１０月１２日〜１８日のドイツのニュース
１０月１２日（月）
国防軍のピストルがアフガニスタンの闇市場に出まわっている？
（ベルリン）報道によれば、国防軍が保有するドイツ製ピストルが、アフガニスタ
ンとパキスタンの闇市場で取引されている。北ドイツ放送の調査によれば、その中
にはドイツ国防省への納入品である携帯用銃器数百発が含まれている。国防省は、
2006年1月に廃棄処分にしたワルサーP1型ピストル1万丁を、アフガニスタン内
務省に譲り渡したことを認めており、現地では現地の治安部隊の武装用にのみ使わ
れる、との保証を受けていた、とのことである。今までのところピストルの売買に
関する情報はないが、今後調査を行なう、とも発表した。
その他のニュース
ブランデンブルク州社民党は左翼党との連立に努力
（ポツダム）ブランデンブルク州では、社会民主党と左翼党の連立
政権ができることになる。賛成多数で州首相プラツェクは左翼党と
の連立競技を開始することに賛成しているが、社会民主党の同州幹
部会はこの勧告を賛成多数で受け入れた。当初一般党員の中には、
左翼党の筆頭候補カイザーが秘密警察に属していた過去に、強い疑
念があった。一方彼女は閣僚入りを断念した。2週間ほど前の州議
会選挙では、社会民主党がふた大祭大勢力となっていた。計算上は
10年前から続いている今のキリスト教民主同盟との連立を、続け
ることも可能である。ザールラント州では連立構想にさまざまな反応
（ザールブリュッケン）ザールラント州緑の党は、キリスト教民主
同盟と自由民主党と連立協議を行なうことを決めたが、連邦緑の党
の幹部は、これが連邦政治に与える可能性がある影響について控え
めな反応を示している。緑の党幹部エツデミアは、連邦幹部はザー
ルラント州同党の決定は州の水準での実験であり、自分としてはこ
れが成功することを望んでいるが、と述べた。また彼女は、連邦政
治でこの連立を目指すという方針転換ではなく、原則的には社会民
主党との見解の近さがより強まっており、ザールラント州の事態が
起きるきっかけになったのは、ラフォンテーヌ率いる左翼党が信頼
できるか疑わしい点である、と強調した。社会民主党党首代理ナー
レスは、同党と左翼党、緑の党の連立がザールラント州で成立しな
かった責任は、ラフォンテーヌにある、とした。フランスは核のゴミをシベリアで処理
（パリ）「自由」紙の報道によれば、フランスは国内の核のゴミの
一部を、秘密裏にロシアに押しつけていた。フランスの原発の廃棄
物の約13%が、シベリアの都市セヴェルスクに保管されている、と
同紙は報じている。90年代半ばから、ウランを取り去ったゴミが
毎年約百トンが、フランスの反応炉から8千キロ離れたシベリアに
運ばれ、そこでは屋外の駐車場に保管されていた、とのことであ
る。フランスで58の反応炉を稼働する電力会社EDFは、この情報
を認めているが、それ以上のことは発表しようとしていない。フラ
ンスはドイツ同様、今までは核のゴミの最終保管所を持っていな
い。最終保管所の候補地探しは、困難をきわめている。
１０月１３日（火）
フランクフルト書籍見本市が正式に開幕
（フランクフルト アム マイン）書籍見本市が正式に始まった。開会式には連邦
首相アンゲラ メルケルと中国大統領代理習近平も主席した。中国は今年、この見
本市の来賓である。メルケルは、相互を尊重しつつも、触れない話題のない対話を
行なうように、中国に呼びかけた。習は、中国は世界に向けてより開かれた態度を
取る用意がある、と強調した。世界最大の図書見本市であるこの見本市には合わせ
て、約百ヶ国から7千を越える出版社、企業、組織が参加している。
中国向けには約450の催しが行なわれる。それには公式の代表部の他、体制批判側
からも招待されている。そのためここ数週間、ドイツとの関係が緊迫している。
その他のニュース
連邦銀行はザラツィンの権限を取り上げる
（フランクフルト アム マイン）ドイツ連邦銀行は、問題となっ
ているザラツィンから、重要な任務を取り上げた。64歳の彼は今
後は、現金の流通だけを担当することになる、と同行は発表した。
