４月２０日〜２６日のオーストリアのニュース
４月２０日（月）
国外ニュース
イスラエルはホロコーストの犠牲者を追悼
イスラエルは昨日、ナチ時代のドイツによって殺された6百万人の
ユダヤ人を追悼した。大統領シモン ペレスと首相ベンジャミン
ネタニヤフが出席する中、ホロコーストの生存者が夕刻に、ヤド
ヴァシェムの記念施設に6つの花輪を備えた。ネタニヤフは、数時
間前にジュネーヴの国連の反人種差別会議で、イラン大統領マハム
ード アフマディネジャドが行なった反イスラエルの発言に対し
て、言及した。反ユダヤ主義が「大量虐殺の旋律の後になくなるだ
ろう、と考えた人は、今日誤った考えを正された」とネタニヤフは
述べた。ペレスは、同じ日にジュネーヴでは「人種差別会談」が開
会し、ホロコースト否定論者アフマディネジャドが「主席演説者」
となったことに「怒り」を表明した。ホロコーストの犠牲者の記念
式は、今日も続く。いくつかの組織の発表によれば、今日なおホロ
コーストの生存者23万人がイスラエルに暮らしている。
国内ニュース
高速道路での運転規則違反により高い刑罰を与える法案
交通省が先週、飲酒運転をしたり暴走した物に対して、より厳しい
刑を科すと予告したことを受け、昨日これに関する法案が評価に回
された。オーストリア自動車・二輪車・運転クラブによれば、この
法案は、高速道路での速度違反と飲酒運転の対処で、統一的な刑罰
を科すなど、予想外の内容を含んでいる。修正案は、高速道路で認
められている130キロの最高速度を越えた場合の、連邦統一の規則
を含んでいる。131キロから140キロでは、警官が徴収する罰金
20オイロあるいは匿名処分の30オイロが科される。141キロから
150キロでは35オイロの罰金か45オイロの匿名処分、151キロか
ら160キロでは50オイロの罰金か、60オイロの匿名処分となる。
今まではそれぞれの州によって罰則が異なっていた。
４月２１日（火）
国外ニュース
オバマ「CIAの虐待の覚え書きは法的な影響力を持つ可能性あり」
米国秘密情報部に拘禁されたテロ容疑者の事情聴取にあたって、米
国の前政権が承認し、意義が挟まれている事情聴取の手法は、法的
な影響力を持つ可能性がある、と大統領バラック オバマは述べ
た。彼は昨日ワシントンで、逮捕者の虐待を内部の服務規定の起草
者に対して、司法が措置を取ることを否定しなかった。この服務規
定では、情報部員による事情聴取の際に、一定の枠組みの中で虐待
を行なうことを認めていた。「この決定の執筆者に関して、私は法
務大臣の決定すべき案件である、と述べたい」とオバマは語った。
ただし彼は、CIAの職員は刑罰を受けることを覚悟する必要はな
い、と述べていた。そのため、元CIA局長、人権組織、国会議員か
ら批判が出ていた。
国内ニュース
ナチ犯罪者の刑事訴追に関して悪い評価
シモン・ウィーセンタール研究所は、強制収容所の監視人であった
と見られるジョン （アイヴァン） デムヤンユクを、ナチ犯罪者
の追及者名簿の第1位に置き、同時にドイツの司法のナチ犯罪者の
刑事訴追をめぐる努力を高く評価した。クロアチアでの戦争犯罪が
問われているが、クラーゲンフルトで生活しているミリヴォイ ア
スナーは既に第3位に置かれている。89歳の彼の引き渡しは、認知
症にかかっているため、今のところ不成功に終わっている。「ドイ
ツでは多くの調査が行なわれ、今なお数件の判決が言い渡されてい
るが、オーストリアでは30年以上に渡り、ナチ戦争犯罪者に対す
る有罪判決は、1件も出ていない」とこの報告書の執筆者でエルサ
レムの同研究所所長エフライム ツロフは批判した。
４月２２日（水）
国外ニュース
ヴェネズエラは反チャヴェス勢力に逮捕命令を出す
