7月20日〜26日のドイツのニュース



7月20日(月)

オーペル社買収に3つの提案

(チューリヒ)自動車製造業のオーペル社をめぐる入札競争には、今まで3社が残
っている。カナダ・オーストリアの部品納入会社マグナ社、ベルギーに拠点を持つ
投資機関RHJインターナショナル、中国の製造会社BAICが、期限内に署名するば
かりになっている契約案を、米国の親会社ジェネラル モーターズに提出した。チ
ューリヒのジェネラル モーターズ ヨーロッパが、これを発表し、この提案は分
析して比較される、とも述べた。マグナ社とRHJが有力で、BAICにはわずかな可
能性しかない。提案を行なった3社全てが、国による保証を取りつけるよう求めて
いるため、ジェネラル モーターズ社とオーペル社信託会社は、連邦政府とオーペ
ル社が拠点を持つ州の州政府が賛成をした場合にのみ、投資者に売却が可能であ
る。

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カルステンセンは社民党所属の州政府の閣僚4人を解任

(キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州では、州首相カル
ステンセン(キリスト教民主同盟)は、社会民主党所属の閣僚4人
を解任した。州内閣官房はキールで、彼らは水曜日に大臣職を失
う、と発表した。これは大連立が破綻したことの、必然的な結果で
ある、とカルステンセンは述べた。これにより彼は、予定を前倒し
死して行なわれる9月27日の州議会選挙に向けて、さらなる措置を
とったことになる。連立解消を受けてカルステンセンは、信任投票
を行なうように提案し、州議会は木曜日に投票を行なうことにな
る。カルステンセンは不信任になるよう期待しており、その場合に
は議会を解散する方針である。州議会の解散は、月曜日には社会民
主党が反対したため、失敗に終わっていた。

連邦政府はナチ体制への抵抗活動を記念する

(ベルリン)連邦政府は、第2次世界大戦中の軍事的抵抗を賞賛
し、ナチの犠牲者を追悼した。失敗に終わったヒトラー暗殺計画の
65周年記念日に、ベルリンでは国防省とプレッツェン湖の記念施
設で花輪が供えられた。経済相ツ グッテンベルクはプレッツェン
湖で、1944年7月20日の蜂起に参加した男たちは、「両親、文
化、人間性」の印を刻んだ、と述べた。大佐フォン シュタウフェ
ンベルク伯爵とその同志は、ちょうど65年前、ヒトラーを爆弾を
使って殺害しようとしていた。この計画が失敗に終わった直後、ベ
ルリンのベンドラー街で彼らは即決裁判で射殺された。

ナハターシュテットの行方不明者の捜索は一時中止

(マグデブルク)ナハターシュテットで大規模な地滑りが起きてか
ら2日、動員された部隊は行方不明者3人の捜索を中止した。生存
している可能性はもはやなく、犠牲者を掘りだす可能性はない、と
ザクセン・アンハルト内務事務次官エルベンは述べた。国防軍も行
方不明者の位置を割り出すことはできなかった。事故現場はハール
ツ山脈の前山での山崩れの事故現場は、さらに崩れる危険があると
見られている。日曜日には地滑りが起こり、2戸だての家ごと3人
が採掘場に池にのみ込まれていた。




7月21日(火)

イランで再び抗議活動

(テヘラン)目撃者の話によれば、イランの首都テヘランでは、警察と改革派運動
の支持者数百人が、再び衝突した。それによれば、警察はデモ隊数人を逮捕した。
群集は「二度と独裁制は持たない」などの言葉を叫んでいた、とのことである。大
統領マハムード アフマディネジャドが念頭に置かれており、彼の再選に疑惑が持
たれている。

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アフガニスタン政府の建物が攻撃を受け13人が死亡

(カブール)アフガニスタン東部で、反乱勢力が新たな攻撃を行な
い、当局の発表によれば、少なくとも13人が死亡した。パクティ
ア州のガルデスで、タリバーンの戦闘員が現地の州政府の建物を襲
撃しようとした。その後銃撃戦となり、反乱勢力5人、治安部隊
5人が死亡した。ナンガハール州のジャララバードで起きた銃撃戦
では、急進派2人と警官1人が死亡した。急進派は、同市の空港に
押し寄せようとしていたが、この空港はアフガニスタンおよび諸外
国の部隊が軍事基地として利用している。

