロッコ系オランダ人で、彼らは
アムステルダムで逮捕され、ブリュッセルでも家宅捜査が行なわれ
たが、爆薬は見つからなかった、とのことである。警察は前夜に、
3人の男がアムステルダム南東部の商店で爆薬を預けようとした、
との情報を入手していた。ここにはスウェーデンの家具店イケアの
支店、映画館、サッカークラブのアヤックス アムステルダムの競
技場もあり、多くの移民が住む地域である。

     国内ニュース

国連薬物対策計画がウィーンで可決

約百ヶ国の代表が昨日午後ウィーンに集まり、一部は極めて錯綜し
た議論を行ない、国連の世界的な薬物問題との戦いを進める国連薬
物委員会の行動計画を採択した。34ページにわたる文書は、
2019年までに薬物の消費と生産を、大幅に減少させ、薬物との戦
いには社会的および公衆衛生業務を強化することが必要だ、との目
標が掲げられている。2日間の協議の後、この文書は受け入れられ
た。薬物問題を10年間で実質的に解決したいとする似たような計
画は、国連総会が1998年に可決していた。この行動計画は、EU委
員会の報告で、ほとんど効果がなかった、との評価を得ていた。今
回の新たな計画も、特に非政府組織から激しい批判を受けていた。




3月13日(金)

     国外ニュース

米国の外交官がドバイでタリバーンと接触か?

ベルリンの「ターゲスツァイトゥング」紙の情報によれば、元米国
の駐カブール大使ザルマイ クハリザドは、昨日ドバイで急進派イ
スラーム教徒のタリバーンとその他の武装アフガニスタン組織の代
表と会談を行なった。大統領ジョージ W. ブッシュ在任中には、バ
グダード大使と国連大使を務めた彼の話し合いは、現在のバラック
 オバマ政権からの委任はないまま行なわれた。オバマは1週間前
に、「穏健な」タリバーンとの話し合いには意味がある、と述べて
いた。自身もアフガニスタン生まれで、新保守派と目されるクハリ
ザドと話し合った中には、タリバーンの指導者ムッラー オマル周
囲の代表も含まれている。以前っクハリザドは、タリバーンの代表
は誰であれ、話しあうことはない、と述べていた。

     国内ニュース

ブーレス「オーストリア乗車券には支出しない」

2008年の選挙戦で国民党が宣伝していた「オーストリア乗車券」
は発行されない。これは一種の年間定期券で、すべての公共交通に
使用できるものである。「はっきりいって、この乗車券の補助金を
捻出する財政手段は、合意に達した2年間の予算の中には含まれて
いない。我々は現在、基盤整備など他の重点項目にお金を出す必要
がある」と基盤整備大臣ドーリス ブーレス(社会民主党)は「テ
ィロール新聞」のインタヴューで述べた。このような鉄道やバス路
線に対する総合的割引は、良い考えであるが、さまざまな交通会社
があり、さまざまな運賃体系を持っているオーストリアでは、最大
公約数を見つけるのは困難であり、さらに予算の情勢が現在緊迫し
ている、とも彼女は述べた。




3月14日(土)

     国外ニュース

エル サルヴァドルでは大統領選挙 方針転換があるか?

エル サルヴァドルの国民は日曜日、新大統領を選ぶ。1992年に
12年間にわたる内戦を終えてから初めて、右派保守派のアレーナ
党が敗北し、かつてはゲリラ活動を繰り広げたファラブンド マル
ティ民族解放戦線FMLN陣営から、左派の大統領が選ばれる可能性
がある。その候補者有名なテレヴィ記者マウリシオ フュネス
(49歳)は、同国をブラジルに倣って改革する、と約束した。ア
レーナ党の対立候補元警察長官ロドリゴ アヴィラ(44歳)は、
社会的な対立が続く貧困層に対してより公平性を確保する、と約束
した。国内外の約4千人の専門家が、選挙監視団としてエル サル
ヴァドルで活動しており、ヨーロッパからも数十人が参加してい
る。最初の結果は、中部ヨーロッパ時間の月曜午前に出る予定であ
る。

     国内ニュース

ケルンテン州とザルツブルク州では市長選挙の決選投票

ケルンテン州とザルツブルク州では日曜日、市長選挙の決選投票が
行なわれる。ケルンテン州では37市、ザルツブルク州では3市で、
2度目の投票が行なわれる。この場所では3月1日の第1回投票では、
候補者のうち誰も必要な50%の得票率に達することができなかっ
た。両州の州都でも選挙が行なわれる。クラーゲンフルトでは未来
同盟所属の州大臣クリスティアン シュナイダーと、社会民主党の
副市長マリーア・ルイーゼ マティアシュニッツが、ザルツブルク
では現職のハインツ シャーデン(社会民主党)と副市長ハリー 
プロイナー(国民党)が、市長の座をめぐって争っている。3月
29日になって決選投票が行なわれるところもある。フラッハガオ
アーのビュールモースでは、第1回投票で第2位の候補者が断念し
た。




3月15日(日)

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ファタハは和平交渉は終わると見る

ファタハ組織が主導権を握るパレスチナ行政府は、イスラエルとの
和平交渉が終わりかねない、と警告した。リクード党党首ベンジャ
ミン ネタニヤフが、イスラエルに右派政権を作れば、和平交渉は
終わりである、と述べた。EUの政治家との会合のためにブリュッ
セルを訪れている、パレスチナ当局の外務大臣リアド マリキは日
曜午後、ガザ帯状地帯を支配しているハマースも批判した。パレス
チナの各政党がカイロで行なった和解のための会議で、成果をあげ
られなかった原因はハマースにあり、「合意が成立した、と我々が
国民に報告できないようにしているのはハマースだ」と述べた。

     国内ニュース

ハインツ シャーデンがザルツブルク市長に再選

ザルツブルク市の市長は、今後もハインツ シャーデン(社会民主
党)が勤める。シャーデンは昨日の決選投票で、国民党のハーラル
ト プロイナーを破ったが、その差は多くの人が予想したよりはは
るかに少なかった。シャーデンの得票は54%、プロイナーは46%の
支持を集めた。投票率は驚くほど低く、35%であった。シャーデン
はこの結果に、多くの人が結果は既についていると思っていたの
だ、と述べた。




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