８月３日〜９日のオーストリアのニュース
８月３日（月）
国外ニュース
ファタハは20年ぶりの党大会
パレスチナのファタハ組織は、火曜日にベツレヘムで、20年ぶり
に党大会を開く。約2千2百人の代議員が、パレスチナ各地および
亡命先から参加する予定である。西ヨルダンランドでの3日に渡る
集会では、幹部会が新たに選出され、新たな党綱領が可決されるこ
とになっている。1989年の党綱領は、イスラエルとの「武装闘
争」を呼びかけていた。新たな党綱領では、大統領マハムード ア
ッバス率いるファタハは、イスラエルとの和平交渉を続けることに
賛成している。またその綱領案によれば、イスラエルの占領に対し
て抵抗する権利を確認もしている。
国内ニュース
大連立は最低限の保証を維持
普通であれば政府は、野党の批判と戦わなければならない。しかし
最低限の保証問題では、州の代表と労働組合は、それぞれの陣営内
部から抵抗を受ける準備をしている。この両者は、本来の計画と比
べて、支給額を削減することを、単純に甘受するつもりはない、と
週末にオーストリア労働者職員同盟は強調していた。大連立は、一
般党員に冷たい行動をとっている。国民党事務長フリッツ カルテ
ネッガーは、これは「制度全体の問題」である、と述べた。社会民
主党の社会福祉大臣ルードルフ フンツトルファーは、この問題を
取り上げなおすつもりはない、と述べた。
８月４日（火）
国外ニュース
イランではアフマディネジャドが2期目の宣誓を行なう
イラン大統領マハムード アフマディネジャドは、再選に対して抗
議が続く中、水曜日にテヘランの国会で、就任の宣誓を行なう。
52歳の彼の2期め4年間の任期の宣誓式には、外国の外交官も出席
することになっている。新聞報道によれば、スウェーデン大使が
EU評議会の代表として、この式典に出席するが、改革派の野党の
国会議員は、示威的に就任式には出席しない可能性がある。先週数
千人のイラン人が、問題となっているアフマディネジャドの選挙の
勝利に抗議を行なった。公式の発表によれば、この事件で約30人
が死亡した。
国内ニュース
新型解雇手当を改革する必要性に関する議論
6年前に導入された新型解雇手当には、大きな期待が持たれてい
た。ただしこの期待感は、時が経つうちに消え去ってしまった。約
束された利回りが得られず、2008年には減少を記録した。労働法
の専門家ウォルフガング マーザルは、「プロフィル」誌でこの改
革を批判し、「利益がでない強制支出削減命令」である、と述べ
た。だから、ますます多くの被雇用者が解雇通知を受けた際に、解
雇手当を受け取るようになるのは、ほとんど驚くべきことではな
い、と述べた。迅速な改革をしなければ、準備金庫と企業の抱える
問題が拡大する、とも語った。
８月５日（水）
国外ニュース
プーチンはアンカラでエネルギー供給計画について話あう
ロシア首相ウラジミール プーチンは、今日トルコで、エネルギー
計画について話し合うことになっている。アンカラではトルコ首相
レジェップ タイップ エルドアンとの会談が予定されている。エ
ルドアンは、ヨーロッパ向けのガス輸送計画「ナブッコ」に、ロシ
アが長期的に参加するのは可能だ、と発表していた。ロシアとトル
コのエネルギー省は、数日前からこの協力計画に関する協定を、署
名するばかりの状態に持って行くべく準備を進めていた。ロシア
は、西側向けの独自のガス輸送管計画「南の流れ」を進めている。
この輸送管は黒海では、ウクライナの領土ではなく、トルコを経由
して行く可能性が高い。
国内ニュース
スカイリンク事件は憲法裁判所に持ち込まれる
憲法裁判所は、ウィーン空港および新発着ロビー「スカイリンク」
の建設の事故を担当するのが、会計検査院になるのかどうかを決定
しなければならない。会計検査院の調査員達は昨日、非公開会議を
今一度行ない、これに関する動議を憲法裁判所に持ち込むことにな
った。彼らは最初の調査の実施を7月21日に行なっていたが、その
時は事務長との話し合い後に撤回していた。
８月６日（木）
国外ニュース
ソトマヨルが米国最高裁長官就任が認められる。
米国上院で4週間近くの間公聴会が行なわれ、ソニア ソトマヨル
は昨日、ヒスパニック系米国人の中から初めて、最高裁判所の長官
として認められた。今まで連邦裁判所の裁判官であった彼女には、
68人が賛成、31人が反対した。法務委員会は、55歳の彼女の任用
を先月末に既に、賛成多数で可決していた。雇う共和党が激しく抵
抗したものの、上院総会による彼女の承認は確実と見られていた。
大統領バラック オバマは、退任する長官デイヴィッド スーター
の後任として、ソトマヨルを5月末に指名していた。法務委員会議
長民主党のパトリック リーヒーは、ソトマヨルは、最高裁の裁判
官に黒人として初めて就任したサーグッド マーシャルら米国の司
法機関の先駆者の1人である、と述べた。
国内ニュース
村落名標問題でスロヴェニア人代表が司法に怒り
ケルンテン州の村落名標をめぐる対立に新しい事態が起きた。検事