ソラナはEUがアフガニスタン和平へ協力すると強調

(カブール)アフガニスタン大統領選挙まで1カ月ほどとなり、EU
外務特使ソラナは、EUが和平の努力を支援する、と強調した。EU
は平和と安定を目指すアフガニスタンの努力を支援する、と彼は述
べた。彼はカブールで、首相カルザイ、外相スパンタなどと話し合
いを大なった。彼のアフガニスタン訪問の最重要議題は、8月20日
の大統領選挙の準備であった。そのためEUの主席外交官であるソ
ラナは訪問中に、候補者数人とEUの選挙監視団長モリヨンと会談
した。欧州委員会は選挙の調査のために、百人ほどの監視団をアフ
ガニスタンへ派遣している。

EUはイスラエルに東エルサレムでの挑発を止めるように警告

(ブリュッセル)EUは、反対意見もある東エルサレムでの入植地
建設計画の件で、イスラエルを批判した。イスラエルは東エルサレ
ムで、家屋の破壊と撤去など、一切の挑発を行なうべきではない、
そのような行為は国際法に違反している、との声明をEU評議会議
長を務めるスウェーデンはブリュッセルで発表した。この計画のた
めに、イスラエルは国際的に強い批判にさらされている。既に米国
はイスラエルに対して、反対意見のある入植地建設を中止するよう
に要請した。イスラエル首相ネタニヤフは、この要請をただちに却
下した。エルサレム市行政府は、アラブ人の住むシャイク ジャラ
フ地区に新たな入植地を建設することに同意していた。この土地
は、1968年にイスラエルに差し押さえられた土地である。




7月22日(水)

お休みです。




7月23日(木)

フォルクスヴァーゲン社監査役会はポルシェ社と新会社設立を承認

(シュトゥットガルト)新たな企業フォルクスヴァーゲン・ポルシェ社への道が切
り開かれた。フォルクスヴァーゲン社監査役会シュトゥットガルトで会議を行な
い、これに関する計画を承認した、と同社社長マルティン ヴィンターコルンは述
べた。詳しい計画は今後、取りまとめられることになるが、ポルシェは今後も独自
の商標でありつづけることになる、とも発表した。これより前にポルシェ社の監査
役会は、事業部長ヴェンデリン ヴィーデキングと、金融部長ホルガー ヘルター
の即時解雇を発表していた。ヴィーデキングの後任は、今まで生産部長であったミ
ヒャエル マハトである。スポーツ車を製造するポルシェ社の巨額の負債は、少な
くとも50億オイロの増資と、カタール首長国の経営参加によって、完済される、
とのことである。

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オーペル社買収はマグナ社とRHJに絞られる

(チューリッヒ)自動車製造のオーペル社買収をめぐる競争には、
今なお2つの企業が関心を示している。米国の親会社ジェネラル 
モーターズ社がチューリッヒで発表したところによれば、オースト
リア・カナダの自動車部品会社マグナ社、およびベルギーの金融投
資組織RHJインターナショナルと、交渉が続けられている。中国の
自動車製造会社BAICは、競争から抜けた。同社はオーペル社買収
の提案の争いでは、極めてわずかな可能性しかなかった。

シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会は州首相に不信任

(キール)シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン州議会は、キリス
ト教民主同盟所属の州首相カルステンセンを、予想通り賛成多数で
不信任とし、実現に向けて努力していた選挙への道を開いた。カル
ステンセンは同州社会民主党党首シュテークナーが、同州議会での
両党による大連立の決定を、後になってから阻止した、と非難し
た。シュテークナーは、カルステンセンが計算して信任投票に持ち
込んだのは、誠実でなく、憲法違反の可能性がある、と述べた。選
挙は9月27日に、連邦議会選挙と同時に行なわれる。世論調査によ
れば、キリスト教民主同盟は、自由民主党と一緒になれば、過半数
を獲得できる可能性がある。

憲法裁判所は調査委員会を強化

(カールスルーエ)連邦政府が定めた発言の制約と、連邦情報局調
査委員会の証拠書類の拒否は、国会の情報に関する権限を侵害し
た。カールスルーエの連邦憲法裁判所は、この決定を発表した。連
邦議会の野党である緑の党、自由民主党、左翼党が裁判を起こして
いた。調査委員会は、CIAがテロの容疑者を乗せて飛行機がドイツ
の空港を利用した問題に、連邦情報局が関与したかどうかを解明す
ることになっている。




7月24日(金)