ただしザラツィンは、今後も危機管理と情報技術の部門は担当す
る。そのため彼の権限は、予想ほど大きく剥奪されることはなかっ
た。5月に連邦銀行の幹部に転身したばかりの社会民主党のザラツ
ィンは、あるインタヴューの中で、外国人が社会に溶け込む努力に
ついて、人を傷つけるような発言をし、そのため憤慨の嵐を引き起
こしていた。ザラツィンの今後について、役員会で協議が行なわれ
ていたが、同行の職員は発券銀行である同行の支出削減計画に反対
して、銀行本部の前で抗議活動を行なった。連邦銀行の幹部は、各
州のいくつかの支店を閉鎖する計画である。ドイツの税収は大きく落ち込む
（ベルリン）連邦、州、市町村の9月の税収は、7%以上落ち込ん
だ。その他1月から9月までの間で、前年比で6%減少していた、と
大蔵省がベルリンで発表した。この新たな数字で、キリスト教民
主、社会同盟と自由民主党の連立交渉の前提条件が変化している。
ヘッセン州首相コッホ（キリスト教民主同盟）は、税収が減少して
おり、記録的な新たな負債を抱えるため、多額の支出をする余地は
あまりない、と述べた。一方自由民主党党首ヴェスターヴェレは、
減税を主張している。ヴェスターヴェレは党の会議で、連立交渉の
中では、「とてもよい」成果が出てくるだろう、と自信をのぞかせ
た。ルーマニア政府は不信任投票で崩壊
（ブカレスト）ルーマニア政府は、不信任投票で崩壊した。首相ボ
ックの少数政権に対して、ブカレストの議会は258人が不信任で、
信任したのは176人に留まった。政権の危機の背景には11月の大
統領選挙を前にした各党の対立が激しさを増していることがある。
自由民主党のボックは2週間前に、選挙で不正が行なわれる可能性
がある、と警告した社会民主党の内務大臣を解任した。その後、社
会民主党の全閣僚が辞任を表明していた。
１０月１４日（水）
EUは加盟候補国トルコにより多くの改革を求める
（ブリュッセル）EUはトルコの改革の進捗状況に不満を表明した。確かにトルコ
は前進したものの、あいかわらず、報道の自由や宗教の自由といった基本的な権利
の擁護や、男女平等などでは欠陥がある、と加入交渉に関するEU委員会の最新の
報告書の中では述べられている。EUへの早期加盟の見通しがあるのは、クロアチ
アである。同国は「ほぼ目標を達成している」とEU拡大委員オリ レーンはブリ
ュッセルで述べた。交渉は来年にも取りまとめられる可能性がある。その他にEU
委員会は、マケドニアとの加盟交渉を開始するように勧告した。ただしそのために
は、加盟27カ国すべての賛成が必要である。その障害となっているのは、ギリシ
アとの対立である。ギリシア政府は、マケドニアという全く同じ地名がギリシア北
部に存在していることから、マケドニアがこの名前を使う権利を認めていない。
その他のニュース
英国はアフガニスタン部隊を増強する方針
（ロンドン）英国はアフガニスタンに駐留する部隊を増強する方針
である。首相ブラウンは英国議会で演説し、兵士を5百人増やすこ
とになり、これとあわせて9千5百人の英兵がアフガニスタンで活
動する、と述べた。英国は米国に続いて2番目に大きな人員を派遣
している。彼は増派の条件として、他のNATO同盟国も、派兵にあ
たっては「公平な分担」ををすることを挙げた。飢えた人の数は過去40年で最高の水準に
（ローマ）飢餓に苦しむ人の数は、世界的な経済恐慌の結果、過去
ほぼ40年間で、最高の水準に達した、と国連食料農業機関FAOが
ローマで発表した、世界飢餓報告書には記載されている。それによ
れば現在約10億人が飢えており、これは1970年以降なかったこと
である。この報告書によれば、特にアジアとアフリカ南部がひどい
状態である。同機関長官ディウフは、技術的、経済的な条件は完全
に整っているのに、飢餓を常に防止しようという政治の意志が欠け
ている、と述べた。米国はロシアの核査察を受け入れる方針
（モスクワ）米国外相クリントンは、現在行なっている軍縮交渉の
中で、ロシアに対して米国の核施設を点検するように、と申し入れ
た。合意が守られることをロシア側が確認できるようにする、とク
