4月27日〜5月3日のオーストリアのニュース



4月27日(月)

     国外ニュース

米国とロシアは武装について5月中旬に交渉

ロシアと米国がそれぞれ保有する核兵器の上限を定めるための初め
ての交渉が、5月18日から20日にかけて、モスクワで行なわれる
ことになった。両国の代表は先週ローマでの準備会談で、これにつ
いて合意をしていた、とロシア外務省が昨晩発表した。この交渉の
目標は、今年末で期限が切れる戦略兵器削減条約STARTの後継と
なる規則を取りまとめることである。米国大統領バラック オバマ
とロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフは、4月上旬ににロ
ンドンで開かれたG20首脳会談の際に、これを話し合うことで合意
していた。第1次戦略兵器削減条約は、戦略核兵器を削減するため
のもので、1991年に当時のソ連大統領ミハイル ゴルバチョフと
当時の米国大統領ジョージ ブッシュが取りまとめたものであっ
た。12月5日に期限が切れるこの条約は、核弾頭を3割削減すると
の内容を含んでいた。

     国内ニュース

ハンガリー新首相が就任あいさつの訪問

ハンガリーの新首相ゴードン バイナイと外務大臣ペーテル バラ
ージュは、就任のあいさつのためにウィーンを訪問する。バイナイ
は連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)と首相府で、バ
ラージュは外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)との
会談を行なう。バイナイ政権は、前首相フェレンツ ジュルチャー
ニが突然辞任した後、4月中旬に就任した。41歳の彼は今まで経済
大臣を務めており、厳しい経済危機の中、支出削減と多額の負債
で、対応する方針である。ハンガリーは、倒産を回避するために、
巨額の国際通貨基金とEUの緊急信用供与を受けいれなければなら
なかった。




4月28日(火)

     国外ニュース

オバマの成果 共和党員が民主党入り

米国大統領バラック オバマは、国内政治で重要な成果を挙げた。
共和党の上院議員アーレン スペクターが民主党に転じたことで、
民主党が上院で60議席の決定的な多数を持つまで、間近となっ
た。30年に渡って米国議会で議席を持っていたスペクターは、昨
日ワシントンで、民主党への鞍替えを発表した。彼の政治的見解
は、民主党のほうにふさわしくなっている、と79歳のペンシルヴ
ェイニャ州選出のスペクターは述べた。「あなたは私たちからの全
面的な支援を受ける。あなたが仲間になってくれたことを、私たち
は喜んでいる」とオバマはスペクターと電話で話した、と米国の放
送局CNNは大統領顧問の話として報じた。

     国内ニュース

カラスは国民党がEU政策で方針転換をしないように警告

オットマール カラスは、EU議会選挙で国民党の候補者名簿で
は、筆頭候補のエルンスト シュトラサーに続く第2位に置かれて
おり、これに甘んじなければならないが、カラスは以前よりより厳
しい歩調をとっている。「クリール」紙の中で彼は党に対して、
EUに批判的な方針を支持することはない、と述べた。彼はテレヴ
ィ番組の中で昨晩、「私はこの方針から抜け出したい」と述べた。
国民党の事務長フリッツ カルテネッガーは、国民党が今後も「親
ヨーロッパ路線を明確に」歩むことを約束した。カラスの支持者た
ちは、シュトラサーの筆頭候補指名に関して「立腹」している人た
ちと連帯する方針である。シュトラサーは国民党にはなじみのない
EU批判の論調を代表しているが、カラスはこれとは明確に距離を
とった姿勢を示している。




4月29日(水)

