１月１８日〜２５日のオーストリアのニュース
１月１８日（月）
国外ニュース
EU議会は新委員会について予備決定を行なう
EU議会は月曜日、次期委員との一連の聴聞会を終了する。午前中
にはスウェーデンのセシリア マルムストロームとギリシアのマリ
ア ダマナキが、発言と質疑応答を行なった。前日にはマロス セ
フコヴィッチとアントーニオ タヤニの聴聞が行なわれ、何の問題
も生じなかった。あいかわらず、EU議会の一部では不興を買って
いるブルガリアの候補ルムヤナ シェレワを、今後どう扱うかにつ
いてははっきりしていない。彼女は自分の能力をはっきりした形で
示していない、と非難されている。さらにストラスブールのEU議
会では、新たな噂も広がっている。夕刻に行なわれる調整会議で
は、月曜午後早い時点で、これに関する議会の委員会この問題を下
すとの決定は下されない、というものである。24人のEU委員のう
ち、18人には既に担当する委員会から合意が得られている。シェ
レワの他、オランダのネーリー クロエス、リトアニアのアルギル
ダス セメタ、フィンランドのオリー レーンが問題となってい
る。
国内ニュース
ファイマンは銀行に「公正確保の3項目計画」を呈示する方針
連邦首相ウェルナー ファイマン（社会民主党）は、オーストリア
の各銀行に対して、「公正確保の3項目計画」を提出する方針だ、
と「クローネ」紙は報じている。この計画では、「連帯掛け金」が
中心的な項目である。「これでは年間5億オイロが取り扱われる」
と情報源を明らかにせず、同紙は報じている。超過収入は直接予算
に組み入れられる。その他の点は、銀行規則の改正が行なわれ、国
立銀行および金融市場監視局が、より強い調査および罰則の権限を
持つことになる。銀行の決算書に記載されない危険を冒すことは禁
止される。国会支援を受けている銀行は、今後特別手当と利益の配
当に関して、より厳しい規則が課せられる。
１月１９日（火）
国外ニュース
メドヴェージェフ「北カフカスは独自の行政統一体を持つ」
ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフは、北カフカスの紛争
地域に、新たな行政組織を作ることで、ロシア政府の影響を強めて
いる。彼は昨日、北カフカスにあるイスラーム教徒が多数派である
共和国と地域7つを、寄り安定している南カフカス地域とは分離
し、独自の連邦地域とする、と予告した。現地の全権使節兼副首相
として、メドヴェージェフは、今までクラスノヤルスクの知事を務
めていたアレクサンダー ホロポーニンを指名した。カフカス地域
では、イスラーム教徒反乱勢力が、モスクワ中央政府と戦闘を行な
っている。発表によれば新連邦地域に属するのは、チェチェーニ
ア、ダゲスタン、イングーシ、カバルダ・バルカル、カラチャイ・
チェルケス、北オセチアの各共和国と、スタヴロポリ地域が含まれ
る。首都はスタヴロポリのピチャゴルスクである。いままでの7つ
の連邦地域は、大統領時代のプーチンが採用したもので、その目的
はロシアの共和国、地域により大きな行政組織にまとめあげること
であった。
国内ニュース
ケルンテン州自由党は解散を考えず
州議会議員ハーラルト ヤナッハが党首を務める自由党のケルンテ
ン州の組織は、みずから解散することを考えていない。昨日夕刻に
クルンペンドルフで開かれた党員集会で、数時間に渡って激しい議
論が行なわれたが、ウーウェ ショイヒがケルンテン州自由党へ所
属を変えたことは、約170人の参加者の議題にはならなかった、と
ヤナッハは述べた。ショイヒは2005年に未来同盟に移って、自由
党を裏切り、今度はまた所属政党を変えていた。またヤナッハは、
党を解散することを望んでいる人はいない、ここの問題について協
力する可能性については、賛成する声もあったが、ケルンテン州自
由党との合併を望む人もいない、と語った。
１月２０日（水）
国外ニュース
EU内相会議で裸走査装置について協議
EU加盟各国の内務大臣は、スペインのトレドで会合を開き、身体
走査装置をヨーロッパの空港に導入することについて協議する。米
国郷土保安省長官ジャネット ナポリターノも、この会議に出席す
る。国際的なテロとの戦いで、EUと米国の間で協力することが、
この閣僚会談の中心議題である。テロとのヨーロッパ内部での戦い
では、1月1日に交代でEU評議会議長を引き継いだスペインが中心