リントンはロシアのラジオ局に述べた。ただし米国もロシアの核施
設を訪れることが認められねばならない、とも現在モスクワに滞在
しているクリントンは述べた。戦略的攻撃兵器に関する新たな軍縮
条約の中で、監視に関する合意を取りまとめラれる可能性があり、
これについては両国政府が現在交渉中である。クリントンのロシア
訪問中に、ロシアは将来の軍事に関する原則の中で、攻撃者に対し
て核を用いて第一撃を与える権限を捨てない方針である、と予告し
たため、いらだちが生じている。今までは、核攻撃を受けた場合あ
るいは大規模な戦争になった場合だけ、大量殺戮兵器の使用が予定
されていた。
１０月１５日（木）
経済研究所はドイツ経済は2009年に1.2%の成長を予測
（ベルリン）主要経済研究所5つの予想によれば、ドイツ経済は来年にも危機を脱
する。秋の予想で研究員たちは、1.2%の背経済成長を予想している。春の予想で
は、経済業績はさらに0.5%の減少を予想していた。今年については、彼らは5%の
景気の落ちこみを予想している。専門家たちは、次期連邦政府に対して、より厳し
い支出削減を求めており、減税が行なわれる可能性はあるものの、それは支出削減
によってのみその財源が確保できる、と述べている。連邦経済大臣カール・テオド
ール ツ グッテンベルクは、政策上はかなり大きな選択の余地ができ、合理的に
対処することが重要だ、と述べた。
その他のニュース
オーペル社の契約はおそらく今週中にも行なわれる
（リュッセルスハイム、ソウル）オーペル社をオーストリア・カナ
ダの自動車部品会社マグナ社に売却する契約への署名は、間もなく
行なわれる、と親会社ジェネラル モーターズ社は発表した。今週
中にも署名が行なわれる可能性もある、とジェネラル モーターズ
社長ヘンダーソンは滞在中の韓国で発表した。現在同社は事業所評
議会と、賃上げの断念およびオーペル社の株式の1割の受け入れに
ついて協議している。またオーペル社に対する公的支援を、同社が
拠点を持つ各州がどのように分担するかに関する話し合いも、まだ
終わっていない。EU委員会は、今後の経過を詳しく調査し、この
売却を認めるかどうかは、EU法に合致するかどうかである、と発
表した。パキスタンで襲撃事件 死者多数
（イスラマバード）パキスタンでは警察の施設を狙った連続攻撃が
行なわれ、約40人が殺害された。東北部のパンジャブ州の州とラ
ホーレでは、武装した戦闘員が警察の施設数箇所を襲撃した。公式
発表によれば、急進派と治安部隊の戦闘で、警官数人を含め、少な
くとも28人が死亡した。直前には自殺攻撃犯が、同国北西部のコ
ハトの交番前で、少なくとも10人を巻き添えに爆死していた。ペ
シャワールでは、爆発で子供1人が死亡した。これが攻撃であった
のかどうかは、今のところ不明である。アフガニスタンとの国境近
くの南ワジリスタンに拠点を持つタリバーンに対し、攻勢をかける
と予告されていたが、この攻撃はこれを前に、緊迫した情勢を産み
出した。オバマはパキスタンに75億ドルを
（ワシントン）米国大統領オバマは、パキスタンに対し総額75億
ドルの支援計画を開始した。彼は議会が可決した草案に署名した。
これは、米国のパキスタンに対する非軍事支援を、今後5年間で
3倍にするとの計画である。この資金は主として、経済発展のため
に使われることになっている。米国は、パキスタンに対する長期支
援により、急進派勢力に対抗する勢力が産み出されることを望んで
いる。
１０月１６日（金）
オーペル社売却契約はEUとの交渉のため延期
（ベルリン）連邦経済大臣カール・テオドール ツ グッテンベルクの発表によれ
ば、オーペル社売却契約への署名は、ヨーロッパ委員会とさらに交渉するため、延
期される。また彼は、オーストリアとポーランドが、自動車部品製造会社マグナ社
によるオーペル社買収を、国家支援を行なって後押しする方針で、両国は文書によ
る約束を行なった、と発表した。また英国からも前向きな姿勢が示されており、ス
ペイン政府とも良い交渉ができている、とも語った。
オーペル社買収に関しては、合わせて45億オイロの国家支援が予定されている。
