４月１３日〜１９日のオーストリアのニュース
４月１３日（月）
国外ニュース
国連安保理は北朝鮮を非難
国連安全保障理事会は、問題となっている北朝鮮のミサイル発射
を、全会一致で非難した。国連の最高機関である同評議会は昨日、
これに関する声明で合意に達した。この文書の案は、拒否権を持つ
5大国と日本が土曜日に、長い駆け引きの末に提案していた。安保
理がより厳しい対応、つまり決議を行なうことは、ロシアと中国の
反対で失敗に終わった。いわゆる議長声明の中では、「国連安保理
は、北朝鮮による2009年4月5日の発射を非難する。これは
2006年の安保理決議1718に違反して」おり、北朝鮮がこれ以上
の試験を行なうことは許されない、と述べられている。米国と日本
は、より厳しい制裁措置を科す決議を求めていた。
国内ニュース
健康保険制度改革「断固とした対策が必要」
健康保健制度の費用削減につながる組織改革をめぐる議論が、数日
中に始まる。社会保険組合主要連合が加盟者とともに設立した5つ
の作業班が、復活祭直後から活動を開始する。同連合の会長ハンス
イエルク シェリングは、APA通信のインタヴューに答えて、経
済恐慌の中では、今までの受け止め方より「本質的に徹底的な対策
が」必要である、と述べた。主要連合は6月30日までに計画を提案
するように、との委託を政界から受けている。主要連合が政府から
出された課題はわずか2つで、2015年までの中期的な期間で、健
康保険組合の収支を安定させる支出面での対策を作ることと、この
対策が関係者の賛成を得られることだけである。
４月１４日（火）
国外ニュース
米国の控訴審裁判所はデムヤンユクの引き渡しを停止
米国の控訴審裁判所は、ナチの戦争犯罪者とされているジョン デ
ムヤンユクのドイツへの引き渡しを、最後の最後に来て、一時中止
させた。89歳の彼はこの判断が下される直前に、オハイオの自宅
から、移民局の職員によって連れ去られていた。米国移民局の控訴
委員会は聖金曜日に、国外退去手続きを検討しなおすように求める
請求を棄却していた。その後彼の息子が、オハイオの米国控訴新裁
判所で裁判手続きをとった。それより前には、デムヤンユクは明日
にもミュンヒェンに到着する可能性がある、とされていた。
国内ニュース
教員労組のリークラーは抗議活動の日を擁護
義務教育教員労働組合会長のワルター リークラーは、来週木曜日
にオーストリア全土で、学校を閉鎖して開かれる教員の抗議集会を
擁護した。教員のこの抗議は、生徒の犠牲の上に行なわれるもので
はない、「誰も人質に取られているわけではない」と彼は昨日のテ
レヴィ番組で述べた。彼は、生徒もこの抗議活動に同調する方針
だ、とも指摘した。また彼は、教員はこの抗議活動を土曜日、ある
いは復活祭のお祭りの期間中も行なうことができたが、この問題に
ついて世間の関心を呼びたかったので、授業のある日にデモを行な
うのだ、と語った。
４月１５日（水）
国外ニュース
インド人は国会議員を選ぶ
世界でもっとも多くの人口を抱える民主主義国家であるインドで
は、木曜日から国会議員選挙が始まる。約11億人のインド人のう
ち、7億人を越える人が投票を行なうように呼びかけられている。
組織上および安全面での理由から、投票は5日に分けて行なわれ、
最後は5月13日となる。5月16日に結果が発表される。ソニア ガ
ンディの国民会議党が中心の連立与党「統一進歩同盟UPA」は、ヒ
ンドゥー教に基づく民族主義政党BJPが主導的な立場の国家民主同
盟NDAの挑戦を受けている。選挙前の世論調査では、勝者が誰かは
はっきりとは示されなかった。木曜日にはまず、35ある州のうち
17州の1億4千3百万人が投票を行なう。次の投票日は来週であ
る。インドの選挙は、過去に何度も暴力の暗い影が落ちていた。
国内ニュース
ダラボス「国軍の議論は時間がかかりすぎている」
国防大臣ノルバート ダラボス（社会民主党）は、連邦国軍の財政
状況の関する議論は「誤っており、時間がかかりすぎている」と考
えている。災害被災地支援と国外派兵は、今後も行なわれる、と彼
は水曜日の国内安全評議会の会議後に述べた。参謀総長エドムント
エントアッハーもこれを確認した、とも語った。緑の党の安全保
障問題の専門家ペーター ピルツは、これは偽情報である、と非難
した。現在1千4百人の兵士が国外に派遣されているが、今後もこ
れは行なわれる、国内の災害地への派遣には、1万人が投入され
る、とダラボスは述べた。また、2009年の予算は増額されるが、
その金額について彼は言及しなかったが、7千万オイロ増額され
る、との報道もある。また彼は人件費を中心に、支出を削減する方
針である。
４月１６日（木）
国外ニュース
CIA職員は虐待容疑では訴えられない
米国秘密情報部CIAの職員は、テロ容疑者の虐待の軒で罰せられる
ことはない、と米国大統領バラック オバマは述べた。「秘密情報
部の職員は、勇気をもって危険な世界との最前線で貢献している」
とオバマは今日述べた。前任の大統領ジョージ W. ブッシュ政権下