となって、国内反テロ活動調整のためのヨーロッパ委員会設立に力
を注いでいる。その他には移民と亡命もこの会議の議題となる。
国内ニュース
社会民主党は移し変え口座にあいかわらず反対
与党社会民主党と国民党の（預金額が一定額を越えると自動で高利
回りの金融商品に振り替えられる）移し変え口座に対する態度の違
いは、容易には埋めがたいように思われる。国民党は社会福祉面で
の的確さを確保する手段である、と評価したが、社会民主党がこれ
によって社会福祉給付が削減される恐れがあるとして、この実施を
阻止している。両党は専門家による調査会を招集する。昨日行なわ
れたこの問題を話し合う国会の研究集会では、合意が成立しなかっ
た。
１月２１日（木）
国外ニュース
北アイルランドで首相の妻に対する捜査が開始
北アイルランド警察は、首相ピーター ロビンソンの妻に対し、若
い愛人に資金面で便宜を図ったのではないか、との容疑で捜査を開
始した。妻アイリス ロビンソンが、補助金に関する委員会の議長
を務めていた時に、この愛人がレストランを開店できるように受け
取ったとのBBCの報道に基づいている、と警察は発表した。1月
7日に放送された報道のわずか数日前に、60歳のアイリス ロビン
ソンが2008年に当時19歳だった男との情事を行なっていたことが
表面化していた。ロビンソンが愛人に提供した資金は、5万ポンド
と噂されている。
国内ニュース
シュピンデレガーは村落名標問題の早期解決を求める
外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー（国民党）は、ウィーンで
昨日公演し、ケルンテン州の村落名標問題を、今年中に解決するよ
うに求めた。この公演の議題は「オーストリアとヨーロッパ 2度
目の出会いで恋に落ちることはできるか」というものであった。シ
ュピンデレガーは、西バルカンの安定化で、オーストリアは大きな
役割を持っている、と述べた。輸出中心の国民経済は、安定し、繁
栄した隣国が必要であるが、それ以上にオーストリアは、他国から
重視されるように、スロヴェニアとクロアチアの少数派の保護など
の義務も果たして行かなければならない、と述べた。彼のこの発言
は、ケルンテン州の村落名標を2カ国語で作ることをめぐる対立を
念頭に置いたものであった。
１月２２日（金）
国外ニュース
ルルスコーニは新たな裁判を受ける可能性
イタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニは、また裁判を受ける可
能性がある。ミラノ検察は、ベルルスコーニが不正に資金を横領し
ていた容疑が持たれる事件の捜査を完了した。捜査が進むにつれ
て、ベルルスコーニの息子ピエルシルヴィオも、脱税の容疑が持た
れている、とイタリアでは昨日報じられた。ピエルシルヴィオベル
ルスコーニは、姉妹のマリナと共に、父のテレヴィ帝国を経営して
いる。米国の映画制作者フランク アグラマ、ベルルスコーニが所
有するテレヴィ企業団メディアセットの経営陣3人、香港の住民
2人を含めて、合わせて12人に対する捜査が行なわれている。ベル
ルスコーニの企業団は、秘密の銀行口座に裏金をためておくため
に、アグラマの協力を得て、映画の権利に高い価格を支払ってお
り、課税回避地の銀行口座には3千4百万ドルが集まっていた、と
のことである。
国内ニュース
新型中等学校導入で80箇所で合意が得られず
来年度から先行計画として新型中等学校を設置するのに参加する意
向のある143の箇所のうち、全ての学校のうち1割を上限とすると
いう現在の規定のため、約80箇所で学校に関するこの試みに合意
が得られない見通しである。1割を上限とする規定の廃止を学校入
学手続き前の2月中に実現するための期限が昨日であったが、国民
党はその期限が過ぎるに任せたため、「現行法に基づいて対処せざ
るをえない」と教育大臣クラオディア シュミートは発表した。来
年度は追加して新型中等学校は60箇所に設置されるだけとなり、
合わせてオーストリア全土で3百校となる。精確な決定は、月曜日
に担当する開設委員会に発表されることになる。オーバーエスター
ライヒ州、ティロール州、ケルンテン州では新型中等学校は拒否さ
れる。シュミートは、意欲の高い生徒、両親、教員のいる多くの学
校で、現行法のため、新型中学校が設置できないのは残念だ、と述
べた。
１月２３日（土）