その他のニュース
政府も1.2%の経済成長を予想
（ベルリン）連邦政府も来年、1.2%の経済成長を予想している。
経済研究所はドイツの景気は回復するとの前向きの予想を行なった
が、経済相ツ グッテンベルクは、自分もこの予想を共有してい
る、と述べた。また多くの企業で、国からの短時間労働者支援金が
底をつき、生産の減少が波及効果を及ぼしているため、失業者数は
410万人への増加すると予想されている、とも語った。連立交渉は最終局面に
（ベルリン）健康保健制度と税金の問題で対立があるなか、キリス
ト教民主、社会同盟と自由民主党の連立交渉は金曜日に決定的な曲
面に入った。連立を図る両党の代表27人が大きな会議を開板が、
これはベルリンで週末に長時間かけて行なう議論の幕開けであっ
た。連邦首相メルケルは、、週末に交渉が取りまとめられるとは確
実には言えない、と述べた。3日間にわたる協議の最大の障害は、
法定健康保険組合の財源と、税負担の軽減計画であると見られてい
る。キリスト教民主、社会同盟は先に、今後4年間で200億オイロ
規模の減税を行なう、と提案していた。自由民主党は選挙戦では
350億オイロの減税を約束していた。国連は貧困と戦う世界行動の日への参加を呼びかける
（ボン）連邦大統領ケーラーの後援を受けて国連はボンで、貧困と
戦う世界活動の日に参加するように呼びかけた。ドイツでも数百の
活動が週末に行なわれ、新連邦政府に対して、発展に関する政策の
目標を思い起こさせる、と国連の宣伝活動の主催者は述べた。この
行動の連邦全体での発起大会では、ボンの国連大学校内では「決起
集会」が行なわれ、国連、郵便株式会社、ドイッチェ ヴェレの職
員約400人が貧困に対して象徴するように立ちあがり、政界が世界
的なこの問題により積極的に対処するよう訴えた。豊かな国の政府
は、貧困を解消するために、負債の減免および、発展のための支援
をより多く、より優れた形で行ない、公平な貿易条件を作り出さね
ばならない、と声明の中では述べられている。
１０月１７日（土）
パキスタン軍は反乱勢力に対する攻勢を開始
（イスラマバード）パキスタンでは予告通り軍が、北西部の蜂起勢力に対して、大
攻勢を賭けた。軍の発表によれば、3万人ほどの兵士が、空からの支援を受けて、
南ワジリスタン州のアフガニスタン国境地域に攻め入っている。重火器で大がかり
な抵抗を行なっている反乱勢力の拠点を、戦闘機と砲兵隊が爆撃した。同州の大部
分は外出禁止が科され、数千人が逃げ出した。南ワジリスタン州だけでも、急進派
イスラーム教徒タリバーンの1万人を越える戦闘員が活動している。政府は反乱勢
力の数を2万5千人ほどと見積もっている。軍の発表によれば、冬が始まるまでに
この攻勢は終了する、とのことである。タリバーンをこの地域から追い出そうとい
う試みは、既に4度目である。反乱勢力は、この攻勢開始の前に、連続攻撃を行な
い、160人以上が死亡していた。
その他のニュース
オバマは新たなスーダン政策を打ち出す
（ワシントン）米国はスーダンに対する政策を修正し、今後は対話
に賭ける方針である。外相クリントンは月曜日に、飴と鞭からなる
新たな政策を提案する、と米国政府のスーザン特使グレイションは
「ニュー ヨーク タイムズ」紙に述べた。大統領オバマはこの政
策を取ることで、紛争地域ダルフールを中心に、不安定なスーダン
南部で事態を前進させるつもりである、とグレイションは述べた。
ただしスーダンの孤立化を図る方針を放棄し、代わりに大統領アル
・バシルの体制に協力する場合にのみ、それは可能である、とも語
った。しかし米国は、ダルフール地方の事態を絶え間のない大衆虐
殺である、と見なしていることには代わりがない、とも発言した。西アフリカ諸国経済共同体はギニアに武器の禁輸を課す
（アブジャ）ギニアで治安部隊が野党勢力に対して、流血の事態を
引き起こしたことを受け、西アフリカ諸国経済共同体ECOWASは、
同国に対して武器の禁輸措置を課した。ナイジェリアの首都アブジ
ャで行なわれた同組織の首脳会談は声明を採択し、ギニアの軍事政