     国外ニュース

スペインは死刑廃絶にむけ世界的に努力する方針

スペイン首相ホセ ルイス ロドリゲス サパテーロは、世界各国
が死刑を廃止する方向に向けて、努力する方針である。そのため彼
はスペインがEUの議長を務める2010年の上半期に、策を講ずるつ
もりだ、と社会党員の彼は昨日ストラスブールの欧州議会で予告し
た。スペイン政府はまず、国債委員会の設置を提案し、この委員会
で、段階的な死刑廃止に向けた具体的な策を練りあげる、とサパテ
ーロは述べた。最初の措置として、2015年からは、死刑の執行の
中止を実現するほか、未成年者および精神的に障害のある犯罪者に
対する死刑判決を禁止することになっている。サパテーロは、来年
秋に国連総会に提出するこれに関する決議案に、広い範囲からの賛
成を得るつもりだ、との情報もある。

     国内ニュース

社会民主党はウィーン市議会に財産税を提案

財産に対して、より高い税を課す動議が、昨日ウィーン市議会で、
社会民主党の賛成で可決された。緑の党は賛成した。国民党は「乳
しぼりの少女のマルクス主義」だ、と述べた。自由党は中流階級が
打撃を受ける、と見ている。ウィーン社会民主党は、政府は金融の
枠組みを越える業務行為に対する税と、財産獲得税を導入するべき
である、と要求しており、これにより価格の上限がない密売や、拘
束を受けない投機に歯止めがかけられる、と述べている。




4月30日(木)

     国外ニュース

米国「アル カーイダがあいかわらず最大のテロの脅威である」

米国政府の発表によれば、テロ組織網アル カーイダは、西側世界
にとって、最大のテロの脅威であるのは変わらない。この組織の行
動能力は、2008年に一部分ではあるが、2001年9月11日のテロ
攻撃を行なう前の状態まで回復した、と昨日公表した米国外務相の
報告書には記されている。アル カーイダは、パキスタンとアフガ
ニスタンの間の国境地域を、逃げ込む場所として利用しており、捉
えられたり殺された指揮官の代わりを置き、アル カーイダの首領
ウサマ ビン ラーディンの代理であるアイマン エル サワヒリ
周囲の管理部門の強化に成功した、とのことである。またこの報告
書によれば、イランはテロ組織をもっとも「積極的に」支援してい
る国であり続けており、同国では近東、ヨーロッパ、アジアの攻撃
が計画され、資金が出ている、とのことである。テロリストを支援
している国の一覧表には、その他シリア、キューバ、スーダンが含
まれている。

     国内ニュース

幼稚園は9月から5歳児には義務とされる

今年の9月からは、5歳児に対して幼稚園に通うことが義務とされ
る。両親が子供たちを、毎週少なくとも4日間幼稚園に通わせない
場合には、最大で220オイロの罰金が科される可能性がある。組織
上あるいは受け入れ人数の問題で不可能な地域では、2010年まで
にさらに幼稚園が増設されることになっている。また2010年まで
には、州立幼稚園が新たに150建設され、3才児以下の約6千5百人
も受け入れられる。




5月1日(金)

     国外ニュース

フィデル カストロが米国の緊張緩和政策を拒否

キューバ革命の指導者フィデル カストロは、米国大統領バラック
 オバマの緊張緩和政策を、そっけなく拒否した。とキューバ国営
通信で労働の日を機に、元大統領のカストロは論評を発表し、我々
が奴隷の群れに戻ることに甘んずるのであれば、米国にはキューバ
を「許す」容易があるのだ、と述べた。「敵国」米国は、キューバ
が降伏すると思い違いをするべきでも、またそう考えるべきでもな
い、とも語った。米国政府はキューバをシリア、イラン、スーダン
と並べて、テロ組織を支援している国の一覧表の乗せたことに、キ
ューバ政府は極めて強い怒りを表明していた。オバマは先日、両国
関係を新たなものにする、と発表したところであった。

