2月15日〜21日のオーストリアのニュース



2月15日(月)

     国外ニュース

アフガニスタン攻勢で問題が生じる

諸外国とアフガニスタンの連合軍による、同国南部の蜂起勢力タリ
バーンに対して行なった攻勢は、今のところ成果をあげているが、
ようやくかなり強力な抵抗を受けている。多くの爆弾により、前進
が遅くなっており、マルジャ市では激しい銃撃戦が行なわれてい
る。1カ月以上も戦闘は続く可能性がある、と現時点ではのべられ
ている。NATO部隊は再三、民間人に配慮するつもりだ、と述べて
いる。しかしいくつかの理由から、これは困難な企てであることが
判明している。

     国内ニュース

フンツトルファー「失業給付金に加え子女手当を引き上げ」

社会福祉大臣ルードルフ フンツトルファー(社会民主党)は、総
補助金の引き上げが、国民党の反対で失敗に終わったことを受け、
失業手当に加えて、子女手当を引きあげるつもりである。子女手当
は子供1人1日あたり97ツェントになり、月額で約30オイロにな
る。1日あたり数ツェントの引き上げでも、改善になる、とフンツ
トルファーは「プレッセ」紙に述べた。子女手当に重きが置かれる
ため、小額の失業給付金を受け取る人々は、このような規則で利益
を得る、との見解を彼は述べた。連立政権は政権綱領に、失業給付
金および緊急支援金に加えて支払われる家族手当を「検討する」、
と記していた。




2月16日(火)

     国外ニュース

国連はイラク人が国会議員選挙に参加するように呼びかける

国連安全保障理事会は、イラク人が間近に迫った国会議員選挙に積
極的に参加するように呼びかけた。国連の最高の委員会は、イラク
の各政党に対して3月7日の投票の結果を、文句を付けずに受け入
れるように、と促した。それまでは「自由、攻勢、透明、適法的、
全ての(人種的)組織が参加する投票」を行なうために必要な準備
を行なわなければならない、と理事会議長の正式な声明の中で、
15カ国からなる安保理は要請した。これを前に国連イラク特使ア
ド メルカールトは、イラクが国連の活動の支援の元で、1,890万
人の有権者を持つイラク各地に、合わせて4万8千箇所の投票所を
設置する、と発表していた。この国連の活動では、選挙中およびそ
の後に、安全対策を強化する用意がある、とも述べていた。

     国内ニュース

ウィーンの住民投票をうけホイプルは結果を迅速に実行する方針

ウィーン市長ミヒャエル ホイプル(社会民主党)は、「できるだ
け早急に」住民投票の結果を実施に移す方針である。飼犬許可書は
夏までに実施する一方、ビルの管理人制度については、国民党を納
得させなければならない。ウィーンの有権者の4分の1ほどが、社
会民主党が政権を持つ同市の住民投票に参加した。5つの問題が、
間近に迫った選挙戦の影響を受けた。週末の地下鉄の夜間運行には
過半数が賛成した。飼犬許可書、ビル管理人制度、全日制学校につ
いても多数が賛成した。ウィーン市への入場料については、反対が
多数をしめた。同市社会民主党にとって、この結果は成功であった
が、野党にとっては大きな失敗であった。




2月17日(水)

     国外ニュース

オバマはダライ ラマを大統領府の迎える

中国からの警告を無視して、米国大統領バラック オバマはダライ
 ラマを大統領府に出迎える。オバマはこれにより、中華人民共和
国との外交的関係の悪化を甘受することになる。中国は会談を行な
った場合には両国関係に影響がある、と警告していた。中国政府
は、亡命生活を送るチベットの宗教界の指導者ダライ ラマが、中
国からの独立を進めている、と非難している。オバマは広報を通じ
て、ダライ ラマを「国際的に尊敬を集めている宗教の指導者」と
会談する、と発表していた。オバマの前任者たちも、ダライ ラマ
を大統領府に迎えていた。米国外務大臣ヒラリー クリントンも、
ダライ ラマと会談する予定である。

     国内ニュース

灰の水曜日にシュトラーヒェは連立政府を攻撃

自由党は政治の「灰の水曜日」の会合をリートで開き、党首ハイン
ツ・クリスティアン シュトラーヒェは、連立政権のさまざまな点
を攻撃した。彼の演説は約70分続いたが、これは過去数年よりはず
っと短いものであった。彼は社会民主党を非難し、連邦首相ウェル
ナー ファイマンは、「国民党にはいつくばったまま」であるし、
国防大臣ノルバート ダラボスは辞任すべきだ、と述べた。外務大
臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は、「臆病者だ」と非
難した。また国民党の内務大臣マリーア フェクターも「強硬な決
まり文句」をもちあわせているだけで、「行動は極めて弱々しい」
ので、国民党はむしろ「大物の見習い」よりも「大物の内務大臣」
を見つけ出すべきだ、と述べた。




2月18日(木)

     国外ニュース

ニジェールでクーデタ 憲法停止が発表される

西アフリカのニジェールでクーデタが発生した後、「民主主義再開
に向けた最高評議会」という名前で、ある将校が憲法の停止を国営
ラジオで発表した。同評議会は、第6共和国が作った全ての制度の
解体」を決定した、と最高指揮官グコイエ アブドゥルカラリムが
声明の中で読み上げた。大統領ママドゥ タンジャは、これより前
に首都ニアメ近郊の兵舎に、拘禁された模様である。匿名の関係者
がAFP通信に、タンジャに付き添っていた将校も、ニアメの西20
キロにあるトンディビア駐屯地に運ばれた、と述べた。閣僚数人
も、大統領宮殿の近くの建物に拘禁された、とのことである。