権が人権を大規模に侵害した、と非難した。ギニア軍は9月28日
に、野党が首都コナクリの競技場で集会を行なっている間に、人々
に向けて発砲していた。人権組織の発表によれば、少なくとも
157人が死亡し、1千2百人ほどが負傷した。国連はこの間に、調
査委員会を設置した。チェコ大統領「EU改革条約は止められない」
（プラハ）チェコ大統領クラウスは、事態がはるかに進行している
ため、EU改革条約を止めることはもはやできず、方向を変えるこ
とはできない、とチェコの新聞「リドヴェ ノヴィニ」に述べた。
チェコ憲法裁判所がこの条約が憲法違反ではないと判断した場合、
リスボン条約に署名する、と彼が示唆したのは初めてである。判決
は10月27日に出される予定である。チェコはこの条約に署名して
いない唯一のEU加盟国である。この条約が発効するためには、EU
加盟27カ国全てが批准していなければならない。
１０月１８日（日）
連立政府は来週終わりにも成立
（ベルリン）政権連合に関する交渉が前進を見せたため、キリスト教民主同盟、キ
リスト教社会同盟、自由民主党は来週末までに、連立協定を完成させる方針であ
る。3日間にわたるベルリンでの非公開会議の後、3党の事務長がこれを発表し
た。キリスト教民主同盟事務長ローナルト ポーファラは、協議は異例なほど前向
きに行なわれ、次期連立与党は実質的な面で前進した、と述べた。特に対立がある
税金と健康保健制度に関する具体的な決定は、まだまとまらなかった。事務長3人
の発表によれば、いずれにせよ減税は行なわれる、とのことである。
3党の今後の予定によれば、連邦首相アンゲラ メルケルが10月28人の新連邦議
会で、3党の連立政権の首相に選ばれることになりそうである。
その他のニュース
イランでは革命親衛隊に対する自殺攻撃
（テヘラン）国営通信の報道によれば、イラン南部のスィースター
ン・バルーチェスターン州で、革命親衛隊が自殺攻撃を受け、少な
くとも30人が死亡した。その報道によれば、その中には親衛隊の
重要な指揮官6人と、部族の長老数人も含まれている、両者の代表
は、スンニー派とシーア派の歩み寄りに関して、協議を行なう方針
であった。スンニー派の組織「ジュダッラー」がこの凶行を起こし
たことを認めた、とのことである。この組織は、シーア派が多数を
占めるイランで、少数派スンニー派の権利を確保するために戦って
いるが、麻薬の取引も行なっている、との情報がある。イラン大統
領アフマディネジャドは、この犯行を非難し、厳しい対処を行な
う、と予告した。革命親衛隊は独自の軍隊で、1979年のイスラー
ム教革命の原則に忠誠を誓う精鋭部隊である。パキスタンの攻勢は手痛い反攻を受ける
（イスラマバード）パキスタン軍は、南ワジリスタン州の急進派イ
スラーム教徒のタリバーンに対して、大規模な攻勢をかけ続けてい
る。秘密情報部によれば、軍は空からの支援を受けながら、3つの
地点で急進派に迫っている。この際には手痛い反撃を受けている
が、反乱勢力を半ば自治的な部族の住むアフガニスタンとの国境地
帯にある多くの拠点から、反乱勢力を追い払うのに成功した、と軍
は発表した。この戦闘では今までに60人ほどのタリバーンの戦闘
員と見られるものと兵士5人が死亡した、とのことである。推定に
よれば、約10万人が避難している。土曜日に始まった軍事作戦に
は、3万人以上の兵士が参加している。彼らと対決しているのは、
1万5千人強のタリバーンおよびテロ組織網アル カーイダの武装
戦闘員である。アフガニスタンの政治家に対して諸外国が圧力
（カブール）アフガニスタンの大統領選挙から2カ月、世界各国は
問題となっている集計によって生じた危機を、解決するように迫っ
ている。フランス外相クシュネールは、大統領カルザイと、その対
立候補だったアブドゥッラーとカブールで会談し、両候補ともに協
力して計画を練りあげる用意がある、と述べた。カルザイの広報
は、統一政権を結成するように、との国際的な圧力がある、と述べ
た。暫定集計結果によれば、カルザイが票の約55%を獲得してい
る。不正な票を除外すると、彼は絶対多数に達しない可能性があ
る。