では、認められていた水責め拷問の虐待の手法は、裁判の大将とは
ならない、とも述べた。オバマは自ら婉曲的に厳しい事情聴取の手
法と述べたこの処置を、就任直後に取りやめていた。
国内ニュース
ブーヒャーは次期未来同盟の連邦党首に
未来同盟の会派長ヨーセフ ブーヒャーは、死亡したイエルク ハ
イダーの後継者として、党首になることが確定した。連邦同党の幹
部会は、ケルンテン州出身の彼に木曜日午後に全会一致で、この職
を勤めるように提案した。彼は4月26日にリンツで開かれる党大会
で、正式に選出されることになっている、とヘルバート シャイプ
ナーは連邦同党の幹部の会議後の記者会見で発表した。「ゼッピ」
というあだ名を持つフリーザッハ生まれの彼は、現在国会の未来同
盟の会派長を勤めており、ケルンテン州同党の党首ウーウェ ショ
イヒが立候補を断念したため、唯一の候補者であった。
４月１７日（金）
国外ニュース
国連人種差別会議は妥協の文書に合意
国連人種差別委員会開会を直後に控え、外交官たちは最終声明に向
けた妥協案で合意した。17ページのこの文書は、厳しい交渉の末
に、すべての参加国からの賛成を取りつけた、国連人権委員ナヴィ
ピライが昨日ジュネーヴで述べた。彼女は、近東紛争や宗教間の
誹謗にかんする表現のなどすべての争点が取り除かれた、と述べ
た。ピライはこの議会がこの文書を採択する、と期待しており、こ
の文書と広い範囲からの賛成が得られて、米国が参加することを期
待している、とも語った。
国内ニュース
租税問題でブルクシュタラーは「所得の再配分」に賛成
ザルツブルク州首相ガブリエル ブルクシュタラー（社会民主党）
は、経済恐慌の結果として社会不安に陥ることがないように、と警
告し、今週末の「シュタンダルト」紙の発言の中では、「所得の再
配分」に理解を求めた。「社会全体が麻痺するような異常な事態で
負担を感じているひとの不満は、信じられないほど巨大である。次
々に仕事を失う被雇用者画素の人たちである。社会的な安定はさら
にもろくなるだろう。社会不安の危険はそこにある。閉鎖された事
業所の多くの労働者の怒りは強く、特に以前十分な扱いを受けてい
なかったと感じている場合にそうである」と述べた。
４月１８日（土）
国外ニュース
米国はジュネーヴでの犯人種差別会議に不参加
米国は、ジュネーヴで開かれている懸案の国連反人種差別会議への
不参加の方針を変えない、と外務省公報は昨日ワシントンで発表し
た。その理由として、この会議の最終文書案に、イスラエルが主題
として取り上げられていることを挙げた。米国政府は週初めには、
既に発表していた不参加を、今一度考え直す、と発表していた。こ
の会議は明日開会し、4月25日まで続くことになっている。国連の
発表によれば、今までに少なくとも35カ国が出席すると約束して
いる。イスラエルとカナダは、この会議がイスラエルを攻撃するた
めに利用されるのではないか、との懸念があるため、これには参加
しない、と予告していた。ドイツが参加するかどうかは、昨日の時
点では不明である。
国内ニュース
オーバーエスターライヒ州社民党党首にハイダーが再選
土曜日にはリンツのデザインセンターで、第40回オーバーエスタ
ーライヒ州社会民主党党大会が開かれた。「社会は公正と安全を増
す方向にかわる」との標語を掲げて、同州首相代理エーリヒ ハイ
ダーはこの党大会に現れた。彼は346人の代議員のうち、99.3%の
支持を受けて党首に再選された。この党大会は秋に行なわれる州議
会選挙に向けた、同党の選挙戦の出陣式でもある。筆頭候補である
ハイダーは演説の中で、攻勢にでて、国民党所属の州首相ヨーセフ
ピューリンガーを激しく糾弾した。社会民主党は、この選挙に向
けて、目標を高く掲げ、政権交代を実現するように求めた。
４月１９日（日）
国外ニュース
国連反人種差別会議がジュネーヴで始まる
国連事務総長潘基文は、月曜日にジュネーヴで、反人種差別会議を
開会する。ただしこの会議には、主要国が参加しない。米国とイス
ラエルの他、ドイツ、カナダ、オランダ、オーストラリアが出席を
取りやめた。2001年のダーバン会議の後を受けるこの会議では、
一方的な反イスラエルの声明がでる可能性がある。イラン大統領マ
ハムード アフマディネジャドの出席も予定されており、これが激
しい批判を受けている。アフマディネジャドはテロを支援し、イス
ラエルの生存権を承認していない、と金曜日まで続くこの会議を前
に情報が伝えられている。
国内ニュース
ホロコースト否定論者ゲルト ホンシックに対する裁判
今日ホロコースト否定論者ゲルト ホンシックは、改めてウィーン
の陪審裁判所で、ナチ的な活動を行なった件で責任を問われる。有
罪判決がでた場合には、最大で20年間の拘留が言い渡される可能
性がある。裁判は3日間の予定で行なわれる。彼は1992年に既に
「ヒトラーは無罪か？」という本を出したために、ウィーンの陪審
員から、執行猶予がつかない1年半の拘留が言い渡されていた。