10月5日〜11日のオーストリアのニュース



10月5日(月)

     国外ニュース

ハマースとファタハは和解の道を歩む

深い敵対関係にあるパレスチナ人組織ファタハとハマースは、
10月末にカイロで、長く待ち望まれていた和解協定に署名する方
針である。エジプト外務大臣アフメド アブル ゲイトとパレスチ
ナ大統領マハムード アッバスが、ヨルダンの首都アンマンで、こ
れに合意した、とパレスチナの通信社マーンが昨日報じた。その報
道によれば、他の小さなパレスチナ人組織も、10月25日にカイロ
でこの協定に署名する。それによりパレスチナ人居住地域では、国
会議員と大統領の選挙が3月から6月の間に行なわれることにな
る。さらにこの協定では、ガザ戦争終了後ほぼ1年のこの時期に、
ガザ帯状地帯の再建に向けて方向転換をすることになっている。そ
の前提条件となるのは、自治区の治安部隊が、イスラエルとの国境
通過を監視することである。

     国内ニュース

国民党は教員労組を怒らせる

数ヶ月前国民党は、苦境にある教育大臣クラオディア シュミート
(社会民主党)を見殺しにしたが、今度は突然方針転換を行なっ
た。国民党大蔵政務次官のラインホールト ローパトカは、教員の
ための新たな服務規定を策定する中で、教員の義務を強化すること
に賛成した。国民党が教員を支援することがなくなったことに対し
て、教員労働組合は「びっくりした」から「信じられない」といっ
た反応を示した。教員労組は、党幹部の鶴の一声に期待を寄せてい
る。ただし副首相ヨーセフ プレル(国民党)も、シュミートを支
持している。




10月6日(火)

     国外ニュース

EU改革条約でEUはチェコに圧力を強める方針

チェコ首相ヤン フィシェルは水曜日、ブリュッセルでEU高官と
会談を行う予定である。この会合の目標は、アイルランドがEU改
革に関するリスボン条約に賛成したことを受け、チェコでこの条約
を批准するようにとの圧力を強めることである。EUに懐疑的な意
見を持つ大統領ヴァーツラフ クラウスは、今までのところ条約へ
の署名を拒否している。フィシェルと共にスウェーデン首相で現職
のEU評議会議長フレーデリク ラインフェルト、EU委員会議長ジ
ョゼ マヌエル バローゾ、ヨーロッパ議会議長イェジ ブゼク
は、10月末のEU首脳会談に向けて、共同の歩調を取ることを取り
決める方針である。一方ポーランド大統領レフ カチンスキは、ル
ーマニアから帰国後に、リスボン条約に署名する予定である。

     国内ニュース

国内案件担当局もシュトラサー事務所に対する告発を見過ごす

元内務大臣エルンスト シュトラサー(国民党)時代の、党利党略
上の争いが原因で起きた人事の割り振りをめぐる事件は、さらに範
囲を拡大している。検察が先に議定書に関する調査委員会で、「フ
ァルター」紙の記者フローリアン クレンクのこれに関する職権乱
用の告発を「見落としていた」と発表した後、昨日になって国内案
件担当局BIAも、内務省内でこの告発をうやむやにしていたことが
明らかになった。同局のマンフレート クラウパは、当初避けよう
としていたが、未来同盟の議員エーワルト シュタッドラーの質問
に、検察にあてた同局の調査報告書の中には、内務省内の人事の割
り振りを記録したシュトラサーの電子メールについて、何も記され
ていなかった、と述べた。先週検察官クリスティアン ワルツィは
調査委員会で、見過ごされていた、と述べていた。




10月7日(水)

     国外ニュース

オバマは11月に初めてのアジア訪問を開始

米国大統領バラック オバマは、来月就任以来初めてとなるアジア
訪問に出発する。彼は11月12日から19日にかけて、中華人民共和
国、日本、韓国、シンガポールを訪問する、と広報ロバート ギッ
ブスはワシントンで発表した。シンガポールでは、オバマはアジア
・太平洋経済協力会議に参加する、とのことである。その他の3カ
国では、2カ国間関係と貿易問題が中心議題となる。オバマは、ア
ジアに対して人生上関連を持っている。母親が離婚してインドネシ
ア人と結婚していたため、彼は少年期の一時期ジャカルタに滞在し
ていた。ただしオバマがインドネシアを訪問するのは来年の予定で
ある。

     国内ニュース

ナチ時代の国防軍逃亡兵の名誉回復に関して合意

法務大臣クラオディア バンディオン・オルトナーは、ナチ時代の
脱走兵全体の名誉回復に関する合意が成立したことについて、ナチ
時代の違法な体制による判決を、70年後に取り除くべき時は今で
ある、と改めて述べた。特に脱走兵の代表によって事前に行なわれ
ていた批判を受け、社会民主党と国民党、緑の党は昨日、ナチ時代
の司法による判決を破棄することで合意した。自由党と未来同盟
は、「ひとまとめにしての無罪判決」には反対している。




10月8日(木)

     国外ニュース

フランスの閣僚が買春旅行容疑で非難を受ける

フランス文化大臣フレデリック ミテランは、南アジアへの買春旅
行についての道徳を無視した著書を書いたため、辞任するようにと
の圧力にさらされている。反対派は彼が、未成年者とも関係をもっ
た、と推定している。社会党の国会議員アルノー モンテブール
は、大統領ニコラ サルコズィに対して昨日、ミテランを解任する
ように呼びかけた。一方フランス政府は、ミテランの肩を持ち、こ
れは侮辱的な論争である、と述べた。警察労働組合は、検察が調査
するように求めた。62歳のミテラン自身は退陣要求を却下し、
「自分は小児性愛を非難している」と述べた。この著書は「悪しき
人生」という題名で、元大統領の甥である彼が、2005年に「私」
を登場人物に対で男娼窟を訪問する描写がある。

