７月２７日〜８月２日のオーストリアのニュース
７月２７日（月）
国外ニュース
EUはラトヴィアとルーマニアに巨額の支援
EUはラトヴィアとルーマニアに対して、巨額の緊急支援を認め
た。金融恐慌に揺れるバルト沿岸のラトヴィアは12億オイロを受
け取る、この金額には、ずっと以前に認められていたEUの支払い
収支の支援31億の一部である。EU委員会とEU評議会議長スウェー
デンがこれを発表した。ルーマニアは15億オイロを受け取る、こ
の金額は50億オイロの貸付金の一部である。さらに10億オイロが
今年も、提供されることになっている。この貸付金は、EUが金融
恐慌で打撃を受けた国々に対して行なう支援である、とEU金融委
員ホアキン アルムニアは発表した。EUは両国に対して、厳しい
条件をつけ、金融恐慌の影響をこれ以上被らないようにする。ラト
ヴィアは2012年までは、新たな負債をマーストリヒト条約で定め
られた国内総生産の3%以下にしなければならない。今年の新たな
負債は11%になる、とEUは見ている。ルーマニア政府は最近、新
たな支出削減策を取る、と発表していた。
国内ニュース
夏の閣議は郵便市場法と社会福祉に取り組む
夏の閣議破鏡、多くの内容を含む議題を呈示した。需要に応えるよ
うな最低限度の保証、健康保険および疾病保健法、危機や自然災害
からの安全管理が議事の乗っている。さらに重要な決定となるの
は、新郵便市場法である。全閣僚がこの夏の時期の会議に参加する
わけではない。休暇中の大臣もいる。以前から問題になっていた郵
便市場法は、郵便株式会社による一律の営業内容の提供を確保する
ためのものである。さらに公勤務の職務遂行と社会福祉の報告が、
会議の第2期の議事にあげられている。
７月２８日（火）
国外ニュース
カリフォルニア州予算に知事シュワルツェネッガーが署名
カリフォルニア州知事アーノルド シュワルツェネッガーが、昨日
総額850億ドル（597億オイロ）の予算に署名した。これは今まで
よりも大幅な社会福祉部門の支出削減を含んでいる。シュワルツェ
ネッガーは、数週間に渡る交渉の末、議会の賛成が得られた予算を
「善玉、悪玉、醜男」と（セルジオ レオーネの映画「2人の栄光
に包まれたならず者」と英語の題名になぞらえて）呼んだ。共和党
所属の知事である彼は、みずからの手で署名し、拒否権を発動して
さらなる支出削減を実施した。
国内ニュース
南ティロールでグラーフは自分の発言を変えず
国民評議会第3議長マルティン グラーフ（自由党）は、南ティロ
ールのオーストリア復帰に関する住民投票に関連して、反対意見も
ある発言をあいかわらず修正していない。自分は政治的な同意に反
したことは一度たりともない、とグラーフは昨日午後にテレヴィ番
組の中で述べた。オーストリアでの同意は、南ティロールの住民の
自己決定権を「全く変えるものではない」からだ、と述べた。「自
己決定権の最終的な結論は、必ず国民投票で示される」とも語っ
た。また彼は「自分を沈黙させることはできない」とも述べた。
8月には、対立しているイスラエル信徒同盟会長アリエル ムズィ
カントと話し合いを行なうので、それまではこの問題については何
ら言及しない、と語った。
７月２９日（水）
国外ニュース
モルドヴァ共和国で共産党が選挙で敗北
モルドヴァ共和国で予定を早めて昨日行なわれた国会議員選挙で
は、現与党の共産党が、4月よりも大幅に悪い結果を出した。それ
によれば共産党は、41.7%の支持で、国会の45議席を得た。これ
で同党は大統領を出すことができなくなる。野党は大きく今日を伸
ばした。共産党を除く野党4党が、国会議員を出す。これにより、
組閣は困難になる見込みである。
国内ニュース
ウィーン市の出資は2億オイロ減少
ウィーン市は2008年に、その出資で約2億オイロの損失を甘んじ
て受けなければならなかった。ウィーン市財政大臣レナーテ ブラ
オナー（社会民主党）の事務所がこれを認めたが、これは「損失」
とは言えないほどだ、と述べた。減少したのは寄託金の減少と、有
価証券の値下がりによるものである、とのことである。
７月３０日（木）
おやすみです。
７月３１日（金）
国外ニュース
フィリピン元大統領アキノが逝去
元フィリピン大統領コラソン アキノが、76歳で死亡した。彼女
は腸癌にかかっていた。首都マニラに住む彼女の家族がこれを発表
した。彼女は島国フィリピン初の女性大統領であった。アキノはフ
ィリピンを民主制に戻したため、国外からも高い評価を得ていた。
米国の雑誌「タイム」は1986年に、アキノを「今年の女性」に選