ヴェネズエラの裁判所は、反政府派の要人マヌエル ロサレスに対
する国際逮捕命令を出した。これはカラカスの司法筋からの情報で
ある。大統領フーゴ チャヴェスに反対している彼は、現在ペルー
に滞在し、そこで政治亡命を申請した。ロサレスはヴェネズエラで
は、汚職容疑で裁判が行なわれる可能性がある。彼には地下資源が
豊富なズリア州知事時代の2002年から4年の間、私腹を肥やし
た、との容疑が持たれている。ロサレスは、この容疑を否定し、こ
れは自分をおとしめる政治的な宣伝である、と述べた。ヴェネズエ
ラ第2の都市マラカイボの元市長である彼は辞職し、数ヶ月前から
潜伏していた。
国内ニュース
学校自治の日があいかわらず争点に
生徒が学校自治の日の取り消しに抗議して、バリケードの上に上る
ことを、教育省は予想していなかったようである。当初この祝日が
取り消された、とだけ伝えられたが、その後生徒たちはストライキ
に至る抗議活動を行なう、と予告した。水曜日には教育大臣クラオ
ディア シュミート（社会民主党）がより明確に、この日には授業
日程に従った授業が行なわれるとは限らない、と述べた。生徒たち
が学校自治の日に、教員と学校で何をするかは決まっていない。
４月２３日（木）
国外ニュース
イラクで爆弾攻撃 87人が死亡
ここ1年以上なかった大規模な連続攻撃がイラクで発生し、少なく
とも87人が死亡した。2人の自殺攻撃犯が、イラン人巡礼者と多数
の貧しいイラク人、および警察官を巻き込んで爆死した。その直後
当局の公報は、同国の最重要のテロ容疑者であるアブ オマル エ
ル バグダディが逮捕された、と発表した。アル カーイダのテロ
リストであるこの男がイラクで逮捕されたことは、米軍は当初はま
だ認めなかった。この自殺攻撃は、バグダードの北東にあるディヤ
ーラー州の食堂で起きたもので、52人が死亡、68人が負傷した。
犠牲者の多くは、バスでシーア派の聖なる都市ケルベッラーとナジ
ャーフに向かう途中のイラン人巡礼であった。
国内ニュース
フンツトルファーは失業を「押え込む」方針
新しい予算では、社会福祉省向けの資金を大幅に増額して、失業者
の増加予想に対応が取られた。社会福祉大臣ルードルフ フンツト
ルファー（社会民主党）は木曜日のテレヴィ番組で、失業率を少し
でも押え込むためには、準備した金額で十分であると確信してい
る、と述べた。ただし彼は、「歓声をあげる理由はない」とも強調
した。
４月２４日（金）
国外ニュース
銀行が破綻したアイスランドが国会議員選挙
アイスランドでは今日、予定を早めて国会議員選挙を行なう。選
挙が必要になったのは、保守陣営の首相ゲイル ホルデの前政権
が、金融および経済恐慌のなか、市民の抗議が止まらなかったた
め、1月に崩壊したためであった。社会民主党のヨハンナ シグ
ルザルドッティルが首相を務め、今まで暫定内閣を勤めていた社
会民主党と緑の党の連立政府が、議会で多数派を握る可能性が十
分ある、との世論調査が出ている。秋に倒産した銀行を国有化し
た金融機関の立て直しや、経済の活性化、EU加盟を行なうかど
うかの決定など、重大な課題が新政府を待っている。まずEU加
盟問題で意見が分かれている各政党間で、加入申請をめぐる国民
投票を早期に行なう方向で、妥協が図られる見通しである。
国内ニュース
ミッターレーナーは新税を今後導入する可能性を否定せず
恐慌が過ぎ去ったらただちに、新たな税が導入される可能性があ
る。経済大臣ラインホールト ミッターレーナー（国民党）が
「シュタンダルト」紙に、「財政の立て直しのために、新しい措
置が必要だ」との私見を述べた。その際には財産税が議論される
可能性がある、とのことである。現時点では彼は、財産獲得税は