     国内ニュース

内相はエーベラオの亡命希望者施設の建設に再び理解を求める

内務大臣マリーア フェクター(国民党)は、ブルゲンラント州の
村エーベラオの住民に対して、亡命希望者の受け入れ施設の建設を
納得してもらおうと、最後の努力を行なっている。住民にあてた文
書をAPA通信に示し、その中で彼女は、経済的な利益があることを
その論拠としている。この書簡の中で彼女は、住民が日曜日の住民
投票で拒否した場合には、この施設を建設しない、と保証してい
る。




2月19日(金)

     国外ニュース

英国はフォークランド諸島の石油採掘を主張

アルゼンチンが激しい抗議をしているにもかかわらず、英国はフォ
ークランド諸島で石油を求めて採掘を行なう方針である。アルゼン
チンの沖合いの英国の領土内での採掘は、来週にも始まる、と昨日
ロンドンで開かれたフォークランド集会の代表は発表した。石油採
掘の装置は、すでに群島の海面に到着している。南大西洋のフォー
クランド諸島へ進路を取る船舶に対するアルゼンチンの監視台は、
予想外にまだできていない、とのことである。同諸島は英国に属し
ているが、アルゼンチンも領有を主張している。1982年にはアル
ゼンチン軍が同諸島を攻撃し、英国とのフォークランド戦争が起
き、軍事衝突がこの紛争を決着させた。

     国内ニュース

カールは大学に新財政基盤計画を約束

科学大臣ベアトリクス カール(国民党)は、各総合大学に新たな
財政基盤計画を作る、と約束した。単科大学の場合には正規学生
1人ごとに資金が支払われており、総合大学の学長も同様の要請を
していたが、政治からは無視された。「正規学生1人ごとに大学に
資金を割り当てるのは、極めて意義深い」とカールは「プレッセ」
紙に述べた。現在の法律上の計画は「的外れではない」が、これに
関する話し合いはすでに、大学大和の中で行なわれている。ひとま
とめでの予算ではなく、単科大学風の予算のあり方を導入すれば、
大学が学生の頭数で安定した資金を得られる。単科大学の場合は平
均して、年に5千8百オイロである。ただし学生数の上限を定める
のは、前提条件である、ともカールは述べた。




2月20日(土)

     国外ニュース

ブラジル大統領ルラが後継者を指名

ブラジルの与党労働党は、大統領府長官ジルマ ロウセフを、次期
大統領候補に指名した。ロウセフは現大統領で党首のルイス イナ
シオ ルラ ダ シルヴァの意中の後継者である。大統領選挙は
10月3日に行なわれる。ロウセフの最重要対立候補は、サン パウ
ロ州知事で、野党社会民主党の推すジョゼ セッハである。現在の
世論調査によれば、ロウセフがセッハを5%から11%引き離してい
る。ロウセフは4月上旬までに、現在のルラ政権の閣僚を辞任する
ことになる。62歳の彼女は、父親がブルガリア系で、若いときは
左翼ゲリラ組織で活動し、1970年に軍事独裁体制下で逮捕された
後、激しい拷問を受けた、とされている。その後彼女はゲリラ活動
から身を引き、80年代には政治活動を開始していた。2002年に大
統領に選ばれた労働組合の指導者ルラが、彼女をエネルギー大臣に
指名し、2005年に大統領府長官になっていた。彼女は離婚し、娘
が1人いる。

     国内ニュース

エーベラオの亡命希望者収容施設建設をめぐり住民投票

ブルゲンラント州南部の村落エーベラオでは、日曜日に亡命希望者
収容施設の建設計画をめぐり、住民投票が行なわれる。住民はこの
計画を支持するかどうか、意志を問われる。995人が投票権を持っ
ている。投票所はエーベラオ、ガース、クロアチア エーレンスド
ルフ、クルム、ウィンテンにある。投票所は夜10時に閉鎖され
る。最終結果は市長ワルター シュトロブル(国民党)が22時半
に発表する。




2月21日(日)

     国外ニュース

パキスタンでまたタリバーンの指導者が逮捕されたとの報道

米国のテレヴィ局フォックスは、パキスタン北西部で行方を追及し
ているタリバーンの指導者10人のうち1人を、パキスタン警察が逮
捕した、と報じた。同局がインターネット上で報じたところによれ
ば、数日前に逮捕されたパキスタンのタリバーンの軍最高幹部で、
タリバーンの指導者ムッラー ムハンマド オマルに次ぐ第2の高
官ムッラー アブドゥル ガニ バラダルの示唆に基づいて、ムル
ヴィ カビルを逮捕した。カビルはタリバーンが勢力を握っていた
時期に、カブールの東にあるナンガハル州の知事を務めていた。バ
ラダルの逮捕に続いてタリバーンの指導者2人が、パキスタンには
いる、との報道がなされたが、木曜日には米国国防省広報がこれを
確認していた。

     国内ニュース

ファイマンのもとで首脳会談 銀行税をめぐり駆け引き

月曜日に連邦首相府では、銀行をめぐる首脳会談が始まる。中心と
なる議題は、連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)がの
ぞんでいる銀行税である。これにより首相は、昨年国家による支援
で支えた金融業界を、きき解消するための費用を分担させ、金融恐
慌が去った後に緊迫する国家財政の負担を軽減しようとしている。
専門家は、この首脳会談がより大きな税制議論の出発点となる、と
見ている。ファイマンの計画によれば、銀行安定化税の導入は
2011年に行なわれる。国民党は今までこれを拒否する姿勢を示
し、銀行は反対の論拠を集めているが、国民の中にはこれを支持す
る声はない。この税金は、決算総額を土台とするもので、自己資本
およびさらなる控除金額に関する問題を解決する。税率は0.07%と
する、との話が出ていた。




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