10月12日〜18日のオーストリアのニュース



10月12日(月)

     国外ニュース

チェコ首相はEU改革条約のためブリュッセル入り

チェコ首相ヤン フィシェルは、火曜日にブリュッセルを訪問す
る。彼はEU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾとEU改革条約
をめぐって会談を行なう。チェコは、まだこの条約の承認をまだ完
了していない唯一のEU加盟国である。そのためには大統領ヴァー
ツラフ クラウスの賛成が得られておらず、彼は先週、要求をつき
つけた。EU委員会は、チェコの立場をはっきりするように求め
た。EUに批判的なクラウスは、リスボン条約の基本法憲章に例外
規定を設けるように求めている。彼はこの憲章が、1945年に出さ
れたベネシュ指令を骨抜きにする可能性があり、この指令に基づい
て行なわれたズデーテン地方にいたドイツ人の国外追放の問題で、
国際法廷で返還および賠償を求める裁判が行なわれるのではない
か、と懸念している。また彼はブルノの憲法裁判所の判断を待つ方
針である。同裁判所は現在、この条約がチェコ憲法に合致するかど
うか、2度目の検討を行なっている。国会の両院は既にこの条約を
批准している。発効するためには、27カ国全てでの批准が必要で
ある。

     国内ニュース

最低保障問題でフンツトルファーは新たな要求を却下

オーストリア労働組合連合副会長サビーネ オーバーハオサーと、
社会民主党連邦執行部長ギュンター クロイターは、最低生活保証
を改善するように求めているが、社会福祉大臣ルードルフ フンツ
トルファー(社会民主党)は昨日、これを拒否した。「実際のとこ
ろ、政府の決定は既にでており、それを土台にして私たちは今後の
対処を行なう」と彼は述べた。ただし「社会保障の改善は、どんな
ものであれ石に刻みこまれているわけではない」と明言した。




10月13日(火)

     国外ニュース

オバマの健康保険改革は上院で大きな障害を乗り越えた

米国大統領バラック オバマが計画している健康保険制度の大規模
な改革は、上院で大きな障害を乗り越えた。オバマの民主党が主導
権を握る財政委員会は、昨日数時間にわたる議論の後、経費削減、
保険料の調整、保険による保護の拡大を含む改革案を採択した。採
決は14対9であった。野党の第1代表である共和党のオリンピア 
スノウも、改革措置に賛成した。しかしこれは彼女が今後もこの法
律の条文に賛成するということではない、と彼女は投票前に述べて
いた。この法案には、民主党内部でも異論が出ている。

     国内ニュース

亡命法が国会の公聴会に取り上げられる

国会の内務委員会は、火曜日午後に新外国人法と取り組み、その他
に専門家を招いた。発言はさまざまであったが、連立政府は予想通
り、この新法案を擁護した。亡命事件を専門とする法律家ゲオルグ
 ビュルストマイアは、この法案は基本的な権利に対して「過度に
大きな」影響を与える、と見ている。「オーストリア社会奉仕活
動」のクリストフ リードルは、亡命権および外国人法は、「乱用
を抑える道具」にも用いられていた、と批判し、より抜本的な議論
を行なうように求めた。




10月14日(水)

     国外ニュース

ホンジュラスではゼラヤの復職で合意

ホンジュラスの危機対策会議では、仲裁役が失脚した大統領マヌエ
ル ゼラヤの復職で合意を取りつけた。と交渉関係者が昨日テグシ
ガルパで発表した。事前の発表では、6月末以来続いている権力争
いを解決するために、最後まで残っていた対立点がこれであった。
ただし暫定大統領ロベルト ミケレッティの賛成が必要である。ゼ
ラヤは11月末に予定されている選挙前にも、復職することを望ん
でいた。

     国内ニュース

未来同盟幹部は党内一致を宣伝

未来同盟の党幹部は水曜日午後、およそ5時間にわたる幹部会を終
え、党内が結束している様子を周囲に見せつけた。「自由党に近づ
こうとする試み」は生じないことが明らかになった、と党首ヨーセ
フ ブーハーは記者会見で述べた。その他幹部会は全会一致で、右
派自由主義の党の方針を決定した、とのことである。またケルンテ
ン州同党主ウーウェ ショイヒは、全てのケルンテン州同党の考え
方が、この方針の中に含まれている、と強調した。ただし詳細は
10月26日に発表される。




10月15日(木)

     国外ニュース

ドイツではCDUと自民党が安保問題で合意

ドイツのキリスト教民主同盟と自由民主党の交渉役は、組閣に向け
た連立交渉の中で、全ての安全保障問題で合意した。両党の代表が
昨日ベルリンで、安保および司法の連立作業班が会議を行なった後
で、これを発表した。自由民主党は、情報の保管、インターネット
の遮断、インターネットを用いた捜査に関して若干の制約をつける
ことに成功したが、この措置は結局今後も残ることになる。

