6月29日〜7月5日のオーストリアのニュース



6月29日(月)

     国外ニュース

クーデタの後ホンジュラスには2人の大統領が存在

1つの国に2人の大統領が併存する状態になっている。ホンジュラ
スでクーデタが起きてから1日、中米の同国の情勢は不透明であ
る。国会が任命した暫定大統領ロベルト ミチェレッティは新政府
を組閣したが、前日失脚した大統領マヌエル セラヤはニカラグア
で、左派国家連合「北中南米ボリバル代替統合構想Alba」の緊急
会議に「正当な」大統領として出席した。ホンジュラスの首都テグ
シガルパでの国会の発表によれば、セラヤは「同国を全体主義へと
導くために」議会を解散する計画であった。世界各国の政府は、こ
のクーデタを非難した。米国は民主主義体制へ、早期に復帰するよ
うに呼びかけた。

     国内ニュース

労組会議が始まる カツィアンがFSG会長に就任

2年前に計画されていたとおり、オーストリア労働組合連合は、新
たな会長を持つ。同連合は今日から木曜日までに、予定を早めて連
邦労組連合の会議をおこなう。この会議は会長ルードルフ フンツ
トルファーが政権入りするために必要になった。彼の後継者には、
元金属産業労働組合の会長エーリヒ フォークラーが指名されてい
る。彼はすでに職務を代行している。彼の選出は木曜日に行なわれ
る。火曜日には社会民主党労働組合員会派の会長の選出が行なわれ
る。鉄道労働組合の会長ウィルヘルム ハーバーツェットルが職務
に疲れたため、この会派長の役職をウォルフガング カツィアンに
譲る。彼は個人事業者労働組合の会長で、社会民主党労働組合の指
揮をとっていた第2共和国の同労組の会長が、この会派長を勤める
のは初めてのことである。




6月30日(火)

     国外ニュース

スウェーデンがEU議長を引き継ぐ

スウェーデンがEU議長を6カ月間担当する。EU評議会議長とスウ
ェーデン首相を兼任するフレーデリック ラインフェルトには、膨
大な計画が負かされている。EU改革に関するリスボン条約が、年
末までに発効するのであれば、大きな人事問題を解決しなければな
らない。経済恐慌のさなかにあるため、大量の失業との戦い、およ
びEUの金融監視態勢の強化が議題に上っている。気候保護の問題
では、スウェーデンは7月初めに、12月の世界気候会議までに、今
後の予定を呈示する方針である。同国がEUに加盟したのは1995年
である。

     国内ニュース

ブーレスは郵便局193カ所の閉鎖を阻止

基盤整備大臣ドーリス ブーレス(社会民主党)は、火曜日に緊急
停止装置を作動した。彼女は郵便会社の幹部であるヘルバート ゲ
ッツと会談を行なった後、郵便法に基づく決定により、193ヶ所の
郵便局の閉鎖を3カ月間延期した。この郵便局は3月に同社が閉鎖
を予告していたが、今のところ郵便関連会社から代わりとなるもの
が呈示されておらず、各市長との話し合いの様子を文書化したもの
も示されていない。ブーレスによれば、閉鎖する郵便局100カ所だ
けが、代わりのものが見つかっている、とのことである。




7月1日(水)

     国外ニュース

ムーサヴィーはイランが「警察国家」になるのを阻止する方針

イランの野党の指導者ミール フサイン ムーサヴィーは、大統領
マハムード アフマディネジャドが選挙で勝利したことを認めない
方針を変えていない。自分を含めイランの国民の多数は、新政府の
正当性を承認していない、とインターネット上で昨日ムーサヴィー
は述べた。問題のある選挙結果に抗議を続けるのは、「歴史」およ
び「革命の義務」であり、「数万人の殉教者」が流した血を見れ
ば、イランで「警察国家」が誕生することは阻止しなければならな
い、と述べた。また、自分は「握り潰された声」がある中、妥協す
ることはない、他の政治家と協力して、投票で行なわれた不正を法
廷で暴くために、委員会を結成する、と述べた。

     国内ニュース

健康保険改革は政府の圧力に対する態度の試金石となる

大蔵大臣ヨーセフ プレル(国民党)は昨日急遽、健康保険改革案
に反対する立場を述べたが、これにより連立政権全体で、強い不協
和音が鳴り響いた。プレルは、健康保険組合は連邦の補助金に頼り
すぎている、と推定しており、改善と説明を行なうように求めた。
彼がこれを求めているということを、連邦首相ウェルナー ファイ
マン(社会民主党)は認めており、プレルに対してすぐにも話し合
いを始めるように勧告した。医師会はプレルの発言にいぶかしさを
表明した。




7月2日(木)

     国外ニュース

オバマはプーチンにあて「冷戦は終わった」と述べる

米国大統領バラック オバマは、モスクワ訪問を数日後に控え、ロ
シア首脳部に対して、冷戦時代のものの見方を捨てるように呼びか
けた。オバマは、ロシア首相ウラジミール プーチンの特徴を、片
足を伝統的なものに置き、片足で新しいものを追いかけている政治
家である、と描きだした。モスクワでの会談で、彼はプーチンに対
して「冷戦は終わった」ということをはっきりさせたい、とオバマ
は述べた。プーチンのロシア政界に対する影響は、昨年大統領府を
去った後もまだ大きい、とオバマは見ている。

