4月6日〜12日のオーストリアのニュース



4月6日(月)

     国外ニュース

新聞報道「トルコではオバマ攻撃が未然に阻止」

トルコ治安部隊は、シリア生まれの男を逮捕した。この男はトルコ
滞在中の米国大統領バラック オバマ襲撃を計画していた、とサウ
ディ・アラビアの新聞が昨日、「エルサレム ポスト」の情報に基
づいて報じた。報道によれば、この男は金曜日に逮捕されたが、身
分証明書を用いて、放送局アル ジャジーラの職員を自称してい
た。彼はオバマをナイフで殺害するつもりで、共犯者が3人いたこ
とを認めている。トルコ治安部隊は今までのところ、容疑者の記者
の身分証が本物かどうか、確認していない、とのことである。アン
カラのアル ジャジーラ局長ユセフ アル シャリフは、この容疑
者を知らない、身分証明書はおそらく偽造されたもので、トルコ当
局は同放送局の職員全てを知っている、と述べた。

     国内ニュース

労働組合は賃上げ断念を拒否

印刷・報道・用紙個人事業労働組合GPA-djp会長ウォルフガング
 カツィアンは、工業界からの賃上げ断念の要求を、はっきりし拒
絶した。「賃金の削減をしても、雇用は確保されず、景気が減速す
る」と彼は昨日の放送で述べた。経営陣との賃金交渉も、労働組合
にとっては、問題にならない。労働時間短縮によって、多くの被雇
用者は既に、収入では「大きな損失」を受けなければならなかっ
た、とも彼は述べた。高等研究所所長ベルンハルト フェルデラー
はこれより前にテレヴィ番組の中で、賃金交渉ではより柔軟な対処
に賛成する、企業や分野によっては、経済恐慌が大きな影響を受け
ているので、賃上げに堪えられないところもあり、そのようなとこ
ろでは、結果として解雇が行なわれることになるかもしれない、と
述べていた。




4月7日(火)

     国外ニュース

ホルブルック「タリバーンについては情報があまりに少ない」

タリバーンに関したあまりに情報が少ないことが、米国がアフガニ
スタンで軍事成果をあまりあげられない原因となっている、との推
測を米国特使リチャード ホルブルックは述べた。政府とその同盟
者のタリバーンに関する知見の量には全く不満足である、とパキス
タン滞在中の彼は昨日述べた。情報部即の理由として、過去6年
間、秘密情報部がイラクに力を集中していたこと、さらに2001年
9月11日の攻撃以降、テロ組織アル カーイダが中心となっていた
ことを挙げた。

     国内ニュース

教員の労働時間で労組が包括対策を呈示

担当授業時間数の拡大に関する作業班に対して、教員労働組合は、
どのような状況であれば、教育大臣クラオディア シュミート(社
会民主党)と合意が可能であるかを呈示した。教員の代表は、授業
の効率を上げるための提案と共に、年齢別の授業担当のさまざまな
試案を提案したが、義務教育教員労働組合の最高組合員ワルター 
リークラーは、教育省の代表には、この案は「極めて高い評価」で
受け止められた、と述べた。リーグラーが認めているとおり、この
措置はシュミートが呈示した案よりは、5億2千5百万オイロ必要と
なるので、「他の大臣たちと同様、情勢が困難な時期にあるため」
いくつかの対策は当面、断念しなければならない。シュミートと教
員の代表の話し合いは、来週火曜日に行なわれるが、それまでにど
の措置を実行できるか、徹底的に検討することになっている。




4月8日(水)

     国外ニュース

グルジア大統領サーカシヴィリに対する抗議活動

グルジアの野党は木曜日、トビリシで大規模なデモを行ない、大統
領ミハイル サーカシヴィリに対して抗議を行なう方針である。十
数の政党が、首都での抗議行動への参加を呼びかけた。木曜日は
20人の死者を出した抗議活動が、ソ連によって弾圧されてから
20年目の記念日である。政府はデモ隊に、平和的に抗議活動を行
なうように呼びかけた。離反したカフカズ地域の南オセチアに、グ
ルジアが昨年8月に侵攻し、ロシアと暴力的に対立してから、サー
カシヴィリに抵抗する勢力はグルジア国内で数を増している。抗議
の目標は、大統領の退任である。

     国内ニュース

フォーフェスの「富裕税」導入の提案は激しい議論に

州首相フランツ フォーフェス(社会民主党)は、価値創出税を要
請している。これは「財産をよりはっきり狙った」課税である。フ
ォーフェスはこれによって、連邦政府から出されている抵抗に対処
している。また財産税に関する議論は続いている。社会民主党党首
で連邦首相ウェルナー ファイマンは、この任期中の国民党との政
権協約に基づいて、財産税の導入を拒否している。ウィーン市長ミ
ヒャエル ホイプル(社会民主党)も、今のところ導入する必要が
ない、と見ている。一方これに賛成しているのは、政治学者のエメ
リヒ ターロスである。彼は「財産に課税すれば、労働の負担は減
る」と考えている。オーストリアでは労働で得た収入に対する税金
は、財産にかかる税金よりもはるかに高いからである。




4月9日(木)