考えていない、とのことである。ただしミッターレーナーは、現
在予算に組み込まれている赤字も、なくせるかどうかは確信はな
い、とも語った。
４月２５日（土）
国外ニュース
ロシアのオリンピック開催地ソチで市長選挙
2014年に冬のオリンピックが行なわれるロシアの黒海岸の都市ソ
チでは、日曜日に市長選挙が行なわれる。大統領ディミトリ メド
ヴェージェフは先週、インタヴューに答えて、ソチでの政治的な対
決が、「民主主義にとってよい」基準を作ってくれる、と述べてい
た。野党の筆頭候補吸うんんは、選挙戦で大がかりな妨害があった
と訴え、自分たちをおとしめる広報活動が行なわれた、と非難し
た。ロシアの政権与党「統一ロシア」に属する現職のアナトーリ
パホモフが、再選される、と一般には見られている。
国内ニュース
未来同盟はハイダーの後継党首にブーハーを選ぶ
未来同盟は今日、連邦党首を選ぶ。リンツで開かれる党大会では、
ケルンテン州でホテルを経営するヨーセフ ブーハーが、昨年
10月になくなったイエルク ハイダーの後継者を選ぶ選挙の、唯
一の候補者として立っている。連邦大会は、EU議員の選挙戦の出
陣式でもあるが、こちらにはエーワルト シュタッドラーが筆頭候
補となっている。約4百人の代議員が、リンツ デザインセンター
で、投票を行なうことになっている。ブーハーの他に党大会では、
4人の党首代理も選ばれるが、その中には暫定党首であったヘルバ
ート シャイプナーも含まれている。ブーハー自身は、それほど高
い支持を目標としていなかった。50%以下の得票率であれば、残念
である、と彼は述べていた。ハイダーは前回、100%の支持を受け
ていた。その他、シュタッドラーが主要動議「市民のヨーロッパの
ために」を提出することになっている。
４月２６日（日）
国外ニュース
サルコズィがスペインを公式訪問
フランス大統領ニコラ サルコズィと夫人カーラは、今日から2日
間の日程で、スペインを正式訪問する。予定には、国王フアン カ
ルロスとの会談の他、プラド美術館訪問、国会の両院での演説が含
まれている。その後毎年恒例のスペインとフランスの首脳会談が始
まる。サルコズィとスペイン首相ホセ ルイス ロドリゲス サパ
テーロとの会談の中心は、バスク地方の地下組織ETAとの戦い、国
際的な金融恐慌、EU問題である。この会合はいくらか緊張感をも
って見守られている。フランスでは、サルコズィがG20首脳会談の
さまざまな参加国を笑い物にしたり、軽率さを見下した判断を下し
た、と報じられていたためである。それによれば、彼はサパテーロ
を「おそらくあまり知的ではない」と判断した、とされている。
国内ニュース
シリア大統領アサドがウィーンに到着
シリア大統領バシャル エル アサドは月曜日から、夫人アスマー
エル アサドと共に、2日間の日程でオーストリアを公式訪問す
る。連邦大統領ハインツ フィッシャー、連邦首相ウェルナー フ
ァイマン（社会民主党）、副首相ヨーセフ プレル（国民党）、国
民評議会議長バルバラ プラマー（社会民主党）およびウィーン市
長ミヒャエル ホイプル（社会民主党）との会談の主要議題は、両
国の経済および文化の問題に加えて、近東での政治的な課題と、こ
れに関してシリアが持つ特に重要な役割である。火曜日にはアサド
はフィッシャーおよび経済会議議長クリストフ ライトルと共に、
オーストリア・シリア経済公開会議を開会する。フィッシャーは
2007年末に、ゴラン高原の国連軍に参加していたオーストリア軍
を訪問し、その後、ダマスカスでアサドと会談していた。アサドは
2003年にフィッシャーの前任大統領トーマス クレスティルの招
待を受けていた。クレスティルは2001年にダマスカスを訪問して
いた。