国外ニュース
イエメンとの国境でサウディ・アラビア兵20人が死亡
サウディ・アラビアとイエメンの国境地帯で、サウディ・アラビア
兵士20人の遺体が発見された、と同国国防省が昨日発表した。イ
エメン反乱勢力との戦闘で死亡したサウディ・アラビア兵の数は
133人まで増加した。軍が反乱勢力をドクハン山周辺地域から追い
出した後、遺体が発見された、また兵士数人がいまだに行方不明で
ある、と国防大臣代理クハレド ビン スルタンが述べた。イエメ
ン政府と同国北部のシーア派反乱勢力の間で、ほぼ6年に渡ってく
すぶっている紛争は、11月にサウディ・アラビアが介入したため、
さらに激化した。両国は戦闘で協力し、情報をお互いに伝えあって
いる。スンニー派イスラーム教内部の極めて厳格な解釈を取るワッ
ハーブ派の中心地であるサウディ・アラビアは、反乱勢力が自国内
に攻撃するのではないか、と懸念している。
国内ニュース
バンディオン・オルトナーは未決勾留中も足かせの使用を検討
法務大臣クラオディア バンディオン・オルトナーは、「エスター
ライヒ」紙のインタヴューの中で、「系の執行中ならびに未決勾留
中」の足かせの使用を行なう方針だ、と述べた。「社会復帰中の場
合、足かせを使うことで、逃亡の可能性がなくなるのであれば、そ
の人は職を得て、社会環境を確保することができる」と彼女は述べ
た。今後これを導入するかどうかは、今後1、2カ月で決まること
になる、とも語った。
１月２４日（日）
国外ニュース
世界社会福祉会議がブラジルのポルト アレグレで開幕
ブラジルのポルト アレグレで、月曜日から数千人の経済の世界規
模化を批判する人たちが、世界社会福祉公開会議を開始する。5日
間の会期で行なわれる10回めとなったこの会議の主宰者は、2万人
の参加者を見込んでいる。参加者は、水曜日に始まるスイスのダヴ
ォスの世界経済公開会議とつり合いを取るつもりである。非政府組
織、教会、労働組合の代表の他、ブラジル大統領ルイス ルラ ダ
シルヴァおよび、ヴェネズエラ大統領フーゴ チャヴェス、ボリ
ビア大統領エボ モラレスも、短時間ながら出席が予定されてい
る。「別の世界が可能である」との標語を掲げて、今年も世界社会
福祉公開会議は、国際貿易により公正さを求めている。
国内ニュース
内務省はアフガニスタンに派遣する警官を募集
オーストリアは、現在は国防軍の3人の参謀将校だけからなるアフ
ガニスタン和平支援を、若干だけであるが増強する。内務省が現
在、自らの意志でアフガニスタンで活動する小人数の警官を募集し
ていることを、内務省広報は昨日APA通信に述べた。この警官はヨ
ーロッパ警察使節EUPOLの活動の一部として、アフガニスタンで治
安部隊の育成に協力することになっている、と「プロフィル」紙と
「エスターライヒ」紙は報じた。ただし今のところ派遣人数と機関
についての発表はない。
１月２５日（月）
国外ニュース
ベネズエラ副大統領カリザレスが辞任
ベネズエラ副大統領で国防大臣ラモン カリザレスは辞任した。彼
は「純粋に個人的な理由」で、この決断を下した、と大統領フーゴ
チャベスの代理である彼は昨日カラカスで発表した。政府の決定
について、意見の相違があるわけではなく、これ以外の理由はみな
間違っており、偏向している、とも強調した。数週間前から、彼が
チャベスとの権力争いのため、間もなく辞任する、との噂が流れて
いた。彼とともに妻で環境大臣のユビリ オルテガも辞任した。カ
リザレスは2008年から副大統領、2009年3月から国防大臣を務め
ている。在任中には、ロシアとの重要な武器調達契約を結んでい
た。また日曜日にチャベスは、反政府のテレヴィ局RCTVとケーブ
ルテレビ局を放送中止にしていた。
国内ニュース
ブルゲンラント州州首相は楽観的な「基本方針の声明」を用意
昨日午後ブルゲンラント州州首相ハンス ニースル（社会民主党）
は、今年の重大な政治問題について、楽観的な「基本方針に関する
声明」を、アイゼンシュタットのエステルハーズィ城のオランジュ
リーに持ち込んだ。そこで彼は、ブルゲンラント州では、経済恐慌
の克服を今年度中にも達成できる、と自信をのぞかせた。ニースル
は中心的な項目として、教育の機会拡大、雇用の創出、更新可能な
エネルギーへの投資を挙げた。来年の最重要課題は失業であり、
2010年が困難な一年になるのは変わらないが、自分はそれに怯む
ことはない、と述べた。