     国外ニュース

CIAは秘密収容所を閉鎖

米国の秘密情報部CIAは、秘密収容所を閉鎖し、問題となっていた
ブッシュ政権下での尋問の手法を転換する、と部長レオン パネッ
タは昨日CIA職員向けの覚え書きの中で発表した。「CIAは秘密収
容所あるいは暗黒施設を今後は運営せず、今なお存在しているもの
は廃止する計画である。拡大された尋問手法は、法務省が2002年
から2009年まで認めていたが、これはもはや実施されない」とそ
の文書には記されている。今後は「対話的な手法で」尋問を行な
う、という方針を明らかにした。ただしアル カーイダなどのテロ
組織の隊員には、今後も変わらず「断固として追求を」を行なう、
とも述べている。

     国内ニュース

25万人の子供たちがオーストリアでは貧困の危険にある

両親が共働きである場合にのみ、子供が十分貧困から保護される。
これがウィーン大学社会学研究所の児童貧困に関するの研究結果で
ある。特に貧困にさらされる危険があるのは、移民の子供たちと両
親が失業中の子供たちである。25万人の子供たちがオーストリア
では貧困の危機にあるが、50万人は家族と一緒に1年に1週間の休
暇に行くことができない。そして貧困は、社会との触れ合い、教育
の機会に大きな影響を与える。




4月10日(金)

     国外ニュース

イタリアでは地震の死者を国をあげて悼む

イタリアは国民の服喪の日を行ない、激しい地震の犠牲者を追悼し
た。もっとも大きな被害を受けたラクイラ市での追悼式には、2百
を越える棺が警察学校の行進広場に安置された。約1万人が、犠牲
者に最後の別れを告げた。首相シルヴィオ ベルルスコーニが、関
係者に対して、「真剣、礼儀、威厳、自制心」を持ってくれたこと
に感謝した。教皇ベネディクト16世は親書の中で、「はかり知れ
ない悲劇の時間の中にある」被害者に、励ましの言葉をかけた。

     国内ニュース

フンツトルファーは「ハックラー年金」の修正に反対

「ハックラー年金」が再び政治の混乱を産み出している。年金の専
門家と国民党の政治家何人かが、この規定こ、効力が切れる予定の
2013年を待たずして修正するように求めている。ただしこの要請
は、担当する社会福祉大臣ルードルフ フンツトルファー(社会民
主党)の拒否にあっている。彼は現在、何かを修正する原因があ
る、とは思っていない。一方自由党と未来同盟は、この規定の無期
限の延長を求めている。




4月11日(土)

     国外ニュース

ソマリア沖の人質事件で救出作戦は失敗

米軍の発表によれば、米国海軍兵士はソマリア沖で海賊に誘拐され
た船長リチャード フィリップスを助け出そうとしたが、失敗に終
わった。海賊たちが発砲をしたため、兵士たちは再び軍艦「ベイン
ブリッジ」に戻った、と米国の放送局CNNは軍筋の情報として報じ
た。フィリップスは水曜日に、4人の海賊によって救助船の中で捉
えられた。彼の船「マースク アラバマ」は、ケニアのモンバサ港
に戻った。一方ソマリアの部族の指導者たちは、海賊と米国の仲裁
を試みる方針である。彼らは、武器の代金や身代金の支払いなし
で、この誘拐事件を決着させようとしている。

     国内ニュース

緑の党と社会活動家は計画中の国外追放措置を批判

社会活動家と緑の党は、アフガニスタン人家族を一時的に拘留し、
ギリシアへ国外追放にする計画を批判した。社会活動団体の会長ミ
ヒャエル ハルプカは文書で、「ギリシアへの国外追放全体」を中
止するように求め、その理由としてギリシアは現在、「亡命先を求
めている人の面倒を見る余裕も、公平な亡命手続きを行なう状況に
もない」ことを挙げた。緑の党は、内務大臣マリーア フェクター
(国民党)に対して、オーストリアでは子供が、国外追放のための
一時隔離施設に送られることがないように保証する声明を出すよう
に求めた。また緑の党の人権問題の専門家アーレフ コールンは、
フェクターに対して、内務省管轄の範囲で人権が守られることを保
証する状態を作らなければならない、と要求した。




4月12日(日)

     国外ニュース

非常事態宣言発令 バンコク情勢は激化

再び戦車がバンコクに入る。数ヶ月か得から続く反政府勢力の抗議
活動は、再び激化した。反対意見もある首相アピシット ウエチャ
チワは昨日、非常事態を課した。これはデモ隊に対してははっきり
と「宣戦布告」するものである。政府は、抗議活動を中止しないの
であれば、厳しい措置を取る、と予告した。これに対してデモ隊
は、国民に蜂起するように呼びかけた。

     国内ニュース

亡命問題 帰国者の数が増加

オーストリアから故郷に自らの意志で帰国する亡命希望者の数が増
加している。3月にはオーストリア全体で、31カ国からやってきた
人180人が帰国した。これはここ数ヶ月と比べて増加している。ザ
ルツブルク州の状況も似ている。ザルツブルクでは、年初以来7人
の亡命希望者が、自らの意志で故郷に帰るか、あるいは帰国に向け
て検討中である。現在ロシア人1名とペルー人1名が、帰国手続き
の終了を待っている。




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