     国内ニュース

国民党は非公開会議を行なう

ウィーンの国民党政治学会内部では、昨日午後連邦同党党首ヨーセ
フ プレルが、各州の党首と、敗北した州議会選挙後の対策を協議
する。2010年の連邦大統領選挙では、国民党が候補者を立てる、
とオーバーエスターライヒ州首相ヨーセフ ピューリンガーが事前
に述べていた。ただしプレルは、まだなんの決定も下されない、と
明言していた。国民党の幹部はこれに合わせて沈黙を守っている。
この会議は報道陣には公開されていない。ティロール州首相プラタ
ーは、会議が行なわれることだけを認め、「ピューリンガーとヘル
バート サオスグルーバーが、選挙でよい結果を出したことを喜ん
でいる」とだけ述べた。この日公開会議の議題には、新EU委員も
取り上げられた、と見られている。




10月9日(金)

     国外ニュース

アルメニアとトルコは歴史的な協定を結ぶ

アルメニアとトルコは、チューリヒで関係正常化に関する歴史的な
条約に署名した。この条約は、EUの主席外交官ハヴィエル ソラ
ナと米国外務大臣ヒラリー クリントン、ロシア外務大臣セルゲイ
 ラフロフが出席する中、署名が行なわれた。以前ソ連の共和国で
あったアルメニアが1991年に独立した後、トルコは同国とは一切
の関係を持っていなかった。その理由は、オスマン帝国時代の第一
次世界大戦中の、アルメニア人大量殺戮事件をめぐる対立であっ
た。外交関係の再開と、両国間の国境の開放が予定されている。ス
イスは過去数年、両国の和解に向けて努力していた。スイスはアル
メニア人大量殺戮が法律上、民族虐殺であると承認する国の一つで
ある。

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金属産業の賃金交渉が粘り強く始まる

金曜日には、使用者側と被雇用者が17万人の金属産業の職員の
第1回賃金交渉のを、慎重に手探りで始めた。交渉関係者の話によ
れば、特に労働時間の柔軟化をめぐり交渉が進んでいない。使用者
側は、給与の引き上げに関しては寛大であるが、その代わりに加算
手当は節約する方針である。来年の経済成長については、さまざま
な推定がなされている。被雇用者側は景気回復の兆しがある、と指
摘しているが、使用者側は受注の減少で大きな落ち込みを予想して
いる。次回の交渉は10月16日に行なわれる予定である。




10月10日(土)

     国外ニュース

ポーランドは最後から2番目にEU改革条約を批准

ポーランドは土曜日、EU改革に関するリスボン条約を批准した。
これはEU加盟27カ国のうち最後から2番目である。「今日はポー
ランドとEUの歴史の中で極めて重要な日である」とポーランド大
統領レフ カチンスキは署名を前に述べた。これによりこの条約が
発効するためには、ヨーロッパに懐疑的なチェコ大統領ヴァーツラ
フ クラウスが条約に署名することが必要なだけとなった。

     国内ニュース

オーバーエスターライヒ州では37市で市長の決選投票

オーバエスターライヒ州の市町村37箇所で、日曜日に市長選挙の
決選投票が行なわれる。この市町村では、9月27日に行なわれた市
長の直接選挙で、必要な過半数の票という条件を越えられなかっ
た。特に興味をもって見守られているのは、社会民主党が自由党と
力くらべをするウェルスである。ウェルス市長ペーター コイツ
は、1回目の投票で前回の74%の賛成から43%の賛成と減らし、
29%強を獲得した自由党のベルンハルト ウィーサーから、市長の
椅子を守らなければならない。この対決では緑の党がコイツに投票
するように呼びかけたが、それはコイツがずっと極右やネオナチの
行動に積極的に対処しているためである。




10月11日(日)

     国外ニュース

パキスタンではタリバーン攻撃が間近に行なわれる

パキスタン軍本部が攻撃されたことを受け、同国政府は北西部の紛
争地域南ワジリスタンの急進派に対する大規模な攻撃を開始する方
針である。「我々は彼らに対して哀れみを持つつもりはない。彼ら
を追放することが我々の目標であり、決意であるからだ。パキスタ
ンに彼らがいる場所はない。これは私の約束だ」と内務大臣レフマ
ン マリキは昨日ロイター通信に述べた。以前の発表では、軍は
2万8千人ほどの兵士を、攻勢に向けて終結させた。約1万人のタリ
バーン戦闘員がこれを迎え撃つ。アフガニスタンとの国境地域での
攻撃は、以前から予定されていたが、間もなく行なわれる、これ以
外の選択肢を政府は持っていない、とも彼は語った。

     国内ニュース

オーバーエスターライヒ州ウェルズ市長決選投票で社民党が勝利

オーバーエスターライヒ州では、昨日市長選挙の決戦投票が行なわ
れた。特に緊迫感をもって見守られていたのはウェルズ市で、現職
のペーター コイツ(社会民主党)がベルンハルト ウィーサー
(自由党)と決選投票に臨まねばならなかった。彼は53.53%の得
票で、46.47%のウィーサーを破った。その他の市では、社会民主
党にとっては喜べるような結果が挙げられた場所はほとんどなかっ
た。




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