エアバスA400Mに執行猶予

(パリ)エアバス社の軍用輸送機A400Mは、開発上重大な問題を抱えているにも
かかわらず、ドイツとその他6つのNATO加盟国は、動機の製造のための巨額の注
文を変更しない。関係する国々の国防大臣は、フランスのニース近郊で会合を行な
い、年末を新たな猶予期間とすることを認めた、とドイツ国防大臣フランツ ヨー
ゼフ ユングは説明した。彼は、同型機が軍の輸送力改善のために、重要な土台で
ある、との見方を示した。約200億オイロの開発計画は、駆動装置、配線、ソフト
ウェア、重量の点で、大きな問題を抱えている。A400Mは、当初の計画からは
3年以上も遅れている。60機を注文するドイツ政府は、最大の顧客である。

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オーペル社商標が生き残る可能性はほとんどない模様

(ベルリン、リュッセルスハイム)ジェネラル モーターズ社企業
連合から離脱したオーペル社は、長期的に独自の商標として生き残
る可能性は、ほとんどない模様である。同社は、英国の姉妹会社ヴ
ォクスホール社を合わせても、あまりに小規模なため、独立した自
動車製造会社として生き延びるのは無理である、との投資銀行ラザ
ードの専門意見を、「フィナンシャル タイムズ ドイツ版」が引
用している。各銀行は、連邦政府の委託を受けて、オーペル社に投
資をする可能性があるマグナ社、RHJ、およびBAICの計画を検討
していた。この分析は、オーペル社協議の土台として先週水曜日に
連邦首相府に提出された、と同紙は報じている。それにもかかわら
ず副首相シュタインマイアーは、オーストリア・カナダの自動車部
品会社マグナ社による、オーペル社買収を強く支持した。同社の提
案が、従業員およびドイツの納税者の感覚のいずれにとっても、も
っとも合理的な解決である、と社会民主党所属の彼は「ビルト」紙
に述べた。

ポルシェとの合併でフォルクスヴァーゲン法が再び議論に

(ブリュッセル、ベルリン)フォルクスヴァーゲン社とポルシェ社
の合併計画で、フォルクスヴァーゲン法に関する議論が、改めて燃
え上がっている。キリスト教民主同盟の欧州議会議員レーネは「ベ
ルリン新聞」で、EU委員会に、ニーダーザクセン州にフォルクス
ヴァーゲン社に特別な権限を認めている法律に対して、反対するよ
うに求めた。同社がこのような形で特権を持つ理由はない、とレー
ネは述べた。連邦法相ツュプリースは、レーネの批判を退け、連邦
首相メルケルに対して、この議論を迅速に終わらせ、ドイツ経済の
状況を損なわないように求めた。

ヨーロッパは危機は終わっていないと見る

(ブリュッセル)経済恐慌の最悪の点にはまだ達していない、と過
半数のヨーロッパ人が見ている。EU加盟国の国民の6割が、最悪の
事態がこの後訪れる、との懸念を持っており、3人に1人が職を失
うのではないか、と心配している。これはEU委員会の最新の調査
に基づくものである。職に関する最大の不安を持っているのは、現
在のところスペインとリトアニアの国民である。もっとも自信を持
っているのはスウェーデン人とデンマーク人である。EU雇用・社
会福祉委員スピンドラは、恐慌の結果を見たヨーロッパ人の不安は
「理解できる」と述べた。




7月25日(土)

イラン政府に抗議して世界各地でデモ

(ロンドン)野党の活動に対してイラン政府がとっている強硬な措置に抗議して、
世界各地でデモ隊が抗議活動を行なった。メルボルンからソウル、ロンドンをへ
て、シカゴにいたるまで80以上の都市で集会が行なわれた。彼らは、異論も出て
いる大統領マハムード アフマディネジャドの再選に抗議したため逮捕された、数
百人のイラン人の釈放を求めた。ドイツではベルリン、デュッセルドルフ、フラン
クルト アム マイン、ミュンヒェン、ハンブルクその他の都市でデモが行なわれ
た。
イランの野党は、政府当局が逮捕者を拷問している、と非難した。インターネット
上での報道によれば、野党の主要政治家が、イスラーム教の高位の聖職者に対し
て、逮捕者の釈放に尽力するように呼びかけた。

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イランは再びイスラエルに警告

(テヘラン)イランはイスラエルに対して、イスラーム共和国イラ
ンに対する軍事攻撃を行なわないように、と改めて警告した。イス
ラエルは国土の全てが、イランのミサイルの射程範囲内にあるとい
うことを忘れるべきではない、とイラン革命親衛隊の指揮官ジャフ
ァリがファルス通信社に述べた。またイスラエルの核施設と目され
る場所も、攻撃目標から除外しない、友述べた。イランの中距離ミ
サイルの射程距離は200キロ以上で、イスラエルのあらゆる地点に
到達する状況にある。