局は、異例の長い手続きをとったあと、先日州首相ゲアハルト デ
ルフラー（未来同盟）に対する職権乱用容疑での告発を却下した。
ただし原告ケルンテン州スロヴェニアジン連合と緑の党は、この問
題についててを緩めるつもりはない。この問題はブライブルクとエ
ーベルスドルフの村落名標を移動させ、追加の名標を設置したこと
をめぐるものである。司法はゆっくり作業を進め、その後間違った
決定を下したが、これは全て政治的な事件である、と原告は見てい
る。
８月７日（金）
国外ニュース
オバマは経済政策で「暗闇の果てに光がある」と発言
米国大統領バラック オバマは、経済には上向きになる心強い兆し
があり、自分の政策が正しい方向を指し示している、と見ている。
7月の失業率は、6月の9.5%から9.4%へ下がった、と昨日ワシント
ンの労働省は発表した。失業率が下がるのは2008年4月以来であ
る。発表前には、さらに失業率が上昇するのではないか、と懸念さ
れていた。専門家は一致して、これや「良い報告」である、80年
ぶりのひどい経済恐慌の終わりが近づいている、と述べた。オバマ
自身は、他の最新の経済情報とあわせて、この最新の失業率を、
「暗闇の果てに光がある」印である、と評価した。再診の統計によ
れば、7月には24万7千人が職を失ない、前月の修正済みの失業者
は44万3千人であった。6月の失業は、1983年以降最高の水準で
あった。
国内ニュース
グラーツで「ヒトラー式の敬礼」が行なわれたとの告発
自由党が5月にグラーツで行なった集会で、参加者の中に腕をヒト
ラー式の敬礼にかかげたものがいたが、これは裁判に持ち込まれる
可能性が高い。2人がヒトラー式敬礼を禁止する法律に違反した容
疑で、告発を受けた。匿名の告発に基づいて、グラーツ検察の憲法
擁護およびテロ対策局が乗り出した、と社会民主党の議員が出した
8月4日の照会に対する解答が得られた。
８月８日（土）
国外ニュース
モーリタニアのフランス大使館前で襲撃
モーリタニアのフランス大使館前で昨日午後、自殺攻撃犯が爆死し
た。大使館の治安部隊2人がこの襲撃で軽傷を負った、とフランス
のラジオ局「フランス情報」が報じた。テロリストがヨーロッパ時
間の20時45分に爆弾に点火したとき、首都ヌアクショットのある
この建物で負傷した2人は警備にあたっていた。モーリタニアでは
数日前にようやく新大統領が就任した。北西アフリカの同国では、
1年前に流血のクーデタが発生し、この時の指導者モハメド ウル
ド アブデル アジスが7月の選挙で勝利した。アブデル アジス
は2008年8月にモーリタニアで初めて民主的に選ばれた大統領シ
ディ ウルド シャイク アブダラヒを就任わずか7カ月間で追い
落とした。アブデル アジスは選挙で勝利した直後に、イスラーム
教徒のテロ組織と断固戦うつもりだ、と予告した。
国内ニュース
カープ「連立の雰囲気は良好」
大連立政権内部では、良好な仕事の状況である、と社会民主党会派
長ヨーセフ カープは述べた。現在の国民党指導部は、以前の可能
なことだけをやるという姿勢よりも、より前向きに社会民主党の意
向を重視しており、多くの問題で合意をする方向にある、と彼は昨
日のテレヴィ番組で述べた。ただし最後には国民党内部では、若干
の人が「少し調子に乗りすぎた」とカープは先日起きた対立を当て
こすった。社会民主党が国民党に譲歩するという噂をカープは否定
した。またオーストリアからEU委員としては誰が出るか、との決定
については社会民主党内部では専門性と経済的な能力を重視してい
る、と強調し、オーストリアがどの部門を担当するか決まるまで、
人事は議論しない、と述べた。
８月９日（日）
国外ニュース
イラン野党「拘留中の支持者が強姦された」
イランでは落選した大統領候補メフディ カルビが、当局に対して
激しい非難を行なった。政府を批判していた多くの人が、手ひどい
虐待を受け、さらに強姦された、とカルビはインターネット上で発
表した。彼はその中で、当局の高官の発言を証拠として出してお
り、男性も女性もこのような暴行にさらされた、としている。一方
革命親衛隊は、同じく選挙で敗れた野党の指導者ミール フサイン
ムーサヴィーを、以前から標的にしていた。この2人の候補者は
アフマディネジャドの再選に対する抗議活動の主たる容疑者である
ので、裁判を受け罰せられねばならない、と革命親衛隊の指揮官が
通信社IRNAに述べた。
国内ニュース
大胆な支出削減の提案 各州に対する借金の禁止
各州では支出削減がますます進んでいる。収入は減少し、支出は増
加している。問題がどれほど大きくなったか、シュタイアーマルク
州の新たな提案を見ればはっきりする。憲法で規定されている州に
対する「借金禁止」を求める声が、同州では強まっている。そのた
めには、もちろん同州は以前のような政治的な「力業」を必要とし
ている。ただし各州での次回選挙が、近づけば近づくほど、政治の
責任者たちが負債の話題を避けようとする傾向が強まる。