     国内ニュース

緑の党「廃車の補助金は高価な誤りの道」

古い産業は、人工的に延命措置を施される代わりに、税金が経済的
に意義深い新たな計画には使われない、と緑の党のEU議会議員エ
ーファ リヒテンベルガーはサルツブルクを訪問した際に批判し
た。彼女は6月7日のEU議会選挙では、緑の党の筆頭候補である。
リヒテンベルガーは、古い自動車を廃車にするときに支払われる補
助金は、誤った道で、高価なものにつく、と批判した。




5月2日(土)

     国外ニュース

オバマ政権が軍事法廷を利用する可能性

米国大統領バラック オバマの批判にもかかわらず、新聞報道によ
れば、彼の政権はグアンタナモの逮捕者収容所の収容者に関して裁
判を行なうため、異論もある軍事法廷を利用することができる。情
報源を特定しない形で「ニュー ヨーク タイムズ」紙は昨日、政
府は特別軍事法廷を再会する方針である、と報じた。これより前に
政府は、容疑者の権利の擁護を改善する方針を示しており、早くも
来週には軍事法廷が活動を再開する、とのことである。

     国内ニュース

社民党は財産税の対象に財団法人を含める

財産に課税をするための社会民主党の作業班は、財団法人に狙いを
定めている、と同党で財政問題を担当するアンドレアス シーダー
は述べた。「財団法人により高額の税を課す可能性はあり、我々は
それを詳しく検討する」と「プレッセ」紙日曜版で彼は述べた。ま
たオーストリアの投機期限を修正することも考えられる、と述べ
た。国民の中では当然、「株投機で利益を得た人は、金融恐慌を克
服するために、普通の所得税納税者よりも少ない税を負担している
にすぎない」と感じている人が多い、とシーダーは述べた。一方国
民党は、投機の期間を延長することには反対している。昨年には、
当時の社会民主党と国民党の連立政権は、対立の末、私的な財団法
人の課税に関して新しい規則を作り、新たな財団法人を作る際の税
金を5%から2.5%に引き下げていた。




5月3日(日)

     国外ニュース

メキシコ政府「豚インフルエンザは終息に向かう」

メキシコ政府は、豚インフルエンザは収まりつつある、と見てい
る。H1N1型インフルエンザは、4月23日から28日の間に、もっ
とも活動が活発であった、と厚生大臣ホセ アンヘル コルドヴァ
は日曜日に述べた。「情勢から見て、この伝染病は縮小の局面にあ
る」が、また警戒を解くことはできない、と彼は述べた。メキシコ
は今までのところ豚インフルエンザの、もっとも大きな影響を受け
た。政府によれば、今までに百人を若干越える人がこの病気で死亡
した。世界保健機関は、19の死亡例を確認した。一方カナダで
は、ある農夫がH1N1型ウィルスを豚に感染させた「可能性が極め
て高い。」食糧庁によれば、この農夫はメキシコのインフルエンザ
の症状を呈して、メキシコから帰ってきた。ただし豚から人間への
伝染の危険性は「極めて小さく、」豚肉を食べて感染することは考
えられない、とのことである。世界保健機関は、ヨーロッパは豚イ
ンフルエンザの劇的な影響を受けることはない、と見ているただし
同機関は、警戒解除は行なわず、「今後数日が極めて重要だ」と述
べた。

     国内ニュース

フーアマンが国民党青年部長を退任

国民党青年部JVPの部長シルヴィア フーアマンは、同部長を退任
し、職をただちにウィーン同部長セバスティアン クルツに譲る。
国民党青年部がこれに関する記者会見を明日設定したことを受け、
国民党が日曜夕刻にこれをAPA通信に確認した。決定を下すのは、
連邦幹部会の場である。フーアマン(27歳)は2001年から、ウェ
ルナー アーモンの後を継いで、部長を務めていた。2002年から
彼女は国民評議会の議員となり、今回の任期では、国民党の文化部
門の公報を勤めている。前年から彼女は退任する、との観測が流れ
ていた。彼女は2010年までに連邦幹部会に選ばれることにこだわ
っており、その期間は現職に留まる予定である、と明言していた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system