イラクのクルド人が大統領と議会を選ぶ

(エルビール)イラク北部の自治区で、クルド人が新地方議会と大
統領を選ぶ。約250万人の市民が、投票権を持っている。大統領の
有力候補は、現職のマスード バルサニである。また議会もバルサ
ニ率いる民主党と、イラク大統領タラバニ率いる愛国同盟の連合
が、優勢と見られている。投票の行方は、バグダードの中央政府と
の緊張が再び高まっているこの時期に行なわれる。緊張が高まって
いるのは、クルド人が要求している領土が、自治区をはるかに越え
た範囲であるためである。彼らの要求は、地下資源の豊かなキルク
ークとその他の州の一部を含んでいる。

EUの銀行情報に対する米国の介入が対立を生む

(ベルリン)連邦政府は、米国のテロ捜査陣に、EUの銀行情報を
伝える計画を立てているが、これを情報保護勢力や政治家が批判し
ている。内務省公報は、今のところはっきりした提案はない、と発
表した。ベルリンとシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の情報保
護活動家、社会民主党、自由民主党、左翼党の政治家は、この計画
を強く批判し、連邦政府に対してこれを撤回するように求めた。ブ
リュッセルからの報道によれば、EU加盟各国の外相は、月曜日に
開かれる委員会に、ヨーロッパでの金融業務の情報の伝達に関し
て、米国と協定を結ぶことを認める方針である。この情報の分析
は、テロ捜査のために極めて有用であることがわかっている、との
ことである。




7月26日(日)

チェチェーニアの首都で流血の攻撃

(グロズヌイ)紛争が続くロシアの共和国チェチェーニアでは、警察の部隊に対し
て爆弾攻撃が行なわれ、少なくとも7人が死亡した。当局の発表によれば、首都グ
ロズヌイのコンサートホールの前で、自殺攻撃犯が警官の集団のとなりで、警官
4人、通行人2人を巻き添えに爆死した。カフカズ地方の共和国であるチェチェー
ニア、イングーシ、タゲスタンでは、国家権力に対する攻撃が、一般市民に対する
暴力的な活動も含めて、最近大幅に増えている。

     その他のニュース

アフガニスタンの選挙運動中の候補者が待ち伏せ

(クンドゥス)アフガニスタン副大統領候補の1人が、タリバーン
の戦闘員によるものとみられる攻撃を受けたが、無傷で逃れること
ができた。モハメド カッシム ファヒムは、クンドゥス州北部を
選挙運動中に、彼の乗った車列が待ち伏せを受けた、とのことであ
る。8月20日の大統領選挙の候補者に対する攻撃は、これで既に
2件目である。この地域では国防軍の兵士も、蜂起勢力の民兵と戦
っている。米国特使ホルブルックは、間近に迫った投票に対する懸
念を表明し、戦争のさなかでの投票は「通常ではない」と、訪問地
カブールで述べた。

イランの野党勢力は葬儀を要求

(テヘラン)イランの野党の指導者ムーサヴィーとカルビは、大統
領選挙に反対するデモで生じた死者を追悼する、葬儀を行なうよう
に申し入れた。イランの通信社イスナによれば、首都テヘランでの
追悼式典は、公式の演説を行なう予定はない、とのことである。土
曜日にはテヘランでは再び、大統領アフマディネジャドが再選され
た選挙に対する抗議活動が行なわれた。デモ隊に対して、再び警察
が出動した。イランの野党は世界的な活動の支援を受け、ドイツで
もいくつかの都市で集会が開かれた。

米国はイスラエルに外交的圧力を強める

(テル アヴィヴ)イスラエルのパレスチナ人居住区での入植地建
設の方針をめぐる対立が長引いていることを受け、近東和平交渉を
軌道に乗せるために、米国は新たな措置にである。米国国防相ゲイ
ツ、安保問題の顧問ジョーンズ、米国の交渉役ミッチェルは、近東
地域に出発し、新たなイランの対イスラエル戦略に関する対立も解
決する方針である。米国大統領オバマは、西ヨルダンランドでのユ
ダヤ人入植地建設を厳しく批判し、これを完全に中止するように求
めた。イスラエル首相ネタニヤフは、月曜日に米国国防省ゲイツと
会談することになっているが、今までのところこれを拒否してい
る。




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