8月10日〜16日のオーストリアのニュース



8月10日(月)

     国外ニュース

ビルマではスー チーに対する判決がでる予定

ビルマのノーベル平和賞受賞者アウン サン スー チーが逮捕さ
れてから3カ月、市民の権利の用語はである彼女に対する判決が、
火曜日に言い渡されることになっている。スー チー(64歳)
は、自宅拘留の条件を侵害した、との理由で訴えられている。彼女
とともに訴えられているのは、彼女に襲撃を警告するためと称し
て、5月に湖を渡ってスー チー家に泳ぎ着いた米国人である。ビ
ルマの軍事政府は、招待を受けない客の滞在を、スー チーを逮捕
し、裁判を行なう理由とした。今回彼女には5年間の拘留あるい
は、自宅拘留が言い渡される可能性がある。彼女は既に14年間拘
留状態で過ごしている。西側では、この裁判は見せしめと見られて
いる。

     国内ニュース

フェクター「9月に郵便局員の警察官への配置替えは可能」

郵便局員を警察業務につかせることは、当初思っていたよりも早く
可能になる可能性がある。内務大臣マリーア フェクター(国民
党)は、「ザルツブルク通信」紙で、「郵便局員を警察業務に投入
しはじめるのは「9月1日に」も可能であると考えている、と述べ
た。警官を担当する大臣ガブリエレ ハイニシュ・ホーセク(社会
同盟)は先週、郵便局員と電信電話会社の職員を、警察業務につか
せるのは、秋の遅い時点になる、と述べたばかりであった。




8月11日(火)

     国外ニュース

米国はロシア政府に政治的暗殺の解明を求める

北カフカスで再び起きた人権活動家の殺害を受け、米国はロシア政
府に対して、精力的に解明を行なうように求めた。人権活動家サレ
マ サドゥライエワとその夫の死は、恐ろしい犯罪で、これに関与
したものは責任をとらなければならない、と米国外務省公報は昨日
ワシントンで発表した。ロシアで自由と人権を支持している政治活
動家に関する暴力は、ますます大きな不安をふりまいている、と述
べた。この数時間前にサドゥライエワとその夫は、チェチェーニア
で車の荷物入れの中で、銃撃を受けた遺体で発見された。この種の
事件が北カフカスで起きるのは、1カ月で2度目である。ロシア大
統領ディミトリ メドヴェージェフは、この殺害にびっくりしたと
述べ、この犯罪の解明を求めた。彼は検察、内務省、秘密情報部に
捜査を委託した。

     国内ニュース

カンプッシュ事件でアダモヴィッチの主張に背面援護

ナターシャ カンプッシュの誘拐事件で、これは2人の主要法律家
の自己顕示欲だろうか、あるいは事件の未解明の部分が重要なので
あろうか。特別委員会の議長ルートヴィヒ アダモヴィッチと、委
員ヨハン ルツェスズートは、単独犯説に先日疑いを挟み、カンプ
ッシュが共犯者により危険にさらされている可能性がある、と警告
した。カンプッシュの顧問は、この発言を批判した。しかし現在、
委員会の高官から、彼ら2人の発言を支持する声が出ている。




8月12日(水)

     国外ニュース

イエメンの市場で銃撃 死者数人

シーア派の反乱勢力が、イエメン軍を非難して、攻撃中に多数の一
般市民を殺害し、負傷させた、と述べた。昨日起きた北部のサアダ
地域の市場での銃撃戦だけで、一般市民15人が死亡した、とアブデ
ル マレク エル フチが指揮するサイディ派民兵が発表した。軍
は地上と空から、サアダ地域のハイダン、ドハヤン、マトラ、エル
 マハサーなどを攻撃した、とのことである。シーア派の下部組織
であるサイディ派は、1962年に軍事クーデタで終了したサイディ
派の王朝を、イエメンに再建しようとしている。この民兵はイエメ
ン治安部隊と、何度も銃撃戦を行なっている。2004年以降、数千
人が死亡した。

     国内ニュース

カンプッシュ委員会はこれからは沈黙する方針

昨日突然招集された協議の後に、ナターシャ カンプッシュ事件の
評価委員会は、当面これ以上の意見発表を避ける、と決定した。
「我々の見解では、言わなければならないことは全て述べた」と議
長代理スサネ ライントル・クラオスコプフは述べた。専門家の集
まりである同委員会はさらに分析を行なうが、それ以上のことは全
てこの事件を担当する犯罪捜査特別委員会のものである、と刑法の
専門家である彼女は述べた。同委員会は、議長ルートヴィヒ アダ
モヴィッチを断固支持している、とも今一度強調した。




8月13日(木)

     国外ニュース

安保理のビルマ批判は穏やかなものに

中国とロシアからの圧力により、国連安全保障理事会は、ビルマの
野党指導者アウン サン スー チーに対する異論のある判決に対
して、比較的穏やかな声明を出すことで合意した。ニュー ヨーク
で全会一致で可決した声明の文言の中では、国連の最高の機関安保
理は、ノーベル平和賞受賞者であるスー チーに対する態度のため
に、ビルマの軍事政権に「有罪判決」を言い渡すことは断念した。
また彼女の釈放と、間近に近づいた選挙への参加をはっきり求める
ことも断念した。代わりに理事会の15カ国は、単にスー チーの
自宅拘留が長期にわたっていることに、「真剣な懸念」を表明する
に留まった。一方EUばビルマに対する制裁を強化した。