び、1987年にはノーベル平和賞の候補者に指名された。独裁者フ
ェルディナンド マルコスに対する民衆蜂起が起きた後、彼女は
1986年に大統領となった。彼女の夫ベニグノ アキノは、反マル
コス勢力の要人で、1983年に亡命を終えて空港に帰国したとこ
ろ、マルコスの手先によって射殺された。その死後、独裁者に対す
る抵抗が強まり、最終的には国民の蜂起につながった。彼女は、現
在大統領であるグロリア マカパガル アロヨを2001年には支援
していたが、不正が行なわれたとの疑いがある2004年の選挙の後
は、彼女を厳しく批判していた。彼女はこれに関して、アロヨに辞
任を求めていた。
国内ニュース
郵便局閉鎖に関する国民発議は終了 参加は少ない
月曜日午後に、「郵便泥棒を止める」という郵便株式会社のキリス
ト教徒労働組合が提案した国民発議は、1週間の期限を終えて終了
した。参加者は少ないとみられる。郵便に関する国民発議は、自由
党、未来同盟、緑の党、労働者会議、公勤務労働組合の代表なども
署名した。この発議の目標は、今ある郵便局を閉鎖しない、という
ことである。一部国有化された郵便株式会社は、近距離交通会社な
どの協力企業によって、一部の業務を代行させる方針である。郵便
会社は、今週閣議を通過した郵便市場法の支持を受けており、この
法律の大部分は、交通大臣ドーリス ブーレス（社会民主党）の当
初案に基づいている。今回の国民発議には10万人の署名が必要で
ある。
８月１日（日）
国外ニュース
ナイジェリアではイスラーム教徒との戦いで7百人以上が死亡
ナイジェリアの都市マイドゥグリでは、治安部隊とイスラーム教反
乱勢力が戦闘を行ない、軍によれば、少なくとも7百人が死亡し
た。熱さのためこれ以上遺体の腐敗が進むのを避けるために、既に
たくさんの遺体が埋葬された、と指揮官ベン アハノトゥは昨日
AP通信に述べた。今のところ当局は、犠牲者は約3百である、と発
表した。アハノトゥがあげた犠牲者の数字は、マイドゥグリだけの
もので、戦闘は同国北部の町にも広がっている。あわせて何人がこ
の戦闘で死亡したかは、わかっていない。警察は急進派イスラーム
教徒の一派ボコ ハラムと戦った。この組織はアフガニスタンのタ
リバーン同様に、イスラーム法シャリアの厳密な解釈を求めてい
る。攻撃はさらに派出所、教会、刑務所、政府の建物に向けられて
いる。
国内ニュース
政府は企業年金を改革する方針
約60万人のオーストリア人が現在、企業年金を受け取っている。
その内の約3分の2の人の年金が、今年削減された。金融恐慌のた
め、昨年の資本市場で大きな損失を出したことで、年金受給者は最
大で45%の支給金額の削減を被っている。企業年金の危険性を今後
は減らすために、政府は年金法の新法を計画している。これによ
り、加入する年金の基金をいわゆる企業集団保険に変えるることが
容易になる。ただしこれは、年金の総額に影響を与える可能性もあ
る。
８月２日（日）
国外ニュース
武器商人シュライバーは間もなくドイツに引き渡される
ドイツ人武器商人カールハインツ シュライバーは、ドイツに引き
渡されることに異議を唱えていたが、その最後の異議が却下され
た。カナダ法務省の代表がテレヴィでこれを発表した。ドイツでは
75歳の彼には、脱税、詐欺、汚職容疑での裁判が行なわれること
になっている。シュライバーは、カナダ法務省の指示ですでに、ト
ロントで引き渡しの準備が進んでいる。彼は1999年以来引渡を行
なわないように、働きかけを行なっていた。彼はキリスト教民主同
盟の党献金疑惑の鍵を握る人物と見られており、国際武器取引では
数多くの未解明の活動を行なったほか、これに関してサウディ・ア
ラビアとの取引を仲介した、とされている。
国内ニュース
国民発議「郵便泥棒を止めろ」は終了
月曜日午前中に、郵便株式会社キリスト教徒労働組合が提案した国
民発議「郵便泥棒を止めろ」は終了する。これは第2共和国になっ
て33番目の国民発議である。この国民発議の発案者は、すべての
国民が同じ条件で、郵便業務を確実に受けられることを求めてい
る。国会で取り上げられるためには、この発議には10万人の署名
が必要である。週末前の時点では、署名者はかなり少なかった。こ
の発議は自由党、未来同盟、緑の党、労働者会議、公勤務従事者労
働組合の代表者も署名をした。オーストリア労働組合連合も、署名
を呼びかけていた。会長エーリヒ フォークラーおよび副会長サビ
ーネ オーバーハオサー（共に社会民主党）は、この発議に署名し
た。結果は月曜日夜21時過ぎに判明する予定である。