     国内ニュース

金属産業労組の賃上げ交渉は第2段階に

オーストリアの金属産業の約17万人の従業員の契約に関する集団
交渉は、今日から第2段階に入る。先週には交渉役の意見は物別れ
に終わっていた。主な対立点は、使用者側が数パーセントの賃上げ
を、2年間の予定で給与算定の期間を倍にすることを抱き合わせに
することを求めている点である。経済恐慌のため、産業界が大きな
減収となり、物価上昇が低いため、過去数年の中ではかなり低い賃
上げになる見通しである。交渉の土台となるのは、1.5%の物価上
昇率である。前年には3.2%の物価上昇に対し、3.9%の賃上げで労
使双方は合意していた。被雇用者の代表は、2%ほどの賃上げを求
めている。




10月16日(金)

     国外ニュース

ドイツの連立交渉で最初の礎石

次期ドイツの連立政権の与党キリスト教民主、社会同盟と自由民主
党は、最初の礎石を置いた。これにより法定健康保険から、私的に
加入する保険への変更が、より簡単になり、学生たちは新たな奨学
金をあてにすることができる。昨日政府は景気に関する新たな予想
を発表したが、その中ではドイツ経済は回復の方向にあるとされて
いたため、この交渉は活性化した。3日間にわたる長時間会議の冒
頭で、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、今まで対立して
いた点に関して、予想外に早く合意に達した点があった。情報の保
存に関しては、ドイツの連邦憲法裁判所の判断が間もなく下される
ため、それまで保留とされた。インターネット上の児童ポルノの撲
滅については、「遮断ではなく消去」という原則が優先的に適用さ
れる。ただ市財政問題については、まだ対立点が残っている。

     国内ニュース

金属産業賃上げ交渉は成果なし

金属産業で働く17万人の賃上げ交渉は、金曜日の第2回交渉でも成
果をあげられなかった。被雇用者の代表は、使用者側が労働時間の
柔軟化と賃金交渉を、「許せないことに抱き合わせに」するため
に、恐慌を利用している、と非難した。使用者側の代表ヘルマン 
ハンスラオアーは、交渉終了後にふたたび、経済状態は極めて厳し
く、賃上げの余地は極めて少ない、と指摘した。次回の交渉は2週
間後に行なわれる。




10月17日(土)

     国外ニュース

ドイツの新連立与党は原発をめぐる政策で合意

ドイツの次期連立与党キリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、
電力政策で基本的に合意した。経済大臣カール・テオドール ツ 
グッテンベルクは、3党の党首アンゲラ メルケル(キリスト教民
主同盟)、ホルスト ゼーホーファー(キリスト教社会同盟)、グ
イド ヴェスターヴェレ(自由民主党)昨日午後、非公開の会談を
行ない、未来を見据えて再生可能な電力に重点を置く、と述べた。
原子力発電は「過渡的な技術」として今なお必要であり、いつかは
廃止するのが目標である、とのことで合意した。ゼーホーファー
は、これに合意したがまだ詳細をつめなければならない、とも付け
加えた。最後まで残った対立点は、減税の規模、新税制、および健
康保険基金の今後であるのは変わらない。

     国内ニュース

連邦大統領選挙にプレルは名前をあげる

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレルは、現連邦大統
領ハインツ フィッシャーの対立候補に、数人の名前を挙げた。
「エスターライヒ」紙とのインタヴューでプレルは、次の選挙に向
けて、具体的に4人の提案を行なった。彼は国民党の候補になる可
能性がある人物として、経済会議議長クリストフ ライトル、元国
民議会議長アンドレアス クホールを挙げた。会計検査院長官フラ
ンツ フィードラーを「有力」であるとし、それ以外の選択肢ズー
ィクフリート ディラーベルガー(自由党)が市民階級を代表する
候補」として考えられる、と述べた。




10月19日(日)

     国外ニュース

コソヴォとマケドニアは外交関係を開始

国境紛争が仲裁されたことを受け、元ユーゴスラヴィアの1つの共
和国であったマケドニアと、以前はセルビアの州であったコソヴォ
が、外交関係を開始する。マケドニア外務省は昨日、外務大臣アン
トニオ ミロショスキーとコソヴォ外務大臣スケンデル ヒセニク
が前日スコピエで大使の高官を行なうことで合意した、と発表し
た。セルビアは厳しい調子でこれに抗議した。両国は、「結びつき
を強め、相互にお互いの主権、独立、領土の不可侵を尊重しながら
関係を築くよう期待している、とミロショスキーは協定に署名後に
述べた。その前に国境線に関する合意を、両国の議会が批准しなけ
ればならない。

     国内ニュース

フンツトルファーは配分をめぐり議論を行なう方針

社会福祉大臣ルードルフ フンツトルファー(社会民主党)は、昨
日のテレヴィ番組の中で、オーストリアの富の再分配をめぐり、新
たに議論を行なうように求めた。その際には、被雇用者に対する社
会的な(国からの)移転給付だけでなく、産業界および農家に対す
る移転給付や、財産税についても議論すべきだ、と語った。これに
より彼は、国民党の方針を明確に押さえつけよう、としている。外
国人の社会への組み込みという問題については、オーストリアは正
しい方向に進んでいる。この問題では、何よりも偏見を取り除かな
ければならない。また(年金に関する)ハッケル規定については、
これを堅持する方針である。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system