     国内ニュース

ヒトラー式の敬礼を式典で行なった兵士が解雇通知を受け取る

コソヴォのカサブランカ基地で2月に開かれた式典で、41歳のブル
ゲンラント州出身の下士官が、禁止する法律に違反をしていた、と
の情報がある。現在この下士官と、ブルゲンラント州のピンカフェ
ルト兵舎所属のその他6人の職業軍人は、解雇通知を受け取った、
と「クリール」紙は報じている。彼はヒトラー式の敬礼、ヒトラー
のひげと髪型を表わしたスマイリー、さらに「ドイツへようこそ」
と書いたTシャツが、コソヴォの国防軍兵士の間に騒ぎを引き起こ
していた。




8月14日(金)

     国外ニュース

ガザ帯状地帯での交戦で死者16人

ハマース運動に属する警官とイスラーム教原理主義者の武装集団
が、昨日ガザ帯状地帯で衝突し、暴力を行使し、少なくとも16人
が死亡した。救助隊の発表によれば、ラファでの銃撃戦で、およそ
120人が負傷し、うち20人は重傷である。目撃者の話によれば、
この戦闘は夕方も続いている。衝突のきっかけとなったのは、イス
ラーム教徒アブデル ラティフ ムサの説教であった。ムサは急進
的な組織を率いており、ラファに「イスラーム教首長国」を作るよ
うに呼びかけていた。その際武装組織が、イスラーム法をガザ帯状
地帯で実行するように求め、この地域を2007年以降制御している
ハマース運動の優位性に疑問を投げかけた。目撃者の話では、支持
者とともにムサは自宅にたてこもり、激しい戦闘が行なわれた。ム
サが死亡したか、逃げ出せたか、逮捕されたかは不明である。

     国内ニュース

ウェステンターラー「検察公報は嘘をついている」

未来同盟所属の国会議員ペーター ウェステンターラーは、ウィー
ン検察の公報が、自分に対する訴訟手続きを中止したことに関し
て、真実でないことを広めている、と非難した。ウェステンターラ
ーは警察官に重大な負傷をさせた容疑が持たれている。




8月15日(土)

     国外ニュース

ヴェネズエラとロシアが石油と武器の契約を結ぶ

ロシアはヴェネズエラに武器を輸出し、石油生産でも南米の同国と
より密接な協力を行なう方針である。ロシア副首相イゴール セチ
ンは昨日、サンクト ペテルブルクでヴェネズエラ副大統領ラモン
 カリザレスと会談し、ヴェネズエラはおそらく、ロシア製戦車数
十台を購入する、と述べた。ヴェネズエラのこの武器調達は、米国
が隣国のコロンビアへの軍駐留を増強する計画を立てていること
に、対抗するものである。「軍事基地は疑いもなく、南米のすべて
の国にとって危険である」とカリザレスは述べた。「そのため主権
国家として、国民を保護し、そのために必要な武器を購入しなけれ
ばならない」とも語った。ロシアは旧ソ連時代の元同盟国との関係
強化を望んでいる。

     国内ニュース

司法文書問題でハイダー事件が脚光を浴びる

司法が話題になっている。権力者が優遇されている、との印象が生
じている。ケルンテン州首相ゲアハルト デルフラー(未来同盟)
に対して、ある文書の中で、村落名標の位置が動かされたことが、
奇妙なことに許容されていたことが判明した後、前任の州首相イエ
ルク ハイダー(未来同盟)の件でも同じようなことを見つけ出し
た。ハイダーは法学者として、自分が何を行なっていたか知ってい
たが、ある法学部教授が彼に、彼の行動は「今のままで認められ
る」と請け合っていた、とその文書の中では述べられいる。一方法
務大臣クラオディア バンディオン・オルトナーは、彼女の前任者
マリーア ベルガー(社会民主党)と、責任問題で対立している。




8月16日(月)

     国外ニュース

元将軍ドストゥムがアフガニスタンに帰還

評価の定まらない将軍アブドゥル ラシド ドストゥムは昨日、亡
命先のトルコからアフガニスタンに帰国した。彼はカブール空港
で、支持者から熱狂的な出迎えを受けた。ドストゥムは、アフガニ
スタンで戦争が始まった頃、激しい人権侵害を行なったとして非難
されている。かつて軍の指揮官であった彼には、逮捕された約2千
人ほどのタリバーンが、8年前に死亡した事件の責任がある、とさ
れている。彼の民兵たちは、当時米国と同盟関係にあった北部同盟
の一部であった。ドストゥムは自分には責任はない、と述べてい
る。大統領ハミド カルザイは2005年にドストゥムを軍参謀総長
に指名していた。昨年彼は象徴的な性質のものであるこの職から解
任されたが、その理由は政敵を脅迫した、との容疑が持ちあがった
ためであった。しかし彼はカルザイに再び登用された。カルザイ
は、来たる木曜日の大統領選挙で、ドストゥムが属するウズベキス
タン少数派の票を取り込むことを望んでいる模様である。

     国内ニュース

危機のため年金を求める声が殺到

経済恐慌と労働市場の暗い情勢のため、年長のオーストリア人はは
っきりした影響を受けている。彼らは、できるだけ早いうちに年金
生活に入ろうとしている。均一でない規則に基づいて、正式の年金
受給請求が行なわれている。今年の前半だけで、年金の受給請求の
数は倍増した、とテレヴィ番組が昨日報道した。年金生活に早目に
入るために、若干の金額が減額されるのを甘んじてうける人の数が
増えている。




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