     国内ニュース

OECDはオーストリアの学校に対して悪い評価

オーストリア東部では明日、その他の州では1週間後に、専門家の
判断が出されるが、政府は既に教育政策に関する評価を入手した。
経済協力開発機構OECDの最新の報告書は、5つの分野でオースト
リアの学校制度に「重大な弱点がある」と評価したが、同時に改革
の計画では「有望」であると評価した。教育大臣シュミート(社会
民主党)にとって、この報告書は自分の考えを後押しするものであ
り、彼女は自分の新たな中等学校に関する計画が認められた、と見
ている。




7月3日(金)

     国外ニュース

サラ ペイリンはアラスカ州知事を辞任

米国共和党の副大統領候補であったサラ ペイリンは、アラスカ州
知事を7月に辞任する、と発表した。アラスカ州知事としては、今
までペイリンの代理を勤めていたショーン パーネルが7月末に宣
誓を行なう、とペイリンの公報は昨日発表した。彼女は同州のワシ
ラで記者会見を行ない、今後は州知事に立候補することはない、と
述べた。彼女の公報は補足して、任期切れ前の7月26日に辞任す
る、と述べたが、その理由は明らかにしなかった。しかしこの辞任
予告は、2012年の大統領選挙で、共和党の大統領としての活動に
はずみをつけるものだ、との観測を生んでいる。ペイリンは知事を
止めた後にも「アラスカのためにより効果的な活動を行なう」こと
ができる、と述べたが、詳細は明らかにしなかった。また彼女は、
2008年にダウン症候群にかかって生まれた子供と一緒に、もっと
長い時間を過ごしたい、と述べた。

     国内ニュース

スカイリンク社が会計検査院の調査を受けることを求める声

ウィーン空港の新発着用建物の建設をめぐる事故の解明を、中立の
機関が行なうべきだ、との声が高まっている。会計検査院自体に続
いて、ニーダーエスターライヒ州州議会と、緑の党が、共和国最高
の監視機関である会計検査院の検査を可能にするように迫ってい
る。ウィーン空港自体は昨日、調査は拒否することはないが、法律
面の問題が解決してからになる、と述べた。一方緑の党は、各党の
財政に関する疑問を提出した。




7月4日(土)

     国外ニュース

ホンジュラスではセラヤは帰国すると予告

失脚したホンジュラス大統領マヌエル セラヤは、日曜日に故国に
帰国する、と予告した。ヴェネズエラで発表した声明の中で彼は支
持者に対して、帰国した際には自分を支援するように、と呼びかけ
た。国会に選ばれた暫定大統領ロベルト ミチェレッティは、セラ
ヤがホンジュラスに帰国した場合には逮捕する、と威嚇した。セラ
ヤには、憲法違反の容疑がかかっている。

     国内ニュース

プレルは社民党の多数決選挙法に関する提案を歓迎

社会民主党連邦執行部長ギュンター クロイターは、多数決選挙法
の実施を求めたが、副首相ヨーセフ プレル(国民党)は、これを
歓迎した。「社会民主党にこれに関して議論する用意がある、とい
うのは喜ばしい」と国民党党首でもある彼は、「クリール」紙のイ
ンタヴューで述べた。国民党の未来展望班では、3年前から、さま
ざまな方式を評価し、議論を始めるように提案していた。「われわ
れはまだ、これを実施するかどうか、決定は下していない。議論を
始めることが重要だ」とプレルは述べた。




7月5日(日)

     国外ニュース

セラヤの帰国を前にホンジュラス情勢は切迫

失脚したホンジュラス大統領マヌエル セラヤは、緊急の警告を受
けたにもかかわらず、ホンジュラスんすぐに帰国するとの決定を下
した。アメリカ諸国機構OASが、ホンジュラスの暫定政権に最終的
に反対し、同機構への加盟を停止したことを受け、セラヤはこの決
定を発表した。ヴェネズエラ外務大臣ニコラス マドゥーロの発表
によれば、セラヤは夕刻にワシントンから飛び立った。ただしクー
デタを起こした政権は、着陸を禁止した。同国の飛行安全の確保の
ために、同機はエル サルバドルへと迂回した、との情報もある。
セラヤがホンジュラスに足を踏み入れれば、現地の暫定政府は彼を
逮捕する方針である。

     国内ニュース

フィッシャーは再び大統領を目指すと示唆

時期連邦大統領選挙まで約9カ月、各党は現職のハインツ フィッ
シャーと争う候補者を話題にしている。フィッシャーが再び立候補
することを望んでいるかどうかは、先日のテレヴィ番組の中では公
表せず、「早期に立候補する」つもりはない、と述べた。ただし彼
は、自分がこの仕事をやるのが好きであるのは間違いなく、そのた
めちょっとした示唆を与えた。つまり「私は私の任務を喜んで果た
す」という発言は、時期を選んで正しい役割を果たすつもりであ
る、ということであるからだ。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system